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幻影の巨塔 崩壊から2時間が経過。
圧倒的な力の前に退散を余儀なくされた彼らは今――――
― ツグリ村 ―
なこ「 はいっ、これでもう大丈夫…♪(*´꒳`*) (閑散とした村の中にある小屋。そこでアンビーに向けて聖なある光を宿した手を突き付け、回復魔法を施していた) 」
アンビー「ん…ありがとう…… 魔法…そんなもの、はじめて見た……(無表情だが感心するようになこの日カルテを興味津々に見つめていた) 」
ニコ「よかったじゃないアンビー。タダで治療してくれるなんて…魔法様様よね~♪ねえ?これからウチら「邪兎屋」のお得意さんになってみない?悪いようにはしないわよ♪(なこにウインクを飛ばす) 」
ビリー「ははは…!まあまあ、ニコの親分!その話は置いといてさ… 恩に着るぜ!え~っと…魔少女なこ…だっけか?いい響きだな!くぅ~~~ッ!俺もスターライトナイトに変身できる力があればな~~~! 」
なこ「あははは…(ˊᵕˋ;)(愉快な邪兎屋の面々に苦笑する)……うん、でも…なこなんて、魔法の扱い方はまだまだなんだけどね… そういえば、
カズネちゃんの方がすごいよ…♪あっと言う間にみんなの傷を癒しちゃうなんて…!神聖魔法の使い手っていうのは本当だったんだね…!(*゚д゚*) 」
カズネ「うん… わたしには、これしか取り柄はないけど…でも、誰かの役に立てられるのなら…自分の得意なこと、どんどん頑張ろうって、思えて… なこも、いつかきっとすごい魔法少女になれる。わたしよりも、魔法の素質があるから… 」
なこ「……!そ、そうかなぁ~……?えへへ……♪ (๑′ฅฅ‵๑) 嬉しい……うんっ、頑張ってみるよ、カズネちゃんみたいに……♪( ´͈ ᵕ `͈ ) 」
アガラ「何かできた気がする……結局様子を見ると言いながら、こんな身体なのに、怯えてばっかりで………どんどん気が滅入ってきた………あんなの相手にどうしろって言うんですか……ブツブツブツ(壁の方を向いて寝転がり……というより半ば不貞寝のような形でブツブツと呪詛を吐き続けている) 」
ピカマン「治療してください……ピチュウに戻れないんです…… 」
村野さやか「みなさ~ん、ご飯ができましたよ~!(厚手のキッチン用手袋に大きな鍋を持ちよると、それを木製テーブルの上に置く。香る湯気と匂いから、シチューであるのがわかった) 」
メ樽マルス「俺は幻影の孤島で、力不足だったので・・・・・めちゃくちゃ負けてしまったようだ・・・・?そして・・・・・一命をとりとめたが、身体を改造され・・・・・なんと、ナイフ団の一員になってしまった・・・・・ 」
日野下花帆「わぁ~い♪待ってました!さやかちゃんのご飯、とっても美味しいんだよ!?もうたくさん走っちゃってお腹ペコペコだよ~>< 」
ドーラの一味「\おかわりおかわり!/\キタァー!!/\おかわり!/\めっちゃうめえなこれ/\キタァー!!/(ラピュタに出てくる盗賊が食堂を埋め尽くしている) 」
パンダ「料理なんか食ってる場合じゃねえ!!(笹を貪り食う) 」
百生吟子「花帆先輩、ちゃんと手洗うんよ?逃げてるときに何度もこけたんやから… 」
大沢瑠璃乃「……ルリはミジンコです……何の役にも立てないミジンコです………(逃走劇で全バッテリーを使い果たしたため、野菜の入っていたダンボールに籠って鬱になっている) 」
安養寺姫芽「ああ~っ!るりちゃん先輩!一緒にご飯食べましょっ?ねっ?そしたら元気になれますよ~…! 」
あ熊博士「俺はあ熊博士だよ!俺の鷹の爪はブリキだぞオメー!ここまで来るまでにこいつであの
幻影の王の顔面をピッタ★だ!お前らが死にそうだっていうから仕方なく逃がすのに付き合ったんだぞオメー!? 」
ピンGOOなのです!👊「解釈違いは修正するのです!パエトーン様がこうして・・・・こう!!こう!!……こうして、こう……デュクシデュクシ こう!! バンッ なのです!GOOなのです!👊(お人形遊びで幻影の王をぶん投げている) 」
ネモ「はぁぁ~~~……生き返るぅ~~……(あたたかいシチューを口にしほっと溜息をつく)なんか…こういうあったかい料理食べたの本当に久しぶりかも…… あれ?そう言えば
メトロちゃん、マスターは?(ふとロイエの姿がいないことに気づいてきょろきょろ向き直る) 」
メトロ「あっ…それがさっきね、大事な用事ができたから失礼しますって言って帰っていったよ。こんな事態だもん、きっと向こうの御家族の身の安全を確保しに行ったんだと思うよ。 」
よっちゃんイカ「ラスボスに幼女のパンチ一発が限界だったって?だらしねえな♂ 次はこいつをぶつけてやるといい(味噌汁) 」
ヒロ「(くたばっている) 」
ロイ(エ)「よお!俺だが!?久しいな!?ロイAの弟のロイBだぁ!?・・・・そして・・・・・・この顔だけど、ロイエと2しか年の差がないw 」
ムスカ「バカ共にはちょうどいい夕飯だ。(盗賊共に挟まれて律儀な姿勢でシチューをすすっている) 」
カズヤ「(ロイ(エ)を崖下へ投げ捨てる) 」
フリーザ「ホホホ…!こうなれば次はドラゴンボールを集めて神龍に不老不死になる願いを叶えてもらってからリベンジマッチするしかないようですねえ?バリッッッッムシャァッッッッッッッ(ナメック星で取れるカニを生きたまま貪る) 」
ドドリゲス「(もうフリーザ軍とかどうでもいいから自由にさせてくれと思う哀れなトリ) 」
ベール「てぇへんだ!!!ヒロの字が虫の息だあ!?いっそ楽にしてやった方がこいつのためだしなあ・・・・!?じゃあ楽にしてあげましょうねええええ!!!はいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!(くたばってるヒロの口ににあつあつのシチューを流し込み、何度もボコボコに死体蹴りをする) 」
シェバナ「なんか案外皆無事やん?良かったやん、多分自分行っても怪我人増えるだけで終わったで(ふて寝するアガラの身体に両足を乗せ、寝転がってシチューを食べている。普通に食べ方が汚い。)………でも、まあ、手は考えんとなあ。
エリノラをどうするかは置いといて、今多分私ら全員危ない状況やで 」
ピカなっこ「 ノ \ " 了 ―――― >> 私に任せて!! << ――――z________ン (親の顔より見た魔法少女がドアを蹴破ってくる)わあ!君も魔法少女なんだ!!(みんみ)私はなこっていうの!!!!!よ"ろ"し"く"ね"ッッッッッ!!!!!!!!!!(音"割"れ") 」
トランクスルー「はい!!はい!!僕も僕も僕も僕もそう思います!!(ベールに便乗しヒロに死体蹴りをかますが存在感が薄すぎて足がすり抜ける)おーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!! 」
ももん「大変だよなこ!!なこの偽物だもん!!! なこ「(見ないフリしておこう……)」 」
ヴィヴィ「(場の空気感に侵されバイブスあげてる) 」
トランセンド「(ぐう畜過ぎるこいつら……)(モンエナ片手に食事している) 」
ピカなっこ「よ"ろ"し"く"ね"ッッッッッ!!!!!!!!!!(なこに向かって!!!!!!!) 」
マルコ「ははっ、みんななんだかんだで調子が戻ったみてえでなによりだよい。(黒縁の眼鏡をかけて不詳者の手当てをしながら周囲の空気に微笑んでいた) 」
なこ「(目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ目を合わせちゃダメだ) 」
アーデルハイト「ヴィナミス単推しです。後はゴミです。よろしくお願いします(自己紹介OK) 」
ジーン「……わかった、ありがとう。(誰かと連絡をしていたのか、スマホの着信を切る)…今、『運営』から連絡があって…これからについての対策会議を行うそうだ。プレイヤーのみんなはそのまま避難し、幻影の巨塔には近づかないようにと警告があった。 」
ツムリ「でも…あのような事態になって果たして運営様だけでなんとかなるのでしょうか…? 」
浮世英寿「いや、無理だろうな。いくらあの『
オムニバス』とはいえ、奴らの管理下にあった「クロノラ」がああもあっさりと誘拐されたんだ。『
プランダラ』ですら手こずっていたことを、あの『 王 』を名乗る男は平然と… そう言えばアスラン、よく来てくれたな。聞くまでもないと思うが、あの事態を見ていたか? 」
アスラン・ザラ「ああ… クロノラのことは、あの一件(※慟哭篇)以来、山野博士と監視を行っていた。「プランダラ」の連中の同行も伺っていたが、ここ最近は奴らの活動も比較的おとなしくなった傾向にある。なにか企んでいる可能性もあるが… しかし、クロノラを誘拐したということは、プランダラの関係性もないとは言い切れないが……何か、引っかかる…… 」
ヒロ「あっぢいいいいいいい!!(シチューと死体蹴りで再度くたばる) 」
ニル「あぅ……さっきの、王様の言っていたこと…少し、気になります… もし私の解釈違いじゃなかったら……あの王様と、プランダラが…クロノラちゃんを狙う動機が全く違うような気がする…と思う……わわっ、ごご、ごめんなさい!なんでもないです……(恥ずかしさのあまりシチューを慌てて食べ始める) 」
村野さやか「……もしかすると、まだ私たちの知らないクロノラさんの"秘密"があるのかもしれません。1000年もずっと生きてきた方なんですから、きっと私たちでは思いもよらない壮絶な過去があるのかも… それが、あの『 王 』に何か関係が……?(話に入りながらお代わりを要求する者たちへ配給している) 」
アスラン・ザラ「………かもな……(ニルやさやかの考えに耳を傾けながら腕を束ねる)今、山野博士がオムニバスのリモート会議に参加しつつ、同時並行であの『
得体の知れない結晶体』の調査も行っている。何かがわかるまではここで安静にしておくといいだろう。いつまた事態が急変するかわからないからな。……ちょっと、
フレイミスの様子を見てくる。(席を外すように小屋を後にした) 」
浮世英寿「ああ……(アスランを見送る)……さて、どうしたものか…… だが、きっと何か"綻び"があるはずだ。そこに付け入る決定的な何かがあればいいが……(ふと、小屋の隅で一人黙々と作業している
メノアを一瞥する) 」
メノア「 カタカタカタカタカタ…… (もし……もし、私の見立て通りなら… あの『黒い結晶体』は…――――)(小屋の隅でラップトップを手繰り、何らかの解析作業に没頭している) 」
バナナ猫「 BA☆NA☆NA (バナナもくださいとさやかにねだる) 」
シェバナ「完全な部外者がこの舞台であそこまで大立ち回り出来るとはなかなか思えんけどなぁ……この舞台丸ごと掌握してるようなレベルやろ?神の御業やなかったら…まあ、中枢を攻められる様な人間か、それこそ1000年前やらの"基盤"に関わってる奴と思うけどなあ〜……シチュー食べてもうた、カフェイン飲みたいカフェイン…… 」
杉下右京「いい加減にしなさいッッッッッッッ!!!!!!!!あなたの物ではありませんよッ!!!!!!(棚の上の最後のバナナを皮ごと被りつく) 」
バナナ猫「イィ~~~~~イィ~~~~~~~😭 」
バナナ猫「 バナナが食べられなくて今これ \あ~の頃の~青を~覚~えていようぜ~♪苦~味が重なって~も光~ってる~♪/(BGM♪:ライラック) 」
メンフクロウ「エッホエッホ… 幻影の巨塔が乗っ取られたってみんなに伝えなきゃ…! 」
アーニャ「(うそだろぉ~?)アーニャ、とりあえずカリカリベーコンバーガー食べたい(思考放棄) 」
ヒロ「…………あれ(あたりを見渡す)みんないる……のか? 」
Dr.エレキテル「こんな有様やったんか?!(幻影の巨塔を見まわし) 」
夕霧綴理「あ、ヒロ起きた―。やほー。シチュー食べる?( あ つ あ つ の シ チ ュ ー を ヒ ロ に 無 理 矢 理 食 わ せ る(※悪意はない) ) 」
桜小路きの子「(綴理の頭に生える) 」
ヒロ「あれ…卒業したはずの綴理ちゃんが……どうやら夢を見ているようdあっっっっっっづっっっっ!!!(綴理にシチューを食わされ飛び起きる) 」
アガラ「足を乗せないでくださいよ足を……飲み物が欲しいのは分かりますけど図々しすぎますって……(シェバナの足を乱雑にどけ)うっ臭っ……放っておいてくださいよ………あんなのの相手なんて……それにあいつの周りの奴ら、王たち?も、滅茶苦茶だし……うじうじ…… 」
夕霧綴理「美味しいでしょ?さやのシチューだよー。まだまだあるよー。(さらに食べさせようとする) 」
ヒロ「待て、熱い!熱い!せめてちょっと冷まして!!(後ずさりしながら) 」
バル艦長「ったくよぉ~~~~!せっかく幻影の巨塔名物のクスタルパッフェを食べに来ただけなのになんで俺たちはこんなしみったれたところでシチューなんぞ食わないといけないんだ!(不満そうにシチューをすする)………うめぇ!!!!!おかわり!!!!!(掌返し) 」
水兵ワドルディ「浣腸(※誤字)!!!さっきの変な騒動のせいで通信環境が悪くてプリコネが永遠にローディング中です!!! 」
アックスナイト「まだんなオワコンゲーやってたんかよ(辛辣)時代はブルアカにウマ娘だろ!いつまでも旧機種で古いゲームしてねえでバイトでもして新しいのに切り替えたらどうだ? 」
水兵ワドルディ「やだ!!!!!!!!僕にはママ(コッコロ)しかいないんだ!!!!!! 」
メイスナイト「でも艦長~~~?いいんダスかね?メタナイト卿に黙ってこんなところで油売ってて…また探しに来ると思うんダスが…(シチューをすすりながら) 」
バル艦長「なあに俺たちが外食に出かけんのは今に始まったことじゃねえだろ!?どうせまた自分だけ除け者にされて四人でどっかうまいもんでも食いに行ってるに違いないと思って呆れてらあ!ギャハハハハ!気にすんな!肝心の幻影の巨塔とやらはあんなんになっちまったが気にすんな!(気にしろよ) 」
ペニーワイズ「キョウカママガチャで引こうとしたら動かなくなった(ワドルディのスマホを取り上げ小屋の外に投げようとする) 」
いかりや長介(だいばくしょうじだいのすがた)「こら!人のスマホを取り上げて放り投げるのはやめなさい!! 」
― ツグリ村・小屋の離れ ―
フレイミス「…………(小屋の裏から少し離れた先にある土手沿い。頬に絆創膏を貼られ、右腕に包帯を巻かれた状態で体育座りしていた。河合の水面に映る傷だらけの顔がいつもより無様に見えて、悔しさに小さく、しかして強かに歯を食いしばる) 」
みんなの「願い」が叶うその瞬間まで……ずっと、傍で見守るから。
――― それでも、みんなを、必ず頂上まで連れていくことを、"約束"する…!
