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ignition 過去ログ①

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幻影の巨塔・エントランス「円環の間」 ―


フレイミス「ふぅ……トレーニングしまくってたら流石に腹減ってきたな…今日はどこ行くか……(スマホにインストールされったカオスファンタズマのアプリ。そこからパーソナルデータに表記されている現在のチャオ巣の残高を確認する)………げッ……しまった… 回復とか武器の強化とかでおもクソ使いまくってたの忘れてた…これじゃあラーメンも厳しいか……?(参ったように後頭部をかきむしる) 」

クロノラ「♪~……?(上機嫌で鼻歌を歌いながらエントランスを歩いていたところ、見るからに困った様子を見せるフレイミスを発見して小走りで向かっていく)フレイミス~!どうかしたの?なんだか困ってそうに見えるけど……? 」

フレイミス「おぉ…クロノラか… いやそれが………言いづらいんだが…どうやらチャオスを無駄使いしちまったみてェで…ここで昼飯んいありつけるか怪しくなってきたんだよな…… まあ現金の小遣いがないわけじゃないんだけど…(ははは、とこっぱずかしそうに苦笑を零す) 」

はらぺこあおむし「(食堂でSUSURUに恐喝されながらラーメンを作るハロウィンのアルバイトをしている) 」

志村けん「(うどん屋を開いており)あれブラックすぎるな。(バイトあおむしを見て) 」


クロノラ「あちゃ~…そういうことかぁ… カオスファンタズマって、いろんなところでチャオスを使う場所と機会が多いから、そうなっちゃう人も結構いるんだよねぇ…ははは… だからもっとたくさんチャオスを与えられるボーナスとか設けられるといいんだけど、こればかりは運営の方針だから私もなにもできなくて…ごめんねぇ……>< 」

フレイミス「いやいや、お前が謝ることじゃねえよ。もとは言えば後先考えない俺のせいだしな… しょうがない…今日は軽いもんで済ませて、次のゲームでがっぽり稼いでくるしかねえか…!幸い回復と強化はバッチリだしな。今なら万全な状態だぜ。………あとは腹越しらえができればの話なんだがな……グゥゥ~… 」


\うおっ、なんだあの美人…?/ コツコツ… \すっごくキレーな人…でもプレイヤーっぽくないよね…?/ コツコツ… \歩いてるだけで絵になるってああいう人なんだ…/ コツコツ… \俺のアンキモカスタード食べてくれるかな?/ コツコツ… \眩しすぎて声かけらんねぇ…/


クロノラ「腹が減っては戦はできないもんね……!あ、でもでも…!この巨塔を出てすぐ近くにあるツグリ村ってところには安くて美味しいスープがあって………?(なんだかやけにざわついているエントランスの空気。誰も彼もが一点に向けている視線の先を辿り、ある人物の姿を発見する) 」


コツ、コツ、コツ…―――――――  コ ツ ン (ピカピカに磨かれた黒いヒールが際立つ華奢な足が徐々に歩む速度を緩め、ついにぴたりと止まる。エントランスのほぼ中心にて大勢の視線を浴びたのは一人の女性。淑女のような可憐なドレスを身に纏い、白桃色の短い髪がふわりと揺れ動く。一件こそはなるほど確かに美人なだけの女性。だが、その背中には衣装の装飾品によるものかどうか定かではないが―――小さな白い翼がぱたぱたと呼吸をするようにはためいていた)


×××「―――――――――  見ぃつけた…♪  (翼を生やした女性は前髪に隠れた灰色の瞳を曝け出す。その両手に握られた大きなバスケットの籠を大切そうに握りしめて、フレイミスの目と鼻の先に赴くと、柔らかい唇からぺろりと艶めかしい舌が顔を覗かせた) 」

フレイミス「ん……――――――― ? ! (クロノラの死線につられて自身も振り返ると、偶然にも背後にいた謎の女性と目が合う。その瞬間に芽生えた衝撃は、明らかに既視感によるものだと誰の目にも見て取れた) 」

フレイミス「………ぁ……っ゛…―――――――『 姉ちゃん 』……っ ? !

クロノラ「  え っ ?   」

××× → hana*「   やっほ、来ちゃった♪    」


えええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇええええ~~~~~~~~っ!?!?!?!?!?



― イートインスペース ―


フレイミス「………… 」

hana*「…………♪(*´∀`*) 」

クロノラ「…………え、えぇと……(場所を変えて、窓際にある四人掛けのテーブルにフレイミスと隣り合わせ、女性と向かい合わせの構図で居座っていたが、場に流れる何とも言えぬ空気の流れを変えようと開口一番に声を上げる)……び、びっくりしちゃったな~…!ま、まさかフレイミスにお姉ちゃんがいたなんて…! 」

ワイト「ワイトもびっくりでゲス!(しれっとhanaの隣の空席にいるが空気なので自然蒸発した)ワイト「ワイトもびっくりでゲス!(しれっとhanaの隣の空席にいるが空気なので自然蒸発した) 」

フレイミス「……ああ、いや……本当の姉ってわけじゃないんだが……なんというか、その…いろいろあったなりゆきでそういう関係になっちまったというか……(いつになくぎこちない表情で応えるが、向かいの席のhanaと視線を合わせないようにあからさまな態度に出ている) 」

hana*「でも、お姉ちゃんはお姉ちゃん、だよっ?ねっ?😊(視線を反らされてもふれいみすの横顔をニコニコとした笑顔で見つめている)それにしても…お姉ちゃんもびっくりしちゃったな~…!フレイミスにも彼女ができたんだぁ~♪へぇ~、やるねぇ~♪(ニヤニヤ)(クロノラと交互に見比べながら悪戯な笑みを浮かべる) 」

フレイミス「なッ―――そうじゃねえって!!クロノラは親友(ダチ)だっての!!本人がいる前で変なこと言うなって…!!(汗) 」

クロノラ「ほえっ!?か…カノジョ…?それって、どういう……?? 」

フレイミス「まったく気にすることはねえぞ。姉ちゃんの早とちりだ…… 」

hana*「くすくす…♪そっかぁ…お友達かぁ~♪でも、それはそれで良いことだね♪フレイミスにもこんなに可愛いお友達ができて、お姉ちゃんも嬉しいな…♪ ……あっ、ごめんごめんっ!勝手に盛り上がっちゃった…♪自己紹介がまだだったね。 」

hana*「   私は『 hana*《 ハナ 》 』。義弟(おとうと)がいつもお世話になってます♪   (かしこまった姿勢でクロノラにお辞儀する) 」

クロノラ「あっ、え…っと…!は、はじめまして…!私はエリノラ!みんなからはクロノラって呼ばれているから、どっちでもお好きなように呼んでもらえたら…!(わぁ…やっぱりすっごい綺麗な人… 言われてみればフレイミスと似ているところはなさそうだけど……いったいどういう関係なんだろう……?) 」

