《 エムロード王国 / Emeraude 》 |
概要
『
僕らの物語』・第7章に登場する舞台。
その昔から現在に至るまで、多くの魔法使いや魔女によって築かれてきた魔法の王国。世界政府加盟国。
俯瞰図によれば宝石のような形をした国領内に7か所に及ぶ区画があり、
それらを隔てるように王国中心部に大きな一本道「バルクロード」が敷かれている(
俯瞰図は下記の「参考画像」を参照)。
王国全体を取り囲むように高さ40mに及ぶ巨大な壁が立ち、
壁の切れ目からも強大な魔法による結界がドーム状に張られ、王国内部から国外へ飛び超えることは不可能になっている。
そのため、王国への唯一の入出国できるのはバルクロードを通じてのみ行われる(魔法の国西側にも別口が存在する)。
歴史
ケイオス創世紀まで遡るほど古く長い歴史を持つ。
遥か大昔、ある大魔導士たち7名による旅団が荒野でサバトを開き、その地に漂うエーテルがマナと化合して一斉に結晶化。
その際に7つの『
賢者の石』が生み出され、取り囲むように強大な魔素を含んだ無数の結晶群で構築された大地が誕生する。
賢者の石を手にした旅団はその目的を達成したことによって解散され、各々に各地へと散らばったが、
旅団のリーダー格だったヴァイスシュバルツ家の祖先はサバトの跡地を居住区域とし、
賢者の石の力を使い無尽蔵に溢れ出る魔力によって枯れた大地に緑が咲き誇り、
鉄屑が金銀に錬成されるなど奇跡的な現象を次々と巻き起こし、
それに釣られた人々を招き入れて立派な村を築き上げた。
やがて村から町へ、町から国へとその規模が拡大し、現在のエムロード王国が誕生する。
その際初代国王の王位に就いたのがヴァイスシュバルツ家の祖先であり、
代々に渡り「マナの具現化」や「不老不死魔術」と言った、当時旅団が抱えていた課題も含めて継承し続けてきた。
数百年後、178代目に就いた王族ヴァイスシュヴァルツ家の「シロル&クロル」兄弟が
賢者の石の外郭から生まれたその残骸を「
カオススピネル」と名付け、
賢者の石の膨大な魔力を多くの人間がより安全に扱えるようにその汎用性を広げたことで、幾つかの課題は解決された。
カオススピネルの誕生はエムロード王国をはじめその周辺国にも影響し、
その事実を聞き付け、当時の世界政府はエムロード王国へと接触を図り、
王国の安全と引き換えに
賢者の石の外郭である
カオススピネルを譲渡し続ける契約の下で政府加盟国に任命された。
この
カオススピネルの魔力の影響や普及により、
それまで大魔導士の血族だけの特権だった魔法を使役できる人間が一般家庭からも生まれるようになり、
やがて魔法使いや魔女が次々と誕生することにもなった。
これらの功績を残したシロルとクロルもまた
賢者の石や
カオススピネルの研究を突き詰めた結果、
その魔力によって不老不死の身体を得ることに成功する。
王国は安寧の未来が約束されたものと思われたが、そこから長い年月が経った2011年の10月、
無限の力を生み出すはずの
賢者の石に異変が発生。
以前のように魔力を発揮せず、物質の生成や錬成が不可能となっていた。
これは、
賢者の石の魔力が衰弱していたことを裏付けていた。
賢者の石の魔力に頼り過ぎた王国は人類増加の影響も受けて一人一人に供給できる魔力や
カオススピネルにも限界が発生し、
王国に流れるエーテルやマナの流れも衰え、作物や土地にも悪影響が出始める。
加えて、それまで現在していた魔法使いたちの魔力、ひいては生命力にも悪影響を及ぼし、
魔法の才能に覚醒する人間すら生まれないなど衰退化は著しいものとなっていた
(
ベールと
シントリーの両親もそれが原因で死亡している)。
王国復権に奮闘するシロルとクロルのもとに、突如現れたマカオとジョマが二人を唆す様に助言する。
それは、その当時から強大な魔法に目覚める可能性が高かった少女=魔女を育成し、
彼女たちを人柱にサバトを再び引き起こして力を失いかけている