フレイミス「…………… 」
――― ああ、"約束"だ 必ず、「願い」を果たそうぜ
フレイミス「………( 『約束』したのに―――― )(項垂れる顔を内側に埋(うず)め、少年は失意に囚われる―――) 」
メディ「………(傷心に背中を丸めるフレイミスを、少し離れた背後から不安げに見つめていた) 」
アスラン・ザラ「…………今はどうだ…?(フレイミスを見守るメディの傍に歩み寄ってくる) 」
メディ「はい…… なこ様とカズネ様のご協力を得てなんとか早い回復には臨めました。ですが…心の傷はまだ癒えていません。クロノラ様を失ったことは、フレイミス様にとって大きな痛みとなりました。今も、ずっと……自分自身を責め立てて…… 」
アスラン・ザラ「………そうか…(失意に項垂れる少年の背中に寂寥感を見出し、憂うように目を細める)………あいつはよくやった。懸命に戦った。何も間違ってはいない。だが…そういう人間ほど、受ける痛みは何よりも深く大きいものだ。今はそっとしておいてやりたいが…現実は残酷でな…ここにもあまり悠長に留まっている時間はない。立ち上がるかどうかはフレイミス自身の問題だが……時間はそれを許してくれないのが非情なものだ…… 」
フレイミス「………―――――― ? (そんな時、ふと顔を上げてゆっくりと振り返る。二人の話声が聞こえたのか、一度俯いた顔を無理矢理上げて立ち上がり、彼らのもとへ歩み寄っていく)……さっきは…助けてくれてありがとな… えと……ア……アデラン・ズラ…だったか…? 」
アスラン・ザラ「……アスラン・ザラだ……(もうこのくだりを何回もしてきたことや、今のフレイミスの心情を汲み取ってあえて強気に反論はしなかった) ……とにかくお前たちだけでも無事で何よりだった。クロノラの件は…救援に贈れた俺にも責任の一端はある。まさか…幻影の巨塔であんな事態になるとは想定外だった… 」
メディ「フレイミス様、お体の具合は大丈夫ですか…?何かあればいつでもお申し付けください。今、集落の小屋でさやか様がお食事を用意しております。フレイミス様の分も確保してあるので、後程ごゆっくり食事をとってください。 」
フレイミス「いいんだ……思えばあんたにはいつも助けてもらってばかりだったしな…(感謝の念を抱くと同時に、そんな不甲斐ない自分への怒りがふつふつと煮えたぎるような気がした)……ああ、大丈夫だ…あんがとな…(献身的に寄り添おうとするメディにも穏やかに接する。だが、いつも傷だらけで攻略戦から帰ってくる自分の面倒を見てくれた彼女に対し、今になって心底申し訳ない気持ちでいっぱいだった) 」
フレイミス「……俺が……もっとしっかりしていれば……強く、あれば……こんなことには……(張り詰める感情に、思わず弱音を呟いてしまう) 」
アスラン・ザラ&メディ『…………(弱音を吐くフレイミスを擁護しようと口を紡ごうとするが、言葉が出てこない。どれだけ前のめりに立ち向かっても、この結果がすべてである故に。今更正論で慰めても彼のためにはならない。そう思っていたが―――)』
―――― どわーーーっ!(しんみりとした空気が漂うそんな中、場に水を差すような叫び声が轟いた)
薄汚れた老人「あぁー…いたたた……っ…… し、しまったぁ……こ、腰がぁぁ…っ……(彼らの傍を、一人の老人が横切ろうとして横転したのだ。物乞いのような薄汚れたい服に身を包んだ老人。その背に担いだ背負子から、運んでいたであろう数本の薪が散乱していた) 」
フレイミス「……!お、おい…大丈夫かじっちゃん…!?(何処か間の抜けた感じが否めない叫び声と共に転倒した老人のもとへ駆け寄り、その身を起こす為に介護する) 」
メディ「村長さん!?お怪我はございませんか…!?(老人のもとへ駆け寄るとフレイミスの反対側から彼を起こそうと支援する) 」
アスラン・ザラ「そ、村長…っ…??まさか…この爺さんが……? 」
メディ「ええ、はい… こちら、ツグリ村の村長でございます、『 ハトバネ 』様でいらっしゃいます。幻影の巨塔から避難した我々を迎え入れてくれたのですよ。それにしても…お一人で無茶なさってはいけませんよ… 良ければお手伝いいたしますので、どうかお体を労わってください… 」
ハトバネ「いやあすまないすまない……!久しぶりの大勢の来客についつい胸を躍らせてしまってな…張り切りすぎたかもしれんのう…… ああ、どうも。ご紹介に預かったワシが村長の『 ハトバネ 』じゃ。よろしくな若いのたち。小さな村じゃが、束の間の急速に休んでいくがよい…お゛~~~~ッ゛!腰が痛え!こりゃあ一杯飲まないと力が出ないかもじゃのう…! 」
メディ「ダメですよ村長さん、こういう時はアルコールの摂取よりも身体の負担を和らげるためにまずは安静な姿勢になるところから… 」
ハトバネ「ぶわっはっは!やはりそう甘くはないみたいじゃのう~…!しかしじゃな…せっかくの団体一行じゃ、こういう時はッパーーーと派手に宴をするのも一興じゃぞ~!ああっ!じゃがしまった!!生憎今、酒を切らしておるところじゃった!こりゃあいかん!マイテイ国の「うまいビール」の入荷が延期になったことをすっかり忘れておった!じゃあ井戸水で乾杯でもしよう!(ぱんぱんっと、赤ん坊がはしゃぐように手を叩きながら笑う) 」
フレイミス「(井戸水は妥協しすぎだろ…)(軽くドン引きしながら老人の様子を伺っている)……てか、俺は今回初めて知ったんだけど……あの巨塔の近くにこんな村があったんだな… 」
メディ「ええ、そうですよ。5年前…あの幻影の巨塔の門が開かれ、そこに大勢の旅人が押し寄せた頃…同じくその地に赴いたハトバネ様は、旅人たちのための憩いの場所を設けようと、その近所にたった一人で集落を築かれたのです。それがここ「ツグリ村」でございます。当時から大勢の方々から評判も良く、幻影の巨塔がオムニバスの管理下に置かれた今現在でも、若年層のゲームプレイヤーの方々も受け入れておられるようですよ。 」
ハトバネ「いやはや…近頃は特に若いもんが増えたと思うたら、まさかまさか幻影の巨塔が今現在そんなことになっておるとは知らなんでな…!ワシゃあゲームとは無縁な生活を送っておったもんで、てんでわからんでな…今の巨塔は何やら別物のようにも見える。もっとも、今日はついに外観まで変わってしまったようじゃがの…ありゃあまるで…塔じゃなく「城」じゃ!立派になったもんじゃが、ワシは以前の神々しい佇まいが好きじゃったがなあ……時代の遷移は悲しいのう… 」
アスラン・ザラ「ああ、そうだ…今まさに、幻影の巨塔でかつてない大事件が起こり始めている。得体の知れない強大な存在が、あの塔を支配してしまった。案内人のエリノラも囚われてしまって…素の騒動に巻き込まれた俺たちも命からがらここまで逃げてきたわけだが… 」
ハトバネ「なんと!?あの「エリノラ」とな!?そうか…最近めっきり顔を合わせなくなって寂しい思いをしておったもんじゃ…5年前は綺麗な白い髪をしておったのに、いつの間にか髪も黒く染まってしまって… これがナウい言葉で「いめちぇん」?というのかのう…?ワシみたいなジジイにはファッションのことはてんでわからん!しかし、それはそれとして……そりゃあ由々しきことになったなあ…… 」
フレイミス「……?じっちゃん……エリノラのこと、知ってんのか…? 」
ハトバネ「おん?おお、知っとるも何も、昔はこの村にもよう顔を出してくれとったよ!ワシのような老いぼれの手伝いにも時々来てくれてな…珍しい木の実を使った御馳走も振舞ったことがあった。案内人だったアイツはいろいろ苦労しとったみたいじゃが…なんだかんだで旅人たちを導く使命には誇りと楽しみを見出しておったみたいじゃな。5年前…アレは確か、ものすごい音がして外へ出てみれば雲さえも突き抜ける遥か天辺で眩い光が放たれておった! 以来、エリノラをはじめ旅人たちもこの村に来なくなった…寂しかったのう…… 」
フレイミス「……そうか……(5年前…かつで幻影の巨塔を最上階まで登り詰め、そこで全ての"真相"を知った『開拓者』である「霞」の証言が脳裏を過った)……じっちゃんは、ずっとここでエリノラを待っていたのか……? 」
ハトバネ「そうじゃなあ……そう言われれば、その通りかもしれん。じゃがワシは後先短い回老いぼれ…自分で立てたこの村で悠々と過ごし、時々やってくる来客と戯れながら余生を過ごすつもりじゃった。じゃが…恐らくワシも、かの旅人たちのように…あの『幻影の巨塔』に魅入られていたのやもしれん。ワシは1層すら登ったことはないが、いつかあの巨塔が何かの役目を終えて消えゆくまで見届けようと思ったのじゃろう。エリノラが…あの子自身の"願い"が果たされる、その時までな…」
フレイミス「エリノラの…"願い"……?(そう言えば、あまりその話を本人から聞く機会はなかった。多くの"願い"を聞き入れてきたエリノラ / クロノラ自身が抱く"願い"…少なくとも自分は耳にした覚えがなかった) 」
アスラン・ザラ「……そうだったのか… しかし、今は事態がかなり深刻化してきている。現在あの『城』から正体不明の結晶体が大地や森林を侵食している。このままだと限りなく近い位置にあるこの村も被害を被るだろう。俺たちも対策を練り次第立ち向かうつもりだが…村長さんは他の村人や来客たちと一緒に早急に避難してほしい。避難先は俺が所属している組織「ターミナル」で確保する。 」
ハトバネ「……う~ん…そうか……そうかそうか…今はそんな大事になっとるようじゃのう……(蓄えた髭を摩りながら黒い結晶体で構成された巨城のある方角を見据える) じゃがお前さんたち、よもやあれをなんとかしようと思ってはおらんか?勇敢な事じゃが…策は講じてあるのか? 」
アスラン・ザラ「いや,今はまだ…だがすぐに対抗手段は見つかるはずだ。俺の仲間たちが既に動いてくれている。 あの『 王 』を名乗る男や…奴が生み出した幻影体が持つ得体の知れない力の解析も…すぐに解明すると信じたい… 」
フレイミス「けど……どうすりゃあいい……?俺たちの攻撃が一切通用しない相手に、どうやって対抗すれば……?あんな相手は初めてだ……まるで相手にできねえ…っ……(悔しさのあまりその辺の木をドン!と殴りつける) 」
ハトバネ「ほぅ……?なにやら苦戦しとるようじゃな…? 思い出すのう~…5年前も今も、こと攻略戦の話となれば果敢な旅人たちはどうやってかの敵を討ち取ろうかと酒を片手に四苦八苦しておったもんじゃ…。個人の力量、仲間との連携、周囲の環境や命運を味方づける行動力… 悶々と悩む者たちに、ワシもお節介ながら助言を呈したものじゃ。最初は爺の与太話に辟易しておったが、翌日には謝礼されることもあったか…不思議なもんじゃなあ… 」
フレイミス「………(老人の話に耳を傾けつつ顔を俯かせるが、一縷の望みをかけて向き直る)……なあ…じっちゃん…?もしもさ……どんな攻撃も全く歯が立たない無敵な奴が現れたら…どうしたらいい…?どれだけ努力しても勝てそうにねえ……そんな化け物みてえな奴相手に、どうやって戦いを挑めばいい…? 」
ハトバネ「………坊主、努力に勝る術はないぞ?生まれた時から優れた才能を持つ者も、何一つ取り柄などない凡人も…努力ひとつでその秤の重みは大きく左右するものじゃ。神様はな、そうなるように人間に試練を与えてくださっておるのじゃ。どんな人間も、必ず壁にぶつかる。それを乗り越えるための術も、それを自分で見つける手段も、誰にだって等しくあるものじゃ。 」
ハトバネ「偏にその等しい力…この世界では"アンビション"という力が根付いておるのは知っておるか?それは、すべての人間の中に眠る潜在的な力とされ、それこそ努力次第で人種や才能に左右されることなく会得することができる。「等しい力」とは、誰もが持ち、その力を持って立ち向かう強大な相手にも、等しく制裁を加えることができる。つまり…お前さんらが戦ったであろうその者にも、"同じ土台に対等に立つ"ほどの力を持つことができる…ということじゃ。 」
フレイミス「……!?ほ、本当か…!?"アンビション"…聞いたことはないが… そんなすげえ力があんのか…!? 」
アスラン・ザラ「ああ、その話は本当だ。(付け加えるようにフレイミスに振り向く) 俺もその名前は時折耳にしたことはある。ある世界では"覇気"とも呼ぶそれは、流動する身体を持つ異能力者などの物理的な攻撃が通用しない相手に対し、弱点を突くことを除けばその"アンビション"こそが唯一の対抗手段になるとな。この世界で活躍した数々の『英雄』にも、その力を使いこなした奴はいると聞く。しかしなるほど…その手があったか…… 」
メディ「ピロリ、ピロリ…(耳元のヒューマギアモジュールに手を当てて情報交信を行う)…"アンビション"…衛星ゼアの情報によれば、その実態は大気中に漂う『エーテル』をその身に、あたかも鎧のように纏わせることで初めて顕現する力であるそうです。「エーテル」とは、この世界における様々な物質や生命に精通する基幹エネルギー… 言わば、すべてのものを構成する母なる源力です。世に存在するすべてのものはエーテルから生まれ、エーテルに還る … その必然的条件に則ってみても、"アンビション"が齎す力はかなりの驚異性を秘めておられます。 」
フレイミス「な、なるほど……要は、その力があれば…あの野郎も今度こそぶん殴れるってことなんだよな…!?となれば…早速その力を身に付けねえと……じっちゃん!その"アンビション"ってのは誰でも使えんだろ…?どうやってできんだ?どれくらいで身に付けられんだ…?(急かすように前のめりに問いかける) 」
ハトバネ「ほほっ…待て待て、そう慌てるでない。そうじゃなあ…一般的に見れば…どんなに早く見積もってもせいぜい一か月はかかるじゃろうなあ……ワシも若かりし頃はボンボンの凡人だったもんで、5年はかかったんじゃぞ? (若い頃を思い出すように上目遣いになりながら髭を摩る) 」
フレイミス「 一 か 月 ! ! ? (あまりの衝撃に毛がピーーンッ!と逆立つ)ちょちょちょッ…冗談じゃねえって!!そんなに待ってたらこの村どころかこの世界そのもんがあの変な結晶に覆われて俺たち全員お陀仏じゃねえか!!!嘘だろぉおい…っ…せっかく対抗手段を見つけられたと思ったのに…これじゃあ結局振出しに戻るだけじゃねえかよぉ……orz 」
アスラン・ザラ「ま、まあ…妥当だな… いくらすべての人間が会得できるものとはいえ、どんな相手に対しても対等に殴れる術は強すぎる。事実俺ですら会得には至っていないくらいだ。他の攻略メンバーの中にはもしかすると使える奴は一人ぐらいはいると思うが…それではそいつだけに無理強いを要求することになるし、俺たちもカバーに入りきれないしな… やはり現実的ではないか…仕方ないことだ… 」
ハトバネ「……ふぅむ……(髭を何度も摩りながら、残念そうに項垂れるフレイミスを見つめていたが…)……そうじゃなあ……会得手段に、他に方法がないわけではない。苦肉の策じゃが…"半日で叩き込む"こともできんことはないぞ…? 」
フレイミス「は?????????????? 」
アスラン・ザラ「あ???????????? 」
メディ「え????????????? 」
フレイミス「……じっちゃん……それ、マジで言ってんのか……?ほ、本当にそんなことができるんのかッ…!? 」
ハトバネ「マジマジ。大マジじゃ。(Vサインを見せつける) 教えてやってもいいが…あまり若いもんに進めるのもワシとしては気が引けるでなあ……どうしたものか……(困ったのう…と上目遣いで髭をずっと摩っている) 」
フレイミス「 ズ ザ ァ (老人の前にガバッと移動し、懇願するように勢いよく頭を下げる)……頼む、じっちゃん…! 教えてくれ…どうしても俺にはその力が必要なんだッ…!大事な親友(ダチ)が…捕まっちまったんだっ… 俺が弱いから…不甲斐ないから…何度も危険な目に晒してきてしまった… 俺は…もうあいつにそんな目に遭ってほしくないッ…!一緒に天辺を目指す…あいつと交わした『約束』を果たすためにも…俺はあいつの為にもっと強くなりてえんだッ… その為なら…どんだけ辛えことだって耐えてやるッ……!お願いだ…俺に……その力を教えてくれッ……!頼むよッ……! 」
