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  • Life Will Change(4th)

チェンジ・ロワイアル@ ウィキ

Life Will Change(4th)

最終更新:2023年02月06日 20:10

匿名ユーザー

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「ガハッ…」

自分に何が起きたのかを、蓮はすぐには理解できなかった。

マガツイザナギのスキルによりアーマージャックを倒した。
戦いの終わりに気が緩んだ次の瞬間、自分の体が宙を舞っていた。
さっきまでと視界が違うと疑問を覚え、答えを出せないまま背中に衝撃が走る。
地面に叩きつけられたと上体を起こしながら正解し、ではそもそも何故そんな目に遭ったのかと新たな疑問を抱く。

その答えは、異様な雰囲気を放つアーマージャックを見れば一目瞭然だ。

「へへ…何だか分かんねえけどよ、最高にいい気分だぜええええええええええっ!!」

アーマージャックの叫びに呼応するかのように、禍々しいプレッシャーが蓮を襲う。
姿形はさっきまでと同じ。だがこの存在感は、明らかに別物だ。
仮面の下で、汗が頬を伝う。

「ヒャハハハーっ!」

繰り出されるのは、散々見た拳による一撃。
否、速度も威力も桁違いに上昇している。
現にどうだ、さっきは冷静に避けていたジョーカーが、今はろくに反応も出来ず殴り飛ばされた。

「ぐあ……」

痛みに一瞬息が止まった。
仮面ライダーに変身して尚もこの痛み。
もし変身していなかったらと考えると、背筋が寒くなるのを抑えられない。

「ひゃーっはははは!いい気味だぜ!この雑魚野郎がよぉ!」

ジョーカーの姿をこれ見よがしに指差して、アーマージャックは上機嫌で嘲笑する。
自分をコケにした相手がこうも無様を晒したのだ、笑うなという方が無理というもの。
何より今は最高に気分が良い。怪獣を殺した時や、女を犯した時が茶番に思えるくらいに高揚している。
湧き上がるこの力。この力で思う存分に暴れられたら、きっと何よりも気持ち良いだろう。
手始めに、目の前の男で遊んでやろうと邪悪な笑みを浮かべた。


◆


サンダーブレスターによる暴走。
それはアーマージャックも、ウルトラマンオーブの本来の変身者であるクレナイ・ガイも体験した。

しかしガイは後に暴走せず、サンダーブレスターの力を使いこなす事に成功している。

その理由は、彼が闇を恐れなくなったからだ。
ウルトラマンベリアルという悪のウルトラ戦士の力を借りる。
それによって自身の心の闇に悪影響が及ぼすのではないか。
そんな恐れが原因でガイはベリアルの力を制御出来ず、結果暴走し周囲に甚大な被害を齎してしまった。
だがガイは後に夢野ナオミの言葉もあり、闇への恐れを克服した。

ではアーマージャックはどうだろうか。

彼は吉良との戦闘で、強い死への恐怖から暴走した。
だが今回は暴走時と同様の力を発揮しながらも、意識はハッキリとしている。
それは何故か。

アーマージャックが蓮に抱いたのは強い怒りと屈辱。
ここまでは吉良の時と同じ。
違うのは、死への恐怖では無く力への渇望を抱いた点だろう。
恐怖こそがサンダーブレスターの暴走を引き起こすのなら、それを克服するのは何もガイのように正しき心の持ち主だけとは限らない。
闇をも恐れぬ醜悪さもまた、一つの方法だ。

ガイは闇を恐れない心によって暴走を克服した。
アーマージャックは闇をも自分の為の力にするというどこまでも自分本位な、されど恐れは微塵も無い願いを抱いた。

そして彼は手に入れたのだ。
暴走せずに行使できる、サンダーブレスターの能力を。


◆


「オラオラァ!」
「ぐぅ!」

幾度も拳を放ち続けるアーマージャックに、ジョーカーは一方的に殴打の嵐を受けていた。
辛うじて致命傷となるものだけはギリギリで避け、或いはペルソナでガードする。
そこにさっきまでの余裕は無い。
二度の戦闘でアーマージャックの動きに大分慣れてきたが、ここに来て強化されたのだ。
急激な攻撃速度の変化に、付いて行けない。

