ドラスは、今回のプログラムに参加させられた者の中で最年少である。
その幼い精神は、この極限状況の中でひどく追いつめられていた。
だがそれでも、彼は耐えていた。怯えながらも決して狂わず、気丈に生き延びようとしていた。
彼を支えていたのは、二人の姉の存在だった。
血のつながらない自分を、本当の弟同然に可愛がってくれたチンク。
最初は上手く打ち解けられなかったが、最近ようやく姉弟として接することができるようになったスバル。
彼女たちとまた、日常に帰りたい。その思いが、彼の心の支えとなっていた。
その幼い精神は、この極限状況の中でひどく追いつめられていた。
だがそれでも、彼は耐えていた。怯えながらも決して狂わず、気丈に生き延びようとしていた。
彼を支えていたのは、二人の姉の存在だった。
血のつながらない自分を、本当の弟同然に可愛がってくれたチンク。
最初は上手く打ち解けられなかったが、最近ようやく姉弟として接することができるようになったスバル。
彼女たちとまた、日常に帰りたい。その思いが、彼の心の支えとなっていた。
(僕が守るんだ……。お姉ちゃんたちを守るんだ!)
支給されたサブマシンガンを握りしめ、決意を胸にドラスは歩を進める。
しばらく進むと、彼の耳に誰かの声が飛び込んできた。なぜか声はくぐもっていて、誰のものなのかはっきり判別することはできない。
しばらく進むと、彼の耳に誰かの声が飛び込んできた。なぜか声はくぐもっていて、誰のものなのかはっきり判別することはできない。
(誰かいるみたいだ……。僕と同じように、他の人を殺すつもりのない人だといいんだけど……)
物陰に身を隠しながら、ドラスは様子をうかがう。目の前には、フルフェイスのヘルメットで顔を隠した人影があった。
そしてその足下には、二人の人間が倒れていた。
そしてその足下には、二人の人間が倒れていた。
「!!」
片方の人間は、立っている人影の後ろになっていて様子がよくわからない。
だがもう片方は、ドラスの位置からもはっきり見えた。
そしてそれを見てしまった結果、ドラスは絶句する。
それは紛れもなく、クラスメイトの少女。そしてその少女は、額に小さな穴が開けられていた。
顔は凍り付き、皮膚は不気味なほどに青白い。
死んでいる。ドラスは即座に、それを理解してしまった。
おそらくは、もう一人の方もすでに息絶えているのだろう。そして、二人を殺したのは……。
だがもう片方は、ドラスの位置からもはっきり見えた。
そしてそれを見てしまった結果、ドラスは絶句する。
それは紛れもなく、クラスメイトの少女。そしてその少女は、額に小さな穴が開けられていた。
顔は凍り付き、皮膚は不気味なほどに青白い。
死んでいる。ドラスは即座に、それを理解してしまった。
おそらくは、もう一人の方もすでに息絶えているのだろう。そして、二人を殺したのは……。
(まずい……僕も殺されるかも……。ここは逃げた方が……)
目の前の存在を危険と判断し、ドラスはその場から立ち去ろうとする。だが心の乱れが原因か、彼は落ちていた木の枝を踏んで音を立ててしまう。
(しまった!)
おのれの過ちに、慌てふためくドラス。だが、もはやどうしようもない。
物音に気づき、ヘルメットの人影がドラスの方を見る。
物音に気づき、ヘルメットの人影がドラスの方を見る。
「ドラス……!」
ヘルメットの下から、こもった声が漏れる。
その状況は、ドラスの精神力を一気に削り取る。
その状況は、ドラスの精神力を一気に削り取る。
殺される。
殺される! 殺される! 殺される!
殺されるくらいなら……
こっちから先に……
殺される! 殺される! 殺される!