ハトバネ「………(恥も矜持もかなぐり捨てた少年の力強い野心を垣間見たのか、老人は髭を摩る手を止め、"目の色"を変えた)……そうじゃなあ……ならば…(ドシン、とその辺の地面に深く腰掛ける) ワシゃあ最近肩がめっきり凝っていてな……" 肩を叩いてくれたら "、その力の出し方を教えてやろう。 」
フレイミス「………???そ、そんなことでいいのか……?(何を言い出すかと思えば、いきなり拍子抜けなお願いをされたことで間の抜けた顔になる。懸命にお願いしたのがバカバカしくなるような気分だったが、今はなりふり構っている場合ではないと小さく頷いた)……あ、ああ……じゃあ、やってやるけどよ……(座り込んだ老人の背後に回ると腕を上げる。まるで孫が祖父の肩叩きをするようなほのぼのとした光景だ。はたしてこんなことでいいのか傾げながらその腕を落とすが―――) 」
ス カ ッ
フレイミス「……… あ り ? (違和感。何かが空ぶったような感覚。言われた通り、老人の肩を握り拳で叩いたはずだったが…―――) 」
ハトバネ「――――(気が付くと、老人は本来座っていた場所から一歩右へズレた位置に同じ姿勢で居座っていた)……ほれ、何処を叩いておる?ワシゃあここじゃよ (自分の右肩を左人差し指でちょんちょんと小突いてみせる) 」
フレイミス「………(まだ疲れが取れていないのか…?と自分の目を疑うようにぶんぶんと頭を振って位置をと問え直し、今度はしっかり目を見開いて肩を叩こうとするが…) 」
ス カ ッ
フレイミス「 は ? (やはり、手応えがない。振り下ろされた拳はそのまま虚空を殴り抜けるように空ぶった) 」
ハトバネ「……おいおい、何処を狙っておる?肩を叩くんじゃよ「肩」を。(すると今度は、老人の位置は最初の位置からさらに左側へズレた箇所に位置を変更していた。あまりの速さに、錯覚かなにかと勘違いするような光景だった) 」
フレイミス「……じっちゃん……俺のこと揶揄ってんのか……??(ややジト目に睨みつける) 」
ハトバネ「何を呆けたことを言うておる。爺はな、孫の手も猫の手も借りたいほどなんじゃよ。ほれ、口より先に手を動かしい。(老人が胡坐をかいた姿勢で居座っている。どう考えてもここから避けて移動するなど考えられもしないが…) 」
ス カ ッ
フレイミス「 ちょッ 」
ス カ ッ ス カ ッ
フレイミス「 動くなってッ…! 」
ス カ ッ ス カ ッ ス カ ッ
フレイミス「 ぐ ぎ ぎ ぎ ぎ ぎ ぎ ぎ ッ゛ (;`皿´) (こんのクソジジィ゛~~~~~~~~ッ゛……!!!) (成果は0。一度でも老人の肩を叩こうとすれば何故か自分の拳が空ぶってしまう。何が起こっているのかは理解できずとも、老人が"意図的に避けている"ことだけは何となく察していた) 」
メディ「……弄ばれていませんかね…?(その不思議な光景を遠目に見守っていた) 」
アスラン・ザラ「ああ……しかし、あの爺さんは何者なんだ…?フレイミスに何かをさせようとしているのは分かるが…あの動き…とてもただ者とは思えない……(目を細めながら遠目に観察する) 」
ハトバネ「ほっほっほ…!なんじゃ最近の若者は肩の叩き方も忘れてしまったのか…!これでは日も暮れてしまうのう~…!(フレイミスを背にしながら愉快気に笑っている) 」
フレイミス「ぜぇ…ぜぇ……ッ!こん、にゃろうお゛~~~~…ッ!!(ぷるぷると震わせた拳、ガントレットから戦闘モードに移行した時に発っする蒸気が噴き出す)そんなに叩いてほしいなら…―――――― 全力で行くぞじっちゃんッ!!!(―――― グ ゥ オ ン ッ ! ! )(怒りもピークに達したことで熱を帯びた鉄拳を勢い良く掲げ、もはや殴りかかるような容赦ない姿勢で拳を振り下ろした) 」
メディ「あ、ちょっ…フレイミス様、流石にそれは―――――!(止めにかかろうと手を伸ばしかけるが―――) 」
ヒ ュ オ ン ッ ―――――― ズ ッ ガ ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ン ッ ! ! ! (少年の怒りの籠った鉄拳が炸裂する。衝撃によって立ち込める砂塵が徐々に晴れていく中、そこには驚くことにあの老人の姿はなく、拳によって陥没した地面だけが残されていた)
フレイミス「―――――!?(消えた…っ…!?いったいどこに…?)(漂う土煙の中で慌てて周囲を見渡し始める) 」
ほほっ…実に真剣じゃな若造。感心するぞい。じゃがな…――――――
ヒ ュ゛ 才゛ ッ゛ ―――――――― (視界を遮る砂塵の壁の向こうから聞こえる老翁の小粋な声の後、何かが"閃いた"。それは鋭い風刃のように実体のない土煙を明確に両断し、その余波がフレイミスに迫った)
フレイミス「――――― ッ゛ ッ゛ ! ! ? (―――― ガ ッ゛ ギ ィ゛ イ゛ ィ゛ ン゛ ッ゛ ! ! ! )(瞬時に感じ取ったのは殺意…否、強大な"覇気"。振り返った先に既に振り抜かれた見えざる「刃」に向けて咄嗟に交差するように身構えたガントレットで衝撃を受け止めるが、その圧力に押し負けられ砂塵の中から押し出されてしまう) ズ ザ ザ ァ ー … ッ … … ! (滑るように受け身を取って立ち上がる。今、何が起こったのか。その状況を理解しようと眉を潜める) 」
ハトバネ「―――― ビ ュ オ ワ ァ ッ ! ! (立ち込める砂塵を西風が攫う。まるで西部劇のような光景の中で、少年の前に帽子を被ったガンマンのような男が立っていた。しかし、彼が手にしていたのは県住などではあらず、二対の剣。長剣と短剣をその手に携える男の正体は、帽子で素顔を隠してはいるが間違いなくあの老人であった) 」
アスラン・ザラ&メディ『 ! ! ? (フレイミスがそうであるように、遠くから見物していた二人も驚きを隠せなかった。風の流れが変わった瞬間を目の当たりにし、まるでフレイミスと相対するように佇む老人の姿に、思わず表情が硬直する)』
フレイミス「……じっちゃん…なのか…――――― ! ! (晴れ渡る砂塵の果てにようやく姿を見せた老人。彼から漂っていた穏やかな空気が消えたのを感じる。いや…違う。消えたのではない。"灯った"のだ。深く被られた帽子の内側から微かに閃いた眼光に、少年はそう直感した―――) 」
ハトバネ「 ほぅ、お前さんには見えておるか? 深淵の旅路を薄く照らす、この眼光(ひかり)が… 」
そう、これこそが…――――
ハトバネ → ジュウ「――――― "灰色成る光の灯火" じゃ! ――――― 」
――――― Vs.【 灰色の戦士 】 "銀色の凱鳥" ジュウ・ハトバネ ―――――
ジュウ「 シ ュ オ ン ッ (老翁が消える。それはまるで陽炎の如く揺らめいて。) ズ ォ゛ ア゛ ッ゛ ! (陽光を人影が遮り、実態を得た双剣が振り下ろされる。それは隕石が迫るような気迫を持って少年に慈悲なく襲い掛かる) 」
フレイミス「――――――― ッ ゛ ! ! ? ( ボ グ ゥ゛ オ゛ ア゛ ァ゛ ン゛ ッ゛ ! ! ! )(有無を言わさず圧し掛かる重圧を両の鉄拳で受け止めにかかる。しかし骨身が一気に砕かれるような勢いで振り下ろされた一撃に耐え兼ね、踏み込んだ地盤が盛大に陥没。迸る衝撃が周囲の木々を吹き飛ばす中、必死に歯を食いしばりながら耐え忍ぶ。そんな中で、老人の姿にある違和感を見た。それは……最初に拝んだはずの双剣が、"黒く染まっていた"ことだ) 」
アスラン・ザラ&メディ『――――― ! ! ? (瞬きをした次の瞬間には、目の前の景色が丸ごと吹き飛ばされるような衝動に驚愕する。まるで人が変わったかのように、悪魔か鬼に憑りつかれたかのように、穏やかだったただの老人の面影が一気に消し飛んだことに、理解が追い付けなかった)』
アスラン・ザラ「あの身体で…あんな衝撃をッ……!?バカな…ありえないッ……!そうか、これが…―――― 」
メディ「……!(アイカメラを介してジュウの身体をスキャニングし、あることに気づく)……本人の両腕から剣にかけて…異常な量のエーテル反応を検知…!まさか……これが―――― 」
ジュウ「……気づいたか。そう、これが"アンビション"。 "強くあろうとする野心"が生んだ、すべての人間が持ち得る潜在能力じゃ。 (拮抗状態から真下のフレイミスを双剣で足台にするように飛び越え、瞬く間に焦土と化した大地に降り立つ)……いいか坊主。そう簡単に背後を取られてはならん。ワシの"肩を叩く"…即ち"背後を取る"ことができた暁には、お前さんの望んだ力にきっと届いておるじゃろう。ならば食らいついてみろ。無我夢中に、一心不乱に。しかし気を付けることじゃ。ワシを討ち取りに来るのなら――――― 」
ジュウ「 死 を 覚 悟 す る こ と じ ゃ (黒を帯びた長剣を振り下ろす。それだけで――――) 」
―――― ┣¨ グ オ゛ ア゛ ァ゛ ン゛ ッ゛ ! ! ! ! (フレイミスが立つ陥没した地面すらも優に呑み込むほどの、莫大な爪痕が深く広く刻まれた。扇状に拓かれた斬撃が車線上にある一切のすべてを跡形もなく飲み干すように消し飛ばし、その恐怖に星が震撼する―――)
フレイミス「 ぐ ッ゛ ッ゛ ッ゛ ッ゛ ! ! ? (なんだこのじっちゃんッ……強さのレベルが……桁違い過ぎるだろッ…!?)(異常な斬撃の衝動に瓦礫や木々と共に宙へ吹き飛ばされる最中、未だかつて相対したことのない強さを誇る老人に絶句し思考が遠い彼方へ追いやられそうになる) ッ゛……! (しかし自棄になってはダメだ。すべては親友を救う力を得るために、死んでも手に入れると我に返って空中で回転しながら態勢を整える) ダンッ――――(くり貫かれて浮かぶ岩石をまずは足場にし、すぐに地上へ落下しようとするが―――) 」
ジュウ「 ド ゥ ――――――― ッ ! ! (しかし、少年が赴くよりも先に「死神」の方から迫ってきた。かなりの高度を誇る空中へ、体一つで瞬く間に跳び上がってきたのだ) ス ラ ァ … ――――― ド ッ ギ ン ッ ! ! (長剣の腹を短剣で滑らせると、双剣は再び黒く硬質化する) ブォンッ――グゥオンッ―――ズゥオンッ――――ザギィィイインッ!!! (一心不乱、しかして明鏡止水の如く、荒ぶるように振り抜かれた斬撃は的確にフレイミスが立つ岩石を細切れにする) 」
フレイミス「 い゛ ッ゛ ? ! (嘘だろおいッ゛―――――!?)(生身で一気に高度まで跳躍してきた老人の人間離れした跳躍力に目を疑う。しかし驚く余裕は与えてくれない。次々と撃ち込まれる斬撃を紙一重で必死に避けきると、次なる足場に向かって飛び移る) ど ら ァ ッ ! ! ( ボ ゴ ォ オ ン ッ ! ! )(その時、ちょうど目の前を横切った中ぐらいの岩石を殴りつけ、ジュウに向けて飛ばした) 」
ジュウ「 ザ ギ ィ ィ ――――――― ン ッ ! (殴り飛ばされた岩石を一刀両断する) 」
フレイミス「 ニ ィ ッ ―――――― (―――しめたッ!)(しかしそれは陽動。先に殴り飛ばした岩石に紛れて同時に接近を行うことで一気に距離を詰め、片方の剣を振り抜いたジュウの隙を突くかのように、こちらは既に殴りかかる姿勢の一方的な立ち位置で押し寄せようとするが―――) 」
ジュウ「―――― ド グ ゥ オ ァ ッ ! ! (だが、そんな子供騙しが大人、それも途方もなく長い人生を歩んだ老翁に通じるわけがない。既に見切っていたと言わんばかりに剣ではなく、黒く染まった右脚でフレイミスの顎を蹴り上げた) ガ シ ッ 、グルングルングルンッ――――― ヒ ュ オ ァ ッ ! ! (それで終わりはしない。頭上へ吹き飛びかけた彼の足を掴み、片腕のみで振り回すと遥か真下の大地に向けて垂直に投げ飛ばしたではないか) 」
フレイミス「(――――!?) が ふ ッ゛ ! ! (いでぇ゛…ッ゛……!)(陽動作戦を看破され、反撃の蹴りを受ける。"アンビション"を纏ったであろうジュウの蹴りはかなりの痛手だったのか歯を食いしばる) い゛ ぎ ッ !? どああああぁぁぁぁぁ~~~~~~~ッ゛!!!? (痛みに悶える隙すら与えられず、足を掴まれて暴走するメリーゴーラウンドのように視界がハチャメチャになる中、重力に従うままに投げ飛ばされてしまう)ぐッ……そァアッ!!!( ボ オ ォ ン ッ ! ! )(足裏・肘から飛び出したバーニアが火を噴き、落下の反動を抑えようとバーナーのように炎が盛大に噴き出していくが‥) 」
ジュウ「――――――――― グ ゥ オ ォ ン ッ ! ! (少年が顔を上げたその頭上、陽光を背にした人影が両翼のように広げた双剣を振りかぶっていた) 」
フレイミス「――――――― ッ゛ ッ゛ ッ゛ ッ゛ ! ? 」
―――――― ズ ッ ガ ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! (二つの影が同時に墜落。土煙が噴火の如く勢い良く噴き出し、再び瓦礫が雨のように降り注いだ)
アスラン・ザラ「ぐッ……!?(巻き添えこそは喰らわないが、衝撃の余波に吹き飛ばされかけ思わず地面を踏みしめる)……とんでもないな、あの爺さんッ…!あれはもはや"アンビション"だけの力じゃないだろう!? 」
メディ「ですがっ……本人のエーテル反応は極めて安定しています…!従来エーテルはすべての生命に宿るもの…粒子体であるエーテルは肉眼では見えませんが、"高濃度のエーテル"ともなればその集合体としてやっと可視化されるほどになります。あの身体の黒く硬質化した部分が"アンビション"…安定した力を維持しながらも、触れるものを等しく屠る力の驚異性は凄まじいものです…! 」
フレイミス「――――― ボ ゴ ォ オ ン ッ ! ! (瓦礫を押し退けることでやっと復帰する) ぜぇ……ぜぇ……ッ…!!(くそッ……!冗談じゃねえ…命がいくらあっても足りねえぞこれッ……!!けどッ……)(ふと自分の拳に視線を落とす。もしもあの老人のような力を手に入れることができたのなら…と、そんな淡い期待が過ってしまう) 」
ジュウ「―――――――… パ ラ パ ラ パ ラ … ッ … … (パラパラと降り注ぐ砂利の雨の路を、老翁は踏み歩く。長い旅路を突き進む旅人のように。幾千の修羅場を乗り越えた兵士のように。閃く灰色の眼光と共に、男の覇気が陽炎のように揺れ動いていた)……その体、鋼鉄でできておるようじゃな。通りで頑丈だと思ったわい。しかしな、鉄はいつか錆びとなりて鉄屑となり果てる。そうならないように身体を磨き上げたことはあるか?そもなくば――――― 鈍るぞ?(投げかける言の葉の間際、距離感のあった位置から瞬間的に老人が迫っていた。その手に握られた長剣を振りかぶった姿勢で――) 」
フレイミス「 ッ゛ ! ? (会話の最中に音もなく飛び込んでた老人に目を見張りながらも咄嗟的にその身を退かせるが―――) 」
ジュウ「 "雨駆水面(アマカケルミナモ)" 」
――――― ズォ゛ バ ァ゛ ッ゛ ! ! ! ! (束の間の静寂さえも薙ぎ払うような、銀色に閃く鋭い一閃が大地の表面を駆け抜け、遥か先に佇む山岳を――――― "真っ二つに裂いた")
フレイミス「―――――― ぃ゛ ! ! ? (幸い、銀色に輝くその一太刀から紙一重で免れた。だが、上半身の反り返った姿勢…逆さまの視界でもはっきりとわかる驚天動地に瞳孔が一瞬で縮小する。たった一人の人間の、たった一振り…それだけで、地図が書き換えられるほどの神業をはじめて目にしたのだ。そんなものを目にして、正気でいられるはずがない) ぐッ…!!(反り返った姿勢からそのままバク転しつつ距離を取り、ブーストをかけて両拳を突き出す)―――だりゃりゃりゃりゃァッ!!!(いつまでも奥手に回るわけにはいかない。今度はこっちの番だと言い張るように、目にも留まらぬ高速ラッシュを叩き込もうとする) 」
ジュウ「 ヒュッ ―― フォンッ ―― スンッ ―――― シュンッ ――― フンッ (加速と重圧を兼ねるフレイミスの苛烈な乱撃を前に、型の力を抜くように構えを解く。曝け出した無防備の状態で攻撃を受けるかと思われた次の瞬間、目を疑う光景が走った。次々と繰り出される高速連撃を、最低限の歩数、挙動のみで受け流していくではないか。その様子に老人は息を切らす様子は微塵も感じられない。それもそうだ。ゆっくりと振り下ろされる赤子の手を親が受け止めるように、老翁には止まって見えているのだから―――) 」
