可能性は考えていた。こちらに殺し合うつもりがなくても、向こうから襲ってくるかもしれないと。
だが、それがこんなにも早く訪れるとは思っていなかった。
だが、それがこんなにも早く訪れるとは思っていなかった。
「サク……」
「よう、6/」
「よう、6/」
斧を手にした級友を前にして、6/はただ呆然と立ちつくしていた。
「お前、この殺し合いに乗ったのか……?」
「ああ」
「なんでだよ! なんでこんな……!」
「お前に教える義務が、俺にあるのか?」
「ああ」
「なんでだよ! なんでこんな……!」
「お前に教える義務が、俺にあるのか?」
淡々と呟くと、作成人は6/に向かって斧を振るった。何とか回避した6/だったが、すぐに第二撃が飛んでくる。
「やめろ! 俺はお前と殺し合いたくなんてない!」
「お前の考えなど知ったことか」
「お前の考えなど知ったことか」
攻撃を回避しながら、6/は作成人の説得を試みる。だが作成人は、まったく耳を貸す様子を見せない。
斧の刃が、6/の体を切り裂こうと何度も襲いかかってくる。必死でかわし続ける6/だが、彼の身体能力はさほど優れているわけではない。
やがて、足がもつれて転倒してしまう。
斧の刃が、6/の体を切り裂こうと何度も襲いかかってくる。必死でかわし続ける6/だが、彼の身体能力はさほど優れているわけではない。
やがて、足がもつれて転倒してしまう。
「しまった……!」
「もらったぜ」
「もらったぜ」
無表情で、作成人は斧を振り上げる。だがそれを6/の脳天へ叩きつける前に、激痛が彼の脚を襲った。
「ぐあああああ!!」
痛みのあまり、作成人は斧を手放してのたうち回る。何が起こったのかわからず呆然とする6/だが、そこに草むらから飛び出した影が駆け寄ってきた。
「ぼさっとするな! 戦えねえなら逃げるぞ!」
「お前は……滝!」
「お前は……滝!」
影の正体は、滝和也であった。彼の手に握られたショットガンを見て、6/は彼が作成人を撃ったのだと理解する。
「お前……」
6/が、滝に向かって何かを語りかけようとする。だが滝はそれを聞かず、6/の腕を強引に引っ張ってその場から離脱した。
そして、後には脚を負傷した作成人だけが残される。
そして、後には脚を負傷した作成人だけが残される。
「ちくしょう……。痛え……痛えよ……」
苦痛の声を漏らしながら、作成人は止血のためタオルを脚に巻き付ける。
医学知識に乏しい彼では、この程度の処置がせいぜいだ。
医学知識に乏しい彼では、この程度の処置がせいぜいだ。
(だがこの痛み……。授業料として受け入れておこう……。俺は所詮凡人……。
まともに正面からやり合うのには限界がある……。この先は、策を使っていかなきゃな……。
俺は……反省すると強いぜ?)
まともに正面からやり合うのには限界がある……。この先は、策を使っていかなきゃな……。
俺は……反省すると強いぜ?)
◇ ◇ ◇
一方、滝と6/は近くの民家に逃げ込んでいた。
「脚を潰したからそうそう追っては来られないと思うが……。念のために少しここで様子を見るか。
ああ、そうだ。怪我はないか、6/」
「ああ、怪我はしてない。そんなことより、聞きたいことがある」
ああ、そうだ。怪我はないか、6/」
「ああ、怪我はしてない。そんなことより、聞きたいことがある」
返答もそこそこに、6/は話題を自分のものに切り替える。
「なんで、サクを撃った」
「なんでって……。そりゃあ、お前が殺されそうだったからだろう」
「昨日まで一緒に学校生活送ってた仲間じゃねえか! なんで撃てるんだよ!」
「なんでって……。そりゃあ、お前が殺されそうだったからだろう」
「昨日まで一緒に学校生活送ってた仲間じゃねえか! なんで撃てるんだよ!」
当然のように言う滝に対し、6/は眉間にしわを寄せてつかみかかった。
「そりゃあ俺だって、クラスメイトを撃ちたくなんかねえよ! だけどしょうがねえだろう!
やらなきゃお前が殺されてたんだぞ!」
「それでも……それでも俺は……!」
やらなきゃお前が殺されてたんだぞ!」
「それでも……それでも俺は……!」
がっくりとうなだれる6/。
「6/……。お前の言いたいことだってわかるさ。クラスメイト同士で殺し合いなんて悲惨すぎる。
けどな、明らかに他人に危害を加えようとしているやつが目の前にいて、それを放っておけるか? 俺はできない。
人殺しの汚名を背負ってもいい。一生恨まれたっていい。俺はお前みたいな、殺し合いをする気のない奴らを守りたい。
それが俺にとっての、正義だと信じてるからな」
けどな、明らかに他人に危害を加えようとしているやつが目の前にいて、それを放っておけるか? 俺はできない。
人殺しの汚名を背負ってもいい。一生恨まれたっていい。俺はお前みたいな、殺し合いをする気のない奴らを守りたい。
それが俺にとっての、正義だと信じてるからな」
静かだが、力強い口調で滝は語る。6/はもう、彼に対して何も言うことができなかった。
【38番 ランキング作成人】
【学年】高3
【状態】右脚負傷
【所持品】斧、タケシの支給品
【能力】知力:A 体力:C ランキング作成力:SSS
【学年】高3
【状態】右脚負傷
【所持品】斧、タケシの支給品
【能力】知力:A 体力:C ランキング作成力:SSS
【21番 滝和也】
【学年】高3
【状態】健康
【所持品】ショットガン
【能力】知力:B 体力:A 根性:S
【学年】高3
【状態】健康
【所持品】ショットガン
【能力】知力:B 体力:A 根性:S
【40番 6/】
【学年】高3
【状態】健康
【所持品】クルミ一袋
【能力】知力:B 体力:C クルミ投げ:B
【学年】高3
【状態】健康
【所持品】クルミ一袋
【能力】知力:B 体力:C クルミ投げ:B
【38番 ランキング作成人】
Former
Next
【21番 滝和也】
Former
初登場!