溜息を吐きながら殺し合いの舞台を歩く、一人妙齢の女性。
結んだ紅色の髪を揺らし、茶褐色の制服を着こなす姿は気品のある顔立ち。
どこかの令嬢とも受け取れるような端麗な姿をしているが、
実際に彼女は名家の御嬢様と言う肩書が存在している。
なので、ある意味その認識は間違ってるものではないだろう。
結んだ紅色の髪を揺らし、茶褐色の制服を着こなす姿は気品のある顔立ち。
どこかの令嬢とも受け取れるような端麗な姿をしているが、
実際に彼女は名家の御嬢様と言う肩書が存在している。
なので、ある意味その認識は間違ってるものではないだろう。
「頭の痛い状況ですこと。」
今の状況に溜息を吐きながら額に手を当てる。
頭を悩ませる仕草の一挙手一投足、どれもが嫋やかに感じさせるものだ。
彼女、此花寿々花は荒魂を祓う巫女『刀使』と呼ばれる仕事をしている。
諸々の事情で療養していたが、今はハ・デスなる存在に殺し合いを強要された一参加者に過ぎない。
頭を悩ませる仕草の一挙手一投足、どれもが嫋やかに感じさせるものだ。
彼女、此花寿々花は荒魂を祓う巫女『刀使』と呼ばれる仕事をしている。
諸々の事情で療養していたが、今はハ・デスなる存在に殺し合いを強要された一参加者に過ぎない。
(少なくともこれは荒魂関連ではないことは分かりますが、一体……)
タギツヒメと言った超常的な存在には縁はあるが、
このような状況に追い込まれた経験は彼女にはない。
人の悪意や悦楽と言ったものすら感じられる殺し合いは、
タギツヒメが関与してることではないだろうことは十分に伺える。
彼女が殺し合いに招くのであれば、まず筆頭は折神紫のほうだ。
療養してる自分の存在を放り込む意味も薄いのだから。
このような状況に追い込まれた経験は彼女にはない。
人の悪意や悦楽と言ったものすら感じられる殺し合いは、
タギツヒメが関与してることではないだろうことは十分に伺える。
彼女が殺し合いに招くのであれば、まず筆頭は折神紫のほうだ。
療養してる自分の存在を放り込む意味も薄いのだから。
「仕方ありませんわね。余り刀使が解決する事柄ではないのですが。」
やれやれと言いたげに溜息を吐く。
刀使は本来は荒魂専門の、所謂公務員のような立場であり、
同時に荒魂以外の事件には関与してはならないように制定された。
とは言え、この状況ではそうも言ってられないことは分かり切ったことだ。
この状況が警察どころか、刀使であっても解決が容易でないのだから。
刀使である以上御刀は必須。だから武器になるものはないかと、
支給品を漁ってみれば出てきたものに彼女は一瞬思考が止まる。
刀使は本来は荒魂専門の、所謂公務員のような立場であり、
同時に荒魂以外の事件には関与してはならないように制定された。
とは言え、この状況ではそうも言ってられないことは分かり切ったことだ。
この状況が警察どころか、刀使であっても解決が容易でないのだから。
刀使である以上御刀は必須。だから武器になるものはないかと、
支給品を漁ってみれば出てきたものに彼女は一瞬思考が止まる。
「……ふざけたことをしてくれますわね、本当に。」
出てきたものを握り締めると、彼女は憤りを隠せない。
刀使は神力を引き出す為には御刀が必ず必要になるが、
出てきたのは確かに刀である上に、それは紛れもなく御刀。
自分が用いる九字兼定ではない。長さも少しばかりこちらが長い。
しかし、その武器の姿には酷く見覚えのあるものだった。
イチゴ大福ネコのストラップがなくともこれが何かはわかる。
デフォルメされた兎のシールが貼られた鞘なんて、一振りしかいない。
刀使は神力を引き出す為には御刀が必ず必要になるが、
出てきたのは確かに刀である上に、それは紛れもなく御刀。
自分が用いる九字兼定ではない。長さも少しばかりこちらが長い。