「ペルソナッ!」

マガツイザナギが長得物を振るう。
単純なステータスではアルセーヌよりも上。
それがアーマージャックの攻撃と激突すると、拳の強さにジョーカーの方が押し負けた。

「雑魚がぁっ!!」

よろけたジョーカーへ杭打機のように放たれた蹴り。
強化された脚力を用い跳躍、回避と同時にジョーカーもまたアーマージャックの頭部へ蹴りを放つ。
しかし効かない。仰け反るどころか、ジョーカーの脚に痺れが来るほど。
ダメージこそ無いが、自分の顔を蹴られて気分が良い訳はない。
伸ばされたジョーカーの右脚を掴むと、地面に叩きつけた。

「ぐぁあああっ!」

変身していても背中に襲い掛かる痛み。
ジョーカーの悲鳴を、アーマージャックは心地良さげに聞いていた。

「お兄さん!」

仲間の悲鳴に悲痛な声をしんのすけは上げる。
ルブラン内でミチルと共にジョーカーの戦いを見守っていた。
まるでアクション仮面のように勇敢に戦っていたが、今はピンチに陥っている姿に居ても立っても居られない。
思わずルブランの外に出て、ジョーカーを助けに行こうとする。

「出てっちゃ駄目ですよ…!」

しんのすけを必死に止めるのはミチルだ。
彼女とてジョーカーを助けたいが、重傷を負っている自分が出て行ったとしても却って足を引っ張るだけなのではないか。
そう懸念し喫茶店内に留まったままだ。
以前クラスのリーダーは誰が相応しいかで能力者同士の小競り合いがあったが、ジョーカーとアーマージャックの戦闘はそれとは比較にならない。
そんな所へしんのすけを突っ込ませる訳にはいかない。

「変な髪のお兄さん!お兄さんがピンチなんだゾ!助けに行かないと…!」
「それは…分かってます!だけど…」

助けたい気持ちは同じ。
しかし無謀に突っ込んで行って勝てる相手でもない。
ミチルは言葉に詰まり俯く。

「ギャーギャーうるせえな…!」

しんのすけ達の口論がアーマージャックには耳障りだった。
雑音を発する連中を鬱陶し気に睨む。
最優先で殺したいのはジョーカーだが、あの二人の男も殺すつもりだ。
先にこのジョーカーの死を見せつけてやるつもりだったが、気が変わった。
自分に舐めた真似をした男、そいつのお仲間を見せしめとして殺し心をへし折ってやる。
リーゼントのガキは自分を拘束した悪人、ついでに胴着の男も悪人。
殺されて当然の連中だ。

アーマージャックの右手にエネルギーが集まり、赤と黒の光を放つリングへと変化した。
吉良の左手を斬り落とした技、ゼットシウム光輪だ。
『月に触れる』を切り裂いた光輪を、ルブラン目掛けて投擲する。

「クレイジー・ダイヤモンドさん!」

自分達が狙われていると分かり、スタンドを出現させる。
テーブルを持ち上げ即席の盾にするが、サンダーブレスターの技には無意味。
真っ二つにされクレイジー・ダイヤモンドの肩が斬り裂かれる。

「うあっ!?」

スタンドのフィードバックにより、ミチルの肩も出血する。
ゼットシウム光輪の勢いは止まらない。
店内を滅茶苦茶に切り裂き、コーヒー豆の瓶やサユリが被害に遭う。
当然中にいるしんのすけとシロにもだ。

「うわああああああ!?」

思わず蹲ってゼットシウム光輪から逃れようとする。
頭上からはガラスの破片がパラパラと頭部に落ちて来た。
少しでも頭を上げたら即座に斬られそうで、しんのすけは青褪める。

「キャウウ!」

シロもまた、ゼットシウム光輪の脅威に悲鳴を上げた。
拘束されている身ではどれだけ藻掻いても無意味。
いつ切り裂かれてもおかしくはない。
鬼の生命力ならば何度斬られてもすぐに再生できるが、もし首輪に当たればどうなるか。
身動きが取れない自分では、為す術も無く死ぬだけだ。

そしてその危惧は現実となる。

ゼットシウム光輪がシロに迫る。狙われるのは首だ。
アーマージャックが意図したのではないが、殺し合いにおいて太陽以外で鬼を殺せる物、首輪への攻撃。

(嫌だ!助けて!ご主人様!!)

