◆◇◆
「あの…これは一体、どういうことですか?」
「見ての通りですよ、オリコ」
「見ての通りですよ、オリコ」
ボンドルドに連れられて、現在は紫髪の男子高校生の姿になっている小学生の若女将、関織子は目の前に広がっている光景を見て、呆然としていた。
「ん?」「キャー!」「………」「やーだー!」「うえぇ…」
この場所を一言で表すなら、そこは託児所だった。
たくさんの数の、幼児程に見える小さな子供達が、一つの広い部屋の中に集められていた。
子供達は数十人はおり、一目では数えきれない。
たくさんの数の、幼児程に見える小さな子供達が、一つの広い部屋の中に集められていた。
子供達は数十人はおり、一目では数えきれない。
その子供の群れの中には、ボンドルドと同じく黒ずくめに仮面を被った大人達が何人か紛れている。
彼らは、この子供達の世話をしているようだった。
彼らは、この子供達の世話をしているようだった。
子供達の外見は、千差万別だ。
何か、不良の学ランっぽい見た目の服装の子、蝶みたいな着物姿の女の子、赤いチャイナ服の女の子、鋼の鎧に身を包んでいる子…
皆、本当にバラバラで、個性的な子達ばかりだった。
皆、本当にバラバラで、個性的な子達ばかりだった。
と言うか、よく見てみれば、そもそも人間ではないように見える子達もいる。
白い子犬、悪魔みたいな羽の生えたハムスター、青いクラゲみたいなモンスター、全身紫で短い手足の生えたよく分からない生物…
これらもまた、それぞれ子供扱いができそうな程小さなサイズだった。
白い子犬、悪魔みたいな羽の生えたハムスター、青いクラゲみたいなモンスター、全身紫で短い手足の生えたよく分からない生物…
これらもまた、それぞれ子供扱いができそうな程小さなサイズだった。
この子供達が一体どういう集まりなのか、織子にはてんで想像がつかなかった。
「あの、あたしにここで何を…?」
「もちろん、彼らの世話を手伝ってもらいたいのです」
「もちろん、彼らの世話を手伝ってもらいたいのです」
やはりと言うべきか、確かにそれしか思い付かないと言うべきか、そんな回答が返ってきた。
「あの、研究?…の方はどうするのですか?」
「それについてもまた後で行う予定です。しかし、まだ準備しなければならないこともありまして…」
「それについてもまた後で行う予定です。しかし、まだ準備しなければならないこともありまして…」
「卿、少しいいですか」
「……失礼、少々お待ちください」
「……失礼、少々お待ちください」
織子への説明の途中で、別の人物がボンドルドに話しかけてきた。
その人物も、ボンドルドと同じような格好と、仮面を付けている。
その人物も、ボンドルドと同じような格好と、仮面を付けている。
ボンドルドと新たな仮面の人物は、織子から少し離れて、背を見せながら二人だけでこそこそと何かを話し始める。
それから少し経った後、ボンドルドは戻ってきた。
それから少し経った後、ボンドルドは戻ってきた。
「すいません、少し緊急の用事ができました。私はここから離れます。しばらくはこの部屋にいてください。ここで何をすればいいかについては、この部屋の中にいる者達から聞いてください」
「え、あの、ちょっと…」
「え、あの、ちょっと…」
そう言ってボンドルドは、そそくさと新たに来た仮面の人物と共に織子の側から離れていった。
織子の呼び掛けは無視され、彼女はその場でポツンと取り残された。
織子の呼び掛けは無視され、彼女はその場でポツンと取り残された。
―――去っていくボンドルドの後ろ姿を見ていたら、仮面の後ろ下の隙間から、ピンク色の長髪がちらりとはみ出しているのが見えた。
(一体、どういうことなんだろう…)
ボンドルドは織子に話した。
今の彼女の肉体は、本来の織子よりも霊界通信力(に似た力)をより安定して使えると。
彼の研究が上手くいけば、友達のユーレイ達と別れなくてすむかもしれないと。
今の彼女の肉体は、本来の織子よりも霊界通信力(に似た力)をより安定して使えると。
彼の研究が上手くいけば、友達のユーレイ達と別れなくてすむかもしれないと。
だけど、そのための研究より先に自分より幼そうな子供達のお世話の手伝いをさせられるとは思ってなかった。
説明も中途半端なところで終わってしまった感じがする。
説明も中途半端なところで終わってしまった感じがする。