フレイミス「………てか、何しに来たんだよ… わざわざ遠くからこんなとこまで…… 」

hana*「むむっ!久しぶりの再会なのになんだかあっさり塩ラーメンって感じ!冷めてるね? (๑•̀ з •́๑) でも大丈夫!お姉ちゃんが温めなおしてあげるからね~♪"いつもみたいに"…♪ 」

クロノラ「…いつもみたいに…?? 」

フレイミス「だーーーーーーーッ!!!!やめろっつってんだろそういうこと言うの!!!! 」

hana*「恥ずかしがっちゃって~♪今日はね…たまたまこっちの地方に用事があって…そういえばフレイミスがいることに気づいてさ、頑張っているか見にきたんだよ?ちゃんとご飯は食べてる?育ち盛りなのにあんまり食べていないとかよね…?だから…はいっ!フレイミスの大好物、いっぱい作ってきたんだ~♪(バスケットをテーブルの上にそっと置き、中に収納されていた6段重ねの大きな弁当箱や水筒などを順番に出して卓上に広げていく) 」

クロノラ「わぁ~!すごい…!この弁当…全部お姉ちゃんが作ったんだ……!良かったねフレイミス♪ 」

フレイミス「多すぎだろ(多すぎだろ) 」

リム「食いもんの匂い 」

フレイミス「なんか来し 」

クラウド「興味あるね(hana*の手がけた食彩の広場を見て)フレイミスは思春期だから、今のうちに食っとかないと。サイボーグとはいえど、心の栄養は必要だ(謎目線) 」

蝶野正洋「(ウェイターの姿で立ち尽くす) 」

ヒロ「何やら美味しそうな匂いがすると思ったら………弁当がこんなに…(ぬっと現れる) 」

フレイミス「誰だお前(誰だお前) お、おうヒロもいたか…ちょうどよかった…さすがの俺でもこの量は食いきれねえんだ…姉ちゃん、こいつらにもおすそ分けしていいか? 」

hana*「うんうん、どうぞっ♪フレイミスのお友達なら、喜んでどうぞ~♪(˶ᵔᗜᵔ˶) 」

スライムちぃちゃん「(ぬめりながらも姿を現す) 」

キャロル「とうもろこし食べたい。 」

リム「アナタは 大きいトウモロコシと 小さいトウモロコシ どちらが好きですか? 」

ヒロ「ほう、その子が作ったのk……….姉ちゃん?なんだ姉弟か?(フレイミスに) 」

hana*「こんにちは、はじめましてだね♪(キャロルとリムを同時にあやすように二人の口にフランスパンをかじらせながらヒロに挨拶する)……?ふぅ~~ん……?君、すっごく若そうに見えるけど…なんだか大人びた感じみたいなのがするね? 身も心も少年時代あの頃って感じだけど……くすっ…♪そういう意味じゃあ、フレイミスと少し似ているのかもしれないね…♪(ヒロの全身を舐めるように見つめている) 」

フレイミス「姉ちゃんの言葉をあんまり真に受けるなよ、ヒロ。こうやって時々よくわかんねえこと口走るからよ。(ミニハンバーグを頬張りもっちゃもっちゃする) 」

キャロル「トウモロコシ。 」

肆々玖「随分人でごった返してるな、何かあったのか。(芋けんぴ片手にやって来る、好きなんだろうか) 」

ヒロ「…………俺が、大人びてるって?なかなか聞かない感想だね。………(見た目以上に年取ってるっていうのか?あの言い方………)(hanaを見て) 」

リム「アナタは欲張りな人ですね 代わりにワタシがいただきます (ガリガリガリガリガリガリ)(大きいトウモロコシと小さいトウモロコシをリスのように丸ごと頬張りだす) 」

キャロル「これはトウモロコシ…これはトウモロコシ…(メンブレするほどのダメージを負い、いただいたフランスパンを鉛筆削りのように頬張る) 」

いかりや長介「(それらが目に入り)だめだこりゃ・・・ 」

ペニーワイズ「ハッピーマザーズデイアスr(ジャスティスの核爆発に巻き込まれて死亡) 」

浜田雅功「何勝手にくたばってんねんこのハゲピエロ!!(スリッパでワイズの頭をどつく) 」

クロノラ「あっ、肆々玖ー!聞いて聞いてっ!こちら、フレイミスのお姉さんなんだって! 」

フレイミス「あっ、おい…あんまり広めるなって…なんか気恥ずかしいだろ…(汗) 」

hana*「うんうん、お姉ちゃんにはわかるよ~?君は…そう……なんだか途方もなく長い人生を歩いてきたような…達観しているという感じとはきっと違うんだろうけど、例えるなら「花」のようなもの。枯果てる前に種を落とし、何度も何度も咲き誇ってきたような。生まれ変わる前の記憶はもう忘れているけれど、きっと前よりもずっと輝いているみたいな。うん…お姉ちゃんもそういう生き方、好きかな…♪ 」

フレイミス「うわ出た…姉ちゃんがよく口にする謎ポエム…ヒロ、マジで真に受けるなよ… 」

hana*「ふんふん…君が肆々玖くんって言うんだ?あっ……!(何かに気づいたように突然の彼の頬あたりに向かって手を伸ばす)……ふふっ…♪芋けんぴ、髪についてたよ…♪(カリッ)(肆々玖の横髪にしれっと付いていた芋けんぴを手繰りよせって自ら口にした) 」

肆々玖「へえ、姉。へえ……全然似てないな。(二人をいくらか見比べた後、ストレートにぶった切った)無理がないか?それ。というか今言うためにわざと髪に付けただろ、流石に俺はそこまでおっちょこちょいじゃない、ニルじゃないんだから。(カリカリポリポリ) 」

アレイド「――(hana*の様子を見ていたひとりの青年。肆々玖へと伸ばした母性溢れる行動や、フレイミスに対する姉のような包容力を眺めて)……羨ましいな……せや(休憩がてら食べていたポテトチップス(うすしお)を一つつまみ、自身の髪に接着させる)ふんふんふん~、ふんふんふん!!!(ポテトチップスがついているよアピールを絶妙な距離感でやりはじめる) 」

ニル「ヘックチ!!!……??(その頃、ニルはトレーニングルームで一人くしゃみをしては不思議そうに首を傾げていた) 」

ヒロ「……………………(あたかも自身の本質を見抜かれたかのように、hana*の言葉を黙って聞いている) 」

hana*「うへえバレちゃったぁ…♪クールな君が見せるおちゃめな一面もお姉ちゃんは見てみたかったんだけどな~♪(ポリポリ)ぁ…♪ほらっ、この子はとっても素直だよ?ぁ~……ぱくっ♪(アピールしてくるアレイドのうでを自ら抱き寄せて手を使わず髪に付着したポテチを唇で啄んだ) 」

hana*「そんなに怖い顔しないで?お姉ちゃんは好きだから。それに…君は「今」だけを見ていればいいの。後ろめたく唸る過去とか、気が滅入るような未来はこの際置いてさ…今しかできないことを楽しんじゃお?ほら、フレイミスもそう言っているよ♪ \んだんだ!オレもそう思う!/(※フレイミスを抱き寄せて勝手に下手な腹話術を演じる) 」