フレイミス「 な ッ゛ ―――― ! ? (当たらねえッ…!?なんでだ…ッ!!?)(ジュウの異常な回避能力に絶句しながらも、意地でも当ててやると言わんばりにさらに勢いを加えていく) 」
メディ「……!?掠りもしていませんっ…!必要最低限のステップだけで、フレイミス様の自慢の速撃を…! 」
アスラン・ザラ「あの軽やかな動き…そうか、あれも"アンビション"の力の一端か…!相手や戦場の空気に流れるエーテルを読み取って…次にやってくる攻撃や事態を予測しているんだッ…! 」
ジュウ「さあどうした、お前さんの拳はワシの肩どころか体のどこにも当たりはしないぞ?(以上回避を続ける中でも余裕の心拍を得た声音で挑発をかける) お前さんはその若さ故、感情の起伏が激しい。それは若さの特権であり、ワシは好きじゃ。しかし一時の感情に流されては見失うものも多い。こうしてワシに読まれている時点で―――なッ!(―― ド グ ゥ オ ン ッ ! )(間隙を縫うように繰り出された肘打ち――当然黒く染まった――を繰り出し、反撃に躍り出た) 」
フレイミス「なんだと――――づッ゛!?(肘打ちが腹のど真ん中にめり込み螺旋を描きながら水平に吹き飛ばさる)ぐッ…ズガガガガァーーッ…!!(なんとか受け身を取って滑るように着地する)はぁ…はぁ……っ……(ジュウの指摘通り。思い当たり節はかなり多い。ことクロノラのことになれば尚のこと。彼女に手を出したプランダラや幻影の王に対し、怒り任せに特攻して返り討ちになることは多々あった―――) 」
ジュウ「人間に感情があるように、動物にも草木にも、それらを生み出す母なる源たるエーテルにも感情はある。 感情を表に出さぬ相手に対し、どう動くか攻めあぐねるじゃろう。ワシのようにな。(この特訓が始まった瞬間から、ずっと帽子を深く被り素顔を隠している老人。フレイミスや見物者たちからすればその表情を伺うことはできない) …故に、相手の気を…そこに流れるエーテルの"色"を読み取るのじゃ。それくらいならば今のお前さんでもできるじゃろう。さあ、ゆくぞッ!!(一陣の風が周囲の草木を刈り取りながら猛進する) 」
フレイミス「――――!(相手の感情…"色"を、見抜くこと……!)(とてつもない剣幕で迫るジュウに対し腰を低くして身構える。反撃の姿勢…しかしその中で、一切表情の読めない老人から漂う微かな気を読み取ろうと目を細める) ッ゛ ! (振り下ろされた刃を飛び越えるように回避し、その背後に降り立つ) ッづぇあ!! (鋭い回し蹴りをその背に叩き込む) 」
ジュウ「 グ ル ン ッ ―――― ザグンッ / ガ ッ ギ ィ イ イ ン ッ ! ! (フレイミスの旋風脚が背に届く直前、右手に握られていた長剣を逆さ持ち自らの背後に垂直に突き刺すことで盾とし、彼の蹴りを受け止めた) ビ ュ オ ッ ――― ! (すぐさま左手の短剣を黒く染め上げ、反撃の刺突を繰り出す) 」
フレイミス「 く ッ ―――――― ? (やはり読まれていた。蹴りを受け止められると共に繰り出された反撃の突きを紙一重で跳躍後退することで免れるが、その瞬間、自身の中である違和感が過る。緩慢化された世界で、確かに感じ取ったもの。ジュウが攻撃を繰り出す直前、何も見えなかったはずのその輪郭を"銀色"のオーラが流れたような気がした) 」
ジュウ「ほうれどんどんゆくぞッ!!(―― シ ュ ド ド ド ド ド ド ァ ッ ! ! )(地に突き立てた長剣を回収、再び二刀流を成した態勢から今度は双剣による刺突の乱舞を見舞おうと突撃していく。残像のように増殖する一本一本の刃の矛先は、幼気な少年であろうと容赦なく確実に急所に向かれていたが―――) 」
フレイミス「 ッ ―― くッ ――― ぅ ―― づッ゛ ―――――― ! ? (傍から見れば絶望的な光景だ。一方的に生殺与奪を握る老人の達人剣に半人前の戦士が無残にも串刺しにされてしまう。誰もがそう思うだろう。だが、少年の目には微かに、それでいて確かに、視えていた。"銀色"に輝く幾万もの閃光が自分の身体を貫いていこうとする、その瞬間を。スローモーションの中で自分だけが軽やかに動ける、その不可思議な感覚を。迫りくる刃の矛先を、辛うじてだが読み切っているのだ) 」
アスラン・ザラ「……!?まさか…フレイミスのあの動きは…"オーバーロード"か…!?いや、しかし…アイツの目の色は至っていつも通り……?なら、これは…っ……(いったい彼の身に何が起きているのか、まだ理解できていない様子であった) 」
メディ「…………(急所を自ら外しに向かう、フレイミスの微かな異変に気付きながらも、その行く末を見守るように胸元に手を添える) 」
ジュウ「―――――(刺突の乱舞が悉く虚空のみを貫く。老人がこの戦いにおいて初めて覚えた違和感に、目元が小さくぴくりと動いた気がした。このまま続けていても無益に時間だけを浪費する。ならば、と思い――)―――― パ ッ (あろうことか、その場で双剣を手放した。フリーハンドになった両腕を黒く染め上げると次に繰り出したのは――)―――― ズ ド ド ド ド ド ッ ! ! (人差し指による抜き打ち。フレイミスの全身の至る部位に向けて鋭く力強い突きを繰り出し、吹き飛ばす) 」
フレイミス「(視えるっ……!?これが、じっちゃんの言っていた…だがどうして急に俺にも視えて―――)―――― ぐぇ ゛ ッ゛ ! ! ? (身に起こった奇術に動揺するあまり、ジュウの指による突きをまともに受けて転倒しながら吹き飛ばされる)ぜぇ…ぜーぇッ……!……!?(咄嗟に剣に貫かれたか!?と錯覚するが、撃ち抜かれた部位に目立った外傷はない。すぐに頭を上げると、いつの間にかジュウが刃を捨てていたことに今頃気づき、その杞憂に微かに安堵しながら立ち上がる) 」
メディ「――――!(あの動き…ただの攻撃ではない… 貫手による活殺点の急所突き…!)(ジュウの僅かな挙動から、フレイミスに齎した術を見抜く) 」
ジュウ「………おぬしの固い身体に流れるエーテルの乱れを弄らせてもらった。さあ、それが吉と出るか凶と出るか…ワシに見せてみい!(黒く硬質化した拳で殴りかかる) 」
フレイミス「はぁ…はぁ……何を言って――――ッ!?(ガギィィインッ!!)(殴りかかってきた銃に対し、咄嗟に交差した両腕で受け止める) 」
ジュウ「見えない鎧を纏うように、己が"野心"を拳の先端に込めてみろ!(ドッ、ガガガッ、ガッ、ゴギィッ!!)(剣術を捨てた格闘戦、しかしアンビションを纏った拳による一撃は、気を抜けば一発でノックアウトされてしまう危険性を孕んでいる。そんな驚異的な破壊力を持つ拳の乱打を容赦なく叩き込んでいく) 」
フレイミス「ぐッ…ぅ゛……ッ!!(見えない鎧…俺の…強くあろうとする"野心"……!)(肉体の半分を捨て、もはや全身そのものが本物の鎧とも言える鋼の身体を手にした自分には到底思いつきもしないイメージ。それでも、無い頭なりに捻りながらそのイメージを脳内で無理矢理こねくり回して練り上げようとする。身体の動きをジュウの打撃への対処に回し、精神はイメージを作り出そうと模索する。一辺倒だった自分が、よりにもよってこんな生死のかかった特訓の最中にはじめて器用な立ち回りをしていることに今更気にする余裕もない) 」
フレイミス「…ッ゛……ヅ……ッ!!!(俺は……俺、は……――――――) 」
少年の目の奥で、ある一つの『人影』が、幻影のように揺らめいている。『その者』の背中を見て育った。
『その男』に憧れて強くなろうと誓った。それこそが、少年自身が抱く、誰にも譲れない"野心"――――
フレイミス「―――――……俺は…… 俺 は ァ ッ ! ! (―――― ド ッ ギ ィ ン ッ ! ! ! )(『偉大なる父』のように、その『父親』を越えるために、強くあろうとする"野心"が…少年の意思に呼び覚まされ、拳に"纏われた")――――― 俺 の 強 さ を 示 す ん だ ァ ッ ! ! ! (―――― ド グ ゥ オ ア ァ ン ッ ! ! ) 」
ジュウ「 ! ! ! (少年の熱い"野心"を灯した拳を目の当たりに はっと顔を上げ、咄嗟的に突き出した頑丈を帯びた右腕で受け止める。しかし、その気迫に押し負かされ…ついに初めて、老兵が吹き飛ばされかけたのだった) 」
アスラン・ザラ&メディ『――――― ! ! (驚愕と歓喜。二つの感情が入り混じった表情をフレイミスに向けた)』
フレイミス「ぜぇ……はぁ……ぜぇ…はぁッ……――――― ! (殴り抜けた直後、型で息をしながら気づいた違和感に視線を落とす。自分の拳…鋼の腕が、黒く硬質化していた。得体の知れない力であり、今まさに対峙している老兵と同じ力。ついに、その領域に、スタートラインに立ったのだった) 」
ジュウ「……思ったよりも早い覚醒じゃな、感心するわ。じゃがッ…!!(一喜一憂すらも許さぬ老兵がフレイミスを殴り飛ばす) その力を使いこなさなければ意味無し!準備運動はここまでということじゃ!さあ…はじめるとするか―――――― 若造ッ!! (老兵が、力強く声高に叫ぶ。その気迫だけで大地が震え上がるような勢いであった) 」
フレイミス「これが…"アンビション"――――――どぶぇあッ!?(覚醒した新たな力に小さな昂揚感を抱く間もなく、殴り飛ばされてしまう)…いっでぇ゛~…っ……!(殴られた頬を摩りながら起き上がる)……ああ…ッ…!やってやるさ…ここまできたんならッ!!(自棄ではなく、能動的な意思を剥きだして老兵と対峙する。そう、特訓はようやく"はじまったばかり"なのだ。) だらァッ!!(――――― ド ッ ギ ン ッ ! ! )(既にコツを掴めたのか、もう一度硬質化に成功した拳で殴りかかる) 」
ジュウ「 ゴッ――― ドッ ―― ガギィンッ ―――― ズンッ ―――― ドグゥオッ!! (次々と繰り出されるフレイミスの"野心"を纏った拳を、黒い腕を振るって真っ向から受け止めにかかる。鋼以上の高度を誇る腕と腕の衝突が大気中に鋭く響き渡ると共に火花を散らす) ……時にお前さんは、『 ある物語 』を聞いたことがあるか?(殴り合いの最中、ふと静かな声音でフレイミスに問いかける。その最中でも攻撃の手は一切緩む気配はない) 」
フレイミス「ぐッ……―――― ? (老兵の問いかけに眉を潜めながらも、互いに拳による攻防を繰り広げていく) 」
ジュウ「 とある『 英雄 』の壮絶な人生を描いた物語…――――――【 Ashen Souldiers -灰色の戦士- 】じゃ (フレイミスを殴り飛ばし、追撃を仕掛けるように疾走。その道中に突き刺さっていた双剣をノールックで回収しつつ勢いをつけて斬りかかった) 」
フレイミス「 ッ゛……知らねえな…生憎俺は…あんまり本を読まねえからなッ…!! (―――― ガ ッ ギ ィ ィ ィ イ イ イ ン ッ ! ! )(振り抜かれた斬撃を硬質化した両腕を交えて防ぎ、今度は吹き飛ばされまいと地を踏み耐える) 」
ジュウ「ならば読み聞かせてやろう。じゃが話に聞き惚れて迂闊を出さんようにな!(―――ガギギギギッ、ザギィンザギンッ、ギャリャリャリャッ!!!)(畳み掛けるような苛烈な斬撃の応酬を見舞い、フレイミスを圧倒する) 」
ジュウ「 第1章は『 非英雄 』 ――― 悪逆非道に殺生を繰り返す恐ろしい魔王を討ち取った英雄が、魔王が死の間際に残した呪いによって見るも絶えぬ醜悪な魔獣の姿に変えられてしまう。世界を救ったはずの英雄が、非英雄として民人に忌み嫌われ、世の為にその姿を消した… (圧倒したフレイミスに追随し、低空飛行のような姿勢で激しくも鮮やかな剣舞を叩き込んでいく) 」
フレイミス「 ぐぎぎッ゛……!! (絶え間なく繰り出される斬撃の嵐をかわし、防ぎ、銃との距離を保ちながらブーストをかけて高速後退しながら反撃していく。その中で語られる物語に耳を傾けながら―――) 」
ジュウ「 第2章は『 狂乱 』――― 突如世界に降りかかった隕石の災害に、「非英雄」は故郷に残した愛する人を失う。諸悪の根源である巨大な隕石が世界に墜落しようとし、民人が絶望に暮れる中、「非英雄」は我を顧みず立ち向かう。その身を焼きながらも、民人に不気味だと後ろ指を指されながらも、愛するものと過ごした故郷を守るために、その最期を全うしようとした。その想いは報われ、世に再び平和が訪れ、「非英雄」の姿もまたどこかへと消えた… (フレイミスの反撃による打撃を"アンビション"による予見で回避し、大きく振りあげた右脚で薙ぎ払う) 」
フレイミス「 ッ゛ ッ゛ ―――― ! ! (蹴りによって薙ぎ払われ回転しながら吹き飛ばされる)ズザザァーッ…―――― だらぁぁぁぁあああーーッ!!!( ドッ ドッ ドッ ドドッ ドッ ドッド ! ! ! )(しかし負けじと飛びかかるように突撃を仕掛け、硬質化した両腕による高速ラッシュを畳み掛ける) 」
ジュウ「 第3章は『 灰となる遺志 』――― 世界を二度救った男が目を覚ますと、そこは同じ境遇を経た者たちの住処だった。男は彼らに受け入れられ、新たな人生を見出す。罪を背負いながらも逞しく生きようとする者たちは、世を脅かす魔物たちと戦い続けた。剣舞の巨人、深海の大王烏賊、混沌の悪魔竜…数々の修羅場を乗り越え、幾つもの命を犠牲にしながらも決死に戦い続けた。誰からも感謝されるわけではないのに、散っていく者たちは自分たちの生き方に疑う者はいなかった。そうすることでしか罪を贖えぬからじゃ。それは燃えた後の灰のようにな…(音もなく何度も姿を消し去り、少年の乱打を受け流していく) 」
ジュウ「 第4章は『 閃光 』 ――― やがて新たな居場所も仲間も失い、再び孤独になった男が新たなる脅威に直面する。頼るものも縋るものもなく、死ぬ勇気も生きる希望もない。ただ大地が腐敗していく様を茫然と見届けることしかできなかったが、偶然にも男にかつての「英雄」の姿を重ねた幼き少女の瞳に見出した唯一の光に、男は世を照らす奇跡を見た。血に染まった醜いその手で剣を握り、かつての仲間の灰を呑み込み、「非英雄」は最後の決戦に挑んだ… (フレイミスの懐へ瞬く間に潜り込むとアッパーカットを繰り出して殴り飛ばす。しかし、ここで何を思ったのか、追撃を仕掛けず立ち止まった) 」
フレイミス「 ぐぁ…ッ゛……! (顎を殴り抜けられて宙を舞いながら吹き飛びながらも、空中で回転しながら着地する。老兵の次の出方を伺うように身構えていたが、突如構えを解いたその違和感に眉を潜めた) 」
ジュウ「………さて そのあとは?誰にも分らぬ。その後に続くのはたった1章…じゃが、そこで止まってしまったんじゃ。次の章が書かれることはなかった。物語はあまりに大きくなりすぎた。書き手が物語に呑まれてしまったと云う者もおるな。続きを書ける者たち…若者の前には、いつでもペンがあった。そのペンで、いつでも次のページを書き足せた。…じゃが、彼らはそうせんかった。 」
ジュウ「住処も、名誉も、尊厳も、友も、夢も失い、それでも小さな何かに希望を見た。 白くも黒くも染めきれぬ"灰色"に、かつて「非英雄」と呼ばれた「あの男」はその最後に何を思っただろうか。 誰もが続きを渇望しながらも、その先を描こうとしなかった。何故じゃろうな。その理由や答えは、誰にも知らぬ。 」
ジュウ「お前さんは…お前さんの目の中には、輝く「物語」が見える… 明るく…黒く…燃え上がりすべてを焼き尽くすような、そんな壮大な「物語」が… 」
ジュウ「 さて… どんな風に終わると思うかね?いや、お前さんは… 」
ジュウ「 ―――――― どんな風に終わらせたいかね? 」
フレイミス「……終わり、か……(戦いの間際、語り部が明かす物語にずっと耳を傾けていた。まだ人生を歩みはじめたばかりの自分には途方もない距離を歩いてきた物語の主人公に、少年は感心と畏敬を込めながらも…自分自身の思い描きたい結末を、言葉に出す――――)……俺が決めていいなら……――――――― 」
フレイミス「 『 』 」
ジュウ「 ! ! ! (少年が出したその『 答え 』に、老人が初めて片目を曝け出す程の驚愕を得る。その衝撃には何処か既視感があった。そう、あれは遠いあくる日の出来事――――――) 」
― ある男の遠い日の記憶 ―
今日から俺たち『 灰色の戦士 』に、新しいメンバーが加わった!紹介しよう、『 ガーネット 』だ!
