ふと見上げた星空 また君をさがしてた
■□
星明かりの宙が、銀世界を照らしている。
満天の星空が、雪原の大地を照らしている。
星々の輝きだけは、殺し合いという現実離れした舞台の上でも、その眩さを翳らせては居ないのだ。
天体の在り方は変わらない。むしろ、よく再現していると言うべきか。
一際目立つ大きな星。こぐま座α星のポラリス、北極星。
天の北極最も近い場所に位置する、北の方位を示す輝ける星。
満天の星空が、雪原の大地を照らしている。
星々の輝きだけは、殺し合いという現実離れした舞台の上でも、その眩さを翳らせては居ないのだ。
天体の在り方は変わらない。むしろ、よく再現していると言うべきか。
一際目立つ大きな星。こぐま座α星のポラリス、北極星。
天の北極最も近い場所に位置する、北の方位を示す輝ける星。
「……こんな場所でも、変わらないんだ……。」
空色の瞳玉が見つめる先は、満天の星空で一際目立つ北極星。
そんな現実逃避じみた思考で星宙(そら)を見上げる少女、鷲尾撫子の姿がこの殺し合いの夜天の下にあった。
思い返せば否応にでも思い浮かんでしまう嫌な記憶。此処に来る前に記憶に焼き付いているちょっとした意気地からの誤ち。好きな女の子に、琴岡みかげに、悔しくて意地になってしまったつい最近の記憶。
永遠なんて幻想で包まれた友情は、ほんの些細な事で壊れそうになってしまった。
そんな現実逃避じみた思考で星宙(そら)を見上げる少女、鷲尾撫子の姿がこの殺し合いの夜天の下にあった。
思い返せば否応にでも思い浮かんでしまう嫌な記憶。此処に来る前に記憶に焼き付いているちょっとした意気地からの誤ち。好きな女の子に、琴岡みかげに、悔しくて意地になってしまったつい最近の記憶。
永遠なんて幻想で包まれた友情は、ほんの些細な事で壊れそうになってしまった。
「……最低だ、私……。」
瞳に溜まる思いの粒がぽろぽろと銀の床に流れて落ちて消える。
引き金を引いてしまったのは私だと、私のせいでああなったのだろうか、と。
それで琴岡どころか白鳥にまで迷惑をかけて、二人と面向かって謝る事から無意識に避け続けて。
白鳥は兎も角、今更琴岡に謝って彼女が仲直りしてくれるなんて望んでいるのかどうかすら。
引き金を引いてしまったのは私だと、私のせいでああなったのだろうか、と。
それで琴岡どころか白鳥にまで迷惑をかけて、二人と面向かって謝る事から無意識に避け続けて。
白鳥は兎も角、今更琴岡に謝って彼女が仲直りしてくれるなんて望んでいるのかどうかすら。
「私……。」
琴岡みかげ。私の好きな人。恋している少女。
誰にもあっけからんと笑顔を向けておいて、その実、繊細で放っておけない。
私が見つけた一番星、輝きだして、二度と目を離せない。
そして時々目が眩んで、一時の過ちを犯そうとしたくなる。
誰にもあっけからんと笑顔を向けておいて、その実、繊細で放っておけない。
私が見つけた一番星、輝きだして、二度と目を離せない。
そして時々目が眩んで、一時の過ちを犯そうとしたくなる。
琴岡みかげは優しいから。遠回しに自分に対して「私の事を諦めて」と言ってくる。
でも私が琴岡の事が好きなことを、琴岡が私の気もちに気づいている事。
私の秘密は、その事実を知っている事。
誰にも秘密の星明かり。
もし琴岡が知ったら必要以上に私を傷付けたって気にするかもしれないから。
そしたら白鳥だって私と琴岡の事、両方考えて悩むだろうから。
でも私が琴岡の事が好きなことを、琴岡が私の気もちに気づいている事。
私の秘密は、その事実を知っている事。
誰にも秘密の星明かり。
もし琴岡が知ったら必要以上に私を傷付けたって気にするかもしれないから。
そしたら白鳥だって私と琴岡の事、両方考えて悩むだろうから。
