「半兵衛は、貴様を斬ったと言っていた」
「見事に斬られたさ。ただ、あいにく閻魔さまには嫌われててね」
「見事に斬られたさ。ただ、あいにく閻魔さまには嫌われててね」
利益――慶次は、吐き捨てるように言った。
「退けよ。この戦はおまえの負けだ。
――これだけの犠牲を出して、自分さえ無事ならまだ覆せるなんて言うなよ。
そんなこと言ったら、俺は大将としてのおまえも見損なう」
――これだけの犠牲を出して、自分さえ無事ならまだ覆せるなんて言うなよ。
そんなこと言ったら、俺は大将としてのおまえも見損なう」
大将としての秀吉を見損なうということは、以前、別の意味でこの男を見損なうような出来事があったのだろうか。
蚊帳の外に追い出された元親は場違いに想像するが、考えても詮無きことではあった。
正解は慶次の胸にしかない。
蚊帳の外に追い出された元親は場違いに想像するが、考えても詮無きことではあった。
正解は慶次の胸にしかない。
慶次もまつもこれ以上戦うつもりはないようだった。
秀吉は慶次を見、まつを見て、そして元親に再び向き直った。得物の柄を握り直す。
秀吉は慶次を見、まつを見て、そして元親に再び向き直った。得物の柄を握り直す。
しかし目の前の覇王は、存外穏やかな声で言った。
「長曾我部……おまえの力はわかった。今日のところは退こう」
「お、おう」
「お、おう」
こんな堂々と言われても、反応に困る。
しかしなぜ俺の力なんだ? と元親は我ながら疑問だった。
そうまで言われるようなことはしていないような気もするのだが、まあどうだっていい。
とりあえず、長曾我部家の危機は過ぎたのだ。
しかしなぜ俺の力なんだ? と元親は我ながら疑問だった。
そうまで言われるようなことはしていないような気もするのだが、まあどうだっていい。
とりあえず、長曾我部家の危機は過ぎたのだ。
――大きな損害を出した豊臣軍は、大坂へと兵を退いた。
秀吉や半兵衛を捕虜にしていれば、というような声もなくはなかったが、あんなのを捕虜にしたら面倒で仕方ない。
化け物を生け捕りにしようなどとしたら、こちらが喰われつくしてしまうところだ。
秀吉や半兵衛を捕虜にしていれば、というような声もなくはなかったが、あんなのを捕虜にしたら面倒で仕方ない。
化け物を生け捕りにしようなどとしたら、こちらが喰われつくしてしまうところだ。
こうして、四国上陸戦は豊臣の敗北に終わり、毛利水軍と、何より長曾我部軍の名は一気に高まり、
天下に最も近い勢力のひとつとして語られることとなった。
天下に最も近い勢力のひとつとして語られることとなった。




