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エピック・ファイナル?

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 もう、訳がわからなかった。

「はぁ……っはぁ……っ!」

 突然知らない場所に連れてこられて、男の子が死んじゃって、生き返って、また死んじゃって。
 それだけでもう限界に近かったのに。

「ア゛ァ゛ーーーーッ!!!!死・死・死ねェーーーーッ!!!!」

 バットを持った女の子に、追いかけ回されて。次は私、なんて思っちゃって。怖いけど、もっと怖いことになりたくないから、脚だけは動いて。
 何回も悪い夢だって思った。だけど、砂を踏む感覚に、今までにないくらい動いてる心臓に、何もかもに、これは夢じゃないって言い聞かされて。

「もう、嫌あ……っ」

 ただ、ずっと逃げ回って。もう、助からないって思ってしまって。

「……きゃぁっ!」

 脚がもう、動かなくなった。

「おォ?終わりかいな」

 釘がいっぱいついてるバット、アレで今から、何回も、何回も殴られて。私は――
 そんなバッドエンドは嫌。
 でも、何もかもフツウな私はもう、何も出来ない。

「ほな、ザ・エンドってねエエエエーーーーッ!」

 ああ、終わりなんだ。

 …………でも、聞こえた――


「なるっ!」


 大好きな声が。

「オ゛アァ!?」

 女の子のバットと腕に紫色の茨が絡み付いている。茨の出先、目を向ける。
 ああやっぱり。私の大好きな、親友。

「アタシのなるに……何してんのよっ!」
「ヤヤちゃんっ!」

 いつも。今でも。ヤヤちゃんは私を助けてくれた、王子様だ。


◇◇◇

「(この状況は許せないけれど、なるまで巻き込まれてる以上最初に出会えたのは何よりもいいことよね)」

 笹目ヤヤ、関谷なるの幼馴染であり親友。彼女が殺し合いで最初に遭遇したものは親友が襲われているショッキングな場面。だがそんな場所に遭遇してしまえば殺し合いの場であろうと日常の中であろうとやる事は変わらない。いつも通り、なるを守る。
 幸いにも、ヤヤはこの場で力を手に入れた。『スタンドDISC』。ヤヤ達の住む世界には一切馴染みのない異能力であり、頭にDISCを差し込むなんていう説明書も到底信じられるものではなかった。だが襲われているなるの姿を見つけた瞬間、一切の迷いなくそれを差し込んだ。
 腕から伸びる紫色の茨。 名を『ハーミット・パープル』。ヤヤはその力を元の主と同じ様、友を傷つける悪を縛る正義の茨として扱った。

「こんなもん……ッ」
「駄目よっ」
「うごげがッ!?」

 片腕で引き千切ろうとした様子を見て、ヤヤは少女の全身を縛る。


「……返答次第では、対応を変えてあげるかも。どうしてなるを傷つけたの?」

 なるの為にヤヤが他人を叱る光景。幼馴染という関係故か、何度も見た光景。その中でも今までに見た事のない表情で怒るヤヤ。だがその顔を見ても恐怖なんてものはなく、ただ安心感が湧いてくるだけ。

「うるせえ゛ェ゛ーーーーッ!!きららが殺し合いすんじゃねええええッ!!!!」
「……訳わかんないけど、言い訳はそれで終わり?」

 叫ぶ少女。ヤヤはそれ見た後、心底うんざりした表情を浮かべ、

「なるを傷つけた事、絶対に許さないっ!!」
「グワーッ!?」
「飛んで行けっ!」
「ウワアアアアアアァァァァァァァ――」

 そのまま遠くへと放り投げた。
 ギャグ漫画の様な挙動で夜の闇へと消えていく少女。姿が見えなくなり、小さくどさりと聞こえたのを確認するとヤヤはなるへとかがみ込む。

「なる、大丈夫?」
「ヤヤちゃん……ヤヤちゃぁんっ!」

 抑えていたものが決壊したのか、なるの目からは涙が流れていく。

「怖かったでしょ……なる。でも、もう大丈夫」

 なるはカワイイ子、泣いている顔ももちろん。それでも、こんな形で流す涙なんて、見たくない。

「アタシがなるを守るから、ね」

 フツウの少女に降りた災難は、ひとまず去っていった。


◇◇◇


 どさり、高低差が激しい砂山。彼女は落ちる。

「イタタ……」

 口では軽くぬかしてみるが、ハンマー投げみたく投げられ地面に叩きつけられた痛みは楽々我慢することはできない。

「ざけんじゃねェ……竹の差し金がァ、きらら使ってまで私をコケにしやがって……」

 『竹』という言葉が示すモノ、それ即ち――竹書房。
 彼女は自分を殺し合いなんてものに参加させるのは竹以外想像つかなかった。
 短略的で暴虐無人。かわいらしい見た目に似合わないその言動。少女の名を、ポプ子。

「覚えてろ……地べたを這い泥水啜ってでも戻ってきてやる……」

 彼女が望むモノは、竹との一騎打ちのみ。それの邪魔になる参加者なぞいつも通りぶっ殺していけば良いはずなのだ。それなのに初戦からこのザマ。言葉ではいくら強いことを言えようが心は簡単に持ってはくれない。

「…………ピピ美ちゃんに会いたいよぉ」

 いくらクソみたいな性格をしていようと、彼女も中学2年生。
 どうすれば良いかわからない時は、愛する相方の名を呼ぶしかなかった。


【ポプ子@ポプテピピック】
[状態]:健康、全身打撲(中)
[装備]:釘バット@ポプテピピック
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:竹書房゛ゥ゛ア゛ァ゛ーーッ!!
1:主催の竹とタイマン。邪魔する奴は殺す。
2:さっきの奴らは絶対ぶち殺す。
3:ピピ美ちゃん……
[備考]
※海馬乃亜の事を竹書房の差し金と考えています。
※声帯は女性です。






