どうしよう。どうしよう。どうしよう。
傷つけるつもりなんてなかった。ただ、怖かっただけ。ただ、信じられなかっただけ。
ただ、近くに来てほしくなかっただけ。
でも、結果として私は涼宮さんを傷つけてしまった。
血が流れ出ていた。痛そうだった。すぐに、自分が犯してしまった罪の重さに気づいた。
そしてその重さに耐えられなくなって、私は逃げた。
どうしよう。どうしよう。これからどうすればいいんだろう。
傷つけるつもりなんてなかった。ただ、怖かっただけ。ただ、信じられなかっただけ。
ただ、近くに来てほしくなかっただけ。
でも、結果として私は涼宮さんを傷つけてしまった。
血が流れ出ていた。痛そうだった。すぐに、自分が犯してしまった罪の重さに気づいた。
そしてその重さに耐えられなくなって、私は逃げた。
どうしよう。どうしよう。これからどうすればいいんだろう。
◇ ◇ ◇
みなみは、目的もなくたださまよっていた。
何をしたらいいのかわからなくて。どうすれば罪を償えるのかわからなくて。
何をしたらいいのかわからなくて。どうすれば罪を償えるのかわからなくて。
「岩崎さん……?」
そんな彼女に、突然声がかけられる。それに反応してみなみが振り向くと、そこには桂ヒナギクが立っていた。
「まずは落ち着いて話を聞いてもらえるかしら? あなたが私に危害を加えるつもりがないのなら、私もあなたをどうこうするつもりはないわ。
ただ、そうじゃないというのなら……。こっちもそれなりの対応をさせてもらう」
ただ、そうじゃないというのなら……。こっちもそれなりの対応をさせてもらう」
日本刀に手をかけながら、ヒナギクは告げる。それは彼女にとっては、必要最低限の警戒だった。
だが、みなみにとってはそうではない。自分が敵意を持って他人に見られている。
それは不安定になっているみなみの心にとって、ひどい苦痛であった。
さらに、次に起きた事態が彼女の精神をますます圧迫する。
だが、みなみにとってはそうではない。自分が敵意を持って他人に見られている。
それは不安定になっているみなみの心にとって、ひどい苦痛であった。
さらに、次に起きた事態が彼女の精神をますます圧迫する。
「おいおい、桂。もう少し丁寧な言い方でもいいんじゃないか? あちらさん、明らかに怯えてるじゃないか」
物陰から出てきた、もう一人の人物。それはキョンだった。
キョンといえば、ハルヒと一番親しい人物。付き合ってはいないようだが、お互い好き合っているのはクラスの誰から見ても明らかだった。
彼に、自分がハルヒを傷つけたことを知られたら……。
キョンといえば、ハルヒと一番親しい人物。付き合ってはいないようだが、お互い好き合っているのはクラスの誰から見ても明らかだった。
彼に、自分がハルヒを傷つけたことを知られたら……。
(恨まれる、そして報復されるかもしれない。駄目、それは嫌、それだけは避けないと……。
この人たちと一緒にいるわけにはいかない……!)
この人たちと一緒にいるわけにはいかない……!)
みなみは、無言できびすを返す。そして、そのまま一目散に逃走を始めた。
「あ、ちょっと! なんでいきなり逃げるのよ?」
「やっぱり、お前の態度が悪かったんじゃないのか?」
「しょうがないじゃない、この状況じゃあれぐらい警戒しておかないと危ないんだから!
そんなことより、早く追いかけるわよ!」
「はいはい」
「やっぱり、お前の態度が悪かったんじゃないのか?」
「しょうがないじゃない、この状況じゃあれぐらい警戒しておかないと危ないんだから!
