製剤工学

  • 剤形=錠剤や注射剤などの種々の形態
  • 製剤=剤形に製することおよび製されたもの
  • 薬は“患者に優しい製剤 patient-friendly medicine”=「安全性と有効性が高く、服薬時に苦痛が少ない飲みやすい製剤」にするように工夫する。
  • 医薬品の力価を示すときに用いる単位は医薬品の量とみなす
  • 「精製水」20滴を滴下するとき、その質量が0.90~1.10gとなるような器具を用いる。
  • 減圧とは2.0kPa以下とする
  • 試験に用いる水は「精製水(イオン交換樹脂を用いて生成した水)」。(蒸留水あるいは超ろ過法で生成された水でもよい)
  • 溶液の濃度を(1→3)と示した時は、固形の薬品なら1g、液状の薬品なら1mlを溶媒に溶かして全量を3mlにする
  • 混液を(10:1)で示した時は液状薬品の10容量と1容量の混液である。
  • 精密に量る=量るべき最小位を考慮し、0.1mg、0.01mgまたは0.001まで量ることを意味する。
  • 正確に量る=指示された数値の質量をそのけたの数まで量ること。
例)「0.10gを正確に測る」とは0.095~0.104gを、「5gを正確に量る」とは4.5~5,4gを量ること
  • 試験の操作で「直ちに」=前の操作終了後30秒以内に次の操作へ
  • 色調試験=固形医薬品1gを白紙を白紙あるいは時計皿にとり液状医薬品は内径15mmの試験官に液層30mmとして、白色背景で観察。
  • においの確認=固形医薬品は1g、液状医薬品は1mlをビーカーをとって行う
  • 溶解性=20±5℃で5分ごとに強く30秒間振り混ぜるとき、30分以内に溶ける度合い
  • 恒量=さらに一時間乾燥or強熱後に前後の定量差が前回に量った質量の0.10%以下であること。生薬では0.25%である
  • 定量法=医薬品の組成、成分の含量、含量単位などを物理的、化学的または生物学的方法によって測定する試験法のこと
  • 約とは記載された量の±10%の範囲
  • 定量法で得られる成分含量の値は単にある%以上を示す。上限を示さない場合は101.0%を上限
  • 容器=医薬品を入れるもの。栓、ふたなども容器の一部。内容医薬品に規定された及び品質に対して影響を与える物理的、化学的作用を及ぼさない
  • 密閉容器=通常の取扱い、運搬又は保存状態のとき、固形物の異物が混入することを防ぎ、内容物の損失を防ぐことができる容器。
  • 気密容器=固形又は液状の異物が侵入せず、内容医薬品の損失、風潮、潮解、又は蒸発を防ぐことができる容器。
  • 密閉容器=気体の侵入しない容器。もっとも厳密な容器。注射筒など。
  • 医薬品の含量、含有単位又は最終有効年月、or基原、数値、物性等の表示を直接の容器又は
直接の被包に記載しなければならない
  • 動物由来原料の動物は健康でなければならない
  • 添加剤は
①その薬剤の投与量において薬理作用を示さない
②無害である
③有効成分の治療効果を妨げないor試験に支障をきたさない
  • 経口製剤には既放性製剤と腸溶性製剤及び徐放性製剤などの放出調整製剤がある
  • 腸溶性製剤は腸溶性皮膜を施す
  • 徐放性製剤は投与回数の減少又は副作用の軽減が目的
  • バリデーション及び適切な工程管理とその記録の照査により高度な水準での無菌性が恒常的に保障→出荷時の無菌試験を省略可
  • 形態・性情による分類

①固形製剤:粉体が製剤の基礎

②液状製剤:さらに液剤(solution)、懸濁剤(suspension)、乳剤(emulsion)に分けられる。解離型分子の溶解度は高く、使用する塩の種類によっても溶解度が異なる。消化管などの粘膜からの吸収は一般に非解離型分子のほうが高い。
共通の問題は微生物汚染があり、特に注射剤、点眼剤では製造工程での異物や微生物による汚染の防止とともに無菌試験法の適用を受ける。(エンドトキシン試験)

③半固形製剤(semi-solid dosage forms):軟膏剤やザザイが代表。乳化剤や懸濁剤を加えた分散系の乳剤、懸濁剤などがある。

  • 適用部位・適用方法による分類=適用部位や適用方法によって溶解や薬物の放出、体内での移行過程が異なるので疾病の種類や部位及び治療目的に応じて合理的な剤形に製剤化され、最も適切な製剤を選択することが必要
①内容剤 internal medicines:経口投与 oral administration によって消化管内に入った薬物がそこで作用する場合(制酸剤、消化剤、腸内細菌剤など)と
さらに消化管から吸収され循環血中に入って全身に運ばれて作用する場合がある。
注)口腔や舌下粘膜に塗布、付着させたり、鼻・気管支・肺粘膜に吸入させたり、あるいは坐剤による直腸投与などは外用剤である。
一方、口腔内崩壊錠や口腔内速溶錠は口腔内での崩壊あるいは速やかに薬物を放出する錠剤だが、消化管から吸収されるので内容剤である。
胃で分解されないために腸溶性コーティング enteric coating(腸のアルカリ性で初めて溶解するコーティング)をする必要がある。
効果の発現は胃内容排出速度に影響する。
顆粒剤のほうが錠剤より吸収のラグタイム(吸収が開始するまでの時間)が短縮でき、薬物血中濃度のばらつきが少ない。