よ……よろしく……
ほほっ…ええのう…若い芽がどんどん生えてくると活気が良いものじゃな
今回の討伐クエストは久々に高難易度の怪物・ハイエンドウルフがターゲットとなっている。生憎ジェクサーは他のクエストで遠征に行っている… 新参のガーネットにはちょっと危険かもしれないが、大丈夫か…?
お、俺だってやります…!
よし、みんなくれぐれも警戒して挑もう。ジュウさん、留守番は頼んだよ。
あいよ…気ぃつけてな。 …………。
しまったッ!怪物が暴れた衝撃で崖が崩れてしまって…よりにもよってガーネットと一緒に落ちてしまった…ッ!
急いで救援に向かうんだッ!絶対全員で生きて帰るぞ!!
……………。
くそッ……くそ…ッ…!いでぇ…足が…動けねぇ…っ……!どうして俺ばっか、こんな…っ……
グルルルルゥ……ッ!!
しまったッ…!ハイエンドウルフがまだ生きて……くそッ…動けッ…動けよ俺の足…ッ!!嫌だ……ここで死ぬなんて……ああ、くそ……ほんっと……なんでついてねえだろうな…俺って…… 」
―――― グルルァアアアッ!!
やめッ…くるなッ゛…!!う、うわああああああああああああ―――――――
―――――― ガーネットッ!!!
ガッ…ギギ………――――― ド サ ァ ッ !
はぁ…はぁ……っ……!?なにが、起きて……す、げ……ハイエンドウルフを…一撃で……じ、爺さん、アンタ…
ゴフッ……!!
……!?爺さんッ!!おい…しっかりしてくれ…大丈夫ですかッ…!?どうして……俺なんかの為に、あんな……とんでもねえ無茶を……
ぜぇ……ぜぇ……やはり…歳には抗えんようじゃな……もう、金輪際身体が動きそうにない…じゃが……ワシも、『 灰色の戦士 』として…誰かを守り抜けたのなら、本望じゃ……
…爺さん……
……『 ジュウ 』という。こうして二人だけになるのは、初めてじゃな…ガーネットよ。
……俺のこと…ずっと見ていてくれてたのか……?
…さあな……ワシはいつだってみんなのことを見ていたつもりじゃよ。すまんが、肩を貸してくれるか…?
……ジュウさんって…とんでもなく強えんだな……
…みんなには内緒じゃよ?それに「さん」付けはよせ。同じ仲間じゃろうて。
……すみません…俺なんかのせいで……
…いいんじゃ。そうやって自分を責め立ててきた奴らの集いなんじゃよ、『ここ』は。ワシも、誰も、お前さんを責めることなどしない。誇れ、生き延びた自分のことを
……ジュウさん……
それにな……こうして負傷したことでこれからチョコラに看病してもらえるしのう…!ほほほっ!
……ジュウさん……意外とああいう女性が好きなんだな
みんなには内緒じゃよ?
聞いてくれよ、ジュウさん!ベニグモの奴がジュウさんのことを悪く言いやがって…
いいんじゃ、ワシは気にしとらんよ
いいわけねえだろう!?どうして…!
好きじゃからさ、『ここ』が。ここにいる、『みんな』が。人であれば、必ず心の扉にぶつかる。だからいつか開いてもらうまで向き合い続けるんじゃ。
………ジュウさんって、詩人みたいだな。俺も、そういう人間でありたいと思うよ。
ジュウさん、この前貸してもらった本読んだよ。面白かったけど…正直言うと結末が何か気に入らなくて…
ほう…?
だってさ、せっかくハッピーエンドになると思われてたのに、主人公が急病で倒れてそのまま見守られながら逝ってしまうなんてさ…
そんな終わり方、あんまりじゃないか?
「物事にはいつか終わりというものが来る… 人生もまた然り…
でもよ、俺はそうは思わねえな、だって、俺……『みんな』よりも先に終わりを迎えたくねえよ
……!
ジュウさん、言ってたよな…ここにいる『みんな』が好きだって。あれから俺も少しずつそうなっていったんだ。
今じゃ言い争ってたベニグモとだってなんだかんだクエストでも上手くやれているような気がするんだ。
やっと…みんなに褒められることも多くなって…ここにいてもいいんだって、案外俺の人生、悪いもんじゃないなって思い始めてきてさ…
そう思わせてくれた『みんな』と、ずっと一緒にいたいと願ってる。だから俺は……――――
ジュウ「―――――――――――――――――――」
ガーネット / フレイミス『 『 エンディングなんていらねぇな!ずっと続くほうが良いに決まってるだろ? 』 』
ジュウ「……………ほほっ……ほほほっ……ぶわっはっはっ…!! 」
ジュウ「 そりゃあ…―――――『 傑作 』じゃな 」
老人の目に浮かぶ若者の姿に、かつての色褪せた幻影が重なって見えた気がした。
どれほど遠い彼方へいってしまったのか、もはや忘れてしまったが…
つい昨日のことのように、誰かの懐かしい声が今も木霊している。
朧気で曖昧な幻影は、白にも黒にもなれない"灰色"のように揺らめいている。
誰かが心の底から渇望していた「物語」は今もまだ…進んでいる―――――――
ジュウ「……夜も更け、永き時間を繰り返し…そして朝日は登り出す。「英雄」よ。そして「英雄の子」よ。そんな中でお前さんたちは"永遠"を選ぶのじゃな。 」
ジュウ「……その気持ちをくれぐれも大事にすることじゃ。運命の潮が満ちんとする今…時期にインクの海がページたちを洗い流すじゃろう。 」
ジュウ「ワシはかつて、自分のことを「英雄」と呼ぶ男に出会った。面白い男じゃった。ワシは「英雄」のことはよくわからんが… こういう者がおることは知っておるぞ…―――― 」
――― " 英雄がなんで英雄って呼ばれるか…知ってるか?それはな… " ―――
ジュウ「 正しいことをしようとする者… それを決してやめようとせん者じゃ 」
フレイミス「……! 」
ジュウ「そういう者のことを語るお話も伝説もないがの…ただワシは、それを真実として知っておる。そして忘れはしないだろう。きっとそうやって「物語」は紡がれてきたのじゃからな。 」
ジュウ「……さあ、古いおとぎ話はここまでじゃ。ここからは…新たな風が次なるページを捲るとき。お前さんの…新たな一歩を刻むときじゃ。そろそろ「肩を叩いて」はくれんかの?ぶわっはっは!!(老翁は、最初にあったころよりもどこか愉快気に笑いながら双剣を身構える。油断も隙も無い覇気が蘇るように、腕から剣身にかけて黒が染め――――) 」
ジュウ「―――――― ジ ュ ア゛ ギ ィ ィ イ イ ン ッ ! ! ! (―――否、違う。それは黒銀のような光沢を帯びはじめ、やがて"銀色"としての輝きを灯す。かつて"銀色の凱鳥"と呼ばれた伝説の男が、ここに蘇る。そうさせたのはおそらく、その銀色の目に浮かぶ少年だろう。彼との語らいが、老兵に活力の輝きを灯したのだ。男は、最後の決着をつけんと、どっしりとした姿勢で身構える) 」
フレイミス「―――――!!(再び強大な覇気を醸し出す老兵に身構えるが、自身の知らないアンビションの更なる「色」に目を大きく見張った。きっと、更なるステージがあるのだろう。やはり自分はまだスタートラインに立ったばかりのルーキーに過ぎない。だからこそ…なんとしてもその領域に到達したい。高みを目指そうとする"野心"が、忘れかけていた久しく覚える闘争心を滾らせ、その昂揚感に思わず武者震いと笑みを零した)……ああ、やってやるさッ…!いくぜじっちゃん…こっから俺の本気を示してやるッ!!(蒼炎に達した超高熱のブーストをかけ、小さな英雄が今、飛び出した―――) 」
ジュウ「―――― チ ャ キ リ ッ (飛び出してくるフレイミスを見据え、更なる銀の光沢を増した双剣を束ねるように身構えた姿勢が微動する) ガッギギギィィインッ!!!ギャリギャリッ、ガギィイインッ!!! (真っ向から殴りかかってきたフレイミスの黒く染まった拳を火花をまき散らしながら受け止め、反撃の斬撃、迎撃と繰り返し、衝突戦に突入していく) 」
フレイミス「 うおおおおぉぉぉぉぁぁあああああッ!!! (ドッガガガガッ、ガッギドッ、ドゴゴッ!!)(より重く、より鋭くなった拳の乱打を叩き込む進撃に、空間が火花で彩られ閃く。両者被弾のない攻防を繰り返し、確実なる勝機を掴むための隙を見出そうとしている) 」
ジュウ「そうじゃ、根性を見せてみろ!お前さんがこれまで積み上げてきた心・技・体が成せる業に、己が"野心"を添えろ!さすれば闘志の灯火がその拳に宿り、新たなる力を齎すじゃろう!(激しい金属音を響かせながら攻防戦を繰り広げる最中、軽い身のこなしを経て跳躍。フレイミスを飛び越え、彼に背を向けたまま着地する)そう…"このように"な!(ザクン、と長剣を地に突き立てる) 」
フレイミス「つッ…――――うおおおぉぉッ!!(自分を飛び越えていくジュウに追撃を仕掛けようと、ブーストをかけて殴りかかるが―――) 」
ズググググッ…――――― ボ ゴ ォ オ ア ァ ン ッ ! ! ! (大地が裂かれ、地中から飛び出した岩壁が銃の背を守る盾としてフレイミスの拳を受け止める。しかし、よく見るとそれはただの岩壁に非ず。フレイミスの鉄拳を受け止めた箇所にだけ…まるで銀色の鋼で覆われたようにコーティングがされていたのだった。ただの岩壁以上の高度を誇る鉄壁が、そこに生まれていた)
フレイミス「 ッ゛ ッ゛ ――――― ! ? (硬ェ…ッ!?なんだ…これはッ……!?) 」
ジュウ「 グ ル ン ッ ――――― ゲ シ ィ ッ ! (鋭く旋回、背後の岩壁に蹴りを入れたその途端、一部分のみが硬質化していた岩壁が宛ら鉄塊そのものへと瞬時に変貌を遂げる。勢いよく蹴り出された鉄壁は勢いよく水平へと吹き飛び、シールドバッシュの如くフレイミスを突き飛ばした) 」
フレイミス「 な ッ゛ ―――― が ッ゛ ! ? (ただの岩の壁が瞬く間に鉄壁へと変貌する、その驚愕の直後に気が付けば真正面から車に衝突されたような大きな衝撃が走り、宙を舞う)…くッ……!!(幸いアンビションを纏った両腕で咄嗟に防御していたこともあり、致命傷にはならず空中で態勢を整えながら降り立つ)…何だ、今の…っ…!?じっちゃんの腕みたいに…硬くなったッ……!? 」
アスラン・ザラ「あれはっ…!触れただけで金属化する能力…?いや、違うッ……! 」
メディ「私にも解析できました… 今の動き…岩壁を蹴り飛ばすその瞬間、ハトバネ様の体内にあるエーテルの一部が、岩壁の方に移っていきました…!もしかすると、あれは―――― 」
ジュウ「……そうじゃ。アンビションにはもう一つ、『 覚醒 』という一つ上の段階がある。それは偏に『 色 』と呼び、アンビションに目覚めたすべての者たちに初めから宿っている唯一無二の力じゃ…! すべての人間には生まれながらに、他人(ひと)にはない特別な力がある。アンビションはまさに、その力を目に見える形でいつか自分の前に現れる。ワシの「色」は、『 啓示色 』…!触れるものすべてにワシのアンビションを譲渡する力じゃ。 」
フレイミス「なんだとッ…!?アンビションに…まだそんな秘密があんのかよっ…!?(食い入るように話に耳を傾ける) 」
ジュウ「人には人の"野心"があるように、同じものなどこの世には存在しない。当然、優劣もな。お前さんはこれからワシ以上に脅威となる者たちと戦いを繰り広げることとなるじゃろう。死線を越え、限界を超え、その先にお前さんがどんな『 色 』に染まるのか…すべてはお前さん次第。じゃがまずは…―――― ワシを越えていくことじゃな!!(再び迸る銀色の覇気に、周囲の木々や岩石が瞬く間に銀色に染まる。定められた形が変幻自在の如く動き出し、まさしく大きな「針」として次々とフレイミスを串刺しにせんと襲い掛かる) 」
フレイミス「ぐッ……ああ、やってやるさッ…!(ひとつひとつ迫りくる意思を持った無機物の襲撃をアンビションによる予知能力でその軌道を看破。鋭利な先端に刺さる寸前で間一髪…否、最小限の動きだけで回避してみせる) 俺には超えるべきもんがたくさんあるッ!だけどな…目の前にある最初の壁を決めることくらいは、俺にだってできるんだッ!!( ド ッ ギ ィ ン ッ ! )(硬質化した黒い拳を剥きだすように構える) 」
フレイミス「 ず お ら ァ ッ !! (――― ガ ッ ギ ィ ィ イ イ イ ン ッ ッ ! ! )(その内の一本の巨針を裏拳で弾き飛ばし、串刺しによって崩れる不安定な地盤を駆け出しながら眼前の老兵のみに狙いを定めて肉薄する) 」
ジュウ「……!(格上の"覇気"を無理矢理殴り飛ばしたか…ほほっ、これはこれは…見立て以上かもしれんのう―――)(大きく蓄えた髭の内側で、口角が微かに吊り上がった) タンッ―――ズザザザァァーーッ!!(蛇行するよいうに進撃する巨針の上へと翔び乗り、滑走するように向かいだす。自分の足で茨の道を突き進む勇ましい少年を迎え撃つように、老兵は滑走によって助走をつけた状態から並行に交え構えた双剣を手に、抜剣態勢に入る) 」
フレイミス「 "アンビーズ・ドライヴ"ッ!! 」
ジュウ「 "雪駆凍滝"(ユキカケルイテダキ) 」
ガ ッ゙ ギ ィ゙ ィ゙ ィ゙ イ゙ イ゙ イ゙ イ゙ イ゙ ン゙ ッ゙ ! ! ! (少年と老兵、互いの"野心"を込めた一撃が激しく衝突する。鋼の意思を宿した自然物が瞬く間に消し飛び、頭上を横切ろうとしていた雲さえも霧散するように消えていく―――)
フレイミス「―――― ぐ ぎ ぎ ぎ ぎ ぎ ぎ ィ゛ ッ゛ ! ! ! (ついに真正面から、あの老兵の斬撃を受け止めにかかった。迸る重圧は、幻影の王より齎された一撃のように激しい。しかし、それでも、意地でも退けない意思を…二度と負けない"野心"をその拳に灯しだし…)――――― う゛ お゛ お゛ お゛ お゛ お゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ ッ゛ ! ! ! (勇ましい咆哮を上げながら、ついに押し出す。持ち前のスペックや能力に一切頼らず、己自身が生まれた時から持っている力だけで―――) 」
ジュウ「―――――― ! (戦歴の乏しい、ただ勇ましいだけの小さな戦士。しかし、その胸に宿す夢、希望、野心のでかさは…現実によって否が応でも縮小していく大人のそれを遥かに凌駕するものである。自信ですら推し量れぬ、小さくも大きなフレイミス自身の力の前に…はじめて、殴り飛ばされた) ズ ザ ザ ザ ザ ァ ー ー ッ … ―――――― ニ ィ ッ (沸き起こる昂揚感は若かりし少年心を掻き立てる。銀色に輝く眼光の奥で、"灰色に揺らめく焔"が蘇る――――) 」
ジュウ「―――――― ゆくぞッ、若造 ! ! ! ( シ ュ ダ ァ ン ッ ! ! ! )(腹の底から声高に張り叫ばれた一声が大地を震撼させ、男は双剣を広げ、爺版がめり込む勢いに助走をつけて盛大に飛び出した。それは大地を飛び立つ不死鳥のように、かつての"銀色の凱鳥"が蘇る。双つの剣が銀光に一際激しく輝く様は、空さえも銀に染める勢いであった。空間が歪む強大な覇気を剣身に凝縮させた至高の一振りが、今、繰り出される――――) 」
フレイミス「―――――― い く ぞ ァ ッ ! ! ! ( ダ ァ ア ン ッ ! ! ! )(黒く硬質化した両腕を乱回転させ、摩擦熱によって激しい炎熱を灯した炎拳を灯し、噴火の如き勢いでこちらも跳び出す。他の何者でもない、自分自身の戦い方で、新たな道を示してくれた歴戦の老兵に応えんと相対の眼光を煌かせる。全身が燃え滾るような闘争心を纏い、最後の一撃に全身全霊を込める―――) 」
ジュウ「 "夏駆青春"(ナツカケルアオハル) 」
フレイミス「 "アンビーズ・バーンエンド"ッ!!! 」
┣¨ グ 才゛ ア゛ ァ゛ ッ゛ ! ! ! !
