グラム陰性の好気性、芽胞非形成、双球菌である。
①淋菌 Neisseria gonorrhoae
ヒトにのみ病原性を示し、代表的な性行為感染症(STD)である。治療にはペニシリン系やキノロン系の抗菌薬が有効であったが、近年ペニシリナーゼ産生淋菌(PPNG)やキノロン耐性菌が増加している。新生児膿漏眼の予防に1%AgNO3の点眼(Credeの点眼)が義務付けられていたが、現在ではテトラサイクリン系抗菌薬が使われている。
普通寒天培地には発育しない。血液を添加したチョコレート寒天培地を用い、CO2存在下で培養する(ローソク培養法)
②髄膜炎菌 Neisseria meningitidis
形態、培養に関してはほぼ淋菌と同様(違いは髄膜炎を起こすか否か)
ブランハメラ亜属 Subgenus Branhamella
①モラクセラ(旧ブランハメラ)・カタラリース Moraxella(Branhammela) catarrhalis
ヒトの口腔、鼻腔、咽頭の常在菌であるが、中耳炎の原因菌としても重要である。昔は病原菌ではないといわれていたが、最近はβ-ラクタマーゼ産生菌が急増し、その結果、肺炎の3大起因菌(インフルエンザ菌、肺炎球菌)の一つになっている。
最終更新:2009年06月29日 18:15