フレイミス「言わせるな!!!💦 」

クロノラ「ねっ!全然似ていないけど…とっても仲良しなのが伝わってくるよね…♪ 」

アレイド「ぉゎ――ッ!?(hana*の言動がまさか実行されるとは思っていなかったのか、驚きの声をあげて身体が跳ねる)……フレイミスが羨ましいな……こんな姉さんいるなんて(自身の髪を触り、確かな唇の感触を思い返しながらため息をつく)……チャオス払ったら俺の姉さんになってくれたりしますか?(は 」

フレイミス「やめとけやめとけ!姉ちゃんに関わるとロクな目にあわねえぞ…!二人でメシ食ってるときだって頬っぺたにご飯粒ついてるからってキスしてきやがったときはビビり散らかしてしまって…それがトラウマでメシは丁寧に食べるようにしたんだっけな……(若干表情が青ざめている) 」

hana*「ふふっ、ついてなくてもチューはよくしてたけどね?反応可愛いからついついやっちゃうんだ~♪ 」

フレイミス「助けてくれ(助けてくれ) 」

アレイド「すげぇ、コンビニの角にある謎の雑誌コーナーの中扉でしか味わえない極楽を受けてたんだなお前???(血眼)次の階層でお前の事ガチでボコる。今なら俺、ファンタズマンになれると思う。敵側でお前の事助けてやるよ(意味深)(そういいつつ、スマホ端末を開いて自身のチャオスを確認)……フレイミスの事をバカにしている場合ちゃうか……俺も次のゲームで稼がないとな……(心許ないチャオスの額を見て、タハハと泣きながら笑う) 」

肆々玖「伝わってくるのは仲良しというのよりは弄ばれているだけな気がするが。(冷静な分析)一面も何も、俺に表裏はないが。 」

フレイミス「んだよクソがッ!!!!!!俺は悪くねェ!!!!!!!!! 肆々玖もそう言っているだろ!(※言ってない) 」

クロノラ「言ってる言ってるー!(謎便乗) 」

hana*「じゃあ、これから新たな一面を見せる時だね♪(涙目でフランスパンをかじり続けているキャロルの顔を太腿の上にのせて彼女の頭をなでなでしながら、 肆々玖に微笑む。他人のはずだが、その微笑みはどこか既視感、あるいは彼自身の兄がいたかもしれない可能性の未来を彷彿とさせた) 」

肆々玖「言ってないが。(即否定)積極的に見せに行く必要があるとも思えないんだがな。まあ、別にいいか……(ほんの少し、物思いに耽るように心臓に手を当て、離した) 」

アレイド「言ってなくないか💦💦💦あぁ、エリノラ。次の階層の情報ってわか~~~~る訳ないよな。新層だし。武器の手入れでジャンクション行こうにも、チャオス節約したいしどうしたもんか……(そうしてhanaがキャロルを甘やかしているのを見て、『いいなぁ』とあからさまな表情を取るが、クールぶって「フッ」と笑う)俺も肆々玖のクールぶりを見習わないと…… 」

クロノラ「ごめんねぇ…次の回想についての情報は、私から教えるのは運営から止められてて…あっ、でも!情報屋のトランセンドちゃんにチャオスを対価に少しだけヒントを聞きだすことはできるよ!あの娘はそういうNPCとして運営から許可をもらっているみたいだからね…!結局チャオスが必要にはなってくるんだけど…あはは…… 」

クロノラ「………(ずっとフレイミスとhanaの二人の顔を見比べながら話を伺っていたが、やはり雰囲気も顔も似つかない二人の関係性に疑問が拭えなかったのか、そわそわしたようなん素振りから思わ尋ねるように向き合う)…ねえ…?お二人って…いつから姉弟になったのかな…?二人が出会った時の話、私…ちょっと気になるかも…! 」

フレイミス「はあ……?いや、いいよそんなの…気にしないでくr―――― 」

hana*「うんっ、いいよっ♪(満面の笑みで即答する) 」

フレイミス「うおぉい…!姉ちゃん! 」

hana*「だってぇ、恥ずかしい話でもないからいいじゃない?それに…お友達にフレイミスの良いところをもっと知ってもらうためにも、ね?♪(ウインクを飛ばしてまあまあと宥めるように、前のめりになりかけたフレイミスを席につかせる)……そうねぇ……あれは…――――― 」


12年前―――――――


混沌世界を優しく包む静寂の夜。星々が煌めく黒い空をほのかに照らす。


ギ、ォ、ォ、ッ…―――――――― ギ ュ バ ァ ァ ツ˝ ! (凪いだ空に突如として広がる空間の裂け目。楕円状に割れた空の向こうからひとつの彗星が飛来する。穴は一筋の光を放出し、何事もなかったかのように閉ざされていく)


フレイミス「―――――――――――(世界に落とされたのは一人の少年だった。黒いマントの内側から、義手義足を曝け出しながら真っ逆さまに落ちていく。意識は途絶えているのか、落下中でも眉一つ動くことはない) 」


落下しゆく最中、少年の脳裏を記憶が微かに揺さぶり続ける――――








「 行って、フレイミス もう…ダメみたいだ… 」

「 うるせえ……っ…お前を置いていけるかよ… この足が使い物にならなくなっても、お前を引きずっていくぞ……! 」

「 嬉しいな…君が、「親友」でよかった 」

「 …"これから"も、だろ…?だから…しっかり立ってくれよ……なあ… 」

「 ――――――― 『 レノ 』 」






「 これより…この混沌とした世界を"黄金"に染める…!時期にこの星は理想郷《エルドラード》となるのだ…! 」

「 させるかよ… 「親友」(ダチ)の命を奪った テメェだけはぜってー許さねえ… 」

「 哀れだな…小僧。そんな五体不満足の体では私を殴るどころか近寄ることもできんぞ?そこで這い蹲り、世界が黄金に染まる光景を見届けるがいい!フゥハァハハハハ…!! 」






「 ………少年、「力」が、欲しいか? 」

「 ………………グッ…… 」

「 ならばこの私に示してみろ 何の為に強さを求めるのか 」

「 ……俺は……俺は……―――――― 」







「 『シフトギア』―――― それが君の「答え」だ 」

「 俺の…身体が…… 」

「 後悔はしないと言ったな。だから恨むなよ。人の子…いや、神の子であることを捨てて、君は「力」を得たのだからな 」

「 ああ…いいんだ…これで。これさえあれば…奴をぶっ飛ばすことができる……! 」

「 待て、使い方も分からないうちに早まるな。そうだな…マニュアルはないが、使い方は自分の体で覚えるのが手っ取り早いだろう 」

「 シフトギアの最大加速は、光の速度を越える。最大出力で亜空間を越える速度に達したその速さがあれば、その体一つで時間を跳躍することができる。遥か先の未来、或いは過去にさえ行ける 」