②外用剤 external medicines:皮膚に適用する剤形と粘膜に適用する剤形に分けられる。前者は軟膏剤、貼付剤、経皮吸収型製剤、パップ剤、リニメント剤、ローション剤。後者には坐剤(直腸、膣)および鼻腔や耳腔内に使用する点鼻剤、点耳剤、吸入剤(気管支、肺)
全身作用→舌下剤や舌下エアゾールなどがある。
局所作用&全身作用→モルヒネやインドメタシン(局・)
注射による苦痛や副作用の防止、経口投与によって発生する胃腸障害などの副作用、および肝で代謝されやすい薬物の初回貫通効果の回避による生物学利用率の向上、自己投与の利便性などを意図して設計されてもの

③注射剤 injection:直接薬物を注入(静脈内、皮下、筋肉内)する非経口投与剤。
輸液=大容量の静脈注射剤のこと
注意すること=陣痛や組織に対する刺激・障害性を少なくするために、退役あるいは血液とおなじ浸透圧(等張)にする。微生物、不溶性異物や発熱性物質の混入を厳重に避ける必要がある。
混注試験=主薬の分解や添加材との反応で効力が減衰するかどうか調べる配合試験

  • プレフォーミュレーション=物理薬剤学および生物薬剤学的特性を検討し、最適な候補化合物を選択して、最適な剤形のプロトタイプを得ること
  • フォーミュレーション=製造法の確立に至ること
  • 研究の手順=探索研究→前臨床試験→臨床試験→審査→市販後調査→再評価・再審査
  • ゴールドスタンダート=世界で一番いい薬
  • 薬の値段を決めること=薬価基準収載

  • コンビナトリアル・ケミストリー(CC)=さまざまな要素から構成される化合物のそれぞれの要素を各種用意し、考えられる組み合わせを一気に合成するもの
  • ハイスループット・スクリーニング(HTS)=種々の細胞表面に構築したレセプター、酵素などの薬物作用標的への親和性、反応性を指標とし、ロボット技術を駆使して、高速で同時に多数の化合物について薬理活性などを評価するシステム
  • GQP(Good Quality Practice)=製造販売業者の品質保証責任者が品質管理の基準に基づいて製造業者を管理・監督する
  • GVP(Good Vigilance Practice)=安全管理責任者が製造販売後安全管理基準に基づいて、医薬品の品質、有効性、安全等に関する適正使用のため情報の収集と措置を行う。

  • GMP(Good Manufacturing Practice)=恒常的に高い同じ品質のものを生産し供給することが、医薬品製造に携わる者の責務である。
この考えから
①手違い、混同による人為的ミスを回避
②汚染や品質劣化を防止
③高度な品質保証システムを確立すること
を目的とする。
医薬品の製造管理および品質管理規則には3本柱があり、
①管理体制の設備
②文書による規定の作成
③実地結果の記録と保存
  • 治験薬(GMP)=治療薬の製造管理および品質管理基準および治験薬の製造施設構造設備基準がある

①管理体制:製造管理者がGMPを統括し、品質部門の管理者を通じて品質管理を行う。製造する人と、品質を管理する人は独立している。
②製造および品質管理:製造品目ごとに製造承認事項や作業手順などを記載した製品標準書および製造管理基準書(製造所ごとに原料の保管、製造工程の管理を定めたもの)にしたがって、品目名やロットを明確にして製造する。
③設備と環境:調整、点検、正常などを適切に行い、交差汚染を防止する
④バリデーション:製造所の構造設備ならびに、手順、工程、その他の製造管理および品質管理の方法が期待される結果を与えることを科学的に検証し、文書とすること。
バリデーションの対象は
①製造上の構造と付随するシステム(校長、給水システム)
②製造機器、分析機器
③分析法
④製造工程(プロセス)
⑤洗浄などの作業
⑥その他
局法では十分なバリデーションで品質が保証される場合には、抜き取り検査である無菌試験を省略できる

  • 製造物責任法=既知の副作用については添付文書などで適切な指示や警告がなされていなければ欠陥と解釈される。

  • GLP(Good Laboratory Practice):医薬品の安全性に関する非臨床試験(前臨床試験)の実地に関する基準
試験データが
①適切な資料を用い、
②適切に設定されたプロトコールに従って実地され、
③正しいデータの解析、
④保存が行われているか、
⑤文章化と、
⑥各プロセスの責任者による検証を通じて確実に実地される
ように定められている

  • GCP(Good Clinical Practice):医薬品の臨床試験の実地に関する基準
ヘルシンキ宣言=臨床試験の倫理規程
IRB(治験審査委員会)には、
①少なくとも1名は、医学、歯学、薬学、などの専門的知識を有するもの以外のもの
②さらに少なくとも1名は、試験実施医療機関と利害関係を有しないもの
で構成された、5人以上の委員からなる

  • GVP(Good Vigilance Practice):製造販売後安全管理の基準
  • GPSP(Good Post-Marketing Study Practice):製造販売後の調査および試験の実施基準
  • ICH=よりよい薬をより早く患者に供給することを目的に開かれる承認申請に係る国際的調和会議のこと

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最終更新:2009年04月19日 23:41
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