アスラン・ザラ&メディ『 ッ゛ ―――――― ! ! ? 』 」
炸裂する黒銀の轟音と共に、その空間一帯が真っ白に弾ける。音も風も食い破るような衝撃が世界に走った。
少しずつ目を開くと、白く染められた空間が本来の色を取り戻していく。
そこに残されたのは自然豊かだった森林の地が瞬く間に更地になった光景。
その中心地に二つの影だけが残っている。目を凝らしてみれば、そこにいたのは――――
フレイミス「―――――――― ト ン ッ (――――― 老人の肩を小突く、少年の姿があった) 」
ジュウ「……………………………(背後から殴りかかってくるような殺気を感じられない。故に振り返ることはなかった。ただ背中を許せるような、そんなあたたかく純粋な心を持った何者かがいる。それはいつか出会った中俣たちのように。信頼を寄せる者に自らの背中を"預け"、老人は無言を貫いていたが――――) 」
ジュウ → ハトバネ「――――― ぶわっはっはっは!!わーーーっはっはっはっは!………完敗じゃ。(すとん、と肩を落として老人らしい丸みを帯びた背中に戻る。その反動で被られていた帽子がするりと地に落ち、元の快活そうな老人の顔が曝け出された)はーははは…… こんな愉快な思いをしたのは初めてじゃわい!よくやったのう…若造…! 」
アスラン・ザラ「………やったな、フレイミス……!(終始激戦を見届けた末の結果に、満足気にほくそ笑む) 」
メディ「……ええ、本当に…すごいですっ……(ヒューマギアとして、人間の更なる可能性を見出せたことに驚きと喜びの二つの感情が入り混じる) 」
フレイミス「……―――――― っ は あ ! (やり遂げた…夢ではない… 張り詰めていた緊張感のせいで実感こそ湧かなかったが、曝け出された老人の愉快な笑みに心を和まされ、思わずへたりと尻もちをついてしまった)…はぁ……はぁ…… 俺……生きてる、よな……?やった……んだよな……?(土まみれになっていた自分の両腕に視線を落とす。今まで体験したことのない不思議な力への実感を茫然と噛み締める) 」
ハトバネ「ほほっ…なにを呆けておる。これは幻想でも夢でもない、紛れもなく現実じゃ。(「立てるか?」と手を差し伸べて立ち上がらせる)…お前さんに目覚めた"アンビション"は、紛れもなくお前さん自身のものじゃよ。 駆け出したばかりじゃが…今はまだそれでいい。じゃが、不思議じゃろ?お前さんが喉から欲しかった力が、実は初めからお前さん自身の中に眠っていたなんてな。じゃが、そういうもんじゃよ。火事場の馬鹿力という諺があるように、人間は危機に瀕したその時にこそ真価を発揮する。 」
フレイミス「あ…あぁ……(老人のしわくちゃの手を引いて起き上がる)……正直、まだ実感が湧かねえ…けど……拳の内側に…すげえ熱さを感じる…今も… これが…俺の……(自分の右手の拳を見つめる) 」
ハトバネ「お前さんは若い。これから様々な挑戦を経て、もっとより多くの知識や経験を蓄えていくじゃろう。道は険しい…されど、臆することはない。立ちはだかる壁を壊す力は誰の手にも握られている。あとは乗り越えるかどうか、その"野心"に問いかけるだけじゃ。……そう言えば、名乗っていなかったな。ワシは『 ジュウ・ハトバネ 』。お前さんの名を聞かせてはくれんか? 」
フレイミス「………フレイミス。フレイミス・ティルク・カオスだ。 」
ハトバネ「そうか…「フレイミス」というのか。良い響きの名じゃ。さぞ素敵な両親のもとで生まれ育ったんじゃろうなあ。その鋼の身体に言うところはないが、お前さんにはちゃあんと熱く優しい心が通っているのは伝わったよ。その心と眼差しを…ワシも覚えておこう。……ん、っくぁ~~~~ッ!やれやれ…それはそうと…久しぶりにやんちゃしすぎて本当に肩が痛くなったのう……とほほ…歳には抗えんな…… 」
フレイミス「………(「素敵な両親」…そう言われて少年の口元が、どこか嬉しそうに綻んだ) ……!じ、じゃあ…今度はちゃんと、肩…叩いてやるよ……!お礼じゃあねえけど…… ――――― ありがとう、ジュウさん。 」
ハトバネ「 ! (フレイミスに初めて名前を呼ばれた時、ふと誰かの声が重なった気がした。遠くから聞こえるような、どこか懐かしい声と。どれだけ記憶が色褪せても鮮明に聞こえてくる、あの声と――――)……ほほっ、そうかそうか。ありがとうなあ…フレイミス…(老人は切株に腰を落とし、少年の力強い手触りを感じ入る。新たな孫に嬉々とした感情の芽生える爺のように―――) 」
アスラン・ザラ「……フレイミスは新たな力を得た。あいつ自身の努力の賜物だな。あいつならきっと…救えるだろうさ… 」
メディ「…ええ、そうですね…♪……しかし、"アンビション"という実に興味深いデータを得られました。まだまだこの世界には我々の知らぬ未知なる力が溢れているのですね。 」
アスラン・ザラ「ああ………ん…?待てよ……?"アンビション"の正体が、エーテルを引き寄せ纏うものだとしたら……もしやすると――――― 」
♪ ~ (何かに思いつこうとするアスランの懐から、彼のスマホ端末から着信音が鳴り響く)
山野淳一郎(SE)「 アスラン君、私だ (着信に出ると、アスランと親しい科学者の男の声が聞こえた) 例の『結晶体』について解析が終わり、判明した事実がある。悪いが、至急全員を集めてほしい。これから、大事な話をしたい。 」
アスラン・ザラ「山野博士…!……そうですか、了解しました。(着信を切り、メディとアイコンタクトを交わすと、フレイミスを呼び戻そうと彼の元まで歩み寄っていくのだった―――) 」
― ツグリ村・小屋 ―
山野淳一郎(映像)「―――― 諸君、久しぶりだな…山野だ。今回の一件について、私もアスラン君もすべて遠方から監視していた。クロノラ君のことに関しては残念だが…今は落ち込んでいる場合ではない。(小屋に集ったプレイヤーの面々が囲むのは、山野博士を映すテレビ画面だった) …君たちが気がかりになっていることについて、単刀直入に言おう。まず…例の『黒い結晶体』について、判明した事実がいくつかある。 」
アガラ「(汗だくで体中を土と血で汚した姿でぶっ倒れている。どうやら彼らがアンビションの修行をしている間、こちらも虐待紛いの特訓を受けていたようだ……)…………こ、こんいちは……皆さん、集まって………ゲホ、ゴッホッ…… 」
村野さやか「……!もう解析を終えたのですね…流石山野博士です。判明した新事実とは…?(木製スツールに腰掛けて話に耳を傾ける) 」
ヒロ「早かったな… 」
山野淳一郎(映像)「うむ…早速だが、この映像を見てほしい。(すると、テレビの液晶画面が遠隔で移り変わり、本来幻影の巨塔にあった場所にとって代わる様に存在する『幻影の巨城』のリアルタイムの映像が映された)これは、今現在の幻影の巨塔の状況だ。見ての通り、巨塔を注視に周辺区域をあの結晶体の浸食が少しずつ拡大していっている。このままだと、君たちがいるツグリ村にも2時間後には到達するだろう。事態は一刻を争う。なるべく簡略して説明するから、よく聞いてほしい。 」
ピカマン「語らねばなるまい……あれは私が、黒い結晶だった頃のこと…… 」
山野淳一郎(映像)「アスラン君が回収してくれた結晶体をこちらの研究本部で解析した。解析の結果…あの黒い結晶体の正体は、幻影の巨塔を構成している『 偏属性クリスタル 』そのものだ…!だが、一つだけ相違する点がある。それは、"触れたものを侵食し、強力な幻覚作用に陥れる"効果を持つことだ。番人の幻影体たちの証言から、これは『 イリジオン 』と呼ばれるようだが…非常に危険な物質だ。 」
ネモ「強い幻覚作用……?さっき、ボクがあの王様にやられた時みたいな……あんな気持ち悪い感覚になるの……??(古傷を思い出したように頭を押さえつける) 」
メトロ「……『 偏属性クリスタル 』といえば…あの幻影の巨塔だけじゃなくて、幻影体《ファンタズマン》や拠点クリスタルをはじめ…カオスファンタズマのゲームにおいていろんなものを構成しているものだったよね…?あんな禍々しい黒い結晶が…同じものとは思えないけど…(心配そうにネモの肩を摩りながら) 」
シェバナ「ははぁ~……既存のクリスタルと同様の性質を持ちながら、浸食して生物に幻覚を……麻薬でも込めたんか、って質の悪さやん?いや、生物の可能性もあるか……明らかに制御してたもんなぁ 」
山野淳一郎(映像)「ああ、疑う気持ちもよく分かる。事実、本来の偏属性クリスタルに浸食性は存在しない。 君たちも以前知ったように、元来はあれの正体は…オリジナルのエリノラだけが持つ『 廻属性クリスタル 』から生み出されるものだ。不死の力を宿す「廻属性クリスタル」から生まれた偏属性クリスタルによって、巨塔内で君たちの身体が朽ち果てることなく存続できる由縁となっているように、あのクリスタルはなくてはならないものだ。そこに意思も攻撃性もないが…ない、はずだが……あの黒い結晶体『 イリジオン 』は、まさに自律的に活動を行っているのだ。 」
浮世英寿「……となるとやっぱり、クロノラやエリノラの意思によって生み出されたものじゃないな… 彼女の様子だと何も知らない感じだったことも踏まえ、やはり…"外的な要因がその偏属性クリスタルそのものを浸食"してしまった可能性があるとしか思えない… 」
マルコ「……あの王様ってのが、この世界を幻影に染め上げるって宣言してたな…それを実現しているのが、あの黒い結晶だってことかよい… 触れた奴に強い幻覚を見せる…こりゃあ、厄介なことになったよい… 」
アスラン・ザラ「ああ…そしてその『イリジオン』という黒い結晶を生み出しているのが、言わずもがなお前たちが戦っていたあの『 王 』を名乗る男だ。奴から生み出された結晶は、そのまま浸食性のある結晶として広げるだけじゃなく…新たな意思を宿した幻影体をも作り出す… 確か『 ゴライアス 』と言っていたか… 『王』も含めて『奴ら』は普通じゃない。如何なる攻撃も通用しない様子だったが…博士、何か対策手段は? 」
山野淳一郎(映像)「うむ…それについては、私よりも詳しく解析した者が君たちの中にいる。……そうだろう、メノア君?(不敵な笑みを彼女へ送る) 」
メノア「はいはーい、ご紹介に預かりますよっと。(中心の輪に入ってくる) ……確かに、そこのハゲ頭(失言)の言う通り…「王」にもその「僕たち」にも私たちの攻撃は通じなかった…。まるで不死身であるかのように僅かな時間で損傷した身体を再生した… だけど…私は確かに見たわ。明らかに反応が違ったケースを…"二度"もね。(そう言うと自身のラップトップをテレビ画面に繋ぎ、数時間前の戦闘を記録した映像を見せる) 」
シェバナ「(倒れているアガラの上に乱雑に座り)……エリノラしか生産が出来ないクリスタルに、独自の改造を施した………おもろい事するやん……幻影体もベースのクリスタルが持ってた機能を拡充した訳やし……何?そのクリスタル砕いて水にでも溶いて飲むとかかな、毒を以て毒を制す的な 」
メノア「まずひとつめは、そこの小さなお嬢さん(ローファ)が殴りかかった時… 二つ目は…そこのお金にうるさそうなピンクのお姉さん(ニコ)が撤退時に一弾を放った時… これらの瞬間、王と僕たちの反応が大きく違ったの。すぐに再生されるはずだった体の修復が行われず、吹き飛ばされてしまったの。そこでさっき、二人に頼んで身体と武装を調べさせてもらったわ。そこで、一つの共通点を見出した。 」
メノア「 その娘(ローファ)の身体と彼女(ニコ)の武装には…――――― "高濃度のエーテル反応" があったのよ 」
なこ「……高濃度の…エーテル……?それって…どういう… ただの普通のエーテルとは違う……?( ˙꒳˙ ) 」
メノア「その共通点を見つけた私は…さっき村を出て、危険を冒して浸食範囲すれすれのところで結晶体の一部を回収した。持ち帰って早速同じ質量のエーテル物質で中和できないか試してみたら…これがビンゴ。結晶体は見事に砕け散って跡形もなく霧散したわ。 」
メノア「本来「クリスタル」ってのは、大気中の「エーテル」が化学反応によって長い時間をかけて凝固したものなの。偏属性クリスタルは廻属性クリスタルからそのまま生み出されたというよりも、恐らくオリジナルのエリノラだけが持つ不思議な力によってエーテルに新たな反応を齎して生み出されたものである可能性が高いわ。 つ・ま・り…!偏属性クリスタルは、元を辿ればエーテルから生み出されたものってこと!クリスタルは膨大なエーテルで形成されたもの…それ自体に高濃度のエーテルが含まれている。だから、同じ質量で中和できるっていう単純な仕組みだったのよ。 」
ニル「ふわっ…なるほど……!そういうことだったんですねっ……じ、じゃあ…それだけ膨大なエーテルがあれば…… 」
シェバナ「は~~い、はいはい(肩にかけたジャケットがずり落ちるのも構わず、気だるげに手を上げ)………先生、それってエーテルだったらなんでもええんですかぁ?その二人の攻撃が、たまたま上手く作用したってケースやったり、って可能性は?エーテルを利用した攻撃って、魔術に限っても山ほど属性やらあるし、それ以外も色々あるし……私はこんな感じなんやねんけどもぉ(指先から電撃を軽く走らせ) 」
メディ「すみません、横から失礼いたします。ニル様の仰りたいことは分かりますが、それは推奨できません。(待ったをかけるように一歩乗り出す)エーテルは、生命エネルギーとしてすべての生物の体内に宿り、循環しています。 しかし、生物それぞれによってエーテルのキャパシティは決められていて、過剰摂取によって人体に悪影響を及ぼすのです。空気や血液などを大量に摂取できないように…人間の身体には、必要以上にエーテルを蓄えないように自己防衛機能が備わっております。意図した過剰摂取は、大変危険な行為なのです。 」
山野淳一郎(映像)「メディ君の指摘通り、人体に過度なエーテルを蓄積するのは危険だ。しかし、シェバナ君の質問にも挙がったように、エーテルのような基幹エネルギーは様々な技術や能力に応用されている。例えば、魔法に錬気術…アンビションといったものなど…世界にはエーテルに左様される力がいくつか確認されている。しかし、それらの力は限定的であり、一部の会得者のみに通じることだ。一般的なプレイヤーの多くは、そうではないだろう… そこで、『イリジオン』の弱点が"高濃度のエーテル"であることを前提に、私から君たちに推奨することがある。 」
山野淳一郎(映像)「今この話を聞いてもらっている間に、こちらの研究本部にて『君たち専用のエーテル武装』を製造している。高濃度のエーテルを宿した武装があれば、エーテル適性が無いものたちでも、イリジオンに対抗することができるだろう。高濃度のエーテルを君たちの既存武装にコーティングする手段も整っている。君たちにぜひとも使ってもらいたい。少し時間を有するが、それがあればきっと奴らへの有効打になるはずだ。 」
村野さやか「つまり…私たちのような一般のプレイヤーでも…あの黒い結晶に対抗できるかもしれない…ってことですね…!すごい…もうそこまで話が進んでいたなんて… 」
フレイミス「……… グ ッ … (解説に静かに耳を傾けながら、握り込めた自分の拳に視線を落とす) 」
肆々玖「エーテルか。魔力と同等の存在ならば俺の心臓で変換はできるだろうが……(幾つか逡巡する。己の格上への打つ手のなさと、未だ発現しない2以上のフェーズに) 」
メノア「私も遠隔だけど、山野博士と共同でその新武装の開発にあたってるところよ。ここでうだうだ考えていても埒が明かない…なら、少しでも可能性のある方に賭けてみる価値はあるわ。私はこの推察を信じて対策手段を考える。誰かの権限じゃなくて…私たち自身の知恵と力で、立ち向かってみせるわ。 」
