秀吉は生きていた。
生きていたけど他の誰も生きていなかった。
秀吉が殺したから。
秀吉が殺したから。
それから暫くして秀吉はねねを殺した。
大好きな秀吉。
大好きなねね。
どうしてと聞いても返って来るのは「お前にはわからぬ」だだそれだけ。
分からないから憎む事さえ出来なくて、俺はただ一人取り残されたまま過ごした。
それから暫くして聞いた秀吉の話を俺は何処か人事の様に聞いていた。
分からないから憎む事さえ出来なくて、俺はただ一人取り残されたまま過ごした。
それから暫くして聞いた秀吉の話を俺は何処か人事の様に聞いていた。
きっとまた俺なんかには分からないって跳ねのけるんだ。
秀吉の冷たい瞳なんてもう見たくなかった。
だけど、気付いちゃったんだよね。
自分が秀吉と決着を着けない限り、もう一歩も動けなくなってたことに。
秀吉の冷たい瞳なんてもう見たくなかった。
だけど、気付いちゃったんだよね。
自分が秀吉と決着を着けない限り、もう一歩も動けなくなってたことに。
「何で秀吉を止めなかった。」
目の前の半兵衛は答えずに片膝を付いて荒く息をついていた。
「僕は…ぐっ!」
「半兵衛!?」
話しかけて咳き込む半兵衛を見て愕然とする。
半兵衛は血を吐いていた。
そのおびただしい量を見れば、医学に疎い自分でももう長くない事が分かった。
目の前の半兵衛は答えずに片膝を付いて荒く息をついていた。
「僕は…ぐっ!」
「半兵衛!?」
話しかけて咳き込む半兵衛を見て愕然とする。
半兵衛は血を吐いていた。
そのおびただしい量を見れば、医学に疎い自分でももう長くない事が分かった。
「半兵衛。お前……。」
「……何で今更来たんだ。」
かすれる様な声で半兵衛が呟く。
「君は何時も諦めてたじゃないか。僕よりも健康で僕よりも確実に生きられる体を持っているくせに。今更秀吉を取り戻しに来たの?ふざけないでくれないか!」
次第に語調が強くなり、また激しく咳き込む。
「馬鹿!しゃべるな!……おい!」
仲間の一人に声をかけ手当てを頼む。
「……何で今更来たんだ。」
かすれる様な声で半兵衛が呟く。
「君は何時も諦めてたじゃないか。僕よりも健康で僕よりも確実に生きられる体を持っているくせに。今更秀吉を取り戻しに来たの?ふざけないでくれないか!」
次第に語調が強くなり、また激しく咳き込む。
「馬鹿!しゃべるな!……おい!」
仲間の一人に声をかけ手当てを頼む。
「馬鹿なことを。相変わらず君はお人好しだ。」
「お前を助けられるなら、別に俺はお人好しで良いよ。もう一度秀吉に会いたいだろ?」
辛そうにしながら皮肉な笑みを浮かべていた半兵衛が最後の一言で顔色を変えた。
「お前を助けられるなら、別に俺はお人好しで良いよ。もう一度秀吉に会いたいだろ?」
辛そうにしながら皮肉な笑みを浮かべていた半兵衛が最後の一言で顔色を変えた。
「秀吉…。」
名前を口にして半兵衛の瞳が揺らぐ。
「……側に居たかった、こっちを見て欲しかった。秀吉が望むなら何だってする。……いや、少し違うか。秀吉が僕を必要としてくれるなら、僕は――。」
懺悔するように、吐き出すように半兵衛は巻くし立てた。
「……側に居たかった、こっちを見て欲しかった。秀吉が望むなら何だってする。……いや、少し違うか。秀吉が僕を必要としてくれるなら、僕は――。」
懺悔するように、吐き出すように半兵衛は巻くし立てた。
半兵衛は泣いていた。
顔色が悪い。
「二人で何かを成せたら、忘れないでいてくれるって。」
「半兵衛……。」
思わず俺は半兵衛を抱き締めた。
「二人で何かを成せたら、忘れないでいてくれるって。」
「半兵衛……。」
思わず俺は半兵衛を抱き締めた。
秀吉
秀吉
忘れないで側にいたことを
もう直ぐ居なくなる僕を
秀吉
忘れないで側にいたことを
もう直ぐ居なくなる僕を
「もういい。分かった。悪かった。頼むから休んでくれ。」
声にしなくても半兵衛の気持が痛いほど分かった。
もう既に意識を手放しかけていた半兵衛は力尽きる様に目を閉じた。
心音を確認してほっとする。
声にしなくても半兵衛の気持が痛いほど分かった。
もう既に意識を手放しかけていた半兵衛は力尽きる様に目を閉じた。
心音を確認してほっとする。
―――まだ生きている。
俺は半兵衛を頼むと秀吉の所に向かった。
「半兵衛を倒したか。」
秀吉は言った。あのお前がな、と。
どうしてか、あの頃の秀吉とは全然違う表情をしている癖に、その一言を口にした一瞬だけは寂しそうに見えた。
秀吉は言った。あのお前がな、と。
どうしてか、あの頃の秀吉とは全然違う表情をしている癖に、その一言を口にした一瞬だけは寂しそうに見えた。
秀吉は強かった。
だけど手加減されている気もした。
そこではじめて気が付く。
俺は秀吉と本気で戦ったことなんて無かったんだ。
だけど手加減されている気もした。
そこではじめて気が付く。
俺は秀吉と本気で戦ったことなんて無かったんだ。