けれども一先ずは、先に部屋中にいる仮面の大人達の手伝いを頼まれた。
とりあえずとして、織子は部屋の中に足を踏み入れようとする。
とりあえずとして、織子は部屋の中に足を踏み入れようとする。
『………声を出すな。振り向くな。少し待て』
「!?」
「!?」
部屋に入ろうとしたその瞬間、織子は背後から男の声を聞いた。
それは、ボンドルドのものとは違っていた。
その声は、自身の耳元のすぐ近くでかけられたようだった。
しかし奇妙なことに、声の主の息遣いが聞こえてくるような様子はない。
突然のことでそんな声に驚くと同時に、つい言われた通りに立ち止まってしまう。
それは、ボンドルドのものとは違っていた。
その声は、自身の耳元のすぐ近くでかけられたようだった。
しかし奇妙なことに、声の主の息遣いが聞こえてくるような様子はない。
突然のことでそんな声に驚くと同時に、つい言われた通りに立ち止まってしまう。
『………驚かせてすまない。どこかでのタイミングで一人で「S.K.」の部屋に行け。このことは誰にも話すな。私に言えるのはここまでだ』
声は、直前までのものと違い急に穏やかになった。
そこまで聞いて、織子は振り向き、背後にいるはずの声の主を確認しようとする。
そこまで聞いて、織子は振り向き、背後にいるはずの声の主を確認しようとする。
「……?」
けれども、そこには誰もいなかった。
見渡してみても、この場から誰かが離れていくような姿も見えない。
たが、幻聴や気のせいだとは思えないくらい、先の声ははっきり聞こえた。
見渡してみても、この場から誰かが離れていくような姿も見えない。
たが、幻聴や気のせいだとは思えないくらい、先の声ははっきり聞こえた。
(…もしかして、ユーレイ?)
考えられる可能性はそれだけだった。
ユーレイならば、ちょっと声をかけてすぐ消えるくらいのことはできるだろう。
ユーレイならば、ちょっと声をかけてすぐ消えるくらいのことはできるだろう。
だがユーレイだとしても、行動は不可解だ。
こちらに姿を見せず、言いたいことだけを言って去っていくなど、何をしたいのか分からなくなる。
ただ、何か考えられるとすれば、自分以外には存在を察知されたくないからなのか…
こちらに姿を見せず、言いたいことだけを言って去っていくなど、何をしたいのか分からなくなる。
ただ、何か考えられるとすれば、自分以外には存在を察知されたくないからなのか…
「おい、どうした?そんなところで突っ立って」
「えっ、あっ、はい!」
「えっ、あっ、はい!」
自身に起きた不可解な現象について考え込んで、沈黙してしまっていたところを織子は前から声をかけられた。
そこにいたのは、ボンドルドが紹介していた、子供達の世話係の仮面の人物の一人だ。
そこにいたのは、ボンドルドが紹介していた、子供達の世話係の仮面の人物の一人だ。
「すいません!今行きます!」
織子はそう言って子供達がいる部屋の中に今度こそ入っていく。
先ほど聞いた、ユーレイ(仮)の声のことは、彼に言われた通り、話さないでおく。
本当は、こういうことを相談しないのはあまり良くないかもとは感じている。
姿も見せない相手の言うことを簡単に聞くのは、問題があるかもしれない。
「S.K.」の部屋が何のことを言っているのかも分からない。
本当は、こういうことを相談しないのはあまり良くないかもとは感じている。
姿も見せない相手の言うことを簡単に聞くのは、問題があるかもしれない。
「S.K.」の部屋が何のことを言っているのかも分からない。
それでも、直感では、このことは話さない方が良いような気がした。
最初は驚いてしまったが、思い返してみればあの声はどこか切羽詰まったような雰囲気もあった気がする。
ユーレイ(仮)にとっては、こんなことをする程のことなのかもしれない。
まあ流石に、不親切なところがあることに思うことがないわけではない。
ウリ坊たちとも比較してしまう気持ちもある。
最初は驚いてしまったが、思い返してみればあの声はどこか切羽詰まったような雰囲気もあった気がする。
ユーレイ(仮)にとっては、こんなことをする程のことなのかもしれない。
まあ流石に、不親切なところがあることに思うことがないわけではない。
ウリ坊たちとも比較してしまう気持ちもある。
でも色々と不可解なことはあれど、何か事情があるのかもしれない。