ピピ美ちゃんに会いたいよぉ

ピピ美ちゃんに会いたいよぉ

ピピ美ちゃんに会いたいよぉ――――


◇◇◇




 頭脳明晰、眉目秀麗、美術や音楽だってなんだってできちゃう。そんな完璧な女の子、それが私――なんてことは全然なくて。私は容姿もフツウ、頭もフツウ、美術も体育もなんだってフツウ。そんなフツウだらけのパッとしない14歳の女の子です。
 でもヤヤちゃんは、私にないモノをいっぱい持っていて。頭脳明晰、眉目秀麗――それで、私みたいなフツウの子も守ってくれる、王子様みたいな女の子。

「立てる?結構追いかけ回されてたみたいだし、背負うわよ」
「大丈夫だよ、ありがとうっ」

 小学校で出会えて、ずっと、今も、私の手を引いてくれた。

「そうね……じゃあ、アイツが追いかけてくるかもだし、とりあえずここから離れるわよ。疲れたらいつでも言って良いからね」

 そんな優しいヤヤちゃんのことが、私は――


「ひぁっ」


 何、何が。
 頭が、あつい。

「なるっ……!?なるっ!!」

 あつい、熱い、熱い、痛い、痛い!
 頭に何かがささってる。こわい、痛い、痛い……!

「っ、どうすればっ……!なるっ、なる……!」

 あたまが、考えられない。わからない。嫌だ、怖い。何が。

「やだっ、なるっ!なる!!」

 あああ、あたまが。
 ダメ。
 ヤヤちゃん、ヤヤちゃん……

「たすけ、て……ヤヤちゃ……ぁ……」

 あ、ちがう。
 言いたいこと、そんなんじゃなくて。
 私は、わたしはヤヤちゃんが、だいすき――



どさり



「…………や」

 冗談、きついわよ。

「そんなわけ」

 なる、なるが。

「ない、うそ、うそって」

 なるが、死んじゃった。

「嘘!嘘っ!!やだっ!!嫌だっ!!なるっ、なるっ!?起きてっ!!起きてよっ!!!!」


◇◇◇


「私のポプちゃんに、何してんのよ、ってね」

 笹目ヤヤ達から少し離れた場所、一言呟くと。彼女は立ち去っていく。
 手にする武器はクロスボウ。暗殺等裏社会の義務も嗜む彼女にとって、暗闇の中1人を狙撃するくらいは容易い事であった。
 彼女の名はピピ美。最初から、闇の中全てを見守っていた。ポプ子の活躍、なるの哀れな姿、ヤヤがポプ子を傷つける様子。
 奇妙な力を使いポプ子を投げ飛ばした少女を、ピピ美が許すことはできなかった。ポプ子の敵はピピ美の敵、即ち世界がピピ美の敵。
 どうせ仕返しをするのであれば、その命を奪うより、彼女の愛する者から奪う方がより苦しみを味わえると企んだ。だからなるを殺した。そこに躊躇いなんてもものは一切無し。
 彼女はポプ子しか見ていない。海馬乃亜も、殺し合いも、何もかもどうでも良い。ポプ子が幸せならば、それ以外はどうでも良い。

「ハァー……会えないのは辛いわァ」

 しかし彼女の側に付いて回るとなれば効率が悪い。ポプ子はポプ子で、自分は自分でそこらの人間を殺し回った方が明らかに効率がいい。1秒でも早く、ポプ子にはこんな薄暗い場所から日常へ戻ってもらいたいから。

「怪我も治してあげたいけど、今だけは我慢しててね、ごめんね、ポプちゃん」

 ポプ子への偏愛、側から見ればドス黒い狂気。ピピ美は歩く、ポプ子の幸せを取り戻す為。



【ピピ美@ポプテピピック】
[状態]:健康
[装備]:クロスボウ&矢×11@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:ポプちゃんを日常に返してあげる。
1:皆殺し。ポプちゃんを苦しめた人間は、苦しませた後に殺す。
[備考]
※声帯は女性です。


◇◇◇


 なるはカワイイ子。メルヘンで、子供っぽくて、それなのに引っ込み思案で。
 なるは自分のことフツウとか言うけど。確かに、大きな特徴とか、尖ったモノとかは持ってないかもだけど、アタシはそんななるにずっと惹かれてたのよ。ハナもタミもマチも、みんなアンタに惹かれてるのよ。

「たすけてあげる、たすける、たすけてあげる」

 だからアタシは、アンタを守ってあげる。
 小っ恥ずかしいけど、なるが言うんだったら。アタシはアンタの王子様になるから。

「たすけてあげる、たすけてあげるから、絶対」

 今も、そうよ。絶対、なるを、助けてみせるから。

「なる、たすけてあげるから、まってて、たすけてあげる」

 ああ、昔、アンタがちっちゃい頃。こうやっておぶってあげたっけ。

「たすけて」


【関谷なる@ハナヤマタ 死亡】


【笹目ヤヤ@ハナヤマタ】
[状態]:精神的疲労(極大)、錯乱、関谷なるの死体を背負っている
[装備]:『ハーミット・パープル』のスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:???
1:なるを助ける。
[備考]
※参戦時期は原作最終話後です。



【釘バット@ポプテピピック】
ポプ子に支給。
ポプ子がいつも持っている釘バット。

【『ハーミット・パープル』のスタンドDISC@ジョジョ奇妙な冒険】
笹目ヤヤに支給。
ジョセフ・ジョースターが扱うスタンド、『ハーミット・パープル』が内包されたスタンドDISC。頭に差し込むことでスタンドを発現させられる。
スタンドの能力に制限はかかっていない。

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