しかし、その武器の姿には酷く見覚えのあるものだった。
イチゴ大福ネコのストラップがなくともこれが何かはわかる。
デフォルメされた兎のシールが貼られた鞘なんて、一振りしかいない。
「にっかり青江……」
折神親衛隊の一人であり今は亡き仲間、燕結芽の御刀。
命を落とした彼女を埋葬と言う名の処置を施した後、
この御刀の行方がどうなったについては分からなかったが、
こんな形でこの御刀と出会うとは全く思わなかった。
こうして再会したことに関して、怒りがこみ上げてくる。
生者を今もこうして弄び、死者である結芽の墓荒らしでもするかのような、
人をあざ笑うかのようなその所業は、感情的な同僚を諫める彼女とて看過することはできない。
命を落とした彼女を埋葬と言う名の処置を施した後、
この御刀の行方がどうなったについては分からなかったが、
こんな形でこの御刀と出会うとは全く思わなかった。
こうして再会したことに関して、怒りがこみ上げてくる。
生者を今もこうして弄び、死者である結芽の墓荒らしでもするかのような、
人をあざ笑うかのようなその所業は、感情的な同僚を諫める彼女とて看過することはできない。
「冥界の魔王と仰いましたか。
さしずめこれは自身の名の肩書き、
それを証明の一端としたいのでしょう。
ですがその私『達』への宣戦布告、後悔させてあげますわ。」
さしずめこれは自身の名の肩書き、
それを証明の一端としたいのでしょう。
ですがその私『達』への宣戦布告、後悔させてあげますわ。」
御刀を抜いて、彼方を見ながら宣誓する。
一筋縄ではいかない。それはたとえ折神紫であっても、
嘗てタギツヒメと立ち回ったあの六人でも同じことだ。
否、下手をすればあの時突入した六人よりも無謀だろう。
此処には彼女達のような信頼できる仲間も、武装も何もない。
あるのは嘗ての仲間が握っていた御刀、精々それぐらいだ。
だからと言って諦めるようなら、長年同僚をライバル視などしていない。
一筋縄ではいかない。それはたとえ折神紫であっても、
嘗てタギツヒメと立ち回ったあの六人でも同じことだ。
否、下手をすればあの時突入した六人よりも無謀だろう。
此処には彼女達のような信頼できる仲間も、武装も何もない。
あるのは嘗ての仲間が握っていた御刀、精々それぐらいだ。
だからと言って諦めるようなら、長年同僚をライバル視などしていない。
「暫くの間借りますわよ、結芽。」
一言断りながら御刀を抜いて写シ、迅移などをやってみると、
自分が持つべき御刀でしかできないはずの能力の行使ができる。
理屈は分からない。彼女は政治方面の仕事もこなしていたはいたが、
この手のことに理解があるタイプの発想力はないため、考えるのはやめた。
一先ず、普段の御刀とは違う為間合いや重さに慣れようと軽く素振りをする。
練習試合と言った類で結芽と相対した都合、何度も戦った御刀ではあるものの。
いざこうして使ってみると数センチ程度の差は勝手の違いが出て少しばかり振り回される。
まるで、奔放な性格をした結芽のようだ。
自分が持つべき御刀でしかできないはずの能力の行使ができる。
理屈は分からない。彼女は政治方面の仕事もこなしていたはいたが、
この手のことに理解があるタイプの発想力はないため、考えるのはやめた。
一先ず、普段の御刀とは違う為間合いや重さに慣れようと軽く素振りをする。
練習試合と言った類で結芽と相対した都合、何度も戦った御刀ではあるものの。
いざこうして使ってみると数センチ程度の差は勝手の違いが出て少しばかり振り回される。
まるで、奔放な性格をした結芽のようだ。
「へー、結構な太刀筋じゃないの。」
「!」
咄嗟に聞こえた声に思わず迅移で距離を取る。
周囲に人がいるとは思っておらず、警戒心を強めていく。