殺されるくらいなら……
こっちから先に……
「来るなぁっ!」
ドラスが、サブマシンガンの引き金を引く。狙いも何もなく、弾丸が周囲にばらまかれる。
そしてその中の一部が、標的の体にめり込んだ。
全身様々なところから血を噴出させながら、それは倒れる。
そしてその中の一部が、標的の体にめり込んだ。
全身様々なところから血を噴出させながら、それは倒れる。
「はあ……はあ……」
息を荒げながら、ドラスは自分が倒した相手を見つめる。
頭にもやがかかったような感覚を、彼は味わっていた。
何かを思い出しそうな気がする。だが、それを思いだしてはいけないような気がする。
だが、徐々にもやが晴れていく。
頭にもやがかかったような感覚を、彼は味わっていた。
何かを思い出しそうな気がする。だが、それを思いだしてはいけないような気がする。
だが、徐々にもやが晴れていく。
この人が着ている服って、スバルお姉ちゃんが着ていた服じゃ……
「あ……あ……」
ドラスの口から、意味のない言葉が漏れる。寒くもないのに、体の震えが止まらない。
確かめなきゃいけない。でも確かめるのが怖い。このまま逃げてしまいたい。
そう思っているのに、体はどんどんと前に進んでいる。
ドラスは、震える手でヘルメットを外す。その下から出てきた顔は、見間違えようもなく彼の姉、スバルだった。
確かめなきゃいけない。でも確かめるのが怖い。このまま逃げてしまいたい。
そう思っているのに、体はどんどんと前に進んでいる。
ドラスは、震える手でヘルメットを外す。その下から出てきた顔は、見間違えようもなく彼の姉、スバルだった。
「うああああああああ!!」
ドラスの絶叫が、周囲に響き渡った。
「スバルお姉ちゃん! 起きてよ! ねえ! お姉ちゃん!」
半狂乱になり、ドラスはスバルの体を揺する。だが、スバルからは何の反応も返ってこない。
ただ、銃創から血が流れ出るだけだ。
ここにいたって、ドラスは認めざるを得なくなる。自分が、スバルを殺したのだと。
ただ、銃創から血が流れ出るだけだ。
ここにいたって、ドラスは認めざるを得なくなる。自分が、スバルを殺したのだと。
「あああああああああ!!」
亡骸と化したスバルにすがりつき、ドラスは声をあげて泣く。
幼い彼の心が、自分の手で愛する姉を殺した事実など受け止められるはずがない。
ドラスには、ただ泣きわめくことしかできなかった。
彼は気づかない。誰かが自分に近づいてきていることにも、その人物が自分に向かって何かを転がしたことにも。
数秒後、爆発音が響く。そして、ドラスの意識は永遠に絶たれた。
幼い彼の心が、自分の手で愛する姉を殺した事実など受け止められるはずがない。
ドラスには、ただ泣きわめくことしかできなかった。
彼は気づかない。誰かが自分に近づいてきていることにも、その人物が自分に向かって何かを転がしたことにも。
数秒後、爆発音が響く。そして、ドラスの意識は永遠に絶たれた。
「あまり火薬の量は多くないようだな……。だが、至近距離からなら十分に人を殺せるか……。
それに、やつの武器が無傷で手に入ったのはかえって好都合……」
それに、やつの武器が無傷で手に入ったのはかえって好都合……」
サブマシンガンを拾い上げながら、赤木しげるは呟く。
彼は先程自分がキョン子たちを殺した地点から叫び声が上がったのを聞きつけ、そこへ戻ってきた。
そしてドラスを発見し、カヲルから奪った手榴弾のテストも兼ねて彼を爆殺したのである。
彼は先程自分がキョン子たちを殺した地点から叫び声が上がったのを聞きつけ、そこへ戻ってきた。
そしてドラスを発見し、カヲルから奪った手榴弾のテストも兼ねて彼を爆殺したのである。
「まあ、せいぜい天国で姉弟仲良くやるんだな……。天国なんてものがあればの話だが……」
口元にわずかな笑みを浮かべながら、アカギは悠々とその場から去っていった。
【18番 スバル・ナカジマ 死亡】
【24番 ドラス 死亡】
残り27人
【24番 ドラス 死亡】
残り27人
【2番 赤木しげる】
【学年】中1
【状態】健康
【所持品】サイレンサー付き拳銃、手榴弾×4、サブマシンガン、フルフェイスヘルメット、キョン子の支給品
【能力】知力:S 体力:B 狂気:S
【学年】中1
【状態】健康
【所持品】サイレンサー付き拳銃、手榴弾×4、サブマシンガン、フルフェイスヘルメット、キョン子の支給品
【能力】知力:S 体力:B 狂気:S
【18番 スバル・ナカジマ 死亡】
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初登場!
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死亡
【24番 ドラス 死亡】
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