知らないフリをしなきゃ、琴岡に片思い出来ない私が一番、かっこ悪いのかもしれない。
だけど、それでも、女同士の恋愛感情。ただの片思いだとしても。
私にとって琴岡は好きな人で、琴岡にとっての特別になりたい。
私はさそり。何れ遠い未来に北極星となる琴座のベガに、情熱的に恋をしている。
だけど、それでも、女同士の恋愛感情。ただの片思いだとしても。
私にとって琴岡は好きな人で、琴岡にとっての特別になりたい。
私はさそり。何れ遠い未来に北極星となる琴座のベガに、情熱的に恋をしている。
だけど、もう終わりかもしれない。
友情も、恋心も、何もかも終わってしまう。
悶々とした、鬱屈した感情の中で、私はこの殺し合いに巻き込まれた。
友情も、恋心も、何もかも終わってしまう。
悶々とした、鬱屈した感情の中で、私はこの殺し合いに巻き込まれた。
叶えたい願いが無いというわけではない。
でももし、その為の手段に欲望の心が偏ってしまったならば、もう私は後戻り出来ないだろうから。
そもそも、こんな私にこんな場所で生き残る手段なんて限られている。
これが罰だと言うのなら、あんまりすぎると思ってしまいたかった。
それを理由に、何も考えないようにしようと思った自分が嫌になる。
でももし、その為の手段に欲望の心が偏ってしまったならば、もう私は後戻り出来ないだろうから。
そもそも、こんな私にこんな場所で生き残る手段なんて限られている。
これが罰だと言うのなら、あんまりすぎると思ってしまいたかった。
それを理由に、何も考えないようにしようと思った自分が嫌になる。
星宙(そら)は私の愚かさ全てを遥か彼方の闇の楽園から覗き見ているのだろうか。
星は全てを知っている。星は全てを見通している。
奈落のような漆黒の天蓋が、世界を、舞台と言う名の袋小路を箱の中を。
望遠鏡で星空を見つめている誰かのように俯瞰して。
星は全てを知っている。星は全てを見通している。
奈落のような漆黒の天蓋が、世界を、舞台と言う名の袋小路を箱の中を。
望遠鏡で星空を見つめている誰かのように俯瞰して。
「これから、どうしよう。」
零した言葉は間違いなく本心である。
あんな事になって、訳の分からない事に巻き込まれて。
いつも王子様のようにクールに気取っていた自分の姿なんて、この場所でそう振る舞う意味なんてない。
せめて白鳥が隣りにいてくれれば弱みを呟けたと思っててしまう。
やっぱり、そんな事望んでいる自分がどうしようもなく嫌になる。
あんな事になって、訳の分からない事に巻き込まれて。
いつも王子様のようにクールに気取っていた自分の姿なんて、この場所でそう振る舞う意味なんてない。
せめて白鳥が隣りにいてくれれば弱みを呟けたと思っててしまう。
やっぱり、そんな事望んでいる自分がどうしようもなく嫌になる。
雪畳を踏みしめながら歩く。氷雪に塗れた森林が夜星に照らされ綺羅びやかに輝いている。
視界に映る木組みのコテージや遊具のようなものは当然の事ながら白雪が積もっている。
夜の下でも比較的視界が良いのは、一目ランタンのようにも見える照明器が明かりを灯しているから。
視界に映る木組みのコテージや遊具のようなものは当然の事ながら白雪が積もっている。
夜の下でも比較的視界が良いのは、一目ランタンのようにも見える照明器が明かりを灯しているから。
この場所が殺し合いの舞台でなければ、銀世界を包み込む天体の暗幕は余りにも神秘的なものだっただろう。プラネタリウムから見るものとは全く別種の美しさが、そこに広がっていた。
宙(そら)は何も変わらない。この殺し合いの舞台と言う異世界においても。
星々は絶えず動き続け、この場所から見える星々も全く別のものになってしまう。
そして北極星もまた、遠い未来において別の星へと変化してしまうのだから。