賢者の石の復活を目論む『魔法少女育成計画』であった。
しかしこれは、罪なき少女たちをサバトの生贄にすることであるとシロルとクロルは猛烈に反対するが、
反感を買ったことでマカオとジョマに洗脳・憑依されてしまう。
以降、シロルとクロルの身体を利用したマカオとジョマによって計画が強行され、
ベール(エルメラ)やシントリーなどといった幼い少女たちがその計画の犠牲者となってしまう。
区画
エムロード王国の首都にして国内最大都市。王国の4分の1を占める領域を持つ。
都市部中心には「マジルカ城」がそびえ立ち、取り囲むように城下町が広がっている。
後述するドレ・オールのように、大型の貿易施設や工場などはすべて国内の別区画に立ち、
都市部には生活居住区を主として民間の商業施設等が立ち並ぶ。
草木や海などの自然物、建物などの人工物すべてが翡翠色の輝きに包まれており、
これは強力な魔素(マナ)を含んだ
カオススピネルがここマジルカで大量採掘されることに起因する。
その為王国、とりわけマジルカの都市部に近づけば近づくほど大気中に漂う魔素が濃くなるため、
魔法使いたちが活動しやすい領域となっている。
この街の地下にはオカマたちの楽園である「ニューカマーランド」がある。
元ネタは『オズの魔法使い』より。
マジルカの地下に存在するオカマたちの楽園。
地上の様々な場所に入り口が存在しており、住人たちはその存在に全く気付いていないため、
人が突然消えることを「鬼の袖引き」と呼んでいる。
エムロード王国の先代王がかつてのオカマ王と友好関係を結んだことをきっかけに、
世間には秘匿されながら王国地下にこのニューカマーランドが築かれた。
現オカマ王のイワンコフが仕切っている影響で、
ここに辿り着いた迷える住人は一人残らず性別を超えた新人類(ニューカマー)に変貌している。
飲食物や衣類、新聞などの物資は、地上から調達しているため何も不自由は無い。
ニューカマー拳法一派の総本山という側面があり、
住民はほぼ全員が拳法家(ニューカマー拳法使い)で並みの魔法使いや
政府軍兵士等を上回る戦闘力を有する。
また、ニューカマー拳法が健康法としても優れた一面を有することに加え、
オカマたちの「魅力あるオカマである」ことに対する並々ならぬ拘りと矜持から、
美容・健康の文化も非常に発達しており、こと地元料理の完成度も極めて高い。
造船業が盛んな水の町。
地下水路を通じて遠方より海水を取り入れ、広大な湖として形成されている。
サフィール海峡同様の造りをした区画であり、その中心部に「ラピス宮殿」と呼ばれる観光名所がそびえ立つ。
首都マジルカが現在のものとして築かれるよりも大昔、
数百年にも及ぶ首都の大規模な修繕工事の為に一時的に王族がこの地に移り、
宮殿はその際に建てられたものである。
マジルカ完成に伴い王族を含む多くの民人たちがこの地を去ったが、
当時の一時的な栄華の名残は健在である。
人が住めぬほどでこぼこした地形が広がる山岳地帯。
その昔は銀や銅が採れる場所として人の出入りも多少あったが、
エーテル起動の僅かな乱れが偶発的にこの区画に集中したことでそれが地形にも影響され、
突き進むのが困難なほど大地が歪んでいる。
隠居人たちの集落がある峠が奥地に存在するという。
「黄金の街」と称される商業地域。
主に他国との貿易や物流管理は首都ではなくこの地域で行われ、
ここからマジルカなどの別区域へ資材が流れるようになっている。
王国の正面口を抜けてすぐ右手に広がる平原。首都マジルカに勝るとも劣らない広い領域を誇る。
遊牧地帯でもあることから多くの家畜がここで育成されている。
王国の正面口を抜けてすぐに左手に見える大きな氷山。
もともとはただの名もない山だったが、氷の魔女が住みかとしていることからその影響で年中積雪状態である。
二ヶ月に一度だけオーロラが発生し、観光スポットの一つになっている。
