「風魔!」
氏政様が叫ぶと同時に風が霧散し忍び殿が姿を現します。
見慣れているとはいえ毎度驚いてしまうのは僕だけではないと思いたいところです。
「一体何を……その怪我はなんじゃ!」
忍び殿は氏政様が驚くほどぼろぼろでした。
顔を初め至る所に何かに強く叩かれたような痕や切り傷があり、鉢金には大きな罅が入っています。
何事かと青褪める氏政様に忍び殿は身振り手振り時々筆談で話し始めます。
その内容が気になるものの、僕は手当ての道具を取りにいくためその場を離れました。
氏政様が叫ぶと同時に風が霧散し忍び殿が姿を現します。
見慣れているとはいえ毎度驚いてしまうのは僕だけではないと思いたいところです。
「一体何を……その怪我はなんじゃ!」
忍び殿は氏政様が驚くほどぼろぼろでした。
顔を初め至る所に何かに強く叩かれたような痕や切り傷があり、鉢金には大きな罅が入っています。
何事かと青褪める氏政様に忍び殿は身振り手振り時々筆談で話し始めます。
その内容が気になるものの、僕は手当ての道具を取りにいくためその場を離れました。
薬やら包帯やらを持ってきた頃にはお二人の話はすっかり終わっていました。
忍び殿は氏政様以外に触れられるのは嫌らしく、自分で手当てをされたのですが、流石名のある方動きに一切の無駄がありません。
しかしこの方をここまで傷つけられる者がいようとは。
もしや相手は戦国最強と言われる本田忠勝だろうかと考えながら、僕は何とはなしに机に視線を向けました。
そこには先ほど筆談に使われた紙があり、片倉小十郎、武器・葱と書かれていました。……葱?
それともう一つ、三冊の書物が並べられていました。
忍び殿は氏政様以外に触れられるのは嫌らしく、自分で手当てをされたのですが、流石名のある方動きに一切の無駄がありません。
しかしこの方をここまで傷つけられる者がいようとは。
もしや相手は戦国最強と言われる本田忠勝だろうかと考えながら、僕は何とはなしに机に視線を向けました。
そこには先ほど筆談に使われた紙があり、片倉小十郎、武器・葱と書かれていました。……葱?
それともう一つ、三冊の書物が並べられていました。
老人のための性愛術指南
すろぉ・せっくすのススメ
ぽりねしあん・せっくす入門
すろぉ・せっくすのススメ
ぽりねしあん・せっくす入門
……えーと。
全部著者が松永久秀で、題からしてとても卑猥で破廉恥な感じがします。
これはつまり夜の指南書というものではないのでしょうか。
全部著者が松永久秀で、題からしてとても卑猥で破廉恥な感じがします。
これはつまり夜の指南書というものではないのでしょうか。