宙(そら)は何も変わらない。この殺し合いの舞台と言う異世界においても。
星々は絶えず動き続け、この場所から見える星々も全く別のものになってしまう。
そして北極星もまた、遠い未来において別の星へと変化してしまうのだから。
―――あ。
緑色の、生き物のように見える何かが視界の端に映り込んでいた。
流動する薄汚れた緑色に、目玉の様な赤い球体が怪しく輝いている。
腕らしき所から、今にも私を切り裂こうとする鋭い爪が伸びていた。
ゲームとかでよく見る、所謂モンスターと呼んでも差し支え無いような異形の姿が、見えた。
流動する薄汚れた緑色に、目玉の様な赤い球体が怪しく輝いている。
腕らしき所から、今にも私を切り裂こうとする鋭い爪が伸びていた。
ゲームとかでよく見る、所謂モンスターと呼んでも差し支え無いような異形の姿が、見えた。
動けなかった。動けるはずがなかった。
速さが余りにも違いすぎたし、私は不意を突かれたような形だったのだ。
逃げられるわけもなく、抵抗する為の力もなかった。
支給品袋をちゃんと確認していればとか、周囲を警戒しながらとか、どうしてそんな事考えなかったんだろうと。
速さが余りにも違いすぎたし、私は不意を突かれたような形だったのだ。
逃げられるわけもなく、抵抗する為の力もなかった。
支給品袋をちゃんと確認していればとか、周囲を警戒しながらとか、どうしてそんな事考えなかったんだろうと。
自分の死が迫っているというのに、私は余りにも冷静だった。
いや、走馬灯というのに浸ってまともに何も考えられてなかったのか。
いや、走馬灯というのに浸ってまともに何も考えられてなかったのか。
――あっ。
真っ先に、走馬灯で浮かんだ姿があの子の、琴岡の事。
私にとっての、北極星。だけどもう、その手には届いてくれない。遠く遠くへ離れてしまって。
それを思い浮かだ瞬間、涙が止め処無く溢れ出して。
死にたくない、なんて叫びたがってしまう。
でも、叫ぶ暇も無かった。全てがスローモーションで動いていく様な感覚で。
私は死にゆく運命を無情に受け入れるしか無かった。―――嫌に決まってる。
私にとっての、北極星。だけどもう、その手には届いてくれない。遠く遠くへ離れてしまって。
それを思い浮かだ瞬間、涙が止め処無く溢れ出して。
死にたくない、なんて叫びたがってしまう。
でも、叫ぶ暇も無かった。全てがスローモーションで動いていく様な感覚で。
私は死にゆく運命を無情に受け入れるしか無かった。―――嫌に決まってる。
嫌に決まってる。あんな出来事が三人が一緒にいられた最後だなんて。
ずっと別れたままで、ずっと仲違いしたままで、私だけが死んで。
白鳥は悲しむし、琴岡もきっと悲しむ。
友情も片思いも、何もかも置いてけぼりにして死んでしまいたくなんて無い。
こんな所で死にたくなんて無い。
誰でもいいから助けて欲しい。陳腐な奇跡でも何でも良いから、誰でもいいから助けてほしいと。
死の恐怖に震えて、言葉一言すら出せない心のうちで祈り願う。
「誰でもいいから私を助けて」と。
ずっと別れたままで、ずっと仲違いしたままで、私だけが死んで。
白鳥は悲しむし、琴岡もきっと悲しむ。
友情も片思いも、何もかも置いてけぼりにして死んでしまいたくなんて無い。
こんな所で死にたくなんて無い。
誰でもいいから助けて欲しい。陳腐な奇跡でも何でも良いから、誰でもいいから助けてほしいと。
死の恐怖に震えて、言葉一言すら出せない心のうちで祈り願う。
「誰でもいいから私を助けて」と。
刹那、流れ星が一瞬煌めいてすぐに消える。
そして奇跡は起きる。
そして奇跡は起きる。
「――やぁ!」
星が、降り立った。
緑の化け物を杖で殴り飛ばし、白を基調とした衣装で、金色の髪を煌めかせた或る星(しょうじょ)。