それに、子供達が一体どこから来たものなのか、そういったボンドルドからの頼まれごとにも不可解なことは多い。
正直なところ、自分は状況にあまりついていけてないと言えるだろう。
一先ずは、幼児達の世話を手伝いながら、今後どうしていくかを考えようと織子は思った。
それに、子供達が一体どこから来たものなのか、そういったボンドルドからの頼まれごとにも不可解なことは多い。
正直なところ、自分は状況にあまりついていけてないと言えるだろう。
一先ずは、幼児達の世話を手伝いながら、今後どうしていくかを考えようと織子は思った。
◆
廊下の上を、カンカンと足音を大きく鳴らしながら一人の女が早歩きで進んでいる。
紫髪とアンテナ付きヘルメット、そして顔にかけられた眼鏡、これはルッカという少女の姿の特徴。
そして、その身体を動かしている意思は、佐倉双葉という少女のもの。
紫髪とアンテナ付きヘルメット、そして顔にかけられた眼鏡、これはルッカという少女の姿の特徴。
そして、その身体を動かしている意思は、佐倉双葉という少女のもの。
彼女は片手に一枚の紙を握りしめながら、険しい表情をしながら急ぎ早に歩いていた。
これは、第三回定期放送が終わった直後の出来事だった。
これは、第三回定期放送が終わった直後の出来事だった。
佐倉双葉はやがて、一つの部屋の前で立ち止まる。
その部屋の扉には、「S.K.」と書かれた看板も付けられていた。
その部屋の扉には、「S.K.」と書かれた看板も付けられていた。
双葉は、その扉を『バン!』と勢いよく開け、中に入る。
「やあ、お疲れ様」
部屋の主が、彼女を出迎える。
彼は、椅子に座った状態でそこにいた。
彼は、椅子に座った状態でそこにいた。
白髪の頭の上にアンテナのような装置を付けた人物、前々から出ていた主催陣営の一人、小野寺キョウヤの身体となっている斉木空助だ。
「S.K.」は、彼のイニシャルのことだった。
「S.K.」は、彼のイニシャルのことだった。
「……お前、一体どういうつもりだ?」
扉を静かに閉めながら、双葉が聞く。
同時に、片手に持った紙を開いて空助に向かって突きつける。
同時に、片手に持った紙を開いて空助に向かって突きつける。
「ここに書いてあることは本当か?お前が、私を今回の放送係に推薦したって」
「ああ、その通りだよ。ついでに、話がしたいからここに来るようにとも書いてあっただろ?」
「ああ、その通りだよ。ついでに、話がしたいからここに来るようにとも書いてあっただろ?」
双葉が持つ紙は、先ほどの放送の終わり際に渡されたものだ。
そこには、印刷で記された「ボスからの伝言」とされている文の下の隙間に、ペンか何かで書かれたらしき小さな文章がある。
そこには、印刷で記された「ボスからの伝言」とされている文の下の隙間に、ペンか何かで書かれたらしき小さな文章がある。
「そこそこ苦労したんだよ?君にだけメッセージが伝わるよう、そいつに書き込むタイミングとか測るのは。渡すのはボンドルドの祈手の役割だったしね」
「…どんなタイミングで、どうやって書き込んだんだ?」
「まあ単純に、これを運んでいた祈手から、こっそり内容を見せてくれと言って渡してもらい、その隙に書き込んだ形かな。最初から、折りたたまれた状態だったからできたことだけどね」
「…書いてる途中でバレなかったのか?」
「そこは、どうやったかは秘密にしておきたいね。まあ、どうにか上手くやったとだけ思って欲しいかな」
「…どんなタイミングで、どうやって書き込んだんだ?」
「まあ単純に、これを運んでいた祈手から、こっそり内容を見せてくれと言って渡してもらい、その隙に書き込んだ形かな。最初から、折りたたまれた状態だったからできたことだけどね」
「…書いてる途中でバレなかったのか?」
「そこは、どうやったかは秘密にしておきたいね。まあ、どうにか上手くやったとだけ思って欲しいかな」
色々と謎なところはあるが、紙に追加で書かれた内容は確かに斉木空助が意図的に伝えようとしたもののようだった。
「……さっきは、これのせいで驚きの声を出してしまった。これで怪しまれたらどうするつもり…?」
「そこの心配はいらないんじゃない?多分、「ボスの正体」を知ったことによる反応だと思われるよ」
「………」
「そこの心配はいらないんじゃない?多分、「ボスの正体」を知ったことによる反応だと思われるよ」
