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«ガラパゴス化 — アニメ作品(ネタばれあり!)»
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個性的な作品を世に送るのは作り手の使命のようなもので、アニメ作品も単なる商品の生産とは異なる心的状態を要する作品であることに異論はありません。
しかし、作品というものはそれにふさわしい鑑賞者になるべく不都合なく届くことが望ましい。技術面でも、そして筋書きや各話の構成においても高水準にある日本のアニメ作品が、おおむね、極低い視聴率や観客動員数に悩んでいるのは動かしがたい事実です。
いつぞやDVDレンタル店に足を運んだ時に、2005年の«エルフェンリート»が子供向けアニメ作品の棚に間違って並べてありました。この作品に大量虐殺や少女が手足を引きちぎられるシーンがありますが、パッケージを見ただけではなかなかそこまでは想像できない。
現在放送中の«魔法少女まどか☆マギカ»もどぎつい。第3話で魔法少女の1人が怪物に首から上を食いちぎられ、残りの部分を丸呑みされます。別の魔法少女が怪物を倒すと、爆発の後、半ば消化済みの黒ずんだ死体が降ってきます。子供には見せられない。
とんがった作品そのものが悪いということはありません。«エルフェンリート»は差別と救済の物語として日本アニメ史上極限の青い結実とでもいうべき作品であり、第4話にして主人公がまだ魔法少女になっていない«魔法少女まどか☆マギカ»にも、不確実性、リスク、リターンを考えてぎりぎりの決断をしていく少女たちの物語として異例といえる深みがあります。
が、とんがった作品の放送で視聴者を不意打ちにするのはまずい。年齢指定や少なくとも1行くらいの警告文を表示させることくらいの配慮を見せるべきでしょう。ほぼすべての先進国で当たり前のことが、日本のアニメ作品の作り手たちにはできていない。
そう、これもガラパゴス化なのです。