関連人物
~住人~
本編のオリジナルキャラクター。
詳細はキャラページを参照。
本編のオリジナルキャラクター。
詳細はキャラページを参照。
『魔法少女まどか☆マギカ』に登場。
『東方project』に登場。
~ニューカマー~
『ONE PIECE』に登場。
『ONE PIECE』に登場。
『仮面ライダーウィザード』に登場。
- 凰蓮・ピエール・アルフォンゾ / 仮面ライダーブラーボ
『仮面ライダー鎧武』に登場。
『Fate/Grand Order』に登場。
『GUILTY GEAR』に登場。
『ボボボーボ・ボーボボ』に登場。
極悪斬血真拳の使い手にして、マカオとジョマの部下であり「オカマ三銃士」の一人。
どんなおふざけも許さない伝説の"ボケ殺し"の生き残りであり、ネタキャラを容赦なく叩きのめす最恐の力を持つ。
マジルカ城へ突入した
ペニーワイズ、泉研、
首領パッチらの前に立ち塞がり、
おふざけを連発する彼らボコボコに叩きのめすが、途中参戦した
夜神月と、そんな彼に憑依したグリードのタッグを前におふざけなしの真剣勝負を繰り広げ、敗北。
最終的に
夜神月のイケメンぶりとその強さに惚れて彼に寝返った。
『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』に登場。
マカオとジョマの部下であり「オカマ三銃士」の一人。
ルナのガイアメモリを使うことで「ルナ・ドーパント」と呼ばれる怪人態に変身して戦う。
マジルカ城へ突入した
エースバーンとアストルフォ、ポリゴン2の前に現れて妨害するが、
途中参戦した仮面ライダーガッチャードの登場から劣勢を強いられ、敗れる。
『BLEACH』に登場。
マカオとジョマの部下であり「オカマ三銃士」の一人。
厳めしい体格を持つ破面(アランカル)のオカマ。
自身の美貌に絶対の自信を持っていたり、普通の攻撃にやたら長い技名を付けるなど生粋のナルシスト。
武器である
斬魄刀が持ちうる"帰刃"『宮廷薔薇園ノ美女王(レイナ・デ・ロサス)』を持ち、戦闘に置いて更なる進化を発揮する。
マジルカ城へ突入した
ウェルド、神戸尊(仮面ライダー3号)、凰蓮・ピエール・アルフォンゾ(仮面ライダーブラーボ)らの
前に立ち塞がるも交戦の末に敗北する。
『クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』に登場。「第7章」の黒幕。
外見はバレリーナの姿をした2人組のオカマ魔女。
金髪の横髪と後ろ髪が残った禿頭がマカオ、髪型が団子のツインテールである方がジョマ。
2人ともバレエを得意とする。本人たち曰く、「クールな男が好き」。
「オカマ三銃士」や「執事」という何名かの腹心に加えており、また全盛期の魔力を失っているとはいえ相当な力を隠し持っている。
異世界からやってきては「
賢者の石」の噂を聞きつけエムロード王国へと乗り出すも、、
当時国王だったシロルとクロル、彼らと友好関係にあった先代オカマ王の奮闘からニューカーマーランドの奥深くに封印されてしまう。
しかし12年以上前に偶然その場に居合わせたムスカによって封印が説かれてしまい、
賢者の石を求める彼と意気投合して共謀。シロルとクロルの身体を乗っ取ることで王国を牛耳る。
以来、本来の力を取り戻す、即ち力を失った
賢者の石を完全なものにする為に
ベールをはじめとする多くの少女や国民たちを恐怖に陥れる「第二のサバト」を開く。
ムスカや黒岩満などの協力者を得ていることから滞りなく暗躍を実現できたが、肝心の
賢者の石を
ベールが持ち去ったことで計画が頓挫した。
だがその彼女が帰国した際、ついに計画を詰め始める。
~王族~
本編のオリジナルキャラクター。
本名「ヴァイスシュヴァルツ・シロル / クロル」。
エムロード王国178代目国王を二人で務める双子の兄弟。
外見はシロルは黒髪に白衣、クロルは白髪に黒衣となっている
