勝手にコンサルティング福井
座・タイムリーふくい(20081122)
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定点観測
観測対象
- 座・タイムリーふくい(2008年11月22日放送分)
テーマ
- 「そこが知りたい！県内景気の現状と対応策」
世界不況の波にのまれて県内の景気も減速の気配を見せている。しかし、様々な指標を見てみると既に昨年末からその流れは始まっていた。グローバル経済の中で県独自の景気浮揚策は中々見あたらないものの、個々の企業については体質改善の好機ととらえることができるのではないか？見えにくかった課題が見えやすくなる今こそ経営者の能力が問われる時はない。どう対応しどう生き延びるべきか議論する。
司会
- 松枝隆一(福井テレビアナウンサー)
- 名越涼子(福井テレビアナウンサー)
ゲスト
- 日銀福井事務所所長 上川卓苗
- 福井商議所商工相談所長 峠岡伸行
- 福井県立大学教授 中沢孝夫
観測結果
結論から言えば「どう対応しどう生き延びるべきか？」という問いに対する答えは「頑張るしかない」だった。合掌。
まあ昨今の経済危機に対して地方独自で対処出来ることなんてほとんど無い訳なんで、テンションがあがらないのも仕方ない。あと予告では「個々の企業については体質改善の好機」ってことだったんで、どんなトンデモ発言が出てくるのか楽しみにしてたんだけど、そんな過激な内容はなかった。しかし経済危機が企業にとって体質改善の好機なんて、いかにもド素人が思いつきそうな絵空事な訳で、予告を書いた人がいったいどんな意図で書いたのか、チョット聞いてみたかった気はした。
普段登場する中沢教授のイメージは、企業経営とか商店街とかミクロの人って感じなんで、経済対策とかのマクロネタが始まったあたりは、この期に及んでマネタリスト的インチキ講義でも聞かされるのかと身構えたが、予想に反して中沢氏は概ねケインズ主義に沿った立場で、俺的にはあんまりストレスなく見れて良かった。
出演者のコンセンサスとしては「危機も不況もまだまだこれから。日本は破滅とは言わないけど来年あたりは景気は最悪。」って感じ。この危機に対処する政府の経済対策について、中沢氏は金額にまでは言及してなかったけど、個人的には次にくる大きな危機を回避したいなら真水で最低１０兆円程度、本気でこの閉塞状態を脱したいなら３０兆円程度は必要なんじゃないかなあと思う。
とは言っても、そんな天下の財務省のお庭を汚すようなことを財務官僚がＯＫするわけもないし、場合によっては日銀には大量に国債を引き受けてもらうことも必要だろうけど、それも日銀の歪んだセントラルバンカー魂が許さないだろうから、国民はエリートの面子の犠牲になるしかないのかも。まあ、かつてのあの戦争も日本陸軍の面子のためって側面もあったわけで、エリートの面子のために煮え湯を飲まされるのは、いつの時代も一般国民ってことだね。合掌。
あと、後半で商工会議所の峠岡氏と福井テレビの両アナから出た、地元重視で頑張ろうって方向性は正直ビミョー。地元重視と言えば聞こえは良いけど、要するに保護主義と排他主義で対応するってことでしょ？まあ、県域利権に守られた田舎の勝ち組らしいコメントと言ってしまえばそれまでだけど、こういう人達ってアメリカや中国が保護主義に走って日本製品排斥運動でも起きたら、どんなコメントするんだろ？
匿名での意見表明
まちづくり関連の話は来週ディープにやるみたいだから今回は置いておくとして、その中で出た中沢教授から出た、匿名発言はダメ発言。まあ、文脈的にはネットの匿名発言を指したって印象は無く、直接話すと色々意見するもののいざって場では黙り込んじゃうヘタレなオッサンを指しての発言って感じだったけど、それにしてもそれをテレビで指摘するのはチョット厳しいんじゃないかと思う。
中沢氏は大学教授という立場上、研究し発表することが仕事なわけで、アイデア提供や名前を売ることそれ自体が金に結びつく可能性が高い。一方では名前を出して発言することで、会社や地域から阻害され、下手すりゃ生活の糧さえ奪われかねない危機に陥る可能性がある人もいる。改めて指摘するまでもないだろうけど、出る杭ってホントに打たちゃうんだぜ～。
つまり、福井という狭い世界の中でもいろんな立場の人がいて、それぞれの立場でそれぞれ事情を抱えた中で、それでも自分が出来る範囲のことを色々やっているんであって、匿名ゆえの説得力低下というマイナス要素も引き受けた上で、あえて匿名でいたい人はそれでいいんだと思う。匿名発言に何の恨みや偏見があるのか知らないけど、個別の事情も考慮せず軽々しく断罪するべきではないと思うし、実名発言でなければ意味が無いなんて、「正々堂々」なんて誤魔化しキーワードをまとった、ある種の言論封鎖じゃないかと思う。
そして本質的には「誰のアイデアか？」ではなく「どんなアイデアか？」が吟味されるべき対象であって、正々堂々と本名で発言していれば正しいわけではないし、インターネットで匿名でコソコソ活動している卑怯者の発言であっても正しいものは正しい。たとえ隈研吾が全力で作り上げた渾身の一杯・・・じゃなかった作品であっても、それが福井のまちづくりにプラスにならないならＮｏ！でいいんだし、安月給で生活もギリギリの若者がポロリとこぼしたアイデアでも、使えるものならＹＥＳ！ってのが正論じゃね。
とは言っても、その価値判断自体が難しいってことで、結果的には来週のまちづくり討論も権威にすがるってことになるんだろうけどね。しかし出演者の一人の発言とは言え、番組内で匿名での発言者にダメ出ししておいて、一方で番組最後に（多分匿名も可で）皆様のご意見募集ってのはシュールだなあと思った。
（以上越081122）
（以上越081122）