「………」
先ほどの放送の際は、このメッセージのせいで驚かされてしまった。
そのせいでボンドルド等他の奴らに怪しまれるのではという心配もあった。
けれども、双葉がこれまで確かに「ボス」についての情報を知らなかったのも事実だ。
だから、心配はないと空助は説明してくる。
そのせいでボンドルド等他の奴らに怪しまれるのではという心配もあった。
けれども、双葉がこれまで確かに「ボス」についての情報を知らなかったのも事実だ。
だから、心配はないと空助は説明してくる。
「で、何のために僕がこんなことをしたかについてだよね。そりゃあもちろん、君がこの陣営を裏切ろうとしているのに気付いているからだよ」
「……………何のこと」
「隠さなくてもいいよ。この部屋で喋っても、他の奴らには聞こえないからさ」
「……………何のこと」
「隠さなくてもいいよ。この部屋で喋っても、他の奴らには聞こえないからさ」
双葉は確かに、裏切り行為を犯している。
殺し合いの参加者の1人、エボルトが入手したスマホ、それを通じて繋がった「ナビ」と名乗る人物、
それが、彼女だ。
それが、彼女だ。
「それにその紙にも書いていたでしょ?どうして僕が誰にも話さずに君にメッセージを送ったのか」
その理由についても、確かに紙に書いてあった。
でなければ、こんなところに一人で来ない。
けれどもそれは、簡単には信じられないことでもあった。
でなければ、こんなところに一人で来ない。
けれどもそれは、簡単には信じられないことでもあった。
「僕も裏切ろうとしているんだよ。この陣営のことを」
その答えを、斉木空助はさも当然なことのように言った。
◇
「なんで…?あんた、殺し合いにはけっこう乗り気に見えてたけど」
「そんなわけないじゃん。怪しまれないための演技だよ」
「そんなわけないじゃん。怪しまれないための演技だよ」
まだ怪しんでいるような感じを出す双葉に対し、空助はそう答える。
「それに、この殺し合いはバトロワとしても正直つまらないと感じてるからね。カブトムシの相撲の方がよっぽど面白いと思うよ」
余計な一言も付け加える。
「じゃあ、宿儺をこっちに転送させずに舞台の上に置いたままにしたのは?殺し合いを円滑に進めてくれそうな強力な駒とか言ってたらしいけど?」
「それは、宿儺を呼んだら下手したらこっち側に大きな被害が出るかもしれないのと、あっちに置いたままにした方が早く倒される可能性が考えられたからね。実際、そうなったし」
「……でも、巨人が出てきて余計に酷いことになっていないか?」
「そこまでは流石に予測できなかったかな。まあでも、何とかするしかないよ」
「それは、宿儺を呼んだら下手したらこっち側に大きな被害が出るかもしれないのと、あっちに置いたままにした方が早く倒される可能性が考えられたからね。実際、そうなったし」
「……でも、巨人が出てきて余計に酷いことになっていないか?」
「そこまでは流石に予測できなかったかな。まあでも、何とかするしかないよ」
「ギニューにモノモノマシーンの場所を教えたのは?」
「そっちの方に向かってた絵美理を倒させるためだね。あのままだとギニューが勝てない可能性が高いと思った。いざとなったらボディチェンジを使うのは変わらないだろうけど、ある程度物資を与えた方が真正面から戦うことを選んで、消耗してくれるだろうと考えたためだね」
「そっちの方に向かってた絵美理を倒させるためだね。あのままだとギニューが勝てない可能性が高いと思った。いざとなったらボディチェンジを使うのは変わらないだろうけど、ある程度物資を与えた方が真正面から戦うことを選んで、消耗してくれるだろうと考えたためだね」
「……自分の弟の意識が復活していたらしいのに、それを封じるように言った理由は?」
「ああ、それについては先に前提として話しておかなきゃいけないことがあるから、他の話の後でね」
「………」
「ああ、それについては先に前提として話しておかなきゃいけないことがあるから、他の話の後でね」
「………」
これらの言葉が、どこまで本当なのか双葉には判断がつかない。
どれも軽薄そうに話すせいで、そう感じてしまう。
後から考えた言い訳もあるんじゃないかとも、想ってしまう。
どれも軽薄そうに話すせいで、そう感じてしまう。
後から考えた言い訳もあるんじゃないかとも、想ってしまう。