ミツキ「だぁ~いじょうぶですよっ♪ミツキ、こう見えて魔力は高い方なのでぇ~…先輩をサポートすることならお任せください♪ 」
ニル「あうぅっ…エーテル…扱い方を間違えるところだった…>< それなら……うん… 伐刀者(ブレイザー)として、魔素の扱いが…大事になってくるのかも… 」
ビリー「すげえ!流石ニコの親分だぜ!お陰でなんとか話がうまくまとまりそうだぜ! 」
ニコ「ふふんっ、と~ぜんよっ!私を誰だと思ってるの!?邪兎屋の頭…見くびられちゃあ困るわ!(うわぁ…なんか知らないけどすごい重要なとこ踏んじゃったっぽい…?で、でもっ!いいことなのよね!お陰で上手くいきそうだし…?ふふっ…まだ運には見放されていないみたいね…♪) 」
アンビー「…膨大なエーテル…それを蓄えた武装が、敵への対抗手段…(なるほど…と感心しながらハンバーガーをむしゃむしゃ頬張っている) 」
カズネ「大丈夫…魔法の力、信じて。なこなら、きっと上手くできる。(なこに安堵の眼差しを向ける) 」
なこ「う、うんっ…!ありがとう、カズネちゃん……♪さっき教えてもらった「魔法」…頑張って自分のものにしてみせるからね……♪(*´꒳`*) 」
アスラン・ザラ「……となれば、残る時間を使って戦闘準備を整えるべきだな。そう言えば博士、『オムニバス』の動きはどうなっていますか? 」
アガラ「………さ、早速使う事になるんですね、さっきの奴…………でも、良かったような悪かったような……え、エーテル…… 」
山野淳一郎(映像)「実は今現在、この中継と同時並行でリモート会議を行っている。私は解析作業で忙しいと嘘をついてミュートにしている。この話が運営側に漏れることはない、安心したまえ。だが、オムニバスも手を拱いている様子だ。彼らが動き出すよりも、君たちの方が先行して行動できるだろう。あまり宛にはしない方がいい。何か動きがあればすぐに連絡する。では、私は開発作業に集中する。諸君、またあとで。(ここで映像が途絶える) 」
シェバナ「(ポイントは"濃度"、或いは"質量""密度"………)ゴリ押しは通じる、って感じやなぁ……シンプル過ぎる以上、流石に向こうも理解してそうやけど……まあ、分かった所で対策の対策は難しいか……どっちにしろ今は信じるしかないしなぁ…………運営側に漏れる事は無い、か……大丈夫かな?まあ、今までも何とかなってたみたいやしいけるやろ。がんばってなアガラくん(椅子代わりにしているアガラの背中に拳を乗せ) 」
アガラ「頑張ってなって……さっき覚えたばっかりなんですけど……って痛っ、臭っ……相手はあんな化け物なのに…… 」
Dr.ドライドル「 キィ ィ ン … (盛り上がる周囲をヨソに、ひとり座禅をしながらの空中浮遊。周囲には時計のような方陣が描かれた薄いエフェクトが消えては現れ…)フ ゥ ゥ ゥ … クゥウ (仮面の奥で苦悶の表情を浮かべる。今彼が見ているのはあらゆる分岐未来。時間と空間、異なる次元を超えられるよう、自らの意識を高次元演算装置と化すことで、これから挑む敵との幾千幾万にも及ぶパターンを読み取っていた)……(しかし、幻影の王だけは見えなかった。あらゆるパターンの内彼の前までたどり着いた分岐の話。しかしその直後にブラックアウト。未来は、見えない) 」
Dr.ドライドル「(瞑想を終え、瞳を開く)俺の目をきゃーくぐったぁ大した野郎だ。歯ごたえがあるほうがこの俺としても楽しめるでな。フフフフフ(ふわりと浮遊をとく)) 」
ベール「なぬっ!?!?!?!?大量のエーテルが必要だって!!!!????ヨシわかた!!!!ひょいぱくひょいぱく!!!!!(空気中の酸素(エーテル)を無理矢理拾い集める奇行に走る) 」
フリーザ「なんですって!?では私は、今からドラゴンボールを集めて、そのエーテルとやらの力を手に入れてみせましょう!!きえええええええええええええええええええええええええい!!!!!!!!(小屋の天井を突き破って飛び去っていく) 」
ドドリゲス「(考え方が脳筋ドラゴンボールすぎる…と思う哀れなトリ) 」
攻略組が新たな手掛かりを掴んだその頃――――――
― プランダラ地下アジト ―
ヴァサゴ「…………… フ ゥ ー ……(解せぬ。遣り切れぬ。遺憾だ。そんな不満な表情を前面に醸し出す厳めしい顔つきをした男が、傷んだ円卓の上にドカッと両足をのっけては、巻煙草を吹かしていた)………で、結局掴めたのかよ。エリノラを攫って行きやがった連中のことはよォ……? 」
ロイエ「………(攻略組の元から帰還した老紳士が律儀な姿勢で佇んでいる。まるで「その時」が来るのを待っているかのように…)……いえ、今のところは。現在攻略組の皆さんが手掛かりを掴んでいる頃でしょう。間もなく地上の監視員から連絡が入る頃かと。 」
ガイ「……まったく不愉快な連中なのだ。我々を出し抜いてエリノラを奪っていくとはな。(フン、と傲岸不遜に鼻を鳴らす) 」
墨田奏斗「あっれぇ~…?俺はてっきりウチのまだ見ぬお偉いさんか何かかと思ったんだけど、余所者だったんだ…『アレ』。(新参の編入者は、円卓外で壁に背持たれ愉快気にけらけら笑っていた)……にしても滑稽だったなあ…あいつら(攻略組)が無様に負けて逃げていく様はさぁ~…? 」
ジョニー・ブラック「おいおいおい~…!呑気に嗤ってる場合じゃねえぜ新入り~…!?これからあんなバケモンみたいな奴からエリノラを奪い返さなきゃならねえんだぜェ~?ヘッドもご立腹だしよぉ~…これからどうなんのぉ~~~~…?? 」
浅倉威「……ああぁぁ~……っ……イライラする……!なんでもいいから早く暴れさせろッ……!プレイヤーでもあの連中でも何でもいい……誰でもいいから戦わせろ……!(鉄パイプをギャリギャリ引きずりながらその辺を周回している) 」
21号「……スン…スンスンッ…… 地上から、ヤな臭い…する。ヘドロみたいな…黒い臭い… (真っ暗な天蓋を見上げて独り言のように呟いている) 」
誘導者「そういえば…地上にある「幻影の巨塔」は今現在とんでもないことになっているみたいですね。あの得体の知れない結晶はなんでしょうか…見るからに穏やかな感じはしませんが… このアジトにまで危険が及ばないといいですね… 」
ボム・ヴォヤージュ「 Récupérez la grande richesse d'Elinora !」
黒羽咲夜「嗚呼…!これぞまさしくカタストロフィの前兆…!神の怒りに触れたことで、やがて世界は漆黒の大地に覆われ、下々の民はみな堕落するのだわ!フ、フフフ……!! 」
黒羽咲良「姉さんがいつにもまして興奮しているのはさておいて、結構他人事ではないと思います。幻影の巨塔があんな状態となり、目的のエリノラも奪われてしまった現状…我々『 プランダラ 』の存在意義が皆無になってしまったようなものですから。 」
イーリア「クソめ……あんなどうでもいい奴に構っているヒマなんかないってのに……(苛立ちを隠せず、隠す必要もなくただ荒々しくテーブルを足蹴にしている) 」
ロイエ「(不満や不安を募らせる面々を他所目に、着信音の成るスマホ端末を手に取り、応答する。しばらく誰かと連絡を取り合い、納得したように頷いて着信を切った)……たった今、ルシオン様より連絡が入りました。件の結晶体、そして現在変貌を遂げた幻影の巨塔についての解析が完了したとのことです。 」
ヴァサゴ「おぉん…?そういやぁ…ルシオンの野郎は今ワールドセイバーの本部にいるんだっけか…?なんか言っていたか? 」
ロイエ「はい。現在、幻影の巨塔並びにその周囲を覆っている黒い結晶体は、『 イリジオン 』と呼ばれる偏属性クリスタルの変異体であることが判明いたしました。本来巨塔を構成している物質に偏属性クリスタルが使われており、これは運営『オムニバス』が管理している「オリジナルのエリノラ」様より齎されたものです。 運営も独自のテクノロジーで再現・量産は不可能であることから、エリノラ様の存在に大きく依存しておられるのです。つまり…今回の一件、イリジオンという変異体の偏属性クリスタルは、"そのエリノラ様に何らかの異変が発生したことで突発的に生まれた"ものだと推測できます。 」
ザザ「…つまり…オムニバスの連中によるものでもない…むしろ運営にとっても不測の事態だということか… 」
ロイエ「ええ。そのオムニバスも現在、緊急対策会議を設置し此度の件について早急な対処に乗り出しているところでございます。……話を戻します。その『 イリジオン 』と呼ばれる結晶体には、強い浸食性が備わっており、無機物・有機物問わず接触したものをたちまちに取り込み、強力な幻覚作用によって支配下に置く性質を持っております。この物質への対策として、"高密度のエーテル物質"が必要不可欠であることが、ルシオン様の解析実験によって判明しました。現在我々の為に、高エーテルを搭載した支援武装の製造を緊急で行っているとのことです。 」
桂城泉「不思議なもんだね…どうして、そこまで「エーテル」が肝になっているのかな?(ふとした疑問を投げかける) 」
技師長「んあー…それはあれだよ、新入りちゃん。この世界に蔓延しているエーテルが化学反応などによって凝固したものがクリスタルになるんだけど、偏属性クリスタルも例外じゃないのよ。小さなクリスタルひとつに何千万というエーテルの粒子体が圧縮されていて、気化することで元のエーテルとして空中に散乱する…だから、クリスタルの中和には膨大なエーテルが必要になってくるわけ。あの黒い結晶体も例外なくね。(円卓の上にガラクタのような機材を広げて一人制作作業をしている) 」
セラス「……そう、なんだ……(花ちゃんにこのことを伝えるべき……?いや、きっとあの娘たちなら今頃すでに手掛かりを掴んでいるはず……信じよう…)(泉の隣でどこか不安げに佇んでいた) 」
黒衣の戦士「…………(円卓から離れ、一人腕を束て迷走するかのように黙り込んでいる) 」
ガント「まいったね~さすがのボクも準備不足だったよ(髪の毛いじいじ) 誰かよくわかんないけどサ 招かれざるお客様はご退場願わないとね 」
ウェカピポの妹の夫「エリノラを妻に、だとぉおお~~~~? あの女はな、俺がまずぶん殴ってヤッてやらねえと気が済まねえんだ。気がおさまらねえんだ。俺に恥をかかせやがって……その上塗りにやってきたのかあの幻影の王って奴は。よろしい、ならば敵だ。 」
ポトリヴィット「運営からもこっちのブレイン共からしても計画外ってかァ?…………ったく、バカバカしくて笑える話だなァ?こんな不細工な玩具で全部台無しって訳だ。「エリノラ」ってあんだけの力の塊がなァ……(掌ほどのサイズの『イリジオン』の塊を、平然と片手で弄びながら現れ)……つくづく、情け無さすぎて面白ぇわ(その『エリジオン』を片手で握り砕くと共に、円卓に足を乗せて乱雑に椅子に座り) 」
ウンネカーズ「あーっ、器用ですねえポトリヴィットさん、中々触ったり出来ないのに…………何も考えなくていいなら武器なんかに頼らず腕力ぶっ壊しチャレンジしたかったのになぁ…… 」
ペニー「あのクソ女を(規制)して(規制)してやってやろうと思ったが…… 」
ピピピピ…ピピピピ…
マーシャリス・D・ヨクバリーチ「ゼハハハハ!よし!!ハイと2会言えKUSOGAKI!!一つ!俺のメシはアップルパイだよな!!二つ!死ぬほどうめえアップルパイだよな!!!!三つ!!幻影の王ントコにいるよな!!エリノラ!!!! 」
久米「滅茶苦茶やばい事態になっててやばいじゃないですか!やばいということは、滅茶苦茶やばい事態になっててやばいってことじゃないですか!?つまり滅茶苦茶やばいっていうことなのでぇ・・・・滅茶苦茶やばいです!!滅茶苦茶やばいので、滅茶苦茶やばい状況におかれている皆さんを助けにいかないといけないと思っています!!(そう言って久米はガンダムで逃げる準備に取り掛かった) 」
阿久津大夢「(普通にこれ割に合わないビジネスにて出しちまったなっていう苦笑いを浮かべつつも幹部的に腕組をして座っている) 」
制服の少女「────ギュイイ イ イ ン … キキッ(近未来的な造形のバイクに乗ってきた少女、指定された場所に到着すると、黒服たちが現れ出迎える)ほーん、アンタらが依頼主の? いいよ、はやく連れてって。(少女は黒服に導かれ地下アジトの入り口まで足を運ぶ)おお~入り組んだ場所にまぁこんなの隠したね。で、依頼人さんはいるわけ? いるの? あっそう。じゃあ────コンコンコーン!どなたかいらっしゃいますかー?(円卓の入り口にあたるドアをわざとらしくノックする) 」
ウンネカーズ「なぁんか欲求不満なんですよねぇ……あっそうだ!久米さん腕相撲しませんか、腕相撲!勝ったら帰るの手伝ってあげますよぉ 」
久米「いいでしょう!!!!ちびっこ腕相撲大会三位の私が負けるということは、ちびっこ腕相撲大会で三位を取った私が負けるということなので、つまり!ちびっこ腕相撲大会で三位を取った私が負けるというぐらいありえません!!(袖をまくり腕を回しながら意気揚々とみかん箱の前に座る) 」
MARUGAME SEIMEN「MARUGAME SEIMENにはハリーポッターと秘密の拷問部屋がある。今から黒い泥々を叩いてこねてうどんにしてオーディエンスの皆さんを怖がらせなければならない。ガタガタぬかしているとお前の腹に風穴を開ける 」
ウンネカーズ「憂さ晴らししたかったんですよぉ!!あっ、両手使っても顔で押さえても良いですよ、さあさあ!(わきわきと指を動かしながらみかん箱に肘を置く) 」
久米「ふふふ・・・・・・私は、男なので・・・・・ちなみに?男ということは、女性に紳士的であるということのようなのです?フ・・・・・(ハンデのつもりで、薬指を立てて肘を乗せた・・・・・ちなみに、左手の薬指に指輪を嵌めるのはエンゲージリングのようだ・・・・・) 」
黒羽咲良「おや…こんな時に客人のようですね…どちら様でしょうか?(制服の少女に尋ねる) 」
怪人ピカマン「(自分の制服を、びりびりに、破いた・・・・・そして、ピカマンだ・・・・)私だったのだ・・・・・(>>お前じゃない<<) 」
制服の少女「あ、どもどもども~(ダウナーな感じで咲良に手を振り)いや、ね。そっちのオジサマ(ガント)の依頼でやってきました~~~~。騒動終息までの間、こっちの戦闘員として頑張れって依頼ですんで。私が来ました。────で、面白そうっスか?(にへら~と笑いながら) 」
ウンネカーズ「ほぉ~~~~~~~~……それじゃあ、遠慮なく(完全に格下扱いしていた久米に舐めた態度を取られた事に腹を立ててか、鉄塊すら容易に握り潰せる程の、万力の様な握力で久米の薬指を思い切り握り込み)ふ ん ッ ! ! !(モビルスーツさえ素手で叩き割れる、そう豪語する程の腕力でもって、久米の指を床までめり込ませる勢いで叩き付け) 」
JP「完全なる外部者、という事ですか。ふむ………まあ、皆様なら対処はなさって頂けるでしょう。でなければ、投資した意味がありませんから 」
ピピピピ…ピピピピ…
久米「う…・・うわあああああああああああああああ!!!!!私の薬指があああああ!!!い・・・・・いってええええええええええ!!!!(薬指がめり込んだ穴に…頭がすいこまれ、頭蓋骨がめちゃくちゃにぐちゃぐちゃの見るも耐えない、さながら生卵をフードプロセッサーに淹れたかのようなペースト状に潰れ、弾痕のような細い穴に吸い込まれてゆく。それに続き全身が吸い込まれ、上半身は首へ、下半身は上半身へといった具合に骨格を無視され収納され、圧縮され、現絵系を失った肉塊となった) 」