今のが不意打ちであれば、ただでは済まなかったのだから。
周囲に人がいるとは思っておらず、警戒心を強めていく。
今のが不意打ちであれば、ただでは済まなかったのだから。
「あ、ごめんごめん。こっちは殺し合いする気ないから、気にせずどーぞ。」
相手は彼女よりは年上ではあるだろう、黒スーツにコートを羽織った成人男性だ。
ヘラヘラと笑いながらお構いなくと手を振っているものの、当然スルーなどできない。
というより、ヘラヘラしてるくせに視線は此方を注意深く見て全く油断してない様子だ。
仮に敵であっても、相手が無手の今斬りかかっても明確に仕留められるとは感じにくい。
ヘラヘラと笑いながらお構いなくと手を振っているものの、当然スルーなどできない。
というより、ヘラヘラしてるくせに視線は此方を注意深く見て全く油断してない様子だ。
仮に敵であっても、相手が無手の今斬りかかっても明確に仕留められるとは感じにくい。
(能ある鷹は爪を隠す。警戒を怠ると危険とみますが……)
一方で不意打ちはできたであろうこの状況で、
それをしてこないと言うことは相手は敵の可能性は薄い。
結芽のように本気の相手と戦いたいから声をかけた、
とかの可能性もあるので楽観視はしないでおく。
それをしてこないと言うことは相手は敵の可能性は薄い。
結芽のように本気の相手と戦いたいから声をかけた、
とかの可能性もあるので楽観視はしないでおく。
「貴方が殺し合いをしないのであれば、
そんなことはせずに早急に協力を求めるのが定石かと。
それとも、貴方は別に乗らないと言うわけではないとでも?」
そんなことはせずに早急に協力を求めるのが定石かと。
それとも、貴方は別に乗らないと言うわけではないとでも?」
「あー、そういうつもりはないんだ。
殺し合いもするつもりはないんだが、ちょいと色々あってさ。
言う前に一つ。おたくってオカルトとかファンタジーって信じる?」
殺し合いもするつもりはないんだが、ちょいと色々あってさ。
言う前に一つ。おたくってオカルトとかファンタジーって信じる?」
「一応は、信じる側にはなるかと。」
荒魂の存在が大分オカルトやファンタジーに足を突っ込んでいる。
あれがどのような手段で意志を持てるのか、何故ノロができるのか。
そういった存在は十分に、オカルトだなんだとそっち系の分類になるだろう。
しかし、その返事が一体何を意味するのかは理解しかねるものだったが、
すぐに分理解させられる。彼女が日本人であるならば、当然の反応で。
あれがどのような手段で意志を持てるのか、何故ノロができるのか。
そういった存在は十分に、オカルトだなんだとそっち系の分類になるだろう。
しかし、その返事が一体何を意味するのかは理解しかねるものだったが、
すぐに分理解させられる。彼女が日本人であるならば、当然の反応で。
「んじゃ、名乗るとするかな。」
「俺は新選組の三番隊隊長、斎藤一。一ちゃん……は、なしでよろしく。」
「……はい?」
笑顔と共に出された名前に、気の抜けた声で返してしまう。
斎藤一と名乗った人物。最初は寿々花も何を言ってるのか分からなかったが、
斎藤一と名乗った人物。最初は寿々花も何を言ってるのか分からなかったが、
「理解が追いつきませんわ。」
話を聞いてみればもっと頭を抱えるような内容でしかない。
サーヴァント、マスター、聖杯、人理、異聞帯(ロストベルト)。
次から次へと飛び交う数々の固有名詞は彼女でも悩ませるものだ。
しかも、今目の前にいる飄々とした彼があの歴史で名高い斎藤一なのかと。
歴史オタクと言うわけではないにしても、イメージとは大分かけ離れている。
サーヴァント、マスター、聖杯、人理、異聞帯(ロストベルト)。
次から次へと飛び交う数々の固有名詞は彼女でも悩ませるものだ。
しかも、今目の前にいる飄々とした彼があの歴史で名高い斎藤一なのかと。
歴史オタクと言うわけではないにしても、イメージとは大分かけ離れている。
「ま、そりゃそうだろうね。別に無理に信じなくてもいいよ。
生憎と、その名前の通りに色々言われるのは慣れてるわけだし。
あ、一応神秘の秘匿? とかあるから、必要以上に言わないでねこれ。」
生憎と、その名前の通りに色々言われるのは慣れてるわけだし。
あ、一応神秘の秘匿? とかあるから、必要以上に言わないでねこれ。」
「荒唐無稽なことを言って信用を落とせば、
後が困るでしょうから貴方はあの斎藤一本人でしょう……恐らく、
と付け足さざるを得ないことは、申し訳ありませんが加えさせていただきますわ。」
後が困るでしょうから貴方はあの斎藤一本人でしょう……恐らく、
と付け足さざるを得ないことは、申し訳ありませんが加えさせていただきますわ。」
相変わらず飄々とした雰囲気なのでそのまま流す。
歴史上の人物であるし彼と出会ったことはないので、
一概に本人だと納得はしかねるが、こんなところで重度のコスプレイヤーとか、
そんな人物がいると思う方があって欲しくないので一先ずそっちで納得する。
彼が纏う雰囲気が常人のそれではないのも一応は信用した要因でもあるのだが。
歴史上の人物であるし彼と出会ったことはないので、
一概に本人だと納得はしかねるが、こんなところで重度のコスプレイヤーとか、
そんな人物がいると思う方があって欲しくないので一先ずそっちで納得する。
彼が纏う雰囲気が常人のそれではないのも一応は信用した要因でもあるのだが。
「トジにアラダマねぇ……異聞帯の人間って言っても、
地域的にあり得ないか。君日本人だしどうあっても交わらないよね。」
地域的にあり得ないか。君日本人だしどうあっても交わらないよね。」
「私にそれを尋ねられても困るのですが。」
「だよねー。」
異聞帯(ロストベルト)。
剪定されてしまった別の人類史。
カルデアが目指す(殺す)別の人類史。
真っ先に思ったのはそっち側の人物かと思うも、
ただ、斉藤の言う通り異聞帯は日本には存在しない。
彼女が異聞帯の人間であることはまずありえないことだ。
もし残ってる異聞帯が日本文化と融合してしまった場所だとか、
特殊な微小特異点とかであれば話は別かもしれないが、それ以上は考えないことにした。
そういうのはカルデアの人達や頭脳に長けたサーヴァントに頼るべき事柄であり、
自称マイナー剣士と名乗る彼がするべき領分ではない。
剪定されてしまった別の人類史。
カルデアが目指す(殺す)別の人類史。
真っ先に思ったのはそっち側の人物かと思うも、
ただ、斉藤の言う通り異聞帯は日本には存在しない。
彼女が異聞帯の人間であることはまずありえないことだ。
もし残ってる異聞帯が日本文化と融合してしまった場所だとか、
特殊な微小特異点とかであれば話は別かもしれないが、それ以上は考えないことにした。
そういうのはカルデアの人達や頭脳に長けたサーヴァントに頼るべき事柄であり、
自称マイナー剣士と名乗る彼がするべき領分ではない。
「となると、もっと違う別の何かってとこかな。」
特異点でも異聞帯とも違う、異星の神とも無関係な存在か。
なんにせよ、今の斎藤一は汎人類史の側で召喚されてることだ。
マスターやカルデアの職員がいた場合のことを想定しておきたい。
ただでさえ過酷なのだから、いないでほしいのが本音ではあるが。
なんにせよ、今の斎藤一は汎人類史の側で召喚されてることだ。
マスターやカルデアの職員がいた場合のことを想定しておきたい。
ただでさえ過酷なのだから、いないでほしいのが本音ではあるが。
「それで、そっちはどうする? 胡散臭いマイナー剣士の同行とはお断りかい?」
「貴方がマイナーな剣士であれば、
