シュードモナス属 Pseudomonas
ーシュードモナス属の概要
ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌である(発酵するものは腸内細菌科である)。本属の菌は土壌、淡水のほか自然環境に広く分布している。シュードモナス属は非常に多種の酵素を産生する。そのため環境中の難分解性の化学物質の分解・浄化に大きな役割を果たしている。
①緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa
元来は弱毒菌であり、健康なヒトには通常病原性を示さないが、生体防御機能の低下した患者(易感性宿主 compromised host)に感染をきたす代表的な日和見感染 opportunistic infectionの原因菌である。もとはドブにいる菌なので、いろいろな化学物質にさらされている。よってしぶとい。かつ耐性を獲得しやすいので、菌交代症が起こりやすい。院内感染 nosocomial infectionの病原菌としても重要である。傷口、熱傷の化膿部位、あるいは尿路感染症患者からもしばしば分離される。
ピオシアニンと呼ばれる水溶性の青緑色色素とフルオレッセインと呼ばれる黄緑色の蛍光色素を産出する。
最終更新:2009年06月29日 18:35