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修羅と羅刹

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修羅と羅刹 ◆NIKUcB1AGw


マリオワールドの前から去ったがんばれゴエモンは、新たな参加者と対峙していた。
その名はロックマンX。
彼の外見は近未来的な服装の青年であったが、顔つきには主人公であるエックスの面影を残していた。

「さっきの戦いは見させてもらったよ、がんばれゴエモン。
 もっとも、見たのは君の仮面が外れたところからだけどね。
 一度は見失ってしまったが、また見つけられてよかったよ」
「俺を見つけてどうする気だ。再び世に出るために、障害を排除するつもりか?」
「悪いが、俺は君と違って優勝を狙うつもりはない。
 もう一度表舞台に戻りたいという、君の気持ちも多少は理解出来る。
 だけど俺は、君の思いを否定する」

エックスバスターの代わりにロックマンXが右手にはめるのは、黒光りする筒。
日本漫画界不滅の金字塔であり、ゲーム界においても多数のタイトルをリリースした名作「ドラえもん」に登場するひみつ道具・空気砲だ。
ロックマンXは険しい表情で、その銃口をゴエモンに向ける。

「俺は3DSに反逆する道を選んだ。君も考え直してはくれないか。
 君には共にコミカライズがボンボンに連載されていた縁もある。
 あまり戦いたくはない」
「甘っちょろいことを言うなよ、ロックマンX。お前の正義を貫きたければ、俺を倒してみろ。
 なあ、イレギュラーハンター」
「そうか……残念だよ」

会話は、それで終わりだった。次にロックマンXの口が紡いだのは、「ドカン」という単語。
それに反応し、空気砲から圧縮された空気が放出される。
空気の弾丸はゴエモン目指して突き進むが、彼はそれをあっさりと回避する。

「来るとわかってる攻撃に当たるか!」

すぐさま体勢を整え、ゴエモンは小判を投擲。しかしそれは、空気砲に迎撃されて砕け散る。

「こっちもそんな見え見えの攻撃に当たるほど、甘くはないさ」
「甘い方が楽でよかったんだがな……。まあ、仕方ない」


◆ ◆ ◆


戦いは膠着状態に陥った。
共に時代を作ったアクションゲームの雄であり、実力は伯仲している。
一方で互いの支給品は決定力に欠け、戦いの行方を左右するほど強力ではない。
お互い決定打を打てぬまま、じりじりと時間だけが過ぎていった。

(さすがに手強い……。こうなれば、一気に決めるか……!)

先にしびれを切らしたのは、ロックマンXであった。
切り札を使うことを決意したロックマンXは、それを確実に決めるための準備行動に入る。
彼はゴエモンの足下に向かい、空気砲を連射。粉砕されたアスファルトが粉塵となって舞い上がり、ゴエモンの視界を奪う。

(目くらましだと!)

ロックマンXの行動に対し、ゴエモンはとっさに防御を固める。
こんな行動を取るからには、おそらく発動時に隙のできる大技を出してくるつもりだ。
老舗アクションゲームとしての勘が、そう判断したのだ。
だがその次に起きたのは、彼の予想を大きく上回る現象だった。

「波動拳!」
「なっ……!」

青く光る光弾が、宙を翔ける。それは、ガードの上からゴエモンをなぎ倒した。

(終わったな……)

ロックマンXは、勝利を確信した。
波動拳。言うまでもなく、本来は「ストリートファイターII」の主人公・リュウとそのライバルであるケンの必殺技だ。
だがこの技は、ストIIと同じカプコンの制作であるロックマンXにも隠し要素として登場していた。
体力がマックスでなければ出せないという制約はあるものの、その威力はなんと通常攻撃の32倍。
たいていのボスを一撃で葬り去れる、まさに隠し技だからこそ許される規格外の攻撃なのだ。
さすがのゴエモンも、これを食らっては立ち上がれないだろう。ロックマンXは、そう考えていた。



しかし。


「うおおおおお!!」

ゴエモンは、まだ倒れてはいなかった。
全身を鮮血で染め上げながらも、ナイフを振り上げロックマンXに突撃してくる。
その鬼気迫る姿に、ロックマンXは呑まれてしまった。
彼が身動き出来なくなった、ほんのわずかな間。その瞬間に、ナイフがロックマンXののど笛に突き立てられた。

「なぜ……そのダメージで……動ける……」
「痛くねえ……。痛くねえんだよ、この程度……。
 時代の波に取り残される、心の痛みに比べればな……」
「君の執念を見誤ったのが……俺の敗因か……。
 だが、敵は俺だけじゃない……。こんな戦い方を続けていれば……いずれは……」

最後までメッセージを言い切ることなく、ロックマンXは事切れた。

「わかってるよ、そんなことは……。あくまで今回は、そうするしかなかったんで真正面から戦っただけだ。
 優勝するためなら、俺は不意打ちでもなんでもためらわないさ……」

ロックマンXの亡骸を見下ろしながら、ゴエモンは呟く。
しばらくそのまま立っていたゴエモンだったが、やがてその場から離れだした。
むろん、ロックマンXの支給品を回収するのも忘れない。

「ああは言ったが……やっぱり傷の回復はしておきたいな……。
 その辺に回復アイテムでも落ちてればいいんだが……」


【D-3 市街地】

【がんばれゴエモン~ゆき姫救出絵巻~】
【状態】ダメージ(大)
【装備】ナイフ@サバイバルキッズ、空気砲@ドラえもん のび太と妖精の国
【道具】支給品一式×2
【思考】
1:優勝する
2:傷を回復したい

※外見は般若の面を被ったゴエモンです。
※支給品とは別に、小判を投げる能力を持っています。

【ロックマンX 死亡】


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