「どういう意味でござろうか?」
「一人で入るのが好きなんじゃないかしら。」
なるほどと幸村は納得した。そういう人もあるであろう。
「一人で入るのが好きなんじゃないかしら。」
なるほどと幸村は納得した。そういう人もあるであろう。
「わあ……。」
「すごうござるな。」
大浴場は広く外の絶景が見られるようにと趣向を凝らしている。
これならば露天風呂とまではいかなくとも十分堪能できるだろう。
軽く体を流し一番見晴らしの良さそうな所に行くと先客がいた。
「すごうござるな。」
大浴場は広く外の絶景が見られるようにと趣向を凝らしている。
これならば露天風呂とまではいかなくとも十分堪能できるだろう。
軽く体を流し一番見晴らしの良さそうな所に行くと先客がいた。
女は湯船の縁に腰をかけ穏やかな表情で外を眺めていた。
半兵衛とは違う健康的な白をした肌。
しなる様な細い体に不釣り合いなほど宝満な胸がついている。
市とはまた違う妖艶な姿に幸村は思わず釘付けになった。
半兵衛とは違う健康的な白をした肌。
しなる様な細い体に不釣り合いなほど宝満な胸がついている。
市とはまた違う妖艶な姿に幸村は思わず釘付けになった。
女はちらりと幸村を見るとほほ、と笑った。
「虎の若子と浅井の妖婦か、苦しゅうない。ちこう寄れ。間もなく日が沈むでの。絶景でおじゃるよ。」
聞き覚えのある声だ。知り合いだろうかと幸村が考えていると。
「あら、あなた……ふふ。相変わらずなのね。」
と市が笑った。
「虎の若子と浅井の妖婦か、苦しゅうない。ちこう寄れ。間もなく日が沈むでの。絶景でおじゃるよ。」
聞き覚えのある声だ。知り合いだろうかと幸村が考えていると。
「あら、あなた……ふふ。相変わらずなのね。」
と市が笑った。
やはり知り合いなのだろうか。
済まないと思いつつ問おうとすると女は
「ほれ、竹千代。もう良い頃合いぞ。早う来い。」
と奥に呼び掛けた。
済まないと思いつつ問おうとすると女は
「ほれ、竹千代。もう良い頃合いぞ。早う来い。」
と奥に呼び掛けた。
「はい!義元様!」
ざぶざぶと見慣れた少女が走ってくる。
「家康殿!」
「おう!幸村にお市殿か!おめえらも来てたのか!」
愛らしい、気持の良い笑顔で家康はにこっと笑った。
それに釣られて幸村もニコリと笑う。
「戦国最強殿もこられているのか?」
「おうよ!って言っても流石に部屋で留守番だけどな。」
錆びちゃ堪んねえからな。と言いながら家康は美女の方にザブザブと進んで行く。
ざぶざぶと見慣れた少女が走ってくる。
「家康殿!」
「おう!幸村にお市殿か!おめえらも来てたのか!」
愛らしい、気持の良い笑顔で家康はにこっと笑った。
それに釣られて幸村もニコリと笑う。
「戦国最強殿もこられているのか?」
「おうよ!って言っても流石に部屋で留守番だけどな。」
錆びちゃ堪んねえからな。と言いながら家康は美女の方にザブザブと進んで行く。
そういえばさっき義元様と呼んで……。
「義元様、良い湯でございますなあ。」
「ふふ、ほんにのう。良い湯じゃ。」
「なななななんとお!」
「義元様、良い湯でございますなあ。」
「ふふ、ほんにのう。良い湯じゃ。」
「なななななんとお!」
微笑み合う二人の横で幸村は奇声をあげた。
「なんと、今川殿でござったか。」
「なんじゃ。今気付いたと申すか。」
「いや、申し訳ない。……その、顔が……。」
ごにょごにょと言い澱んで居ると家康が笑った。
「相変わらず鈍いみてぇだな。」
「余りいじめてやるな。竹千代。この者は化粧を落とした顔を初めて見たのじゃからの。」
と言いながら義元はほほと笑った。
「なんと、今川殿でござったか。」
「なんじゃ。今気付いたと申すか。」
「いや、申し訳ない。……その、顔が……。」
ごにょごにょと言い澱んで居ると家康が笑った。
「相変わらず鈍いみてぇだな。」
「余りいじめてやるな。竹千代。この者は化粧を落とした顔を初めて見たのじゃからの。」
と言いながら義元はほほと笑った。
何と、このような美女であったとは……。
幸村はまだまだ世の中には分からぬことがあるのだと胸に刻んだ。
幸村はまだまだ世の中には分からぬことがあるのだと胸に刻んだ。
「美しいのう。」
空が赤く染まり、景色も紅く染め上げていく。
幸村が溜め息をついて沈み行く夕日を見ていると、隣の市がばしゃりと立ち上がった。
「市、先に上がるわ。長政様に教えなくちゃ。」
空が赤く染まり、景色も紅く染め上げていく。
幸村が溜め息をついて沈み行く夕日を見ていると、隣の市がばしゃりと立ち上がった。
「市、先に上がるわ。長政様に教えなくちゃ。」




