佐助は千代女の屋敷に戻ると事の顛末を報告した。
「お前ともあろう者がみすみす取り逃がしたと言うのか!?」
千代女の扇が真っ二つに割れた。
怒りの余り千代女の顔色は青くなりワナワナ震えている。
佐助はじっと静かに頭を垂れていた。
「我が甲賀の禁術、敵方に漏れて何とする!?答えや佐助!!」
「――畏れながら」
佐助は淡々と理由を告げた。
かすがは禁術を会得しているもののまだ未熟で、とても他の忍に秘儀を伝授するだけの
能力が備わっていない事。
今突然望月が単独で上杉に戦を仕掛ければ、武田から叛意有りと受け取られかねない事。
最後に今回かすがを使ったのは千代女の独断であり、武田の意向では無い事。
「くっ……」
流石の千代女も黙るしか無かった。
「……下がって良い」
不機嫌な表情のまま、千代女は佐助を下がらせた。
誰も居なくなると千代女は割れた扇を力任せに襖に投げ付け爪を噛む。
(何と口惜しい)
かすがの代わりを早急に育てねばならない。
しかしそうは言っても適当な者などなかなか居る筈もなく、千代女は臍を噛んだ。
先に織田方へ送り込むべきだったと後悔したが後の祭りだ。
(まこと口惜しい事よ)
「お前ともあろう者がみすみす取り逃がしたと言うのか!?」
千代女の扇が真っ二つに割れた。
怒りの余り千代女の顔色は青くなりワナワナ震えている。
佐助はじっと静かに頭を垂れていた。
「我が甲賀の禁術、敵方に漏れて何とする!?答えや佐助!!」
「――畏れながら」
佐助は淡々と理由を告げた。
かすがは禁術を会得しているもののまだ未熟で、とても他の忍に秘儀を伝授するだけの
能力が備わっていない事。
今突然望月が単独で上杉に戦を仕掛ければ、武田から叛意有りと受け取られかねない事。
最後に今回かすがを使ったのは千代女の独断であり、武田の意向では無い事。
「くっ……」
流石の千代女も黙るしか無かった。
「……下がって良い」
不機嫌な表情のまま、千代女は佐助を下がらせた。
誰も居なくなると千代女は割れた扇を力任せに襖に投げ付け爪を噛む。
(何と口惜しい)
かすがの代わりを早急に育てねばならない。
しかしそうは言っても適当な者などなかなか居る筈もなく、千代女は臍を噛んだ。
先に織田方へ送り込むべきだったと後悔したが後の祭りだ。
(まこと口惜しい事よ)




