剣よりもはるかに長い、乱入者のその武器は――
「長曾我部殿、僭越ながら、ここはまつめにお預けください」
薙刀に戦装束。腰に佩くは長刀。
三つ指ついて元親を見送ったまつがなぜここに。
元親たちが乗ってきた小舟にもぐりこむのは時間的にも不可能だし、隠れる場所もない。
三つ指ついて元親を見送ったまつがなぜここに。
元親たちが乗ってきた小舟にもぐりこむのは時間的にも不可能だし、隠れる場所もない。
だが今は、悩んでいる場合ではない。
一刻も早く秀吉のところへ。
一刻も早く秀吉のところへ。
「助かったぜ! 間違っても死ぬんじゃねえぞ!」
「心得てござります。皆さまが拾ってくだすった生命、どうして無駄にできましょうか」
「心得てござります。皆さまが拾ってくだすった生命、どうして無駄にできましょうか」
半兵衛の、心なしか焦ったような声が踵を返した元親の背を追うが、それで足を止めるほど親切ではない。
走りながら、カジキマグロを釣りに来たときに前田夫妻に船の繰りかたを教えたことを思い出したりした。
夫婦そろって恐ろしく筋がよく、あんたらきっといい船乗りになれると、元親は舌を巻いたのだった。
小舟を見つけ、腕一本で軍艦に乗りこんできたのだろう。
走りながら、カジキマグロを釣りに来たときに前田夫妻に船の繰りかたを教えたことを思い出したりした。
夫婦そろって恐ろしく筋がよく、あんたらきっといい船乗りになれると、元親は舌を巻いたのだった。
小舟を見つけ、腕一本で軍艦に乗りこんできたのだろう。
そしてきっと、あの奥方はずっと、良人を三つ指ついて戦場に送りだし、遅れて自分も出陣してきたのだろう、と思った。
戦場でさえも、槍の又左との勇名をとどろかす良人のそばに控えて。
戦場でさえも、槍の又左との勇名をとどろかす良人のそばに控えて。
――いいねえ、ますます好みだ。




