みんなで無念まとめ wiki

クロス第16話

最終更新:

datui

- view
だれでも歓迎! 編集
可能性は考えていた。こちらに殺し合うつもりがなくても、向こうから襲ってくるかもしれないと。
だが、それがこんなにも早く訪れるとは思っていなかった。

「サク……」
「よう、6/」

斧を手にした級友を前にして、6/はただ呆然と立ちつくしていた。

「お前、この殺し合いに乗ったのか……?」
「ああ」
「なんでだよ! なんでこんな……!」
「お前に教える義務が、俺にあるのか?」

淡々と呟くと、作成人は6/に向かって斧を振るった。何とか回避した6/だったが、すぐに第二撃が飛んでくる。

「やめろ! 俺はお前と殺し合いたくなんてない!」
「お前の考えなど知ったことか」

攻撃を回避しながら、6/は作成人の説得を試みる。だが作成人は、まったく耳を貸す様子を見せない。
斧の刃が、6/の体を切り裂こうと何度も襲いかかってくる。必死でかわし続ける6/だが、彼の身体能力はさほど優れているわけではない。
やがて、足がもつれて転倒してしまう。

「しまった……!」
「もらったぜ」

無表情で、作成人は斧を振り上げる。だがそれを6/の脳天へ叩きつける前に、激痛が彼の脚を襲った。

「ぐあああああ!!」

痛みのあまり、作成人は斧を手放してのたうち回る。何が起こったのかわからず呆然とする6/だが、そこに草むらから飛び出した影が駆け寄ってきた。

「ぼさっとするな! 戦えねえなら逃げるぞ!」
「お前は……滝!」

影の正体は、滝和也であった。彼の手に握られたショットガンを見て、6/は彼が作成人を撃ったのだと理解する。

「お前……」

6/が、滝に向かって何かを語りかけようとする。だが滝はそれを聞かず、6/の腕を強引に引っ張ってその場から離脱した。
そして、後には脚を負傷した作成人だけが残される。

「ちくしょう……。痛え……痛えよ……」

苦痛の声を漏らしながら、作成人は止血のためタオルを脚に巻き付ける。
医学知識に乏しい彼では、この程度の処置がせいぜいだ。

(だがこの痛み……。授業料として受け入れておこう……。俺は所詮凡人……。
 まともに正面からやり合うのには限界がある……。この先は、策を使っていかなきゃな……。
 俺は……反省すると強いぜ?)

◇ ◇ ◇

一方、滝と6/は近くの民家に逃げ込んでいた。

「脚を潰したからそうそう追っては来られないと思うが……。念のために少しここで様子を見るか。
 ああ、そうだ。怪我はないか、6/」
「ああ、怪我はしてない。そんなことより、聞きたいことがある」

返答もそこそこに、6/は話題を自分のものに切り替える。

「なんで、サクを撃った」
「なんでって……。そりゃあ、お前が殺されそうだったからだろう」
「昨日まで一緒に学校生活送ってた仲間じゃねえか! なんで撃てるんだよ!」

当然のように言う滝に対し、6/は眉間にしわを寄せてつかみかかった。

「そりゃあ俺だって、クラスメイトを撃ちたくなんかねえよ! だけどしょうがねえだろう!
 やらなきゃお前が殺されてたんだぞ!」
「それでも……それでも俺は……!」

がっくりとうなだれる6/。

「6/……。お前の言いたいことだってわかるさ。クラスメイト同士で殺し合いなんて悲惨すぎる。
 けどな、明らかに他人に危害を加えようとしているやつが目の前にいて、それを放っておけるか? 俺はできない。
 人殺しの汚名を背負ってもいい。一生恨まれたっていい。俺はお前みたいな、殺し合いをする気のない奴らを守りたい。
 それが俺にとっての、正義だと信じてるからな」

静かだが、力強い口調で滝は語る。6/はもう、彼に対して何も言うことができなかった。

【38番 ランキング作成人】
【学年】高3
【状態】右脚負傷
【所持品】斧、タケシの支給品
【能力】知力:A 体力:C ランキング作成力:SSS

【21番 滝和也】
【学年】高3
【状態】健康
【所持品】ショットガン
【能力】知力:B 体力:A 根性:S

【40番 6/】
【学年】高3
【状態】健康
【所持品】クルミ一袋
【能力】知力:B 体力:C クルミ投げ:B



【38番 ランキング作成人】

Former

Next




【21番 滝和也】

Former

初登場!

Next




【40番 6/】

Former

Next


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー