「はあっああっあっあっ」
早くも氏政は、強い快感に耐え切れずに、頭をふるふると振り、ぽろぽろと涙を零している。
それでもかまわず、小太郎は抜き差しを繰り返した。
それでもかまわず、小太郎は抜き差しを繰り返した。
氏政は、清楚可憐の形容が相応しい容貌をしている。
面立ちもまだあどけなさを残していて、色事とは程遠い印象がある。
男好きするいい身体つきをしてはいるが、女特有の濃厚な艶かしさは持ち合わせていない。
だが、こうして抱いてみれば、艶かしさを露わにし、驚くほど情欲を駆り立てる。
面立ちもまだあどけなさを残していて、色事とは程遠い印象がある。
男好きするいい身体つきをしてはいるが、女特有の濃厚な艶かしさは持ち合わせていない。
だが、こうして抱いてみれば、艶かしさを露わにし、驚くほど情欲を駆り立てる。
はらはらと涙を零し喘ぐその姿は、まるで獣に犯される穢れのない乙女だ。
小太郎が何度か突く度に、氏政は身体を仰け反らせ、達する。
その度に、喘ぎ声も、弱弱しく甘いものに変わっていく。
その度に、喘ぎ声も、弱弱しく甘いものに変わっていく。
氏政は小太郎の首に手を回し、必死にしがみついている。
小太郎は、氏政が一際高い声をあげたと同時に、最奥に精を吐き出した。
小太郎は、氏政が一際高い声をあげたと同時に、最奥に精を吐き出した。
大きな月が、煌々と小田原を照らしている。
…まだまだ夜は長かった。
…まだまだ夜は長かった。
小太郎の胸板を枕代わりに、氏政がぐったりと寝そべっている。
以前よりは幾らか身体は楽だが、やはり行為に伴う疲労は拭えない。
小太郎は明らかに加減をしていた。小太郎はこれで満足なのだろうか。
小太郎は明らかに加減をしていた。小太郎はこれで満足なのだろうか。
…加減してもらっても、今のまま小太郎の相手をしていると身体が持たないだろう。
やはり、少しずつでも体力をつけた方がいいだろうか。
子を孕んだとしても、おそらく今のままでは無事に産めない。
やはり、少しずつでも体力をつけた方がいいだろうか。
子を孕んだとしても、おそらく今のままでは無事に産めない。
今度から、病気で休みがちだった日課の槍術の鍛錬に力を入れよう。
…と、氏政はぼんやり考えていた。
…と、氏政はぼんやり考えていた。
ふと、氏政は小太郎に語りかけた。
「…お前は本当に酔狂な奴じゃのう」
「……」
「わしの様な何処にも貰い手が付かなかった出来損ないを相手にするとは。」
「……」
「……」
「わしの様な何処にも貰い手が付かなかった出来損ないを相手にするとは。」
「……」
小太郎は知っている。
氏政が「出来損ない」だから、嫁にやられなかった訳ではないと。
いつか使えると踏んで、取り置かれた「道具」ではあったが。
氏政が「出来損ない」だから、嫁にやられなかった訳ではないと。
いつか使えると踏んで、取り置かれた「道具」ではあったが。
彼女と初めて出会ったのは、先代の小田原城主に呼ばれて、離れに控えていた時だった。
その時は、北条に雇われたばかりで長期契約するかどうかさえも決めていなかった。
ただ、先の戦場での活躍を絶賛され、北条や家臣らに、傭兵ではなく仕官する様説得されていた。
ただ、先の戦場での活躍を絶賛され、北条や家臣らに、傭兵ではなく仕官する様説得されていた。
その傍らで、彼女は静かに座っていた。
…肌から髪から何まで白いその容貌は衝撃的だったが、それ以外取り立てて気になる所はなかった。
…肌から髪から何まで白いその容貌は衝撃的だったが、それ以外取り立てて気になる所はなかった。
先代当主は、彼女を横目で見ながら、そっと耳打ちしてきた。
「風魔、わしの孫娘は可愛かろう?
…どうじゃ、お前が北条に末永く仕えると約束するなら、お前にやっても良いぞ?」
…どうじゃ、お前が北条に末永く仕えると約束するなら、お前にやっても良いぞ?」
普段から「わしは兵に恵まれん」と嘆いていたが、まさか忍風情に孫娘を差し出す様な
真似をするとは、孫娘が可愛くないのか、と半ば呆れたものだった。
真似をするとは、孫娘が可愛くないのか、と半ば呆れたものだった。
この頃はまだ、他意はなかった。…ただ、今にも消え入りそうな儚さが、酷く悲しく見えた。
「自らと引き換えに、北条家を再興させた」
経緯はともかく、結果は同じような事になっている。
経緯はともかく、結果は同じような事になっている。
氏政は、何処までも儚く悲しい女なのだと思う。
今も昔も、彼女に対する印象は変わらない。何処まで行っても、悲しい。
きっと、生きていくしかない状況に置かれた氏政は、自分に縋るしかないのだろう。
今も昔も、彼女に対する印象は変わらない。何処まで行っても、悲しい。
きっと、生きていくしかない状況に置かれた氏政は、自分に縋るしかないのだろう。
――そんな彼女の脆さにつけこんでいる様で、少し胸が痛む。
もうそんな感情は「風魔小太郎」の名を背負った時から、どこぞかに置き忘れて来たと思っていた。
自分はまだ、僅かながらに、人であった頃の残骸を持っていたのだ、と改めて実感する。
自分はまだ、僅かながらに、人であった頃の残骸を持っていたのだ、と改めて実感する。
その胸の痛みを紛らわせる様に、小太郎は氏政の身体をそっと抱きしめた。




