「紛れもない名作!」 – ジギーQ
「芸術的かつ歴史に忠実な傑作!」 – カリナ・リー
「爆発が盛りだくさん」 – ジリアン・ジョーダン、N54ニュース
第1幕
時は第四次企業戦争下。サブロウ・アラサカはアラサカ軍を指揮する息子、ケイの働きぶりに不満を抱いていた。サブロウはケイに告げる。敵を打ち倒し、後継者としての資質を示してみせよ。冷酷な父に認められることは、ケイが何よりも望んでいることだった。そこで彼は計略を練り、戦争勃発の責任をミリテク社になすりつけようと画策する。だがそんな彼らの会話を、ミリテクエージェントにしてドナルド・ランディ将軍の養女であるサラが聞いていた。そしてサラは決心する。この凄惨な争いを速やかに終結させるには、ケイを暗殺するしかない――。ランディ将軍は娘の思いを受け止め、決行を指示する。
それから間もなくのことだ。サブロウの崇拝者である青年、アンドリューがナイトシティにやって来る。彼の夢はこの世界に生存する最後のカモメを見つけること。アラサカ社の船に潜り込もうとしたアンドリューだったが、警備に発見されて捕らえられ、嘲笑の的にされる。
奇しくも同じ日、船を視察することになっていたケイを、サラが襲撃しようとしていた。標的の姿を捕らえ、銃を構えるサラ。しかし、不意にアンドリューと目が合ってしまった。時が止まり、火花が散る。2人の間に恋が芽生えた。一瞬の間を置き、我に返ったサラは銃弾を放つ。しかしその弾はケイではなく、身を挺してケイを守ろうとしたアンドリューに当たってしまった。結果、ミリテクエージェントたちは逃走を余儀なくされる。
ケイは若き2人が目を合わせたその瞬間、恋のきらめきが生まれたことに気づいていた。命を救ってくれた礼を装い、サラをおびき寄せるためにアンドリューを利用しようと画策する。ケイは科学者チームに命じて、アンドリューの撃たれた傷の手当てをさせるとともに、核爆弾を搭載した人工心臓を移植させた。何も知らずに感謝するアンドリューを、ケイは正式にアラサカ軍に迎え入れる。密航の理由を知っていた彼は、海洋生態系を破壊し、カモメを絶滅の危機に追いやったのはミリテクだと吹き込み、アンドリューを入隊させたのだった。
第2幕
サラはランディ将軍のもとに戻っていた。将軍は暗殺に失敗したかわいい娘を許し、挽回のチャンスとして、アラサカ・タワーへの最終攻撃の指揮官となり、悪夢のような戦争に終止符を打つよう命じる。
たった一瞬の出会いでも、お互いのことが頭を離れなかったサラとアンドリュー。サイバー空間で互いを探すことを同時に思いつき、幸運にも仮想世界のサンゴ礁で再会を果たす。ほとばしる互いへの愛に夢中になりかけた2人だったが… 自分たちが結ばれることはないとすぐに悟る。現実世界のサンゴ礁を破壊したのはミリテク社だと信じるアンドリューを見て、サラは彼がアラサカ軍に加わったことに気づく。
最終決戦に向け、両社の準備が進む。自分たちの報われぬ恋を嘆くアンドリューとサラ。兵士たちに待ち受ける運命を憂慮するランディ将軍。これが父に認められる最後のチャンスだと息子に言い渡すサブロウ。そして勝利を収める自信のないケイは、ミリテク社を装ってアラサカ・タワーを爆破し、そこで命を落とすことで父の愛を確かめようと決意するのだった。
サラの部隊がアラサカ・タワーへの侵攻を開始する。だが戦場で再会した愛し合う2人は、互いを傷つけることができない。ケイはアンドリューの心臓に仕込んだ爆弾を起爆しようとするが、装置の不具合で失敗に終わる。そこでケイは代わりに、サラを撃ち殺す。それを見たアンドリューの心臓は悲しみに打ちひしがれ、胸の爆弾が起爆――爆発の直前、アンドリューが空を見上げると、そこには舞い上がるカモメの姿があった。核爆発でタワーは吹き飛び、青年はカモメの夢とともに消えたのだった。
アンドリューの哀歌
果てなき海の夢を見た
アラサカの指揮のもと
でも夢は霧と消え
そして僕は沈んでいく
もう何も見たくない
灰色の海に覆われて
目に映るは暗い深淵だけ
クロームの心臓が痛みにうなる
アラサカに魂を売った
血と嘆きの愚かな人生
生きる力を失った今
コーポラットが産声をあげる!
|