「何をしている。」
「あ、秀吉良いところに。」
半兵衛の部屋から出て慶次を探すと、少し先に行った木の上で何やらしている。
慶次はそう言って、ぽいと何かを投げて寄越した。
それは秀吉の手の中でにゃあと鳴いた。
「あ、秀吉良いところに。」
半兵衛の部屋から出て慶次を探すと、少し先に行った木の上で何やらしている。
慶次はそう言って、ぽいと何かを投げて寄越した。
それは秀吉の手の中でにゃあと鳴いた。
「仔猫か。」
「うん、降りれなくなってたみたいで逃がしといて。」
言われるままそっと下に下ろすと目的地があるのか、とと、と迷い無く走り去っていった。
「お前も降りてこい。」
「うん。」
手を広げて待つ秀吉の胸に慶次は迷わず飛込み、秀吉の首に抱きついてえへへと笑った。
「これからどうする?前田んちに泊まるだろ?」
「そうだな。」
慶次を下に下ろし、その顔を見る。
この影りない笑顔を見ると何時も救われる。
「うん、降りれなくなってたみたいで逃がしといて。」
言われるままそっと下に下ろすと目的地があるのか、とと、と迷い無く走り去っていった。
「お前も降りてこい。」
「うん。」
手を広げて待つ秀吉の胸に慶次は迷わず飛込み、秀吉の首に抱きついてえへへと笑った。
「これからどうする?前田んちに泊まるだろ?」
「そうだな。」
慶次を下に下ろし、その顔を見る。
この影りない笑顔を見ると何時も救われる。
慶次君はあれで結構、頑固だから秀吉が頑張らないと駄目だよ。
と半兵衛に言われた。
それは大阪城を落とされたあの日から分かり過ぎるくらい分かっている事だった。
「半兵衛どうだった?綺麗だったでしょ?」
俺が化粧したんだよ。と自慢そうに慶次は笑った。
「お前はああいう格好はしないのか。」
「ああ?俺、俺は駄目だよ。がさつだし、でかいしさ。こう言う方が似合ってる。」
「そうか?」
手を伸ばし高く結い上げた慶次の髪に触れる。
「秀吉?ちょ、ちょっと!」
結紐を解いて髪をおろさせる。
無造作にしているように見えて丁寧に手入れしているのだろう。
指に触る感触が心地良い。さらりと滑り落ちる髪を撫で、頭を撫でて、そのまま顎をなぞる。
それは大阪城を落とされたあの日から分かり過ぎるくらい分かっている事だった。
「半兵衛どうだった?綺麗だったでしょ?」
俺が化粧したんだよ。と自慢そうに慶次は笑った。
「お前はああいう格好はしないのか。」
「ああ?俺、俺は駄目だよ。がさつだし、でかいしさ。こう言う方が似合ってる。」
「そうか?」
手を伸ばし高く結い上げた慶次の髪に触れる。
「秀吉?ちょ、ちょっと!」
結紐を解いて髪をおろさせる。
無造作にしているように見えて丁寧に手入れしているのだろう。
指に触る感触が心地良い。さらりと滑り落ちる髪を撫で、頭を撫でて、そのまま顎をなぞる。
「似合うと思うがな。」
長い髪を結い上げ化粧を施した慶次はきっと華やかで美しいだろうと思う。
強要する気はないし、今のままでも十分だ。
だが、やはり少し惜しいと思わなくもない。
「そっかな。似合うかな。」
と、慶次は頬を染めてうつ向いた。
長い髪を結い上げ化粧を施した慶次はきっと華やかで美しいだろうと思う。
強要する気はないし、今のままでも十分だ。
だが、やはり少し惜しいと思わなくもない。
「そっかな。似合うかな。」
と、慶次は頬を染めてうつ向いた。
「我は良いと思う。」
素直にそう答えると慶次は更に顔を赤くした。
「……考えとく。」
その仕草に愛しさが募る。抱き締めて口付けたい気持をぐっと抑える。
慶次は拒まないだろうが、受け入れられた気がしないのはお互いの思いにすれちがいがあるからか。
素直にそう答えると慶次は更に顔を赤くした。
「……考えとく。」
その仕草に愛しさが募る。抱き締めて口付けたい気持をぐっと抑える。
慶次は拒まないだろうが、受け入れられた気がしないのはお互いの思いにすれちがいがあるからか。
――――結構頑固だよ。
秀吉は溜め息を付いた。
言って通用せぬのなら違う方向から攻めねばなるまい。
「一度、きちんと挨拶せねばなるまいな。」
「へ、誰に?」
「利家とまつ殿に、だ。」
「いきなり何で?」
「可愛い姪を貰い受けるのだから、当然であろう。」
きょとんとした顔で慶次は秀吉を見た。
言って通用せぬのなら違う方向から攻めねばなるまい。
「一度、きちんと挨拶せねばなるまいな。」
「へ、誰に?」
「利家とまつ殿に、だ。」
「いきなり何で?」
「可愛い姪を貰い受けるのだから、当然であろう。」
きょとんとした顔で慶次は秀吉を見た。
「利達の可愛い姪……は俺。」
「うむ。」
「を貰うって、秀吉が?」
「他に誰がいる。」
「それで、きちんと挨拶……って何か嫁に行く話みたいなんだけど。」
「あっているぞ。」
「え、えーちょっと待ってくれよ。」
「うむ。」
「を貰うって、秀吉が?」
「他に誰がいる。」
「それで、きちんと挨拶……って何か嫁に行く話みたいなんだけど。」
「あっているぞ。」
「え、えーちょっと待ってくれよ。」
混乱したように動く慶次の手を掴む。
「さて、では行くか。正式には後でするとしても、挨拶だけは早い方が良いだろう。」
慶次は恐らく分かってはいるのだ。
だが最後の一歩が踏み出せないのだろう。
慶次をそんな風にさせた原因が自分にもないとは言えない。
ならば、背中を押すまでだ。
待って待ってと騒ぐ慶次の手を引いて秀吉は前田家へ向かっていった。
「さて、では行くか。正式には後でするとしても、挨拶だけは早い方が良いだろう。」
慶次は恐らく分かってはいるのだ。
だが最後の一歩が踏み出せないのだろう。
慶次をそんな風にさせた原因が自分にもないとは言えない。
ならば、背中を押すまでだ。
待って待ってと騒ぐ慶次の手を引いて秀吉は前田家へ向かっていった。




