目が覚めた時、外は薄ぼんやりと冬の夜が明ける頃だった。
気怠い身体を無理矢理起こし、最低限の身支度をし、隣に眠る政宗殿を起こす。
交わす言葉はほとんどなかった。
気恥ずかしさも少しあったが、それよりも、言葉が、この脆い空間を壊してしまいそうで、喋れなかった。
ここで良いという政宗殿の言葉を遮り、大門まで見送る為に外へ出た。
新春の明け方は未だ寒く、だがその分隣に寄り添う熱は温かかった。
俺も、政宗殿も、遂に一言も喋る事なく別れた。
交わす目線だけで別れを告げた。
気怠い身体を無理矢理起こし、最低限の身支度をし、隣に眠る政宗殿を起こす。
交わす言葉はほとんどなかった。
気恥ずかしさも少しあったが、それよりも、言葉が、この脆い空間を壊してしまいそうで、喋れなかった。
ここで良いという政宗殿の言葉を遮り、大門まで見送る為に外へ出た。
新春の明け方は未だ寒く、だがその分隣に寄り添う熱は温かかった。
俺も、政宗殿も、遂に一言も喋る事なく別れた。
交わす目線だけで別れを告げた。
それが、俺の初めての後朝だった。
その頃の本願寺。
「もう許してくれ!金か!?金がいるんか!?ぎゃぁぁぁ!!!」
悲愴な叫び声を上げているのは、本願寺顕如その人である。
そのボテ腹を、臓腑が捩れんばかりに踏み付けているのは、頬に傷のある、精悍な顔つきの、そう、女性だ。
「まだだ…政宗様の女に手ぇ出そうとした奴ぁ…前へ出ろ…前だっ!!」
「ぴぎゃあぁぁあぁぁぁ!!」
こうして、顕如は顕如で、女性に踏み躙られたいという願望をちゃっかり果たしていた様だった・・・。
悲愴な叫び声を上げているのは、本願寺顕如その人である。
そのボテ腹を、臓腑が捩れんばかりに踏み付けているのは、頬に傷のある、精悍な顔つきの、そう、女性だ。
「まだだ…政宗様の女に手ぇ出そうとした奴ぁ…前へ出ろ…前だっ!!」
「ぴぎゃあぁぁあぁぁぁ!!」
こうして、顕如は顕如で、女性に踏み躙られたいという願望をちゃっかり果たしていた様だった・・・。