自分を鬼にした男へ助けを求める。
その想いは届かない。


だけど、本当のご主人様には届いた。

「シローーーーッ!!!!」

シロ目掛けてしんのすけが飛びつく。
屋根裏部屋の時と同じ、大きな悟空の身体で覆い被さり自ら盾になった。
自分が傷ついてしまうなんて、頭からはすっぽり抜けている。
今はただ、家族を守れれば良いのだから。

「ああああああああっ!!」

背中が斬られ、ルブランの床が赤く染まる。
痛くて悲鳴が出て泣きそうになったけど、それでもシロを守るのは止めない。
猛威を振るったゼットシウム光輪は、やがて霧散する。

「ケッ、死んでねーのかよ」

つまらなそうに吐き捨て、アーマージャックは再度ゼットシウム光輪を作り出す。

「ペルソナ!!」
「ぐおおおお!?」

それをジョーカーが黙って見ている訳が無い。
マガツイザナギが長得物を振るい、ルブランへの攻撃を阻止する。
背中から斬られじんじんと痛む。どこまでも自分をコケにする相手へ、殺意が再加熱した。

「シロ…?大丈夫…?」

店内を襲った光輪が消え、真っ先にシロの無事を確かめる。

「ガウ…」

心配そうなしんのすけの瞳を無視するかのように、シロの視線は滴る血を向いていた。
しんのすけから与えられた肉を食べた事で、空腹も多少は消え去った。
だけど人の肉を喰いたいという欲求は健在。
目の前の男からは、とても美味しそうな血の匂いがする。
助けてくれた事への感謝なんてなく、それよりこの男を喰い殺したい衝動が高まった。

「ウガアアアアアアアアア!!」
「こ、こらシロ…!やめるんだゾ!」

しんのすけの言葉を無視して、分厚い筋肉に牙を突き立てんと口を開く。
唯一自由に動かせる首を動かして、目の前の「肉」に喰いつこうとする姿は、化物と呼ぶに相応しい。
空腹と、主を傷つけられた怒り。
両方に感情を支配されたシロの前には、しんのすけの行動も無意味だったのだろうか。

それを認めない者がここにはいる。

「いい加減にしてください…!!この、おバカ犬!!!」

ゴシャリ、と殴った際のとは思えない音がして、シロが殴り飛ばされた。
やったのはミチル。正確に言うと彼女の傍に立つクレイジー・ダイヤモンドだ。
呆気に取られるしんのすけを無視し、シロへと近付き胸倉を掴む。
殴られた際の傷はもう回復し、シロは食事の邪魔をされた怒りで顔を歪める。
そんなシロに負けじと顔を精一杯憤怒に染め上げ、言いたいことをブチ撒けた。

「しんのすけしゃんが、何であなたを助けたのか!何であなたを守ったのか!どうしてそれを考えないんですか!?」

至近距離で言葉をぶつける。
その剣幕にシロが怯んでも、お構いなしに続けた。

「鬼にされたからって…だからって、そんなのあんまりですよ…!!」

しんのすけは感謝が欲しくて助けた訳ではない。
ただ家族のピンチを見過ごせなかったから、それだけのシンプルな理由だ。
それでも、傷を負ってまで体を張って助けたのに殺そうとされる。
余りにも理不尽で納得がいかない。
しんのすけが助けた行為を踏み躙られるようで、黙ってはいられなかった。

「…変な髪のお兄さん」

激昂するミチルとは正反対に、しんのすけの声は落ち着いていた。

「オラは大丈夫だゾ。…オラ、やっぱりお兄さんをおたすけに行かなきゃダメだから、だから…」
「待ってください、それは…」
「正義のヒーローは困っている人を放って置かないから、ヒーローなんだゾ!
 オラもアクション仮面や、煉獄のお兄さんみたいなかっこいいヒーローになりたいから、じっとしてなんかいられないゾ!!」

言葉が出て来ない。
しんのすけの言う、困ってる人を放って置けない。
それを聞いたら、否定なんて出来ない。
だってその気持ちはミチルにも十分理解できるから。
自分をイジメから助ける為に、病に蝕まれる体で学校に通い続けたあの人の死を切っ掛けに抱いた決意。
それがあるから、しんのすけを止める言葉が口から出るのを拒否してしまう。

「シロ」

優しい声で自分を呼ぶ男に、敵意を籠めた視線をぶつける。
だけどどこか、困惑のような感情も宿っていた。
相手は一瞬悲しそうな顔をしたけれど、すぐに表情を崩して笑みを作った。

「もしシロがうっかりオラの事を忘れちゃっても、やっぱりシロはオラん家の家族だゾ。
 それに忘れちゃってても、一緒におうちに帰って、また沢山思い出を作れば良いんだゾ!いや〜ん、オラってばナイスアイディア〜」