雪積もる木々の幹に叩きつけられた緑の化け物の上空から雪が降り注ぎ、化け物の視界と動きを制限する。
間髪入れずに少女が杖から放った眩い光の刃が化け物を切り裂き、沈黙させる。
緑の化け物を杖で殴り飛ばし、白を基調とした衣装で、金色の髪を煌めかせた或る星(しょうじょ)。
雪積もる木々の幹に叩きつけられた緑の化け物の上空から雪が降り注ぎ、化け物の視界と動きを制限する。
間髪入れずに少女が杖から放った眩い光の刃が化け物を切り裂き、沈黙させる。
「大丈夫ですか?」
王子様ではなく只の少女、なのだけれど。
駆けつけてくれたその姿は、一種の勇者(ヒーロー)みたいで。
駆けつけてくれたその姿は、一種の勇者(ヒーロー)みたいで。
「さっきのは野良で嗅ぎ回っていた一体でしょうけど、一先ずは安全な所で。」
私の手を取ろうとするその少女の姿は、余りにも輝かしいものだった。
□■
逢いたくて 愛おしくて
触れたくて 苦しくて
届かない 伝わらない
叶わない 遠すぎと
■□
木組みのコテージ。パチパチと枯れ木を燃やす暖炉の前にて。
鷲尾撫子と、アルトリアと言う名の少女は暖炉で身体を温めながら話し合っていた。
鷲尾撫子と、アルトリアと言う名の少女は暖炉で身体を温めながら話し合っていた。
「つまりアルトリアも、私と同じくいつの間にか呼ばれたって事?」
「そーなんですよ! しかも最悪のタイミングで! ほんっと何の嫌がらせなわけ!?」
「そーなんですよ! しかも最悪のタイミングで! ほんっと何の嫌がらせなわけ!?」
話すに連れて勝手にヒートアップしていく少女、アルトリア。
思わずその翠玉の瞳の色も含めて、白鳥とダブってしまう。
と言うよりも話を聞けば聞くほど白鳥っぽいというか、白鳥の生まれ変わりっぽく見えてくるというか。
何はともあれ、鷲尾からの第一印象がそれであった。
思わずその翠玉の瞳の色も含めて、白鳥とダブってしまう。
と言うよりも話を聞けば聞くほど白鳥っぽいというか、白鳥の生まれ変わりっぽく見えてくるというか。
何はともあれ、鷲尾からの第一印象がそれであった。
「……コホン。ごめんなさい。まあこんな所で怒鳴っていても仕方ないですし。」
「いいよ。慣れてる。あとさっきは助かった、ありがと………」
「いいよ。慣れてる。あとさっきは助かった、ありがと………」
そう照れくさそうに一言。白鳥っぽくて、やっぱり白鳥じゃない。
彼女を白鳥や琴岡と合わせてみたら面白いことが起きそう、とお礼の言葉と同時に思った事を笑顔で。
もしかしたら物凄く楽しいことになりそうだな、と思った所で。
……なんて自分から言いだして、途端に涙が流れ出して。
彼女を白鳥や琴岡と合わせてみたら面白いことが起きそう、とお礼の言葉と同時に思った事を笑顔で。
もしかしたら物凄く楽しいことになりそうだな、と思った所で。
……なんて自分から言いだして、途端に涙が流れ出して。
「えっ、ちょっ、えええっ!? ナンデ!? ナンデ泣いてるんですか!?」
「あっ……ごめんごめん。ちょっと涙腺が緩くて、さ………。」
「あっ……ごめんごめん。ちょっと涙腺が緩くて、さ………。」
ああ、ほんっと。どうしてこうなっちゃったのか。なんて悲しくなる。
眼の前のアルトリアはあたふたしているし、これ以上迷惑かけてしまうから早く涙を止めようとして。
その瞳の色が、白鳥と余りにも被って、思わず。
眼の前のアルトリアはあたふたしているし、これ以上迷惑かけてしまうから早く涙を止めようとして。
その瞳の色が、白鳥と余りにも被って、思わず。
「……ねぇアルトリア。同性の子に、それも友達に好かれたらどう思う?」
思わず、『白鳥』に慰めてほしいという、ズルい自分の我儘を、見ず知らずの他人にぶつけてしまった事に。