(外見は「
こちら①
」と「
こちら②
」を参照。ただし、②にある参考画像の黒衣の男性の顔立ちは①に準える)。
不老不死の魔法が施され、100年以上の長い年月を過ごしてきたが、
二人とも男性であることから膨大な魔法を使役できる魔女には及ばない。
魔法使いであるものの、魔法の国の管理と統制を数百年をかけて行ってきた。
生身の状態では従来の魔女よりも魔力に限度があるため、
特殊な魔力を秘めたドライバー(※外見は『仮面ライダーウィザード』に登場するワイズドライバー)を装着することで、
自らの魔力を底上げし膨大な魔法を顕現することができる。
ドライバーに秘められた魔力を開放することで、シロルは「白の魔法使い」、クロルは「黒の魔法使い」に変身し、
それぞれ桁外れの威力を誇る魔法を扱うことができる。
武器は、白い魔法使いはハーメルケインと呼ばれる刃の付いた横笛であり、
黒い魔法使いはディースハルバードというち長大の斧。
前者は吹けば相手のエーテルに干渉し能力や魔法の無力化を齎す"盾"に、
後者は振ればいかなる硬さを誇るものでも切断・破壊できる"矛"になる。
これらの武器は母・グレイルの忘れ形見であり、武器そのものに彼女の魔力の残滓が含まれていることから、
グレイルの魔法で不老不死となった二人の寿命を絶つ唯一の武器でもある。
後にそのことを知ったグレムリンにハーメルケインを奪取され、
二人の身体に憑依した同様の不死身体であるマカオとジョマが殺害されてしまう。
余談だが、「白い魔法使い」の外見は仮面ライダーワイズマン、「黒い魔法使い」は仮面ライダーソーサラーが元となっている。
オリジナルキャラクター。
表向きにはシロルとクロルに仕える執事だが、その正体はマカオとジョマの腹心の一人。
醜悪な顔面を持ち、特に美しい女性に対する倒錯した感情を持つ。
マジルカ城へ突入したホムラ(ヒカリ)の前に立ち塞がりタイマンで交戦する。
『仮面ライダー鎧武』に登場。
表向きにはシロルとクロルに仕える執事だが、その正体はマカオとジョマの腹心の一人。
マジルカ城へ突入した
メディ、
ヴィヴィ、ボン・クレーの前に立ち塞がり交戦。
序盤は生身による肉弾戦で戦うが、追い込まれた際に切り札である「ゲネシスドライバー」を使用し、仮面ライダータイラントに変身。
過去に戦極凌馬から試作品であるこのゲネシスドライバーとドラゴンフルーツエナジーロックシードを譲り受けており、
「仮面ライダータイラント」としての力を獲得していた。
~ファントム~
『仮面ライダーウィザード』に登場。
「ワルプルギスの血祭」の際に誕生したファントム「グール」の一体が派生的に知性を得て目覚めた一人。
王国で暴走するも、マカオとジョマに封印されマジルカ城の地下に封印されたが、
その数十年後にソラ(グレムリン)によって解放され、再び人間を襲い始める。
「内藤」というのはソラが彼に命名した人間態としての姿。
「美しい心を持つ人間」を見境なく襲うことに快感を覚える性格をしている。
両端に刃がついた薙刀「ハルメギド」を武器としており、人間を切り裂いて思い出(精神世界)に干渉することが可能であり、
ズタズタに切り裂くことで精神的に死に追い詰める能力を持つ。
いくつもの「美しい心」を壊した後、どこまでも人を守ろうとする
ベールに目をつけ、彼女の思い出に侵入するが、
自分を追いかけてきた
「あなた」たちによって撃破されてしまった。
『仮面ライダーウィザード』に登場。
「ワルプルギスの血祭」の際に誕生したファントム「グール」の一体が派生的に知性を得て目覚めた一人。
レギオンとは異なり知能指数が高く、ファントムを根絶やしにしようと奮闘する王族から逃れるように
「滝川空」という人間に擬態してひっそりと人間社会に紛れ込むことを選んだ。
しかし人間社会の闇を閲覧して犯罪に手を染めることに快感を覚え、
以降は「人間になる」ことでより強い快感を覚える為に王国から