「まあ、後付けがあるのは否定しないけどね」
何か、心を読まれたような感じもした。
次に、直前にあったことについての質問をぶつける。
「……何故、私に放送を担当させた?」
「君をここに呼んで、話の本題に早く入るためだね」
「………そもそも、どうやって私のことを…」
「それは単純に僕が君の動きを少し怪しく感じたっての…こいつのおかげもあるよ」
「君をここに呼んで、話の本題に早く入るためだね」
「………そもそも、どうやって私のことを…」
「それは単純に僕が君の動きを少し怪しく感じたっての…こいつのおかげもあるよ」
斉木空助が何故自分の裏切りを察知できたのかを疑問に思う。
そのことを言葉として口に出すと、空助は近くの机の上にあるものを指さした。
そのことを言葉として口に出すと、空助は近くの机の上にあるものを指さした。
そこにあったのは、一台のノートパソコンであった。
それも、けっこう古そうな型のもののように見えた。
それも、けっこう古そうな型のもののように見えた。
「さて……ねえ、君は今ここにいるのかな?『ポルナレフ』」
空助はそのノートパソコンに対し、話しかけた。
誰かの名前も、読んでいた。
すると、奇妙な現象が起きた。
誰かの名前も、読んでいた。
すると、奇妙な現象が起きた。
『カタ』『カタ』『カタッ』
「えっ!?」
「えっ!?」
ノートパソコンのキーボードが、ひとりでに押され始めたのだ。
それに対応するように、PCの画面に文字が書き込まれていく。
それに対応するように、PCの画面に文字が書き込まれていく。
『ああ。私は今、ここにいる』
「よかった、これで話が早くなるよ」
「よかった、これで話が早くなるよ」
空助はそのPCに表示された文章と会話を始めた。
「ちょ、ちょっと待って。今、一体何が…」
「『幽霊』だよ。目に見えない幽霊がこのPCを操作したんだ」
「はあ!?」
「『幽霊』だよ。目に見えない幽霊がこのPCを操作したんだ」
「はあ!?」
これまた、にわかには信じられない話が出てきた。
「まあようするにだね、すり抜けることで様々な場所に行ける幽霊が、君が隠れてやっていたことを見ていて僕に教えてくれたんだよ」
「何それ…。それにこれ、動いているのはまさかポルターガイストってことか…?」
「まあ、そんなところかな」
『すまなかったな。勝手にこのようなことをして』
「何それ…。それにこれ、動いているのはまさかポルターガイストってことか…?」
「まあ、そんなところかな」
『すまなかったな。勝手にこのようなことをして』
説明されても、気持ち的には中々受け入れられない。
そんな双葉に応じるように、PCのキーボードはまた勝手に動いて、彼女に向けたメッセージを表示する。
そして更にまた、PC画面に新たな文章が打ち込まれていく。
そんな双葉に応じるように、PCのキーボードはまた勝手に動いて、彼女に向けたメッセージを表示する。
そして更にまた、PC画面に新たな文章が打ち込まれていく。
『先ほどもクウスケが名前を呼んでいたが、改めて自己紹介する。私の名前はジャン=ピエール・ポルナレフ。幽霊だ』
幽霊は…ポルナレフは、そう名乗った。
2人には姿は見えてないが、彼は確かにそこにいた。
2人の声も、ちゃんと聞こえているようだった。
2人には姿は見えてないが、彼は確かにそこにいた。
2人の声も、ちゃんと聞こえているようだった。
「………一先ずは、幽霊は、いることにしておいてやる。けどもそれなら、お前は一体どこの誰なんだ?」
とりあえずは、話を進めるため、幽霊の存在は一旦受け入れたことにする。
そうだとしても、急に出てきた幽霊の正体については、疑問が出る。
そうだとしても、急に出てきた幽霊の正体については、疑問が出る。
『私のことについてよりもまず、話しておきたいことがある。佐倉双葉、君はこの殺し合いのことについてどう認識している?』
「………私は最初、『世界を超えて突如として精神が入れ替わった者達を、元に戻すための研究をしている』と説明された」
それが、佐倉双葉の当初の認識だった。
自分達が今いる陣営も、被害者だと説明された。
入れ替わりの原因等は、不明だとされていた。
そしてその原因は今も、彼女は分かっていない。
自分達が今いる陣営も、被害者だと説明された。
入れ替わりの原因等は、不明だとされていた。