「 ほ、本当なのか……!? 」

「 まずは「過去」に向かえ。歴戦の偉人、強者(つわもの)たちから「力」を学ぶといい。ただし、会いたがっている『父親』本人とだけは接触するな。未来の息子が目の前に現れれば、タイムパラドックスが生じ…今の君自身の存在が消滅する危険性がある。 」

「……わかった… 」

「君が「過去」に遡っている間、現在の時間の進行は劇的に遅延する。体感的に過去で数年間を過ごそうが、「ここ」へ戻って来る頃には今から数時間程度の話だ 」

「少年…君はまだ、本当の意味で「答え」を得たわけではない。与えた「力」はそれを得るため猶予に過ぎない。その小さな頭で先人たちの教えを理解し、世界を知り、改めて「力」とは何か…その真理に辿り着け 」

「………ありがとう…『ゲール』のおっちゃん… 俺、行ってくるよ―――――― 」








フレイミス「―――――――――(そして今、少年はその「過去」に辿り着いた。未来から、長い時間を超えて。自分が生まれ育つよりもずっと昔の時代へ) 」




― 色泉 ―


―――――― ド ッ ボ ォ ォ ォ オ オ オ オ ー ー ー ー ー ン ! ! (幸いにも、少年の落下地点は泉の真ん中だった。勢いよく水面へと上がっていく水疱に塗れた義体が、その重みと反比例するように軽々と浮かんでいく)


フレイミス「 チ ャ プ … (水面に顔半分をうかせ、少年は今もなお気を失ったまま水面の中に眠る) 」


水面の上を風の流れるままにその身を泳がされる少年の体。
ゆっくりと時間をかけて岸辺へと近づこうとしていた、その時――――


花のメの女「 チ ャ プ ン … ―――――― (『天使』が、現れたのだ。右目に白い花を咲かせ、その背にどこまでも広がるほどの大きな純白の翼を生やした彼女が。白い素足を水面に滑らせるように潜り込ませ、徐々にその身を水面に溶かすように歩み進める) 」

花のメの女「  ギ ュ ゥ …  (下半身を水面に沈めた姿勢で、漂う少年の体を受け止めるように静かに抱きしめる。冷え切ったその体をあたためるような抱擁。固く閉ざされた眼を覗き込む母性的な眼差し。それはまるで、初めてこの時代にやってきた彼に対し「おかえり」と告げるかのようであった) 」

花のメの女「   ありがとう 未来まで生きていてくれて    」


二人だけしかいない泉に白い羽が舞い散る。
この出会いを、あるいは再会を、祝福するように―――――



翌日―――――



― 色泉・山小屋 ―


フレイミス「―――……っ…………?(ぴくりと動いたまつ毛が動き、瞳がゆっくりと開かれる、窓際から差し込む陽光を眩しそうに目を閉ざしかけ、寝起きで朦朧とした視界が徐々に鮮明になっていくのを感じる)………………ここは……(上半身を起こし、今いる場所を確認する。どこかの山小屋の中の小さな一室だろうか。自身が横になっているベッドと机、本棚…それ以外は大したものは見当たらない、簡素な一室だった) 」

フレイミス「……?(だが、そこにはない何かを感じ取る。匂いだ。山小屋の檜とは違う香ばしい匂い…それは鼻腔から胃袋へと微かに刺激するようなもの。ご飯の匂いだ。その光景には既視感がある。母と二人暮らしをしていた幼き頃の日常…それが、つい昨日のように思い出される) 」

フレイミス「………(見覚えのない部屋。だが懐かしい香り。もしかすると、あの扉を潜り抜けた先に母がいるのだろうか。ベッドから静かに降り立ち、扉のドアノブへと静かに手をかけた――――) 」


――――――――「 おはよう 」


扉を超えた先に、香ばしい匂いが広がるリビング。
食卓の上には色とりどりの朝食が並び、今日のはじまりを盛大に迎えようとしていた。
扉が開かれる音に反応した一人の女性が振り返る。
母性的な微笑みに、明るい声音を放つ女性。少年の母親かと思われたその人物は――――――


ピンク髪の女性「  おはよう♪目は覚めた?  (彼の知らない、全くの別人。ピンク色の髪を揺らした、20代と思わしき女性。だが、彼女はそんな彼の動揺を受け止めるほどの満面の笑みを送っている)ちょうどいま朝ごはんができたからね~♪(身に纏っていた白いエプロンを脱ぎ、味噌汁のお椀を食卓に並べてブレックファストを完成させる) 」

フレイミス「…………あんたは……いったい…… 」

ピンク髪の女性「さっ!まずは食べよっ?ねっ?♪(白い手でフレイミスを手招き、席へと促す) 」

フレイミス「……あ、あぁ……(状況が理解できないまま席へと促され、静かに食卓へ着席する) 」

ピンク髪の女性「 いただきます♪  」

フレイミス「………い、いただきます…… 」


少年は困惑しながらも、彼女に促されるままに朝食を少しずつ口にする。
聞きたいこと、尋ねたいことはたくさんある。そのはずなのに、問いかけの言葉が不思議と口から出てこない。
ただ漠然とした表情であたたかい朝食を口にする。
ふと視線を女性に向ければ、彼女は何食わぬ顔で微笑みをを零して食事を堪能している。
そんな顔を見ると、とてもこの食事に水を差すような気が起きなかった。


ピンク髪の女性「モヒモヒ……美味しい?君のお口に合うと良いんだけど……食べられる分だけでいいからね?デザートもあるから…♪ 」

フレイミス「……いや、その……メシは……美味えよ…… でも……その…… 」

ピンク髪の女性「(フレイミスの様子から彼の心情を汲み取ったようにこくりと小さく頷いた)…じゃあ…箸休めに…そろそろご挨拶をしましょうか…♪(箸をそっと箸置きへ寝かせ、改まった表情でフレイミスと向き合った) 」

ピンク髪の女性 → ハナ「  私は『 ハナ 』♪君のお名前、教えてくれるかな?   」

フレイミス「……!……フレイミス……(見知らぬ女性と食卓を共にしている状況から緊張感が勝り、ぎこちなく口にする) 」

ハナ「フレイミス……素敵な名前だね…♪(上っ面でもお世辞でもない。まるで心の底から称えるような裏表のない笑みでその名を受け入れる) 私のことは……ん~~…そうだねぇ…… 「お姉ちゃん❤」(※猫撫で声)って呼んでいいからね?今日から私は、君のお姉ちゃん。うん、それがいい!よろしくね、フレイミス…♪ 」

フレイミス「いやなんでだよ…俺には姉も兄もいないんだが…一人っ子なんだが……(すっかりペースを崩されてたじたじ) 」

ハナ「そうなんだ!それじゃあやっぱり…私がお姉ちゃんになってあげないとね…!フレイミスがちゃんと自立できるように、お姉ちゃんがつきっきりで看病してあげるから…♪ご飯も毎日三食作ってあげるし、話し相手でも遊び相手にでもなるし、お風呂だって一緒に入ってあげるから…♪ 」

