反動とは、社会や政治の進歩的変化に対して、それを否定し、より旧来的または権威主義的な方向へと引き戻そうとする思想や運動を指す概念である。近代政治思想においては、自由主義・民主主義・社会主義などの拡張に対抗する立場として用いられてきた。
思想史的位置
反動という語は、近代の進歩史観を前提として成立する。すなわち歴史が自由や平等の拡大へと進むという図式が共有されるなかで、それに逆行する運動が「反動」と名指される。したがってこの語は、しばしば批判的・規範的意味を帯びる。19世紀ヨーロッパにおける絶対王政復古運動や、自由主義改革に反対する勢力は典型的な反動として理解された。
反革命との相違
反動は必ずしも革命という出来事を前提としない。漸進的改革や社会的変容に対する拒否も反動と呼ばれる。一方、反革命は具体的な革命過程に対する能動的対抗を意味する。反革命が歴史的事件への応答であるのに対し、反動はより広い時間的文脈における方向性の問題である。
政治的用法
現代政治において「反動」はしばしばレトリックとして使用され、相手を歴史の進歩に逆行する存在として位置づけるための概念となる。そのため、誰が反動であるかは立場によって相対化される。ある運動にとっての革命が、別の立場からは秩序破壊と見なされ、その抑止が正当とされる場合、反動という語の規範性が露呈する。