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クロス第19話

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datui

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「やれやれ、参ったねえ」

苦笑いを浮かべながら、ミオ・サスガは森の中を行く。
彼女の手には、ハリセンが握られていた。別にふざけているわけではない。
ミオに支給された武器がそれだったというだけだ。
ハリセンなど、どう考えても実用性のない代物。普通はこんなものを支給されたら、怒り狂うか絶望するかのどちらかだろう。
だが、ミオは自分にハリセンが支給されたことに運命を感じていた。
彼女が目指すのは、芸の道。自分にハリセンが支給されたというのは、笑いでこの事態を切り抜けろという神からのメッセージなのだろうとミオは考えていた。

(殺伐としたプログラムの中に、颯爽と笑いの救世主が! って感じかな?
 まあ、実際そう上手くはいかないと思うけどさ……。けど、笑いの力で少しでも人の役に立てたらいいねえ)

そんな思いを胸に抱きながら、ミオはなおも歩き続ける。そのまま20分ほど歩き続けた頃だろうか。
彼女の前に、一人の少女が飛び出してきた。

「やあ、KXちゃ……!」

見知った顔に対し明るく声をかけようとするミオだったが、その顔が途中で凍り付く。
KXの体が、ボロボロになっていることに気づいたからだ。

「ミオちゃん、助け……」

助けを求めようとしたKXの喉を、背後から鉄の矢が貫く。
KXは苦悶の表情を浮かべながら地面に伏し、そのまま息絶えた。
突然の事態に硬直するミオ。その前に、新たな人影が現れる。
古泉から奪ったクロスボウを手にした、長門有希だ。
その皮膚には、数カ所に火傷を負った跡が見られる。
おそらくはKXもある程度抵抗し、その発火能力で長門に傷を負わせたのだろう。
だが、彼女をしとめるには至らなかった。そういうことだ。

「長門っち……。君、このプログラムに乗っかっちゃったんだね?」
「あなたにそれを教える必要はない」

無表情でそう言うと、長門は無駄のない動きで矢をつがえクロスボウの引き金を引く。
とっさに身をかがめるミオだが、完全に回避することはできず。矢は彼女の右肩をかすめていく。

「次は外さない」

文字通り、矢継ぎ早に長門は次の矢を撃ち出す。かがんだ状態では素早い動きを取ることができず、ミオは脇腹に矢を受けてしまった。

「ぐぅっ!」
「動かない方がいい。抵抗しなければ極力少ない苦痛で死なせてあげられる」

もう反撃を受ける心配はないと判断したのだろうか。長門はクロスボウをしまい、代わりに鎖鎌を持ってミオに近づく。

「ねえ、長門っち」
「…………」
「長門っちは、こんなことして楽しい?」
「…………」

ミオの問いに、長門は答えない。

「私はいやだなあ。笑えないもの。やっぱりさ、人間って笑ってる時が一番幸せだと思うんだ?
 駄目なのかなあ? 私じゃ、長門っちを笑わせられないのかなあ?」
「遺言はそれでいい?」

顔色一つ変えず、長門は鎖鎌を構える。

「少しぐらいはリアクションしてほしいんだけどなあ……。やっぱり私の実力が足りないのか」

鎌の刃が、ミオの喉を切り裂く。

(生まれ変わったら……今度こそお笑いの星になりたいなあ……)

微笑みを浮かべながら、ミオは息を引き取った。

「…………」

長門は、何も語らない。ただ立ちつくし、亡骸となったミオを見つめる。

「あと……二人」

ようやく言葉を発すると、長門はKXの荷物を回収してその場から立ち去った。
後に残されたのは、二人の少女の遺体のみ。そしてミオの手には、未だしっかりとハリセンが握られていた。

【15番 修正したあとすぐ熱血~狂気のKX.Hw4puwg 死亡】
【32番 ミオ・サスガ 死亡】
残り25人

【25番 長門有希】
【学年】高1
【状態】軽い火傷
【所持品】鎖鎌、クロスボウ、KXの支給品
【能力】知力:S 体力:A 冷静さ:S




【15番 修正したあとすぐ熱血~狂気のKX.Hw4puwg】

Former

初登場!

Next

死亡



【32番 ミオ・サスガ】

Former

初登場!

Next

死亡



【25番 長門有希】

Former

Next


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