世の剣士の大半はマイナーになりますが……まあいいですわ。
エリアが広すぎる以上、固まって動くのは得策ではないでしょうが、
私は本来の力が取り戻せてない状況。此方からお誘いするつもりでした。」
世の剣士の大半はマイナーになりますが……まあいいですわ。
エリアが広すぎる以上、固まって動くのは得策ではないでしょうが、
私は本来の力が取り戻せてない状況。此方からお誘いするつもりでした。」
刀使の力は何故か九字兼定ではないのに行使できるが、
本来の力よりも劣っている。本来以上の力は余り期待できない。
もしも参加者にタギツヒメがいようものなら、まず確実に敗北する。
あるいはそれに匹敵するだけの強者がいるならば猶更危険だ。
自分の御刀が手に入るまでの間は、彼と行動するのが得策だろう。
マスターがいないと言ってもサーヴァントならば常人よりも十分に強い。
本来の力よりも劣っている。本来以上の力は余り期待できない。
もしも参加者にタギツヒメがいようものなら、まず確実に敗北する。
あるいはそれに匹敵するだけの強者がいるならば猶更危険だ。
自分の御刀が手に入るまでの間は、彼と行動するのが得策だろう。
マスターがいないと言ってもサーヴァントならば常人よりも十分に強い。
「だったらよろしく頼むよ、此花さん。
俺は斬ることと逃げること以外は期待しないでくれよ?」
俺は斬ることと逃げること以外は期待しないでくれよ?」
「逃げる、と言ういい方は余り好みませんわ。
戦略的撤退、生き延びることもまた役割の一つかと。
貴方の場合移り気のある人間、と呼ぶのは失礼でしょうし。」
戦略的撤退、生き延びることもまた役割の一つかと。
貴方の場合移り気のある人間、と呼ぶのは失礼でしょうし。」
斎藤一は新選組で最も長生きした男だ。
世渡り上手、と言う言い方は彼には失礼だろうが、
戊辰戦争を筆頭に死を回避し、当時としては長寿な七十歳以上も生きながらえた。
完全に本物かどうかは疑わしくは思うが、そうであれば彼の優れた判断能力は頼れる部分だ。
世渡り上手、と言う言い方は彼には失礼だろうが、
戊辰戦争を筆頭に死を回避し、当時としては長寿な七十歳以上も生きながらえた。
完全に本物かどうかは疑わしくは思うが、そうであれば彼の優れた判断能力は頼れる部分だ。
「そう言われると照れくさいなあ。
つっても、そんときは此花さんが逃げ優先で。
俺は影法師。過去の亡霊みたいなもんなんでね。
だからと言って簡単に死に急ぐつもりはないけども。
マスターちゃんとかいたら、もっと死ぬわけにはいかないんで。」
つっても、そんときは此花さんが逃げ優先で。
俺は影法師。過去の亡霊みたいなもんなんでね。
だからと言って簡単に死に急ぐつもりはないけども。
マスターちゃんとかいたら、もっと死ぬわけにはいかないんで。」
「そういうのであれば……ところで、貴方は刀はありませんの?」
斎藤一であるのならば、
刀の一本ぐらいあってもいいはずだが、
どうも無手の状態で少しばかり訝る。
刀の一本ぐらいあってもいいはずだが、
どうも無手の状態で少しばかり訝る。
「あるけど使いたくないんだよねぇ。これなんだけど───」
「ッ!」
そう言って支給品の中から出てきたのは赤黒い鞘の刀。
彼が少しだけ鞘から抜いた瞬間、怖気が走り思わず距離を取って御刀を抜く。
彼が少しだけ鞘から抜いた瞬間、怖気が走り思わず距離を取って御刀を抜く。
「気付いただろ? これは誰かが使ってた妖刀さ。
使う奴にも降りかかる呪い付きでね。使いたくないでしょ? これ。」
使う奴にも降りかかる呪い付きでね。使いたくないでしょ? これ。」
「……失礼しましたわ。」
彼はサーヴァント、常人を超えた存在だ。
使えば鬼に金棒と言ったものかもしれない。
一方でデメリットも十分に備わっている代物。
