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戦国BASARA/エロパロ保管庫

矢車草の夢みたいな事10

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「秀吉と上手くいっているんだろう?」
紅が取れない様に気を付けながら冷めた葛湯に口を付ける。
冷めてもゆずの香りは消えていなかった。
「うん。何か昔みたいに話せる様になれて良かったよ。ほっとした。」
少しずれた慶次の答えに半兵衛は沈痛な面持ちをした。
「……慶次君。」
「うん?」

にこにこと笑う慶次に頭痛がしてくる。
秀吉……どうして君はこんな女を。
「余り聞きたい事でも無いんだが……君と秀吉は男と女の関係になったのだろう?」
「へ?」
ぽかんとして口を開ける慶次に苛々してくる。
「あのね。君と秀吉に何もなかったなんて僕を始め誰も思ってないんだよ。下手にはぐらかすのはやめてくれないか。」
「何もなかったって。」
「そういう事をだよ。」
少し考えて、やっと何の話か気付いたのか慶次は急に顔を朱に染めた。
やれやれなんて手間のかかると半兵衛は湯のみを口に運ぶと焦ったように慶次は巻くし立てた。

「いや、違うって、何もないって、秀吉にはねねがいるし、何かってそんな乳揉まれた位だし。」
「ぶっ。」
半兵衛は思わず葛湯を吹き出しそうになる。
この女は……恥じらいながらも口から飛び出すのはそんな言葉か。
「秀吉の奥方はもう亡くなっているんだよ。しかも昨日今日じゃない。もう随分前に、だ。今更、気兼するような事じゃない。それに――」
半兵衛は慶次を一瞥する。
恋だの何だのと大騒ぎする癖に人の気持には鈍感な癖に、だけど悲しみだけには敏感で、
言うことは甘ったれて滅茶苦茶で、苛々する位ひっかき回されて、それでも何処かにくめ無い。
だから、そういう慶次だから秀吉が好きになる事は分かっていた。
だから近寄らせたくなかったのだ。

「何の気持もなくそういう事をする秀吉じゃない事は君にだって分かっているんだろう?」
そう半兵衛が言うと首まで真っ赤にしたまま、渋々慶次は頷いた。
本当に世話の焼ける。
「君と居ると自分が良い奴になったみたいで不愉快だ。」
「え、半兵衛は昔から良いやつだろ。」
「昔っから大嫌いだったって言っていたじゃないか。」
「だって何時も小言ばかりで叱るだろ。だけど、心配してくれてるんだって分かってたよ。」
余りにも馬鹿らしくて余りにも慶次らしい答えに毒気を抜かれる。

「君は僕と秀吉が何をしてたのか分ってる?」
目的の為に方法を選ばず後も顧みずに唯歩いていた事を。
「秀吉はああする以外なかったのかも知れない。だけど僕がそれを加速させた。」
それを分ってる?そう聞くと慶次は複雑そうな顔をした。
「お前達が言ってた事が全然分らない訳じゃないんだ。」
慶次だって分っていた。自分の無知や力不足が恐ろしい現実を引き起こす事があるのだと。
「だけど本末転倒って言うか。やり方は間違っていたと思う。」
「そう。君ならそう言うだろうね。」
「なあ、半兵衛、俺おかしいよな。そう思うのにお前が秀吉の傍に居て良かったとも思うんだ。」
「どうして?」
「お前が傍に居てくれたから、秀吉は昔の自分を忘れないで居られたんだ。」
「慶――。」
どすどすと廊下の向こうから足音が近づいてくる。
二人ともその足音の主が誰なのか直ぐに分った。慶次がそれを受けるように立ち上がった。
「じゃあ、俺行くから。」
「良いのかい?」
「俺にはわかんない積もる話があるだろ?なあ半兵衛。」
障子を開けかけて慶次が振り返る。
「それが、どんなやり方でもずっと傍で秀吉を支えてたのはお前だったんだよ。」
「……君は本当に。救いがたいほど愚かだね。」
その口調に苦笑しながら慶次は廊下に出る。
障子を閉めかけると中から声が聞こえてきた。
「だけど不本意ながら礼を言わせて貰うよ。―――ありがとう。」

素直じゃないんだからと慶次は口元を緩ませる。向こうから秀吉が歩いてくるのが見えた。
「半兵衛は。」
「起きてるよ。今日は気分が良いみたいだ。」
「そうか。」
秀吉がほっと息を付く。
「じゃ、俺その辺に居るから帰るとき声かけてよ。」
そう言うと秀吉は頷いて部屋に入っていった。

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