賢者の石を奪うために数年かけて暗躍する。
そして「
賢者の石」の存在を把握した後、マカオとジョマから奪ったハーメルケインを用いて、
彼らを抹殺した挙句
ベールから
賢者の石を取り出すことに成功。
自身の体内にそれを埋め込み、魔力を集めることで人間になろうと目論むが、
より凶暴な怪人態へと真逆の進化を果たしてしまったことに絶望。
更に多くの魔力を奪うことで今度こそ人間になろうと人間たちを見境なく襲撃するが、
「あなた」たちに妨害され、そして因縁の決着をつけるべく立ち上がった
ベールによって石を奪われると共に倒され、塵へと還った。
用語集
詳細は該当ページを参照。
詳細は該当ページを参照。
ケイオスに漂う魔力の源素であり、魔法を発動させるために不可欠な原動力となる一種のエネルギー。
エーテルとは似て非なるものだが、マナはそれよりも濃い魔力を含むため、
魔法使いをはじめとする魔法を行使する者たちとの適合が高いとされている。
エーテルが結晶化するとクリスタル化するのに対し、
このエーテルにマナが化合し結晶化すると『
カオススピネル』が生み出される仕組みとなっている。
二種のエネルギーが混ざり合い形になった
カオススピネルは該当ページにも記されている通り、
エーテルやクリスタルよりも向上性能の効果がすぐに表れ、それ故に汎用性が高い。
遥か大昔、大魔導士の旅団が「一度目のサバト」を開いたことでその地に漂うエーテルとマナが化合し、
世界で初めてとなる
カオススピネルが誕生した。
遥か大昔から伝承として残されている魔法使いや魔女たちによる儀式。
混沌世界に流れるエーテルの密度が著しく強くなる「日蝕」もしくは「月蝕」の日に開かれ、
強大な魔力を持つ者たちがその魔法を結集させることで計り知れないほどの膨大な魔素をこの世に生み出すとされている。
この儀式によって、無から有を生み出す
賢者の石が後につくり出されるための高密度の魔素が誕生した。
ケイオスの歴史上、サバトが開かれた記録は過去に二回存在し、
一度目は700年前、二度目は2011年の10月9日(
ケイオスの腐食化が起きた日)である。
一度目のサバトは当時冒険をしていた大魔導士の旅団によって後にエムロード王国が築かれる広大な荒野にて行われ、
そこから約700年後に現在のエムロード王国・マジルカにて現国王シロルとクロル(マカオとジョマ)によって引き起こされるが、
後者の「二度目のサバト」は失敗に終わっている。
そのため、魔法少女育成計画でありったけの魔力を異常なまで注ぎ込まれた魔女たちがその体内で魔力が逆流し、
『ファントム』と呼ばれる魔物が本人の肉体を食い破るように誕生してしまうなど、この失敗によってサバトの危険性が垣間見られた。
奇跡的にもファントム化を逃れたエルメラ、
そして半身のみファントム化したシントリーの二人を除いた多くの魔女たちがファントムとなり、
マジルカにて「ワルプルギスの血祭」が引き起こされる。
この時、多くの暴走ファントムはマカオとジョマが率いる衛兵たちによって駆除されたが、
その中でも危機感知能力が極めて高かったグレムリン(ソラ)だけは生き永らえ、後に人間態となって生存した。
上記のことから、ファントムの誕生はサバトの副産物に過ぎず、
サバトの真の目的は世界に尋常ではない魔力を生み出すことである。
サバトを引き起こすためにはいくつか条件があり、ひとつは「日蝕」もしくは「月蝕」の日であること、
初代サバトを開いた大魔導士の遺産である「ハーメルケイン」を吹くこと、
強い魔力を持つ存在(それが複数でも単身でも)=「
賢者の石」の三点が必要とされている。
伝承では、「一度目のサバト」は成功していると描かれているが、
ヴァイスシュバルツ家の祖先が残した真の史実を知るシロルとクロルによれば失敗に終わっているという。
「一度目のサバト」により
賢者の石は確かに生み出されたが、実際は、