フレイミス「そこまでせんでええわ!!!!!!どんだけ俺を子ども扱いしてんだよ!!!!! 」

ハナ「やーん照れちゃってる可愛い…❤でも……面倒を見てあげるのは本当だよ?だって君、昨日の夜のこと…覚えてる?この色泉に、空から落ちてきたんだよ?そんな君を陸地へ…この私の借宿まで運んできたんだ。 」

フレイミス「……俺が……―――――!(朧気だが、微かに覚えている。崩壊した未来の世界の中をがむしゃらに駆けだし、光の速度に達した自分の姿。目を開けると見たこともない異空間へとその身が放り出され、体の自由も聞かないままタイムゲートを流離う自分。重力も光も存在しない異空間で意識を保つことも叶わず、瞼は重く閉ざされ…気が付けば気を失っていたのだろう) 」

フレイミス「―――――(そして、自分は今、ここにいる。窓の外から差し込む穏やかな陽光。未来の世界ではありえなかった平和な光景が、その小さな四角形の額縁の奥で広がっている。少なくともここは、自分がいた世界ではない。だとすれば―――と部屋中を必死にくまなく見渡し始める)な、なあ…!?ちょっと聞きたいんだが……今って…何年だ…!? 」

ハナ「……?急に慌ててどうしたの?ちなみに今はね……「2012年の12月1日」だよ…? 」

フレイミス「……2012年……(今のいた時代より…かなり昔だ… じゃあ、俺は…ほんとに過去へ飛んで……)(食卓に両肘をつき、深刻な顔つきで項垂れる) 」

ハナ「……大丈夫…? 」

フレイミス「……………あ、あぁ……ごめん… ちょっと、な…… 」

ハナ「きっと、泉へ落ちた衝撃で何らかのショックを受けているのかも… 君が落ちてきたときにできた傷は見えなかったけれど…でも……その「体」…お姉ちゃんには難しくて……(はじめて困惑気味に眉を顰める) 」

フレイミス「…ぁ………(口に出されてようやく気付く。自分が纏っていたぼろぼろの衣服は、いつの間にか新品の白シャツに着替えさせられていた。だがその半袖から除く義手の両腕が視界に入り、彼女の困惑の意味に気づく。思えば他人にあまり見せる機会もなかった自身の秘密だ。寝ぼけていたとはいえ、今の今まで他人の前にこの金属の体を見られたことに、羞恥心ではない狼狽を露わにしてしまう) 」

ハナ「で、でもっ…!大丈夫だよ…!お姉ちゃんは君のこと、怖がったりなんてしていないから。きっと誰にも言えない大きな秘密があるんだと思う。だから…いまは、話さなくて大丈夫。君が空から落ちてきたことも、君の体のことも…それに……君がどこから来て、これからどこへ向かおうとしているのかも。今は、そっと置いておこう?今の君に必要なのは休養。落ち着けば見えてくることもあるはずだから。 」

ハナ「……行きつけの診療所があるの。すごい名医さんがいてね…どんな訳ありな人でも真摯に向き合って診てくれるんだ。まずは君の体に異変がないか診てもらおう?大丈夫…どんな時でもお姉ちゃんがついてあげるから。 」

ハナ「……さっ!お味噌汁もそろそろいい感じに冷めてきた頃かな?おなか一杯ご飯を食べて、ゆっくりしたら…お着換えして、町へ出かけようね♪フレイミスにお似合いの服も買わなくっちゃ! 」

フレイミス「…………なあ…… どうして……そこまで俺のことを……? 」

ハナ「……? 」

フレイミス「不気味がらないのか……この体を見て…… だって俺は、そもそもこんなところにいるべきじゃ――――― 」


――――――――― ギ ュ ッ


フレイミス「――――――― ! ! 」


彼女は、少年を側面から抱きしめる。
吐き出しかけた弱音と共に震えだそうとしていたその小さな体を宥めるように…静かに、強かに。


ハナ「…………………… 」

フレイミス「…………………… 」

ハナ「……………お味噌汁、温めなおしてあげるね。(抱きしめたフレイミスからそっと腕を離すと、彼の手元にあるお椀を拾い上げてくすりと微笑み、キッチンの方へと背を向けた) 」

フレイミス「………………… 」


懐かしい感触が蘇ってくる。物心を覚えた頃だったか。爆
音が鳴りやまない暗い外の喧騒に怯える自分を、いつだって母親が抱きしめてくれたことを。
「大丈夫、大丈夫」と何度も自分に言い聞かせてくれたこと。笑顔を、絶やさず自分に向けてくれたこと。


何故だろうか。色褪せたそんな記憶が、つい昨日のことのように思い出されたのは。


名前も顔も今知ったばかりのあの女性の背中が、キッチンによく立っていた亡き母に重なる。


俺は……親父の顔を知らないし、御袋の顔だって少しずつ忘れかけようとしている。
なのに、あの人を見ていると…不思議と思い出すんだ。


―――――――― 自分も、こんな風に愛されてきたのかなって



― 某国・某所・診療所 ―


フレイミス「………(とある診療所の診察室。付添人のハナを背後に上半身の衣服を脱いだ姿勢で診察を受けていた) 」

ゼウルス「……馬鹿が。肉片より機械部位が多数を占めた奴が診療所に訪れるなんてことあるか?(対面、カルテに眼を通しながらパイプ椅子に腰かけ、ハナに文句を垂れながらもフレイミスを視診している)医療とは活性化した細胞から老いを奪い、非活性化した魂に脈動を与える非可逆的原理に基づいた祈祷だ。貴様の装いは俺が構える診療所の範疇から当に逸脱している。俺の専門外だ(その視診の最中、呆れたようにため息をつき、肩を竦めた) 」

ハナ「アハハハ~……(流石にダメだったかー…と連れてきた本人が申し訳なさそうに苦笑する)せ、先生ほどのすごい名医さんならあるいは…と思ってさあ……! それに…医療関係以外の知り合いもいなければ、フレイミスみたいな体を診てもらえるような場所ってあんまり見当もつかなくてぇ……エヘエヘ… 」

フレイミス「(いやまあ俺も病院はアウトなんじゃないかとは思ったが、そりゃそうだろうな…)(板挟みになりながらも余計なことは口出しせず、ただ緊張気味に無言を貫いている) 」

ゼウルス「だから俺の元へ?その頭の中も花畑になったか、ハナ(乱雑にカルテをデスクに投げ置く。更に奥側に開きっぱなしで置いてあったノートパソコンを手に取り、液晶が光ると合わせて眼鏡も反射しはじめた)もっとも、診れないとは言っていない。全身に血ではなくオイルの通った馬鹿を治した時の方がよっぽど苦労した。おい、腕を出せ(そうしてフレイミスの義手となった腕を手に取り、パソコンの液晶から出てきた透明化されたデータを纏わせていく)……次世代モビリティか?該当しないな……これは油圧――いや、エネルギー振動による粉塵爆発の…… 」