どれだけ戦うのか分からない中、そんなもの使う気にはなれないのは、
ノロを受け入れた寿々花も理解していることであり、すぐに御刀を収める。
使えば鬼に金棒と言ったものかもしれない。
一方でデメリットも十分に備わっている代物。
どれだけ戦うのか分からない中、そんなもの使う気にはなれないのは、
ノロを受け入れた寿々花も理解していることであり、すぐに御刀を収める。
「そういうことで俺は現在殴る蹴るしかできないんだわ。
そっちに刀はない? 二本あれば最高なんだけども……」
そっちに刀はない? 二本あれば最高なんだけども……」
「残念ながらありませんわ。そしてこの御刀もいわば形見。
貴方に貸すことについては、状況次第とさせてもらいますわ。」
貴方に貸すことについては、状況次第とさせてもらいますわ。」
「残念、って言いたいがそんな大事なものじゃ、
こっちだって進んで使いたいって思わないから安心しなって。
ただ、マジでやばくなったら流石に借りるからそこは割り切ってくれる?」
こっちだって進んで使いたいって思わないから安心しなって。
ただ、マジでやばくなったら流石に借りるからそこは割り切ってくれる?」
「ええ、そこはお願いしますわ。」
「じゃ、一先ず適当に放浪しますか。」
話もひと段落付いて、二人は動くこととする。
此処からは会話に費やした時間を取り戻すように、
迅移とサーヴァントのスペックを以って素早く動き出す。
力が劣ってると言えども、迅移の速度についていけている。
それだけで彼の言っていた英霊の存在は本物であるという証明には足りうるものだ。
訝っていた自分が軽く馬鹿らしく感じてしまう。
此処からは会話に費やした時間を取り戻すように、
迅移とサーヴァントのスペックを以って素早く動き出す。
力が劣ってると言えども、迅移の速度についていけている。
それだけで彼の言っていた英霊の存在は本物であるという証明には足りうるものだ。
訝っていた自分が軽く馬鹿らしく感じてしまう。
(それにしても新選組……これも因果かしら。)
斎藤一は元々暗部での仕事が多いから他にも不明なことも多い。
流派も、出自も不明。謎の多い人物として紹介されることもザラで、
創作物においては色んなトンデモ説を使った話も存在してる。
ただ数少ない彼と言う人物に対してわかることとして、
彼の流派はともかくとして、彼が属した新選組の流派である天然理心流は、
燕芽の流派と同じでもあるのだから。
流派も、出自も不明。謎の多い人物として紹介されることもザラで、
創作物においては色んなトンデモ説を使った話も存在してる。
ただ数少ない彼と言う人物に対してわかることとして、
彼の流派はともかくとして、彼が属した新選組の流派である天然理心流は、
燕芽の流派と同じでもあるのだから。
【此花寿々花@刀使ノ巫女】
[状態]:主催に対する怒り
[装備]:にっかり青江@刀使ノ巫女
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2(刀はない)
[思考・状況]基本方針:殺し合いには乗りませんが、敵を斬らないつもりはありませんわ。
1:斎藤一と行動する。
[状態]:主催に対する怒り
[装備]:にっかり青江@刀使ノ巫女
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2(刀はない)
[思考・状況]基本方針:殺し合いには乗りませんが、敵を斬らないつもりはありませんわ。
1:斎藤一と行動する。
[備考]
※参戦時期は真希が独断行動中。
アニメか刻みし一閃の燈火かは現時点では不明。
後者であった場合、結芽救出の旨はまだ伝えられてません。
※御刀は九字兼定ではありませんが刀使の力は行使可能です。
ただし本来の力よりも落ちてます。
