庭の縁側で愛は感嘆した。
「本当だ。あの姉ちゃんそっくりだべ」
愛にまでそう言われて翠は狼狽える。
政宗と良い幸村と良い、雲の上の人達が何故自分の父や母を知って居るのだろう。
「な?言った通りだろ」
何故か誇らしげに政宗が言う。
「懐かしいだ。おめぇの母ちゃんが軍神の側に居たのがついこの間の事みてぇだ」
「お前が一揆の連中纏め上げてたのもな」
隣に坐る煙管を持った政宗が横から口を挟む。
「藤治郎様!」
愛が唇を尖らせた。政宗は本当の事だろうが、とくつくつ笑う。
少し年が離れているが政宗と愛はとても仲睦まじい。
どこか兄妹を思わせるような雰囲気も持っていた。
「私の母はどんな人でしたか?」
勇気を出して翠は尋ねた。
「そうだなぁ……」
政宗は煙草盆に肘を付き、煙管を咥えながら良く澄んだ空を見て考える。
「血の気が多くて、思い込みが激しくて、怒ると怖い――って痛ぇぞ愛!」
愛に尻を抓られ政宗は悲鳴を上げた。妻の怪力は健在だ。
「そんな事ばっか言うでねぇ、藤治郎様」
ブツブツ文句を言う政宗を尻目に愛は翠の方を向く。
長く美しい銀の髪が幾筋か前に垂れた。
「堪忍な。おめぇさんの聞きたい答えじゃなかったべ?」
「いいえ、母の良い事も悪い事も聞き及んで居ります」
その落ち着いた態度に愛は感心した。
「おめぇさん優しくて聡いだな。――隼人」
控えていた隼人が愛を見る。
「おめぇも嫁子貰うならこう言う娘っ子にするだよ」
それを聞いてカラカラと政宗が笑った。
「そうだぜ、隼人。小十郎も娶ったんだ、序にお前も祝言挙げちまいな」
「本当だ。あの姉ちゃんそっくりだべ」
愛にまでそう言われて翠は狼狽える。
政宗と良い幸村と良い、雲の上の人達が何故自分の父や母を知って居るのだろう。
「な?言った通りだろ」
何故か誇らしげに政宗が言う。
「懐かしいだ。おめぇの母ちゃんが軍神の側に居たのがついこの間の事みてぇだ」
「お前が一揆の連中纏め上げてたのもな」
隣に坐る煙管を持った政宗が横から口を挟む。
「藤治郎様!」
愛が唇を尖らせた。政宗は本当の事だろうが、とくつくつ笑う。
少し年が離れているが政宗と愛はとても仲睦まじい。
どこか兄妹を思わせるような雰囲気も持っていた。
「私の母はどんな人でしたか?」
勇気を出して翠は尋ねた。
「そうだなぁ……」
政宗は煙草盆に肘を付き、煙管を咥えながら良く澄んだ空を見て考える。
「血の気が多くて、思い込みが激しくて、怒ると怖い――って痛ぇぞ愛!」
愛に尻を抓られ政宗は悲鳴を上げた。妻の怪力は健在だ。
「そんな事ばっか言うでねぇ、藤治郎様」
ブツブツ文句を言う政宗を尻目に愛は翠の方を向く。
長く美しい銀の髪が幾筋か前に垂れた。
「堪忍な。おめぇさんの聞きたい答えじゃなかったべ?」
「いいえ、母の良い事も悪い事も聞き及んで居ります」
その落ち着いた態度に愛は感心した。
「おめぇさん優しくて聡いだな。――隼人」
控えていた隼人が愛を見る。
「おめぇも嫁子貰うならこう言う娘っ子にするだよ」
それを聞いてカラカラと政宗が笑った。
「そうだぜ、隼人。小十郎も娶ったんだ、序にお前も祝言挙げちまいな」