「あの、いきなり恋愛相談投げかけられても困るんですけど………。」
案の定、困惑の表情をアルトリアは浮かべたわけで。
だけど少しばかり考え込み、答えを切り出してくれた。
だけど少しばかり考え込み、答えを切り出してくれた。
「私はその友達の事は全くわかりませんので、私個人の意見として……ってああもうこういうの私の分野じゃないですし、そもそも私だって好きになった人が同性なわけで――。」
「ごめん、ほんとごめん。そこまで慌てられるとは思わなかった。あと無理に話さなくてもいいから。」
「ごめん、ほんとごめん。そこまで慌てられるとは思わなかった。あと無理に話さなくてもいいから。」
ちょっとだけ期待していたのが自分として馬鹿だった。と言うかすごく慌てていたしこの子も要するに自分同様、と言うか恐らく自分と同じく友達……かどうかはこっちはわからないけど。
「……じゃあ、貴女の方はどうなんですか?」
「私の?」
「貴女の方は、誰かに好きって思われてるとか、そういう経験は?」
「……私が、友達の誰かに、好きって……?」
「私の?」
「貴女の方は、誰かに好きって思われてるとか、そういう経験は?」
「……私が、友達の誰かに、好きって……?」
少女の何気ない返しの疑問が、私の心の奥底に突き刺さる。
私は琴岡が大好きで、琴岡はいろんな彼氏に付き合っては分かれて。
まさか。
……白鳥が?
そんな事、或る理由(わけ)が。
だって、白鳥は私が琴岡への思いを知った上で、背中を押してくれて。
でも、もし、三人の友情を守るために、私への恋心を押し殺して私を応援してくれた、だったら。
私は、琴岡のことが好きになっている、私は――。
私は琴岡が大好きで、琴岡はいろんな彼氏に付き合っては分かれて。
まさか。
……白鳥が?
そんな事、或る理由(わけ)が。
だって、白鳥は私が琴岡への思いを知った上で、背中を押してくれて。
でも、もし、三人の友情を守るために、私への恋心を押し殺して私を応援してくれた、だったら。
私は、琴岡のことが好きになっている、私は――。
「ちょっと、聞いてます? はは~ん? もしかして痴情の縺れで友人と喧嘩しちゃったやつですか?」
「……喧嘩したのは事実だけど、痴情の縺れは絶対ない。」
「……喧嘩したのは事実だけど、痴情の縺れは絶対ない。」
人が思いこんでいる時に限って何デリカシーの欠片もない発言投げかけているんだ、などと思いながらも、前半の痴情の縺れ部分は否定する。
痴情、と言うよりあれの発端は私と琴岡の仲違い。それに白鳥が色々と振り回されている、という構図。
痴情、と言うよりあれの発端は私と琴岡の仲違い。それに白鳥が色々と振り回されている、という構図。
「……謝ってしまえば、なんて単純な問題じゃなさそうですね、その顔ですと。」
「……まあ、うん。でも、謝ったほうが良いとは思ってる。でも……。」
「でも……?」
「……まあ、うん。でも、謝ったほうが良いとは思ってる。でも……。」
「でも……?」
分かっている。二人には謝らないと行けないなんて。でも白鳥は兎も角、琴岡が仲直りを望んでいるのかどうか。もし琴岡がそんな事を望んでいないのなら、永遠に拒否されるままだとしたら。
「……言いたくないのなら言わなくても大丈夫です。あって間もない方の秘密を探ろうとする趣味は無いですけれど、それはそれで突然泣き出しちゃうような貴女を放っては置けないと言うか。」
「……ありがと。」
「……ありがと。」
アルトリアは気を使ってくれた。今はそれだけでも十分助かった。
気を使うのはこっちの十八番だというのに、見ず知らずに気を使わせてしまっては申し訳が立たない。
気を使うのはこっちの十八番だというのに、見ず知らずに気を使わせてしまっては申し訳が立たない。