賢者の石をつくり出すには大量の魔素だけでなく、幾万人にも及ぶ複数の生きた人間を対価に錬成される代物であった。
つまり、「一度目のサバト」は世界に隕石に勝るとも劣らない強大な魔法を落とし、多くの人々の命を奪い、
その魂を対価にして
賢者の石がつくり出されたのである。
グレムリンは、絶滅危惧種である魔法使いや魔女たちに寄らず、
全世界に生きる人間たちの生気を吸い上げ、それを魔力として還元することで、
過去最大規模となる「三度目のサバト」を引き起こし、
史上最大の魔力を得てファントムから人間へ進化することを企んでいた。
『仮面ライダーウィザード』に登場する怪人。ただし、
カオスドラマにおけるファントムの位置づけは原作と異なる。
「第7章」で描かれた劇中では、マカオとジョマが企てた「二度目のサバト」が失敗したことで生まれた副産物となる魔物として登場。
魔法少女育成計画で人柱として選定された魔女たちが、
「二度目のサバト」の失敗を受けて注入された膨大な魔力が逆流してしまい、
自らの身体を食い破って魔力を得た魔物が生まれる。後にこの魔物がファントムと呼ばれるようになる。
その姿形は異形だが、魔女の魔力を食していることからある程度の魔法を行使できるほか、
ソラ(グレムリン)や内藤(レギオン)のように知性を得て人間態として擬態する個体も存在する。
大勢のファントムが生まれ暴走した事件「ワルプルギスの血祭」にてその多くが王国によって討伐されたものの、
あまりにも凶暴故に封印されたレギオンと、危機感を得て人間体として身を潜めたグレムリンの二体のみが現在生き残っている。
エムロード王国おける「魔女」とは「魔法少女」の略称である。
魔法を扱うことができる特異的な能力を持つ女性の総称であり、
世間一般の「魔法使い」の亜種という位置づけになっている。
魔法の国から溢れ出すより高密度のマナを授かることで魔法を体得する。
生まれながらに魔法の才能を持った少女が魔法の国の技術で力を増幅されることにより魔女になるとされ、
人間の限界を超える身体能力と特殊能力『魔法』を手に入れる。
男性においてもマナの享受によって「魔法使い」になることはあるが、
それでも女性との適合率が極めて高いため、
男性の魔法使いは外付けの魔導機関などを用いて魔力の補完を行うこともある。
何故女性のみにそのような現象が引き起こるのかは様々な諸説があるが、依然として理由は明らかとなっていない。
マジルカにて行われる新たな魔女の選定。シロルとクロル(マカオとジョマ)により提唱された。
孤児となった少女を対象に王族がその身柄を確保し、優れた環境下で生活と魔法の勉学及びその習得を行うものであり、
ベールとシントリーも幼少期にお世話になっていた。
しかしそれは表向きであり、その実体は強力な魔力を秘めた魔女(魔法少女)を育成し、
「二度目のサバト」を引き起こす為に必要な人柱に選定するためにマカオとジョマが企てたものであった。
城の地下にて孤児の少女たちに無慈悲な体罰を加えた魔法の強制習得を強いるもので、
ベールはこの凄惨な生活を続けてきたことで魔法に対して時折嫌気がさす程にトラウマを植え付けられた。
2011年10月9日にマジルカで起こった最悪の大事件。
マカオとジョマが行おうとした「二度目のサバト」が失敗に終わり、
多くの魔女たちが「ファントム」と化して国内で暴走し未曽有の被害が巻き起こった。
この事件をきっかけに
ベール(当時はエルメラ)は妹のシントリーと共に「魔法少女育成計画」の呪縛から逃れるものの、
不慮の事故によってその最愛の妹を失い、
賢者の石を奪って国外へと逃亡した。
賢者の石を奪われたことに激昂したマカオとジョマは、後にこの大事件の濡れ衣を
ベールに被せることで、
彼女が王国を恐怖に陥れた挙句
賢者の石を奪い去った最悪の魔女として指名手配されることとなった。
最終更新:2024年08月07日 21:45