そしてその原因は今も、彼女は分かっていない。
「けども、他の奴らの態度が何か怪しいと感じ、独自に調査を始めた。怪しいと思ったのは、そこに座っている男(空助)も含めてな」
ただ元に戻す研究をしているだけにしては、奇妙に感じることは多かった。
特に、ボンドルドに関しては彼の直属の部下たちも皆仮面姿で、色々と怪しいと感じる行動をよく見かけた。
特に、ボンドルドに関しては彼の直属の部下たちも皆仮面姿で、色々と怪しいと感じる行動をよく見かけた。
「そして今から数時間前、意を決して問い詰めてみれば、本当に驚かされた。殺し合いを運営しているってことを、何も変哲もないようなことに答えられたからな…!」
そんな風に回答し、現状を教えたのは、ボンドルドだった。
このことに対し、双葉がどれほど抗議しようとも、さも当然のことのように「これは必要なこと」みたいな風に言われた。
更にはそんなことがあった上で、ボンドルドは本来の仕事をこれまた当然のことのように続けさせようとした。
このことに対し、双葉がどれほど抗議しようとも、さも当然のことのように「これは必要なこと」みたいな風に言われた。
更にはそんなことがあった上で、ボンドルドは本来の仕事をこれまた当然のことのように続けさせようとした。
「まあ、そんなんだから、君を今回の放送係にするのもよしとしたんだろうね」
「うるさい」
「うるさい」
『それで今の君は、精神の入れ替わりや、元に戻す研究をしていると言っていたことについてどのように考えている?』
「……嘘、じゃないのか?」
「……嘘、じゃないのか?」
殺し合いなんて仕掛ける奴らが、本当に自分達が元に戻るための行動をしているとは思えない。
入れ替わりも、こちら側にいる奴らの仕業なんじゃないかと思ってきている。
入れ替わりも、こちら側にいる奴らの仕業なんじゃないかと思ってきている。
『それじゃあ先ほどの放送で、自分たちのボスの正体が「亀」だの「カメラ」だの言わされたことについてはどう感じている?』
「………それは、本当に分からない。そもそも、ボンドルドがいわゆるボス…じゃなかったのか?違うのか?それともまさかあいつの正体が実は亀…?いや、どうなんだ…?」
「………それは、本当に分からない。そもそも、ボンドルドがいわゆるボス…じゃなかったのか?違うのか?それともまさかあいつの正体が実は亀…?いや、どうなんだ…?」
ボンドルド自身がそう言っていたわけではないが、認識としてはそんな感じになっていた。
全体としてこちら側の人物達を取り締まっていたのも、彼が行っていたような印象を持っていた。
ただ、今の聞かれ方的に、先の放送で自分が言わされたことに何か意味があるような感じがあった。
全体としてこちら側の人物達を取り締まっていたのも、彼が行っていたような印象を持っていた。
ただ、今の聞かれ方的に、先の放送で自分が言わされたことに何か意味があるような感じがあった。
『君たちの「ボス」の正体は、私の正体の話にも繋がる。だからまずは、そのことについて話させてもらう』
『まず第一に、君が言わされたことは真実だ』
『殺し合いのボス…黒幕と呼べる存在は、確かに「亀」だ』
『殺し合いのボス…黒幕と呼べる存在は、確かに「亀」だ』
『そいつの名は「ココ・ジャンボ」』
『彼は今、「MIDEN F-Mk2」というカメラに精神を移されている』
【追加主催陣営】
佐倉双葉@ペルソナ5(身体:ルッカ@クロノ・トリガー)
ボンドルドの祈手達@メイドインアビス
佐倉双葉@ペルソナ5(身体:ルッカ@クロノ・トリガー)
ボンドルドの祈手達@メイドインアビス
【その他登場人物】
ジャン=ピエール・ポルナレフ(幽霊)@ジョジョの奇妙な冒険
ジャン=ピエール・ポルナレフ(幽霊)@ジョジョの奇妙な冒険
【黒幕】
ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険(身体:ミデン@映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ)
ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険(身体:ミデン@映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ)