薬学と社会

  • 薬学の三本柱:基礎薬学、臨床薬学、社会薬学
  • 医療者の行為は生命倫理に深く根ざしたものではなければならない

  • 世界の医療の倫理規定
  • ナイチンゲール誓詞:医学に携わる看護師としての必要な考え方、心構えを示したもの
  • ニュールンベルグ綱領:ヒトを対象とした最初の倫理規程。1947(昭和22)年
  • ジュネーブ宣言:世界医師会総会の医師らの人類への誓いが述べられている。1948(昭和23)年
  • ヘルシンキ宣言:フィンランドのヘルシンキで開催された大18回世界医師会で「ヒトにおけるbiomedical研究に携わる医師のための勧告」のこと。1964(昭和39)年。その後訂正を繰り返した{2008年(平成20年)10月}
  • インフォームドコンセント(IC):世界各国の薬剤師会独自の倫理規定から発展した考え。

  • 日本の薬剤師倫理規定
  • 薬剤師倫理綱領:門職機能を発揮し、国民の健康増進に寄与する社会的責任について明言したもの
  • (新)薬剤師倫理規定:①薬剤師のもつ責務の根底は、生命への畏敬に発する倫理が発している
                      ②確固とした薬の倫理が求められていること
            を明記した
  • 薬剤師倫理規定:「薬剤師は人々の健康維持し、病気を予防し、必要に応じた薬の適正使用を助言できる専門家」ということを定義した

  • 法律は守るべき最低限度の規則・規範


  • 法律が条例になることがある。

  • 生命・健康権の法的根拠
日本国憲法第13条
「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」
つまりこれは、個人の尊重・幸求権のことである
日本国憲法第25条
「すべての国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する。」(第1項)
「国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障、及び公衆衛生も向上及び増進に努めなければならない。」(第2項)

  • 薬剤師の法的根拠
薬剤師第1条によって「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。」

  • 医師(歯科医師)の法的根拠
医師法(歯科医師法)第1条によって「医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上によって公衆衛生の向上および増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。」
絶対的独占:医師(歯科医師)でなければ、医業(歯科医業)をなしてはならない(医師法第17条)

  • 保健師・助産師・看護師」の法的根拠
看護師とは「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦(出産後間もなく、また産褥にある女性(産後4~6週間後)」に対する診療上の世話または診断の補助をなすことを業とする者をいう」(保健師助産師看護師第2条)

  • 薬剤師に課せられる3つの法的責任:民事責任、刑事責任、行政上の責任
①民事責任
不適切な調剤を行い、患者に健康被害を与えた場合には、民法による損害賠償を請求されることがある。{民法第709条(不正行為責任)と民法第415条(債務不履行責任)の2つが適用される法条}
医薬契約に違反した場合、債務不履行責任が問われ、加害者側が自分に過失がなかったことを証明しなければならない損害賠償責任を免れることは出来ない。
不正行為責任は加害者に過失があったことを被害者側が立証しなければならない→患者にとっては非常に厳しい。
どちらを主張するかは患者の任意。一般的には両方とも主張する。

②刑事責任
薬剤師業務に関して薬剤師が問われる可能性のある刑事の犯罪:秘密漏示罪、業務上過失致死傷罪
「医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人またはこれらの職にあった者(退職した者など)が、正当な理由(捜査協力など)なく秘密を漏らした場合、」懲役(6月以下)又は罰金10万以下に処する」(刑法第134条第1項)
「業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させたものは、5年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金に処する」(刑法第211条第1項)

③行政上の責任
ある一定の事由(薬剤師が薬剤師としての業務に関し不正行為をした場合など)が存在した場合に、行政機関(厚生労働大臣)が公益目的から薬剤師の権利を制限することがある。

  • 医薬品薬効大分類別生産金額
循環器官用薬、その他の代謝性医薬品、中枢神経系医薬品、消化器官用薬がBEST4を占める。
  • 医薬品生産金額の推移
1997(H9)年~2005(H17)年までは医療用医薬品:その他の医薬品=8:2だったが2006(H18)年は9:1である。

  • 医薬品の定義
日本薬局方に収められているもの
②人または動物の疾病の診断治療または予防に使用されることが目的トされているものであって、機械器具、歯科材料、医療用品および衛生用品(以下「機械器具等」という)でないもの(医薬部外品を除く
③人または動物の身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされているものであって、機械器具等でないもの(医薬品部外品及び化粧品を除く)
つまり
添加物のデンプン等のようにそれ自体に薬理作用を持っていないものも収載されており法律上は医薬品扱いとなる。(第1号)
医薬品の目的が明記されている。食品であってもいわゆる健康食品のようにその目的をもって販売すれば、医薬品とみなされ、薬事法の規制を受けることを示している。(2号)
疾病には関係なく、身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的としているもの。たとえば、やせ薬、避妊薬、嫌酒薬、禁煙補助剤なども医薬品であることを示している。

  • 医薬部外品
人体に対する作用が緩和で日用品化されているもの。口中清涼剤、汗しらず、育毛剤、蚊取り線香などは医薬部外品で、医薬品から除き、その規制を緩めている。
医薬品の区分は使用目的から決定させる概念と言えるので、使用目的(診断・治療・予防の目的でないこと)の認定が、医薬品か否かを決定するカギになる

  • 化粧品
人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗布散布その他これらに類似する方法で使用されるものが目的とされるもの。人体に対する作用が緩和なものと定義されている。

  • 医療機器
人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具などであって、政令で定めるものをいう。
高度管理医療機器&管理医療機器:医療機器であって副作用または機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に重大な影響を与える恐れがあることからその適切な管理が必要なもの。
一般医療器具:副作用または機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与える恐れがほとんどないもの

  • 生物由来製品・特定生物由来製品(医薬品or部外品などさまざまに分類される)
生物由来医薬品:人その他の生物(植物を除く)由来するものを原料又は材料として製造(小分けを含む。以下同じ)をされる医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するもの。
特定生物由来製品:生物由来製品のうち、販売、賃貸し、又は授与した後において、当核生物由来製品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置を講ずることが必要なもの

  • 希少疾病医薬品&希少疾病用医療機器
医療上の必要性が高いにもかかわらず、対象患者数が年間5万人未満ときわめて少ないことにより研究開発が進んでいない医薬品(医療機器)であり、医療上とくに優れた使用価値を有する(代替薬がない重篤な疾病)ことになるもの

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最終更新:2009年05月31日 15:18
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