言い終えると、ルブランの外へ駆け出した。
今も戦い続けている仲間をおたすけする為に、皆を傷つける悪者へ頭部を突き出す。
勢いを付けた頭突きは、マガツイザナギに斬られた背中へ見事命中。

「痛ェエエエエエエエエエ!?」
「オラも相手だゾ!甘納豆!」
「あぁ!?アーマージャック様だ!間違えてんじゃねぇよボケが!」

怒りのままに腕を伸ばし、しんのすけの頭部を掴む。
ミシミシと頭への痛みから逃れようとしんのすけは我武者羅に腕を振るい、偶然アーマージャックの顔に当たる。
そこはジョーカーのライダーパンチを受けた箇所。
鈍い痛みの再発に、頭を沸騰させしんのすけを地面に叩きつけた。

「うわっ!?」

仰向けになった所へ叩き込まれる追撃。
しんのすけの胴体を足蹴にしてやった。

「うああああああああああ…!!」
「ゴミの分際で舐めた真似するからだよ!このまま蹴り殺して――」

『JOKER!MAXIMAM DRIVE!』

黒みがかった紫のエネルギーが、アーマージャックを殴り飛ばす。
しんのすけを嬲るのに夢中になっていたせいで反応が遅れ、強制的にしんのすけから距離を離された。
どうやらこいつは、とことん自分をコケにする気のようだ。
ゼットシウム光輪を再度出現させ、ジョーカーに斬り掛かった。

「クソ野郎がぁっ!!」
「ペルソナッ!!」

アルセーヌのスラッシュと、ゼットシウム光輪が弾き合う。
勝ったのはやはり後者、またもやだ。ジョーカーはダメージを受ける。

「お兄さんから離れろー!」

起き上がって向かってくるしんのすけを、アーマージャックは雑魚がと吐き捨てた。


○○○


胸がざわざわする。

変な髪の人と、胴着の男に言われた言葉が頭にべったりと貼り付いているようだ。

何で僕を助けたのかなんて知らないし、何で守ったのかもどうだっていい。
だってアイツはあの御方の敵、つまり僕の敵でもあるんだから。
だからあの男に何をされたって、感謝の気持ちがあるはずないよ。


…なのに、どうして僕は、変な気持ちになるんだろう。
殺してやりたい相手なのに、なんで…。


アイツは威勢よく出て行ったけど、ボコボコにやられている。
いい気味だ。ご主人様を傷つけた罰を受けているんだ。
そう思って、アイツのかっこ悪い姿を笑ってやろうとした。

だけど笑えない。
それどころか、何だか悲しい気持ちになってくる。
アイツが痛めつけられている光景は嬉しいはずだ。
なのになんで…。

……そうか分かった。
きっと僕の手で殺せないからだ。
ご主人様を傷つけた憎い相手を自分の手で殺せないから。
だから素直に喜べないんだ。

なーんだ、僕がおかしくなったとかじゃないんだ。
不安になって損しちゃった。

やっぱりアイツなんて、僕の家族なんかじゃ――










――本当にそう思う?

声がした。
僕が言ったんじゃない。
けれどその声は、僕と同じ声だ。

――それは本当に、君の気持なの?

僕の声で、そいつはおかしなことを聞いてきた。
そんなの当たり前だよ。
だって僕は、あんな男なんて大嫌いだもん。
あんなのが僕の家族な訳、絶対にないよ。

――違うよ。それは君の本心じゃあない

――君の本当の気持ちは、そんなんじゃあないよ

うるさいな!
勝手なことを急に言ってきて!
あんな男嫌いだって言ってるだろ!もう黙れよ!

――ううん、黙らないよ

――君が思い出すまで黙らない

――だって君は知ってるはずだ。さっきみたいに、自分を助けてくれた人の事を

そんなのは僕を鬼にしたご主人様だけだ!
他の奴なんて知るもんか!
誰も知らな――――

違う。

知っている。知らない筈なのに、知っている。

そんなのは有り得ないと思っても、僕の頭には映画みたいに記憶が流れ出す。



記憶の中で、僕のお尻には変なのがくっ付いていた。
オムツみたいなソレは、実は地球を破壊する威力の爆弾だった。
爆弾は僕のお尻にくっついて離れない。
だから…僕は地球が犠牲にならない為にロケットで宇宙に送られ、そこで死ぬはずだった。

――『シロは…オラが、お守りするゾ……』

恐いおじさん達や、変なおねえさんに追われる中、■■ちゃんは僕を守ってくれた。

疲れて、傷ついて、震えても、僕とずっと一緒にいてくれた。


これは嘘の記憶だ。
僕とあの御方を引き裂こうとする気なんだ。

そんな考えが浮かんだけど、すぐに小さくなって消えていった。

「うわあああ!?」
「しつけーんだよカスが!」

アイツがまた殴られた。
それを見ても、僕は全然嬉しくない。
憎い男なのに、どうしてか悲しくなってくる。

「■■……ちゃん」

知らない筈の、名前を口にする。
呟いた声は自分でも分かるくらいに小さくて、誰にも聞き取られない。
これを言って何になるんだろう。
どうしてこんな意味のないことをしているんだろう。
自分の事なのにおかしくて、だけどどうしてか口に出さずにはいられない。
この名前を知らないままでいるのは、凄くダメな事に思えた。

「■■ちゃん……」

もう一度口に出す。
すると今度は、頭がズキンと痛くなった。
さっき変な髪の男に殴られたのよりも、ずっとずっと痛い。
名前を口にするとこんなに痛くなるのかな。
だったらもう、言わなければ良いじゃないか。

「■■ちゃん……」

だけど僕は名前を呼ぶ。
知らない筈の名前を、ううん、本当は知っているはずの名前をもう一度口にする。

「■■ちゃん…!」

痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
痛くて痛くて、涙が出そうだ。
こんなに痛いんなら、もうやめちゃえよ。
思い出す必要なんてないだろ。

「■■ちゃん…!!」

その言葉を無視して、僕は名前を呼ぶ。
だってこの名前は、本当は忘れちゃいけないものだった気がする。
ずっとずっと、覚えて無いとだめな名前だったんだ。
根拠はないけどそう思う。
だから忘れてしまったなら、絶対に思い出さなきゃいけないんだ。


「■■ちゃん…!!!」

この名前を思い出した時、僕はどうなるんだろう。
ちょっとだけ恐くなった。
でも、名前を口にするのを止めようって気にだけはならない。
だって、もうちょっとで思い出せそうなんだ。



「■■ちゃん!!!」

そうだ。僕はこの名前が誰かを知っている。
僕を拾ってくれた、僕の家族になってくれた。




「しんちゃん!!!!!」


僕の大好きな、ご主人様だ。


○○○


拘束が解かれる。
ワイヤーが千切れ、自由の身となったシロが駆け出す。

これまで鬼の身体能力にも耐えたスパイダーショックのワイヤーを引き千切る程の力。
火事場の馬鹿力とでも言う力を発揮したからか。
それとも度重なるシロの抵抗に、ワイヤーもガタが来ていたからか。
詳細な理由を探った所で、何か変わる訳でも無い。

「待って!!」

シロへ伸ばされたミチルの手。
自分の体だから、それ以上に鬼となったシロを太陽の下に行かせられないから。
その想いも、シロを止めるには至らない。
伸ばした手は何も掴めず、虚しく空を切った。

体が焼ける。
大地を照らす太陽の輝きが、シロの命を奪おうと光を浴びせる。
白い肌はあっという間に焼き爛れ、醜い有様となった。

それでもシロは走る。
だってすぐそこに、一番会いたい彼がいるのだから。
その彼が今まさに危機に陥っている。
殴られ尻もちを付いた彼へ、トドメを刺そうと赤い光輪が振り下ろされようとしている。

しんのすけとアーマージャックの間に、シロは躊躇なく割って入り、

「邪魔だぁっ!!」

無慈悲な一撃を、我が身で受け止めた。

「シロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!」

焼け爛れボロボロになっていた体が崩れる。
再生はしない。日光を浴びた鬼の肉体にそんな力は残っていない。
しんのすけがシロにしてやれることは、何一つなかった。

「シロ…!死んじゃダメだゾ…!オラが絶対助けるから…!!」

シロの肉体が崩壊するのを、しんのすけは止められない。
どれだけ叫んだ所で、シロの死は免れなかった。

「しん、ちゃん……」

シロもまた、か細い声で名前を呼ぶ。
たくさん傷つけてしまった事を、謝りたかった。
頬を伝う涙を舐めて、安心させてあげたかった。

けれど何もできない。
しんのすけの瞳からとめどなく涙が流れるのを見上げながら、もう一度、大切な家族の名前を呼ぶ。

「しんちゃん……」

カランと、首輪が落ちる音が空しく響き、後にはもう何も残らなかった。

→

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  • 本スレ①:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1615384066/
  • 本スレ②:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1633849195/l30
  • 本スレ③:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1664632643/l30
  • 本スレ④:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1706338338/l30
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