ゼウルス「…………なるほど…………結論から言うが貴様のような患者は診た事が無い。正確には診る事が出来ない。このテクノロジーは現代科学・医学に基づいた論理的解決策が導き出されないNullの存在だ。だが、俺の理論を以てしても未知となる部分の多い完成された技術である事は分かる(フレイミスの腕を下ろし、そのメガネ越しに黒い瞳が僅かに揺れ動いているのが分かる)想像の範囲外の出来事は、科学者にとって生きる事よりも大切なデータだ。故に――はぁ……長くなるから止めるぞ……。義体に大きな損傷もなければ、肉体部位に関しても健康だ。なにやら大きな衝撃が残っているようだが、命に別状は無い 」

ハナ「えっ!?私の頭がお花畑……!?それって…すっごくファンシーなことじゃない!?先生にほめてもらえて嬉しい♪(違) ぱぁぁ…✨ よかったね、フレイミス…♪(症状の結果を聞いて自分のことのように安堵の笑みを浮かべる) 」

フレイミス「……!(少年が故か、今まで世話になった医療関係者はもちろん、様々な大人たちの中でもゼウルスの鋭い眼光の下で検診を受けることにとてつもない緊張感が全身を走り、機械化されえた全身が錆びついたかのように硬直する)……!(だが、そんな専門家による推察の的確さには、驚きを隠せなかった。ハナにすら教えなかった自身の体…未来の世界にて、命の恩人が作り出した未知のテクノロジー。現代科学とは乖離しているという事実を、この男は難なく見抜いたのだ。驚愕を隠せないのも無理はない。) 」

フレイミス「………ありがとう…ございます…(張りつめていた緊張感が抜け落ちるように、委縮したようにゼウルスへお辞儀する) 」

ゼウルス「…………(フレイミスの瞳を見つめる。決して見たことは無く、診た事はある赤い瞳を見つめ、やがてため息を落とす為に眼を伏せた)そのだが、生命科学には発生するエネルギーに伴い、代償が存在する。貴様の燃料が何で、動力ピストンの形さえも不明瞭ではあるが……身体を大事にしろ。貴様は今、決して『壊れてはならない』存在だ。努々、健康を損なわないように。 ハナ、処方箋は無しだ。オイルは生憎売ってない。ビールと時間さえあれば今度見てやるが、拾った子犬の世話は、大人になるまで自分で世話しろよ。行った行った(そうしてバインダーを持ち、カルテの挟まったソレでシッシッと彼らを追いやる) 」

ハナ「はぁ~い♪先生、本当にありがとう…♪じゃあ、いこっか…?(衣服を着なおしたフレイミスを絶たせるように促し、共にゼウルスに深くお辞儀して診察室を後にした) 」

フレイミス「………(自分の小さな瞳を、底が読めない大人の眼光が覗く。だが、不思議と不快感はなかった。苦手意識こそはあれど、その感覚は未来でのゲルニカに対するそれと差ほど相違ない。衣服を整え、ハナと一緒に再度深くお辞儀をし、振り返ることなく診察室から退室した) 」

ゼウルス「……(診療室から去る二人を見送り、カルテをデスクに投げ捨てる)……あの目……(投げ捨てたカルテの氏名、正面写真を見つめるように視線だけ見降ろし)……いや、似すぎなだけか……(やや面倒さにかまけて、カルテをボックスにしまった) 」



― カオス街 ―


ハナ「♪~(上機嫌な様子で鼻歌を小さく鳴らし、両腕を背後に回して賑やかな街中を歩いている) でも、何事もなくて本当に良かった…♪フレイミスは…ロボットさんじゃないから、ちゃんと生きている人間の一人として先生は診てくれたから…健全だと言われて、お姉ちゃんほっとした。 」

フレイミス「俺はすっげー気まずかったけどな!こんな体だからしょうがねえだろ!(汗) 」

ハナ「まあまあ!とりあえず安心したことだし…今度はお洋服を買いに行こっ?少し髪も伸びているから散髪もしてもらって…せっかくだからお昼ごはんも外で食べようよ♪おすすめのお店があるんだよ?さっ、レッツゴー♪(フレイミスの手を引いて小走りで駆けだす) 」

フレイミス「ちょっ……!(小さな手を引かれてしまい、断る間もなく付き合わされていく―――) 」


― 服屋「しまむ屋」 ―


ハナ「ん~……こっちの方がいいかな?あっ、こっちもかわいいかも…♪(メンズコーナーでフレイミスに着せるための新品の衣服を両手にとり、いろいろ思考しながら悩んでいる。だが、その表情はどこか楽しげであった)ねえ、フレイミスはどんなのがいい? 」

フレイミス「いや、適当でいいよんなもん……服とかこだわりねえし……(御袋と一緒に買い物とかしたことねえのに…なんか気まずいな……)(気恥ずかしそうにハナから目を反らす) 」

ハナ「ふぅ~ん……じゃあ、スカートとか着てみる?♪ 」

フレイミス「――――ぶッフォァッッ!!?(ゲホゴホと盛大にむせる)ざけんじゃねえし!!流石にイヤだっつーの!! 」

ハナ「なるほど……スカートはダメかぁ……似合うと思うんだけどなぁ……(冗談かどうかわからない割と真面目な顔で渋々服を選びなおす)……でも、ちょっとだぼだぼな感じがいいかもね。半袖半ズボンじゃ歩きづらいだろうし…かと言ってぴっちり腕にハマる感じだと義足に引っかかっちゃうもんね…(独り言のように呟いては真剣な眼差しで陳列視された商品の衣服の中から選定を行っている) 」

フレイミス「……………(目を反らしつつも、自分のために真剣に服を選ぼうとしているハナの背を見て何か思うところがあるように、微かに視線を向けていた) 」






フレイミス「………(数時間後、カジュアルなコーデを着こなし、やや背中まで伸びていたぼさぼさの金髪は爽やかな短髪へと整えられていた。ストリートにある店の窓に映る見違えるほどに変わった自分の外見が視界に入り、ぽりぽりと頬を指で搔いた) 」

ハナ「……うんうんっ、かっこよくなった♪これでしばらくは大丈夫そうだね…♪………でも…その「マント」はずっとつけてるんだ?(新しいコーデを包み隠すようにはおっていたフレイミスの黒いマントを不思議そうに見つめる) 」

フレイミス「………これは……――――(ずいぶん使い古されたであろうぼろぼろの黒いマントの裾をぎゅうと握りしめる)………『親父』の形見なんだ。こいつだけは…放したくねえ…… 」

ハナ「……………そっか…(まるで何かに縋るように、大事そうにマントを握りしめるその手の震えを、静かに見抜いていた)………ねえ、お腹空いてる?そろそろランチでもいこう…♪ 」


マックリア


ハナ「ん~~~~~~~っ♪おいしーーーーーーーー♪♪♪(ちゅうごくバーガーを両手に満面の笑みを浮かべて咀嚼している) 」

フレイミス「………食えんのかこれ……???(デミグラスソースとテリヤキソースとタルタルソースを混ぜた秘伝のソースを使用したゲロみたいな色をしたゲロニカMAXを前にうげーと舌を出す)………アムッ… モグモグ……………!(い、意外とイケる……?!デミグラとテリヤキとタルタルが一斉にじゃなく、順番に畳みかけてくるこの感じ…ッ!酷え色なのになんでこんなうめえんだこれ…!!?)(一瞬で虜になったようにガッ、ガッと喰らいつきはじめる) 」

はらぺこあおむし「(マックリアでハロウィンのアルバイトをしている) 」

店員猫「ピッッッツァもあるよ!!!!!!!!!!!!! 」

デージー「えっ!?!?!?!?!?!?(ダイナミック入店)ログインボーナス!!!(クソ熱マルゲリータを口内へ直送)ピザ屋だよ(正解)!!全員、注文ーーーーーーーーー!!!!!!!!お電話(通報)ありがとうございます!客!ご利用グラッツェ!ボーーノ!!!ご注文のマヨコーンピザ!!!ポイントカードはお餅じゃない!エクストリームもしもし!!!(電話を破壊) 」

ドクマリ「マックリアで空前絶後のドクターペッパーが流行る→誰もがこぞって注文する→品切れが発生し店内は阿鼻叫喚→さらにはドクペの原材料が入手困難で入荷は未定→店内は更に大荒れ→体は闘争を求める→大乱闘スマッシュブラザーズの新作が発表される。しかし… 」

ニコリン「俺以外あの女(ハナ)を見るな(ハナのダイナマイトボディに卒倒し、口から血(ケチャップ)を流す) 」

んったわ「ん?今レインドって言った?(言ってない) 」

アーニャのご先祖さま「おい後輩~!監督来たら狼煙上げて~!あたいはここでバーガー食って寝てるからー(※SPY×FAMILYがはじまったのは2019年の3月なので、今の時代にアーニャという害悪はまだ生まれていない) 」

うちはミハリの先祖「来なさい(アーニャの先祖が寝て暫くして現れる) 」

高木ブー「醤油の代わりにポン酢やソースにしといたぞ!! 」

デッドプール「マスク越しにバーガーが食えるかって?舐めんなよボーヤ、こいつはマスクじゃなくってスキンだ。メシャァアマァ(マスクに押し当てられたバーガーがミンチになる) 」

アーニャのご先祖さま「(だる)(見つかりました)チッ…おい一年…狼煙上げろって言うたやん……って上げてる!?あそっか、寝てたから気づかんかったわ(バカじゃーん) 」

うちはミハリの先祖「先生が不在や言うてこんなところで寝てや!後輩に狼煙を上げさせて……今マイテイ国ええ感じやねん!はっきり言って切腹もん! 」

アーニャのご先祖様「(だる) 」

アントニオ猪木「元気ですかぁー!!!元気があれば何でもできるぅー!!!さあ、後輩さん全員を因習村送りにします!!! 」

うちはミハリの先祖「お前みたいな先輩はいらん!出ろ!(店から出す) 」

アーニャのご先祖さま「(うそだろぉ~?)(マックリア初の出禁客になる異例の事態に) 」

ペンギンや「あ、そこのカボチャ頭もな。(臨時店長) 」

うちはミハリの先祖「(ペンギンの顔を掴んで一握りの火薬を発動する) 」

ペンギン「念能力に耐性ができたかは定かじゃないが、効き目はない・・・(ミハリ先祖に武装色・硬化を纏ったつばさでうつを見舞う) 」

ハナ「ふふっ、気に入ってくれた?(ハンバーガーを必死に頬張るフレイミスを微笑ましそうに見つめる) 」

フレイミス「……!(ついつい夢中になっていたが故にハナの視線ではっと我に返る)………わ、わるかねェ……チュゴー(オラ・コーラをストロー越しに飲み下す) 」

ハナ「よかった…♪お姉ちゃんね…結構こういうジャンキーな食べ物も好きなんだ~。そういう時、真っ先に思い浮かぶのがこの店でさ。ここは一号店で、今は全国各地にチェーンを広げたお店なんだけどね…昔はすごく賑わってたものだよ。店長さんがね、大のカード好きでね…?みんなでハンバーガーやジュース片手にカード大会を開いたり…それはそれはすごく賑やかだった。看板娘のあの娘もすごく可愛くてね…♪みんな…あれからどうしているかなー…(店内をそれとなく見渡すと、あてもなく窓の外へ視線を移す。口角は上がったまま。だけどその目はどこか懐かしむようにじんわりと瞳孔が潤んだような気がした) 」

フレイミス「………(嬉々として昔話を語るハナをよそ眼に咀嚼を続けていたが、窓へと視線を向けた彼女の横顔…陽光に反射して輝いているその灰色の瞳に思わず目を奪われた。出会って間もない他人のはずなのに、何故かどこかで何度も目にしたかもしれない…そんな不思議な感覚を浮かべながら) 」

フレイミス「…………信じてくれるかわかんねえけどさ……俺さ…… 」

ハナ「……?(改まるフレイミスへと視線を向きなおす) 」

フレイミス「…………「未来」から……来たんだ。今から15年以上も先の…この世界の未来から……(突拍子もなく、他人から見れば不可思議や妄想の類でしかないような言葉を放つ。自分でも何を言っているのかと疑問しながらも、張り詰めていた何かが切れたような衝動からつい口にした自分の素性を) 」

ハナ「…………(深刻な表情で重そうな言の葉を紡いだフレイミスを真正面から受け止めるように真摯に見つめ、静寂が8秒間。不思議とも、懐疑ともいえない。表情一つ変えない穏やかな眼差しだけを只浮かべて、こくりと小さく頷く)………そうなんだ。(湯気立つココアのカップに手を触れ、ススス…と上品に啜った) 」

フレイミス「………嘘だって…思わないのか……? 」

ハナ「フレイミスはさ…お姉ちゃんに嘘をつくような悪い子じゃ、ないよね?真剣な目をしているんだもん。お姉ちゃんを揶揄おうとしていないことぐらい、わかるよ。(ふふっ、と自分の唇を親指で摩る) 」

ハナ「………そっかぁ。でも、なんとくお姉ちゃんもそんな気はしていたんだ。急にお空から降ってくるなんて普通じゃないし…きっとどこか遠い遠いところから飛んできたのかなって思ったから。あのゼウルス先生でも明確にわからなかった君の体のことも踏まえれば、やっぱりそうなのかな?って。 」

ハナ「………………『 お父さん 』に、会いに来たの?