「でも一つだけ。やっぱり私としては仲直りはした方が良いと思います。そちらの都合もありますからあまり手助けはできませんが……貴女にとって追い求める星を、その友達の為の気もちは、決して悪くないものだとは思います、私は。」
そう付け加えたアルトリアの言葉。そのぐらいはわかっている、と言葉の代わりに苦笑いで返す。
私が追い求めている琴岡(ほし)。私はあの星を見ていたい。あの星に私を見てもらいたい。
だって私は、あの星にとっての特別になりたいから。
私が追い求めている琴岡(ほし)。私はあの星を見ていたい。あの星に私を見てもらいたい。
だって私は、あの星にとっての特別になりたいから。
「……ありがと。本当に。」
「いいえ、困っているのはお互い様です。」
「いいえ、困っているのはお互い様です。」
本当に、アルトリアには気を使わせてしまったと。
そう思いながらも、やっぱり私は琴岡と離れたくないという気もちでいっぱいだから。
例え拒まれようとも、私はあの星を探し求めたいと。
そう思いながらも、やっぱり私は琴岡と離れたくないという気もちでいっぱいだから。
例え拒まれようとも、私はあの星を探し求めたいと。
「……それで、アルトリアはどうするの?」
「どうするって、そりゃこのまま貴女を一人にするのも気が引けますので、貴女が元の世界に帰れるようにできる限りサポートはしますよ。」
「……ほんっと、悪いね。」
「まあ、もし彼女がいたんだったら、絶対に見捨てないと思うから。」
「どうするって、そりゃこのまま貴女を一人にするのも気が引けますので、貴女が元の世界に帰れるようにできる限りサポートはしますよ。」
「……ほんっと、悪いね。」
「まあ、もし彼女がいたんだったら、絶対に見捨てないと思うから。」
アルトリアが言っていた彼女。それが多分、アルトリアにとっての『好きな女の子』だと思う。
でも、それを追求するのは今はやめておくことにする。
少しは立ち直したし、今は『元の世界に帰る』事を目標にしておくほうが気が楽だから。
でも、もし、もし仮に。
この場所に、白鳥も琴岡も巻き込まれていたら、私はどんな顔で二人に会えば良いのだろう。
謝らないと、と言うのはわかる。でも、琴岡は私の謝罪を望んでいるのか。
怖い、琴岡が私を本当に拒絶してしまうという最悪の未来が。
あの星に見捨てられて、星の光のない場所に取り残されるのが。
何処までも不安になる。何処までも嫌にやる。
だからどうか、どうか星よ。私の迷いを導いて。
でも、それを追求するのは今はやめておくことにする。
少しは立ち直したし、今は『元の世界に帰る』事を目標にしておくほうが気が楽だから。
でも、もし、もし仮に。
この場所に、白鳥も琴岡も巻き込まれていたら、私はどんな顔で二人に会えば良いのだろう。
謝らないと、と言うのはわかる。でも、琴岡は私の謝罪を望んでいるのか。
怖い、琴岡が私を本当に拒絶してしまうという最悪の未来が。
あの星に見捨てられて、星の光のない場所に取り残されるのが。
何処までも不安になる。何処までも嫌にやる。
だからどうか、どうか星よ。私の迷いを導いて。
□■
散り逝くと知る、星はそれでも
強く生きてる 色鮮やかに
■□
最悪のタイミングで呼ばれた、全くもって最悪とも言えるタイミングで。
呪いの厄災。かつて善意で妖精に手を差し伸べ、巫女ともども踏み躙られた祭神ケルヌンノス。
『楽園の巫女』の最後の使命、全ての厄災を祓えば消え逝くはずだった命。
好きな女の子に別れを告げて、なけなしの勇気とほんの少しの心残りを抱いて向かうべき場所へ向かったその最中。
自分は、呼び寄せられたのだ。この殺し合いに。
呪いの厄災。かつて善意で妖精に手を差し伸べ、巫女ともども踏み躙られた祭神ケルヌンノス。