そんなことより、早く追いかけるわよ!」
「はいはい」
みなみを追うべく走り始めたヒナギクのあとを、キョンも追う。
みなみとヒナギク、共に体力は高いが厳密に言えばヒナギクの方がわずかに上。
二人の距離は、徐々に狭まっていく。
もう手が届く。そう確信し、ヒナギクが右手をみなみの方に伸ばしたその時、背後からキョンの声が響いた。
みなみとヒナギク、共に体力は高いが厳密に言えばヒナギクの方がわずかに上。
二人の距離は、徐々に狭まっていく。
もう手が届く。そう確信し、ヒナギクが右手をみなみの方に伸ばしたその時、背後からキョンの声が響いた。
「桂! 避けろぉーっ!」
「え?」
「え?」
ヒナギクが彼の言葉を脳で理解した直後、彼女の額を強い衝撃が襲った。
「きゃっ!」
その衝撃でバランスを崩し、ヒナギクは地面に倒れ込む。
「いたた……。何よ、これ。クルミ? ってことは、もしかして……」
何かに気づき、ヒナギクは慌ててクルミが飛んできた方向を見る。そこには、二人の男が立っていた。
「やっぱり6/先輩……。それに滝先輩まで……」
「桂……。よくもみなみに手を出そうとしてくれたな……!」
「待ってください、違うんです! これは……」
「問答無用!」
「桂……。よくもみなみに手を出そうとしてくれたな……!」
「待ってください、違うんです! これは……」
「問答無用!」
ヒナギクの弁解にも耳を貸さず、6/は今一度クルミを投じる。
ヒナギクは地面を転がり、どうにかその攻撃を回避した。
ヒナギクは地面を転がり、どうにかその攻撃を回避した。
「ちっ……。桂、ここは退くぞ!」
キョンはヒナギクに駆け寄ると、その手を取って立ち上がらせる。
「待って! ちゃんと誤解は解かないと!」
「無理だ! 6/さんは岩崎のこととなると頭に血が上るからな! 今の状況じゃ何を言っても聞いてもらえねえ!」
「無理だ! 6/さんは岩崎のこととなると頭に血が上るからな! 今の状況じゃ何を言っても聞いてもらえねえ!」
ヒナギクの意見を一蹴し、キョンは彼女の手を取ったままこの場から離脱すべく走り出した。
「逃がすかよ!」
三発目のクルミを飛ばそうとする6/。だが、その腕にみなみがすがりつく。
「駄目、やめて……」
「みなみ……。わかったよ、お前がそういうなら……」
「みなみ……。わかったよ、お前がそういうなら……」
恋人の懇願を受けて、6/はあっさりと腕を下ろした。
「しかし、どういう思考回路してるんだよ、お前は……。
俺がお前を襲っていたやつを攻撃した時は非難しておいて、恋人が襲われてた時は問答無用で攻撃か?」
俺がお前を襲っていたやつを攻撃した時は非難しておいて、恋人が襲われてた時は問答無用で攻撃か?」
事態を静観していた滝は、あきれ顔で皮肉混じりに呟く。
「確かに、自分でも矛盾してると思うよ……。けど、今のは理屈じゃなかった。
みなみは、俺が一番守りたいものなんだ。自分の命よりもな……」
「6/さん……」
「怖かっただろ、みなみ。けど、もう大丈夫だ。俺が絶対に守ってやるから。
絶対に俺もお前も生き残る方法を見つけてやるから」
みなみは、俺が一番守りたいものなんだ。自分の命よりもな……」
「6/さん……」
「怖かっただろ、みなみ。けど、もう大丈夫だ。俺が絶対に守ってやるから。
絶対に俺もお前も生き残る方法を見つけてやるから」
みなみに優しくささやくと、6/は彼女の体を優しく抱きしめた。
(違う、私は、私は……。駄目、言えない……。この人に嫌われてしまったら、もう私は……)
罪悪感に苛まれつつも、みなみは6/の腕の中でただ沈黙していた。
【7番 岩崎みなみ】
【学年】高1
【状態】精神不安定
【所持品】出刃包丁
【能力】知力:B 体力:B 胸:AA(カップ的な意味で)
【学年】高1
【状態】精神不安定
【所持品】出刃包丁
【能力】知力:B 体力:B 胸:AA(カップ的な意味で)
【21番 滝和也】
【学年】高3
【状態】健康
【所持品】ショットガン
【能力】知力:B 体力:A 根性:S
【学年】高3
【状態】健康
【所持品】ショットガン
【能力】知力:B 体力:A 根性:S
【40番 6/】
【学年】高3
【状態】健康
【所持品】クルミ一袋
【能力】知力:B 体力:C クルミ投げ:B
【学年】高3
【状態】健康
【所持品】クルミ一袋
【能力】知力:B 体力:C クルミ投げ:B
【9番 桂ヒナギク】
【学年】高1
【状態】額負傷
【所持品】日本刀
【能力】知力:A 体力:A 時の運:E
【学年】高1
【状態】額負傷
【所持品】日本刀
【能力】知力:A 体力:A 時の運:E
【12番 キョン】
【学年】高1
【状態】健康
【所持品】首輪探知機
【能力】知力:D 体力:C ツッコミ:S
【学年】高1
【状態】健康
【所持品】首輪探知機
【能力】知力:D 体力:C ツッコミ:S