フレイミス「………!(ショッピングの際に突かれたマントの一件からすべてを察したであろうハナの推察眼に驚きを隠せず、思わず目を反らした)……………御袋が残してくれた、俺が赤ん坊だった頃の家族写真でしか『親父』を知らない。物心つく前に…親父は…消えた… 本当は……すごく会いたい。けど……―――――― 」


「 ただし、会いたがっている『父親』本人とだけは接触するな。未来の息子が目の前に現れれば、タイムパラドックスが生じ…今の君自身の存在が消滅する危険性がある 」


フレイミス「――――………訳あって、顔を合わせられねェ。きっと今の自分が未熟だから…親父の息子として不甲斐ないから… だから俺は、今よりずっと強くならきゃならねェんだ。俺がこの時代に来た目的はただ一つ……親父が生きていたかもしれないこの時代で、多くの人たちと出会い、「力」とは何かを知りたい。

フレイミス「俺の未来は……絶望でしかない… 頼れる奴はもう残っていない… だから……俺がなんとかするしかねェんだ…。だが、なんとかしようとした結果が、"これ"だ…(マントで覆っていた自分の鋼鉄の体を垣間見せる) 俺は一度死んだようなもんだ…でも、死んでも死にきれねえ理由がある。その為に強くならなくちゃいけねェ。俺の生き様を…いつか『親父』に見てもらうためにも……! 」

ハナ「――――――(フレイミスが吐露した彼自身の本音に対し瞬き一つせず向き合い続ける。灰色の目は憐れみも同情のにも染まらず、雲り一つない瞳孔が彼の心音を掬った)…………そっか。フレイミスは…お父さんが、本当に大好きなんだね。

フレイミス「っ……そういう、わけじゃ…… 」

ハナ「お姉ちゃん、そんなフレイミスが大好きだよ。いの一番に会いたいはずの家族に顔を合わせる前に、ちゃんと立派に成長してから向き合おうって決めたんでしょ?かっこいいね。そんなフレイミスを、お姉ちゃんも心から応援したい。いつか、フレイミスが未来で…お姉ちゃんたちが愛したこの世界を守ってくれるって、信じるからね。(フレイミスの鋼鉄の手に優しく添えるように触れる) 」

フレイミス「………!(人のぬくもりなどもはや感じられなくなった自らの義手に、彼女の手が触れた途端に全身に何かが走った。それはまるで身に纏う重苦や責任が嘘のように払拭されるような感覚。忘れかけた人としてのぬくもりを、温かさを、繋ぎとめるように―――) 」

フレイミス「…………ありがとな……『 姉ちゃん 』

ハナ「―――――!! 」

ハナ「………ふふっ…♪はじめて、お姉ちゃんのこと呼んでくれた。嬉しいな…♪ 」

フレイミス「なっ……なにニヤついてんだよ……!食いづらいからこっち見んなし…!(恥ずかしさのあまりそっぽを向いてハンバーガーを食べ始める) 」

ハナ「あっ♪ソース、ついちゃってるー♪(ペロリッ) 」

フレイミス「だああああやめろって!! 」







フレイミス「(ランチを終え、街を後にしようとハナと歩いている)………なあ… 姉ちゃんは、なんで…俺のことをここまで気にかけてくれるんだ……? 」

ハナ「えっ?可愛いからだよ? 」

フレイミス「そうじゃないだろ!!!真面目に聞いてんのに……ハァ…… 」

ハナ「う~~ん………可愛いのは本当のことなんだけど、なんでって聞かれたら…そうだな~……(わざとらしく青空を仰ぎながら考え込む)………弟にしたくなっちゃったから、とか?(てへっ☆) 」

フレイミス「ただのあぶねえ奴じゃねえか!!!!!! 」

ハナ「半分じょーだん♪(フレイミスの唇に自分の人差し指を添える)……君は、フレイミスは…――――― 私にとって大事な「未来」だから。

フレイミス「……はぁ……? 」

ハナ「ごめんね、今はこれしか答えられなくて。でも、いつかきっとフレイミスにもちゃんと伝えられるようにするよ。大丈夫、見返りなんて求めないよ。私は今、この時代でたった一人…フレイミスの家族なんだから。お父さんにもお母さんも会えない君の、心の拠り所に本気でなりたいの。 」

フレイミス「………姉ちゃん…… 」

ハナ「さぁ~ってと…!身だしなみも整えて、お腹も膨れたら…あとはフレイミスが好きなことをしてきたらいいよ♪この時代に来た目的を果たすんでしょ?だったら…お姉ちゃんがヒントを与えてあげる。(そう言うと並木道の先をまっすぐ指さす)この先の道を抜けると標識がある。その標識に従って「レゼリア国」という王国へ向かってごらん。きっと、今フレイミスが行くべき場所だと…お姉ちゃんの勘がそう言っている。 」

フレイミス「 勘かよ (レゼリア……聞いたことはあるが、俺が知るレゼリアは既に滅んだと聞いている。じゃあ、そうなる前の国を拝めるのか……) 」

ハナ「お姉ちゃんの勘はすごく当たるんだよ~?だから、はいっ。(フレイミスにスマートフォンを差し出す)これは、旅の第一歩を踏み出す可愛い弟へ、お姉ちゃんからのプレゼント。中にお姉ちゃんの電話番号と、お家までの帰り道をマッピングしているから…何かあったら使ってみてね。 」

フレイミス「い…いいのか……?…なにからなにまでありがとな…姉ちゃん(受け取ったスマホに驚きながらも、義手の装甲で傷つけないように慎重に試運転操作する) 」

ハナ「いいのいいのっ♪ほんとは一緒に付き添ってあげたいけれど…それじゃあフレイミスのためにならないかもと思ってね。でも、本当に困ったことがあったらお姉ちゃんが力になるからね…♪それからこれ、お小遣いも少しだけど渡しておくね。(大量の金貨が入った小袋も差し出す)レゼリアまではここからそんなに遠くないはずだし、住民もみんないい人ばかりだから、きっと大丈夫。そこで何かを見出せたなら、お姉ちゃんは嬉しい。気を付けていってらっしゃい♪あまり遅くなるようなら、レゼリアの宿に泊まっていってもいいからね? 」

フレイミス「わかった…行ってくるよ。(受け取ったスマホと金貨を懐へしまい、身長差のあるハナを見上げて感謝の念を込めた相槌を打つ。踵を返し、並木道へと歩みを進めたところで振り返る)………姉ちゃん! 」

ハナ「……なあに? 」

フレイミス「………俺、頑張るよ。お土産も買って帰るから。(じゃっ!と手を上げてついに出発する。さっきまでのよそよそしさも今じゃなくなり、心から信頼できる本当の家族に向ける無邪気な微笑みを浮かべ、少年はかの地へと歩き始めた―――) 」

ハナ「―――――♪(その笑顔を見届け、大きく手を振りながら見送った) 」











ハナ「…………大丈夫だよ、フレイミス。きっとまだまだ間に合う。だから今は、最初の一歩を大切に踏みしめて。もう二度と後悔なんかしないように。 」





私と同じ道を、歩まないように







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最終更新:2026年06月29日 22:21