『楽園の巫女』の最後の使命、全ての厄災を祓えば消え逝くはずだった命。
好きな女の子に別れを告げて、なけなしの勇気とほんの少しの心残りを抱いて向かうべき場所へ向かったその最中。
自分は、呼び寄せられたのだ。この殺し合いに。
(ほんっと、ムカつきますよ。)
本気でハ・デスに対して怒りが湧いてくる。
あの土壇場で、世界の危機真っ只中で、よりにもよってな時に。
カルデアは、あの人たちは間違いなく頑張っているのに、言っておいて矛盾しているがこんな安全な場所に呼び寄せられてしまったなんて腹が立つ。
早く戻らないといけないという焦りと、魔王ハ・デスという変なやつへの怒り。
とは言うもののこんな殺し合いを放置しておいて自分だけさっさと戻りますなんて後味が悪いし、そんな事したら二度とあの人たちに顔向けできなくなる。
そんな最中で出会ったのが、魔物に襲われていたあの子、鷲尾撫子。
あの土壇場で、世界の危機真っ只中で、よりにもよってな時に。
カルデアは、あの人たちは間違いなく頑張っているのに、言っておいて矛盾しているがこんな安全な場所に呼び寄せられてしまったなんて腹が立つ。
早く戻らないといけないという焦りと、魔王ハ・デスという変なやつへの怒り。
とは言うもののこんな殺し合いを放置しておいて自分だけさっさと戻りますなんて後味が悪いし、そんな事したら二度とあの人たちに顔向けできなくなる。
そんな最中で出会ったのが、魔物に襲われていたあの子、鷲尾撫子。
正直な話、彼女の不安も嘆きも迷いも、この妖精眼(め)が全て見通してしまっている。
鷲尾撫子は琴岡みかげの事が好きで、そんな彼女と喧嘩してしまった。
琴岡みかげが鷲尾撫子の気持ちに気づいていて、それを振り払おうと遠回しに拒否してくる。
それを鷲尾撫子は知っている。自分が悪いと分かりながらも、それでも拒否されることは辛いから。
琴岡みかげの『特別』になりたいと、自分はこういう自分だからと唯我(エゴ)を貫いて。
琴岡みかげに見てもらう努力を、させてほしいと。
鷲尾撫子は琴岡みかげの事が好きで、そんな彼女と喧嘩してしまった。
琴岡みかげが鷲尾撫子の気持ちに気づいていて、それを振り払おうと遠回しに拒否してくる。
それを鷲尾撫子は知っている。自分が悪いと分かりながらも、それでも拒否されることは辛いから。
琴岡みかげの『特別』になりたいと、自分はこういう自分だからと唯我(エゴ)を貫いて。
琴岡みかげに見てもらう努力を、させてほしいと。
(だから、私が入る余地は。入り込んだ時点で余計なおせっかい、なのかな。)
だから、その空気ぐらいは読む。でも、我慢せずに助けを求めても良いんだよ、と。
恐らく彼女にそう言ってもまた我慢しそうだと思って結局のところ。
まあでも、彼女は諦めが悪い。そこは自分となんとなく似て無くはないかな、と思う。
恐らく彼女にそう言ってもまた我慢しそうだと思って結局のところ。
まあでも、彼女は諦めが悪い。そこは自分となんとなく似て無くはないかな、と思う。
(まあでも、放ってなんて置けないですもんね。)
間違いなく、彼女よりも普通の一般人である彼女に、迫ろうとする脅威には無力だ。
だから今は、彼女たちと再開できるこの時まで、彼女のことを守らせてもらうことにしよう。
おせっかいなのは、まあそこはまあというやつだ。それに――。
だから今は、彼女たちと再開できるこの時まで、彼女のことを守らせてもらうことにしよう。
おせっかいなのは、まあそこはまあというやつだ。それに――。
(もしかしたら。)
私が見ていた星。私を見ていた星。
嵐の中でも輝いていたあの星がなんなのか。
この中で、もしかしたら分かるかもしれないと、不謹慎ながらも淡い期待を抱いて。
