燃える。焼ける。蹂躙される。
それは圧倒的な力。
疲弊した兵を丸ごと?みこんで津波のごとく成長する。
それは圧倒的な力。
疲弊した兵を丸ごと?みこんで津波のごとく成長する。
もの言わぬ屍の中、その男は威風堂々と立っていた。
その両の手が、ひとりの兵を吊り上げている。
吊り下げられている男とて均整のとれた長身だが、吊り上げている方は常人離れした巨躯だった。
その両の手が、ひとりの兵を吊り上げている。
吊り下げられている男とて均整のとれた長身だが、吊り上げている方は常人離れした巨躯だった。
「犬千代様……!」
まつはもがいた。薙刀を支えに身体を起こそうとするが、それすらままならない。
「ああ……どうか、どうかまつめの生命と引き換えに!」
――おお、よく来たな。
――慶次、お友達が来ていますよ!
――慶次、お友達が来ていますよ!
あの懐かしい日の記憶は、まだ鮮明に残っているというのに!
震える膝を叱咤して立ち上がったまつは、そのときを目の当たりにした。
ごきり、という骨の砕ける音が、残酷なほど鮮明に聞こえた。
満足に動かぬ身体は、悲鳴さえあげられなかった。
ごきり、という骨の砕ける音が、残酷なほど鮮明に聞こえた。
満足に動かぬ身体は、悲鳴さえあげられなかった。
もの言わぬ良人の身体は、どさりと重たげに地面に落とされた。