※参戦時期は真希が独断行動中。
アニメか刻みし一閃の燈火かは現時点では不明。
後者であった場合、結芽救出の旨はまだ伝えられてません。
※御刀は九字兼定ではありませんが刀使の力は行使可能です。
ただし本来の力よりも落ちてます。
【斎藤一@Fate/Grand Order】
[状態]:マスター不在によるステータス低下
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2(刀はない)、アズサの妖刀@グランブルーファンタジー
[思考・状況]基本方針:新選組らしくやりますよって。
1:マスターちゃん達いる? いない方がいいんだけど。
2:此花ちゃんと暫く行動してみる。
3:最悪妖刀に頼るしかないのはいやだねぇ。
[状態]:マスター不在によるステータス低下
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2(刀はない)、アズサの妖刀@グランブルーファンタジー
[思考・状況]基本方針:新選組らしくやりますよって。
1:マスターちゃん達いる? いない方がいいんだけど。
2:此花ちゃんと暫く行動してみる。
3:最悪妖刀に頼るしかないのはいやだねぇ。
[備考]
※参戦時期は少なくともノウム・カルデア(二部三章)完成以降、
かつカルデアに召喚された斎藤一です。
※マスターが不在の為ステータスが低下しています。
契約次第でステータスが上下しますが、令呪がつくかは不明です
※参戦時期は少なくともノウム・カルデア(二部三章)完成以降、
かつカルデアに召喚された斎藤一です。
※マスターが不在の為ステータスが低下しています。
契約次第でステータスが上下しますが、令呪がつくかは不明です
【にっかり青江@刀使ノ巫女】
此花寿々花に支給。元々は燕結芽が用いていた御刀。
珠鋼という特殊な金属で出来た日本刀で折れず錆びない。
御刀に選ばれた者は刀使として写シなどの能力が使用できるが、
首輪の影響か選ばれてなくとも刀使であれば能力が行使できる。
元々は鞘にイチゴ大福ネコのストラップがあったが、
これは彼女の同僚が形見として持ち歩いている為ない。
ただ、鞘には可愛らしい兎のシールが貼られてる。
此花寿々花に支給。元々は燕結芽が用いていた御刀。
珠鋼という特殊な金属で出来た日本刀で折れず錆びない。
御刀に選ばれた者は刀使として写シなどの能力が使用できるが、
首輪の影響か選ばれてなくとも刀使であれば能力が行使できる。
元々は鞘にイチゴ大福ネコのストラップがあったが、
これは彼女の同僚が形見として持ち歩いている為ない。
ただ、鞘には可愛らしい兎のシールが貼られてる。
【アズサの妖刀@グランブルーファンタジー】
斎藤一に支給。嘗てアズサがしゃれこうべが転がる廃村で手にした妖刀。
星の力を喰らったことで斬った相手を老若の呪い、要するに幼くすることができる。
薄皮一枚程度でも斬れば二十代の女性を子供に子供に変える程度には若返るが、
若返りは一個人に対して一度きりで、どの程度若返るか不明。個人差はあるかも。
妖刀であるため使用者の肉体を蝕み出血、視力低下など何が起きるかは分からない。
妖刀が砕かれれば呪いの進行は止まり、斬られた相手も元に戻る。
斎藤一に支給。嘗てアズサがしゃれこうべが転がる廃村で手にした妖刀。
星の力を喰らったことで斬った相手を老若の呪い、要するに幼くすることができる。
薄皮一枚程度でも斬れば二十代の女性を子供に子供に変える程度には若返るが、
若返りは一個人に対して一度きりで、どの程度若返るか不明。個人差はあるかも。
妖刀であるため使用者の肉体を蝕み出血、視力低下など何が起きるかは分からない。
妖刀が砕かれれば呪いの進行は止まり、斬られた相手も元に戻る。