だって、どれほど遠く、汚れても、私は星を探すのだから。
その星(こたえ)に、辿り着きたいから。
誰かの為でも、自分の為でも、世界の為でもない。正義の為でもない。
多分、恐らく。たった1つ、裏切れない何かのために、嵐の中を進み続けるのです。
嵐の中でも輝いていたあの星がなんなのか。
この中で、もしかしたら分かるかもしれないと、不謹慎ながらも淡い期待を抱いて。
だって、どれほど遠く、汚れても、私は星を探すのだから。
その星(こたえ)に、辿り着きたいから。
誰かの為でも、自分の為でも、世界の為でもない。正義の為でもない。
多分、恐らく。たった1つ、裏切れない何かのために、嵐の中を進み続けるのです。
【鷲尾撫子@ななしのアステリズム】
[状態]:健康、焦燥(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:生きて元の世界に帰る。
1:出来れば白鳥と琴岡に謝りたい。でも、琴岡は私と仲直りを望んでいなかったらどうしよう……?
2:白鳥が、私のことを好き……?
3:もし二人が、同じように巻き込まれいたとしたら……?
[備考]
※参戦時期は五巻19話、琴岡と喧嘩別れした後~朝倉と出会う前。
[状態]:健康、焦燥(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:生きて元の世界に帰る。
1:出来れば白鳥と琴岡に謝りたい。でも、琴岡は私と仲直りを望んでいなかったらどうしよう……?
2:白鳥が、私のことを好き……?
3:もし二人が、同じように巻き込まれいたとしたら……?
[備考]
※参戦時期は五巻19話、琴岡と喧嘩別れした後~朝倉と出会う前。
【アルトリア・キャスター@Fate/Grand order】
[状態]:健康、主催への怒り
[装備]:ワンダー・ワンド@遊戯王OCG
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2
[思考]
基本:あの人たちを助けるために元の世界に戻って、使命を果たす。
1:なんて時に呼び出してくれたんですかあの魔王!?(半ギレ)
2:彼女(鷲尾)の事は放っておけない。
3:もしかしたら、あの星の正体が、わかるかもしれない。
[備考]
※参戦時期は29節、キャメロットのモルガンの玉座に向かおうとしている最中。
※鷲尾の秘密に気づいています。
※妖精眼に関する制限は後続の書き手にお任せします。
[状態]:健康、主催への怒り
[装備]:ワンダー・ワンド@遊戯王OCG
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2
[思考]
基本:あの人たちを助けるために元の世界に戻って、使命を果たす。
1:なんて時に呼び出してくれたんですかあの魔王!?(半ギレ)
2:彼女(鷲尾)の事は放っておけない。
3:もしかしたら、あの星の正体が、わかるかもしれない。
[備考]
※参戦時期は29節、キャメロットのモルガンの玉座に向かおうとしている最中。
※鷲尾の秘密に気づいています。
※妖精眼に関する制限は後続の書き手にお任せします。
『NPC紹介』
【シャドウ・グール@遊戯王OCG】
星5/闇属性/アンデット族/攻1600/守1300
影に隠れ、相手の背後から襲いかかる!
【シャドウ・グール@遊戯王OCG】
星5/闇属性/アンデット族/攻1600/守1300
影に隠れ、相手の背後から襲いかかる!
『支給品紹介』
【ワンダー・ワンド@遊戯王OCG】
アルトリア・キャスターに支給。先端に緑の水晶がが施されたワンド。
【ワンダー・ワンド@遊戯王OCG】
アルトリア・キャスターに支給。先端に緑の水晶がが施されたワンド。