ウンネカーズ「(穴に納まり切らずに飛び出した久米の肉片をもう片方の手で掴み)うーっし、すっきりしたぁ………腹ごしらえにもなるし丁度良いですねぇ、もぐもぐ(そのまま大口を開け、肉片を口に運び)………一人退場しちゃいましたけど、まあ、別に数には入ってなかったでしょ。なあんかなぁ、浸食って気合で耐えられたりしないもんなんですかねぇ? 」
制服の少女「ま、ま、ま、楽しそうならいいんスよっと!(円卓のイスに座り携帯ゲーム機を取り出す)なんか必要だったら言ってくださいね~~~(完全にバイトのシフトにやってきた学生然とした態度でくつろぐ。戦闘の音頭をとるのは彼らだ。自分はそれに従う兵隊でしかない。その分別をわきまえて、指示待ちに徹する) 」
阿久津大夢「侵食に関する情報が少なすぎるからな……まあなんだ、そのために久米くんがいるんだろ。あいつを上手いこと放り込んでどう侵食されるかのサンプルにしてだな……(ペースト状になったものを一瞥し)生野先生、治して、約目でしょ(無茶振り) 」
支配の悪魔「いやこれ悪魔の心臓ぶちこんでも助からないって~~~~……(円卓の上にうつ伏せになり、その場にジュースやお菓子を広げせんべいを貪っている) あ、そこのJK……それ入手困難なスミッチ2じゃない~~?ネジマお姉さんに貸し給え~~~(両腕を伸ばし手招き) 」
制服の少女「ギョ!?(支配の悪魔に自身のゲーム機をロックオンされ)や、やめろぉなにすう!?(ジタバタ)これは応募してやっと手に入れたもんなの! まだ味わいつくしてないからダメ~~~~!! 」
ヴァサゴ「―――― いずれにしてもだ!!(ざわついてきた空気に一喝を入れるような大声を上げる) このまま俺たち『 プランダラ 』が黙って見ているわけにゃあ…いかねえ…!そうだよなァ、オメェらァ!! おい、ロイエさんよぉ…そろそろいいだろう…? 」
ロイエ「しかし、「閣下」より命令が下されていない以上は―――――? 失礼 (再びかかってきた電話に出る)……はい、ロイエです。……はい。……はい……はい……はい。承知いたしました。(スマホの着信を切る)……ヴァサゴ様、前言撤回いたします。たった今、「クライスラー閣下」よりご指令をいただきました。 」
ロイエ「 『 プランダラ 』全勢力をもってかの敵を蹂躙し、「エリノラ」を奪還せよとのことです 」
ヴァサゴ「 ニ ヤ ァ ッ (この時を待っていたと言わんばりに腰かけていた椅子を蹴飛ばして勢いよく立ち上がる)―――― ヒャアハハハハハハッ!!そうでなくちゃなあッ!!!聞いたかオメェらァッ!!!"略奪"の時間だァッ!!!!(高らかに右腕を突き上げる) 」
ポトリヴィット「『プランダラ』の屋号ぶら下げてんなら、言われなくてお当ったりめぇだろがよォ………(先程握り砕いた破片を適当に放り捨て)……どっちにしろ、アレ奪われたまんまじゃこっちの目的も果たせねえ 」
ジョニー・ブラック「うおおおおおおおお!!!???ほ、本当に殺るんだなぁ…ヘッドォ!! 」
浅倉威「……おお…!ようやくか……!祭りの時間だァ……!! 」
ガイ「フンッ……当然、受けて立ってやるのだ!今こそ我らの脅威を奴らに見せしめてやるのだ!! 」
技師長「おーおーおー…!やっぱりそうなっちゃいますう?ええ、ええ!いいでしょう!閣下のご命令とあればやるしかないです。やったろうじゃありませんか! 」
ウンネカーズ「お~~、本当にちゃんとスタートするんですねぇ………まあ、気持ちを切り替えて……誰ぶっ飛ばそうかなあ…… 」
制服の少女「お、お、お!? (周囲が色めき立って自分もそうするべきかと悩んだ結果)お、おーーーーーー!!おーーーーーーーー!!(一緒にかけ声をすることにした) 」
墨田奏斗「いいねぇ~…やっぱそうこなくっちゃ。気に入らねえ奴は全員ぶっ殺す。やっぱりこっち側についていって正解だったみたいだよ俺は。(愉悦に口元が綻ぶ) 」
21号「作戦決行……了解…… 」
ウェカピポの妹の夫「それが流儀ィィーーーーー!!(鉄球を掲げ噴気) 」
ペニー「邪魔する女は全員○す 」
マーシャリス・D・ヨクバリーチ「ゼハハハハ!!もうネタがねえぜ!!!!!!!! 」
ピピピピ…ピピピピ…
タイガー・ジェット・シン「「狩り」の時だァァァァ!!!!(呼応し咆哮を挙げ) 」
エドカーイ・ニューオーガ「――――― おい待てヨックス!!誰が部下になった!!??アホンダラァ!!!!!( ド ン ッ ! ! ! )(――――"白海" 『エドカーイ・ニューオーガ』 ) 」
バットンガム・ゴルューシー「ニューオーガったら!アンタもなの!?( ド ン ッ ! ! ! )(――――"ニューオーガの嫁" 『バットンガム・ゴルューシー』 ) 」
グロスオーサ「見苦しいねえ!ゴルューシー!!( ド ン ッ ! ! ! )(――――"鋼姫" 『グロスオーサ』 ) 」
バットンガム・ゴルューシー「オメーもだろ!グロスオーサ!! 」
金鹿のシキ「手に入れたモン勝ちだ!それでいいよなあ!!?( ド ン ッ ! ! ! )(――――"金鹿" 『シキ』 ) 」
シャーロット・チリンリン「マ~ンマンマァーーー!!俺がいただく!!( ド ン ッ ! ! ! )(――――"ビッグマム" 『シャーロット・チリンリン』 ) 」
百獣のカイドス「お前は無意味だろチリンリン!!( ド ン ッ ! ! ! )(――――"百獣" 『カイドス』 ) 」
キャプテン・ジョー 「フヘヘ!俺の宝だ!!グビグビ!!( ド ン ッ ! ! ! )(――――"キャプテン" 『ジョー』 ) 」
生野 洋司「認知症以外の患者は専門外ですけど……いいですよ、実験ついでにやってみます。どちらにせよ、今回の功績があれば僕の研究はもっと喧伝できるんだ……(無茶振りもなんのその、その目には最初から一つの目的しか映っていなかった) 」
イーリア「―――これで手をこまねいて日和るばっかりなら、アタシ一人でも行く気だった。(粗野に椅子を蹴り飛ばして立ち上がり)腰抜け共がいないようで何よりだ、じゃないとこうして協力する意味もない。 」
ジェレミィ「結局の所、ぶち抜ける敵が増えたってだけじゃねえかよ!折角だ、楽しもうじゃねえかッ!? 」
ユーチュー・B・もっこス「なんやこの厨海賊団!? 」
ピピピピ…ピピピピ…
黒いCCM「…………ジジジジ…(誰にも気づかれぬような会議室の片隅。罅割れた黒いCCMが、煙を上げながら奇妙な電子音を発し続けていた。プランダラに、何かの『危機』を伝えようとしているかのように) 」
ペニー「なんだぁ?てめぇら… 」
誘導者「(なんかいつもと違うメンバーいるけれど…)……そういうこと…ええ、ええ、いいでしょう。ではわたくしも同行いたしましょう。 」
ロイエ「かしこまりました。では、敵拠点突入の為に『 エクリプス 』を手配しておきます。ルシオン様から武装品が届き次第、作戦を決行いたします。 」
セラス「……(これは花ちゃんの為…あの娘に害をなす存在は全て…私が…――――)……泉。 」
桂城泉「 Yes,Your Majesty ( かしこまりました、陛下 ) (――――忠誠を誓うようにセラスの傍に跪く) 」
ヴァサゴ「 よぉし野郎ども…戦闘準備だァッ!!奪(と)りにいくぞ、「エリノラ」をォ!!! 」
― 仮想空間「OMNIBUS」 ―
幻影の巨塔が得体の知れぬ存在に支配され、それまで巨塔を管理していた巨大ゲーム企業『オムニバス』。 彼らもまた巨塔から一時撤退するように、独自のシステムで構築された仮想世界に身を投じ、密会を行っていた――――
ギロリ「―――………由々しき事態になったな… 我々『オムニバス』がゲーム運営を開始してから、今回のような大規模なインシデントは初めてだ。(電脳空間に構築された円卓に集う優秀なスタッフたちを取り巻くように、ゲームマスターの首席に居座っている男が剣幕な表情で何もない電子空間を睨んでいた) 」
月村サトシ「……『 幻影の王 』……そう名乗るあの男の正体と目論見はなんだ…?幻影の巨塔のアーカイブにはあのような存在が記された情報はひとつとして存在しなかったが…(ギロリの隣席で両膝を着いて眉を潜めている) 」
マックス・マテライト「しかし驚いたものですね。幻影の巨塔を管理下に置く我々のテクノロジーさえも超越する存在… 科学的な常識を逸脱した魔法の類によるものか、あっという間に支配権を乗っ取られてしまうとは。 」
パックス・マテライト「仮想世界に避難しなければ我々も唯では済まなかったでしょう。よもやイレギュラーンの発生した偏属性クリスタルにこのような危険性が孕んでいたとは…。山野博士から送られてきた情報はこれだけですか?(既に手にしていた書類を見せつけるように、視線の先にいた人物に問いかける) 」
茅場晶彦「ええ。山野博士の解析によって判明した新個体の偏属性クリスタル『 イリジオン 』。未だかつて発見されていないクリスタル…それには強力な浸食作用がある。既存の偏属性クリスタルにより生み出された幻影体《ファンタズマン》やあの幻影の巨塔すらものの数秒で覆い尽くし、本来の性質を上書きしてしまう。しかし『イリジオン』もまた偏属性クリスタルより生み出されたもの…高密度のエーテル物質があれば相殺は可能であることも実証済みです。 」
檀黎斗「ならばとっとと莫大なエーテルを生み出して中和作業に取り掛かれッ!!新たなイベントのアイデアがわんさか出ているこの私を…じらすなァッ!!!!!んぶう゛!!!!! 」
銀狼「そんな単純な話で上手く行くんなら猿でもできるよ。中和はあくまで一時的なもの。根本的な『元凶』を叩かない限りまたイリジオンってので覆われて堂々巡りでしょ。テンガン山のエテボースじゃないんだからちったあ頭を使いなって。(ガム風船を膨らませながら会議そっちのけでツミッチ2をプレイしている) 」
ジョージ・狩崎「Year、ミセス・シルバーウルフの言う通り。高濃度のエーテルは、あくまで『イリジオン』への対策手段でしかなく、解決策というわけじゃない。いずれにしてもあのイリジオンを生み出せる唯一の存在をどうこうしないことには問題は解決しな~い! 」
風摩キリト「……そういやぁ…巨塔から脱走したプレイヤーたちが近くの村に逃げ込んだらしいねぇ…?向こうさんも何か情報を掴んだみたいだけど、どうする?一応待機命令は出しているんだろうけど、あいつら…きっと動き出すぜ?(手にしていたCCMの画面には、彼らを追跡し村に潜伏させていた自身のLBXの監視カメラ映像が映し出されていた) 」
ニャイ「……もしもプレイヤーたちが動き出したら、どうしますか。粛正班《デバッガー》で止めにかかりますか? 」
月村サトシ「いや、その必要はない。この非常事態にわざわざ彼らの鎮圧のために粛正班《デバッガー》の陣営を割く余裕はない。それに…待機命令に強制力はない。彼らが動き出せば我々はそれを黙認する。我々が早急に対処しなければならないのは、『E.L.I.N.O.R.A.』と『オリジナルのエリノラ』の奪還だ。『あの二体』なくしては幻影の巨塔もカオスファンタズマも復興は不可能。プランダラとの関係性は不明だが、あの『王』を名乗る存在が万が一『ロギア』を世に解き放てば我々の『真なる目的』の達成は困難となる。 」
雪常「つまりあいつらを信用するんスか?例の無法者共も含めて 」
ギロリ「…信用か……(その言葉に、やや懐疑的に首を傾げる。よく言えば利用価値があり、悪く捉えれば却ってエリノラの管理統制を乱されてしまう。一概にプレイヤーたちに協力姿勢を出すとは言いずらい神妙な顔立ちとなっていた)……しかし、プランダラと同じくして狙いが『エリノラ』だったとして…気がかりな点はある。プランダラがその誘拐に手を拱いていた彼女を、ああもいとも容易く拉致できたにもかかわらず…今になって出現したということは… 機会を伺い形を潜めていたというよりも――――― 」
茅場晶彦「―――――『 王 』の存在そのものが"突然変異性"である可能性が極めて高いでしょう。(ギロリの疑念に続くように口を開く) なにがトリガーとなって出現したかは現時点で知る由もありませんが、『 王 』に関する一切の情報の無さを踏まえると、その理屈に至るかと。とにかく、ここで尻込みしていても仕方ありません。私はこれよりアバター体に扮してプレイヤー陣に接触を図り、彼らと同行し敵の鎮圧に臨みます。Z.E.I.N.システムも調整中で使用できませんので。……いいですね? 」
月村サトシ「……止むを得ない… プレイヤー陣もカオスファンタズマを盛り上げるための貴重なリソース。できれば我々だけで対処に臨みたかったが…彼らの本能を抑え込む余裕もない。我々は我々で、これより敵拠点に乗り込み元凶たる存在を弾圧する。『エリノラ』を奪還し、ゲームを復興させる。各員、突入準備を整えろ。雪常、スリープモードに入っている「ハンター」100体の稼働調整を行え。万が一の事態に備え、彼らにも働いてもらう。 」
ジョージ・狩崎「OKOK~。ならば、独自開発していた『あのシステム』が使えそうだ… 早急に最終チェックを行わないとだね。 」
JP「ふぅむ………(堂々と仮想世界へと踏み込んできて、彼らを見回しながら座り込み)………スポンサーとしては、いかなる手段を投じてでも、あの外敵に対応してもらいたいものですが…… 」
檀黎斗「ぶぇははははははッ!!いいだろうッ!!待ってろ幻影の王めッ…!!「神」の逆鱗に触れてしまったことの恐ろしさ…存分に味わわせてやるぞォッ!!ぶはっ!ぶわあははははははは!!!! 」
風摩キリト「まあいいさ、やるならやるでとことん暴れさせてもらうよ。俺自身の為にもねェ…? 」
銀狼「(めんどくさ……厄介事はプレイヤーとかに任せて有給使っちゃお…) 」
ReNa「了解。突入機体「AP07:BALTEUS」の稼働チェックを行います。 」
ニャイ「こちらニャイ、粛正班《デバッガー》全部隊に通達。ゲームマスター・月村氏の指令により、これより敵地点への突入作戦を結構。各部隊戦闘準備に移行。(耳元のインカムに手を当てながら踵を返す) 」
マックス・マテライト「我々二人はここに残り、増援要員の配備を行います。 」
パックス・マテライト「 ギロリ氏、月村氏…こちらを (引っ提げてきたアタッシュケースを開き、その中に収納されていたゲームマスター管理権限デバイス「ヴィジョンドライバー」二基を明け渡した) 」
ギロリ「……ああ。(パックスより明け渡されたヴィジョンドライバーに手を伸ばして受け取る) この非常事態だ、仕方ない。我々ゲームマスターも前線に出る。何人もゲームの進行を妨げる存在を野放しにはできん。 」
月村サトシ「……(同様にヴィジョンドライバーを手に取る)――――― 総員、ただちに作戦準備に取り掛かれ。『 カオスファンタズマ 』 再スタートの為に。 」
― 幻影の巨城・天守 ―
クロノラ「………………(黒い瘴気が立ち込める漆黒の王室空間。玉座の真上にシャンデリアのように吊るされた黒い鳥籠の中で、黒髪の少女が深い眠りに就くかのように気を失っていた) 」
幻影の王「……………(小鳥のように鳥籠の中で安らかに眠るクロノラを見上げ、愉悦に口元を綻ばせる)よくぞ戻った…『 エリノラ 』。まもなくお前の望む"願い"が叶う。目が覚める頃には、きっと幻想郷に到達している。そこで束の間の夢を見ているがいい…まもなくその夢も、実現する…――――― 」
幻影の王「………ハ……ハ……――――― ハ ハ ハ ハ 八 八 ノ ヽ ノ ヽ ノ ヽ ノ \ / \ / \ ! ! ! (王は嗤う。盛大に、高らかに。やがて来る幻想の到来に) 」
謎の少女「――――――――――(黒い鳥籠の真下…即ち玉座の真後ろの壁にめり込む様に存在していた蒼く輝く大きな結晶体。その中で眠る白髪の少女もまた瞼を深く閉ざしていたが―――――) 」
―――――――――― ピ ク
最終更新:2025年09月15日 01:19