「冥界の魔王ね……閻魔とは違うのかしら?」
会場のどこかで、一人の少女が物思いにふける。
ピンクなのか紫色なのか判断しがたい髪色と、胸元に浮かぶ目玉が特徴的な彼女の名前は古明地さとり。
旧地獄の地霊殿の主である。
ピンクなのか紫色なのか判断しがたい髪色と、胸元に浮かぶ目玉が特徴的な彼女の名前は古明地さとり。
旧地獄の地霊殿の主である。
彼女が考えるのはハ・デスのこと。
外見に驚くことはないが、いきなり招かれたデュエルには流石に驚く。
ハ・デスが何を思ってこんなことをしたのか、なぜ自分も参加者に選ばれたのか、疑問は尽きない。
しかし現状では情報が無さ過ぎて、何を考えるのも難しい。
外見に驚くことはないが、いきなり招かれたデュエルには流石に驚く。
ハ・デスが何を思ってこんなことをしたのか、なぜ自分も参加者に選ばれたのか、疑問は尽きない。
しかし現状では情報が無さ過ぎて、何を考えるのも難しい。
「おまけに私の能力も効かないし」
さらにいうなら、さとりの持つ能力もハ・デスとその前に出てきた磯野には通用しなかった。
彼女には『心を読む程度の能力』があるが、主催者は自分達の目論見が漏れないように対策を立てていたのだ。
対策を立てることは理解できるが、それはそれとして自身の能力を誇りに思う彼女としては、ハ・デスの存在は許しがたいものだった。
故に彼女の行動方針は、いかなる手を以てしてもハ・デスを倒すこととなる。
彼女には『心を読む程度の能力』があるが、主催者は自分達の目論見が漏れないように対策を立てていたのだ。
対策を立てることは理解できるが、それはそれとして自身の能力を誇りに思う彼女としては、ハ・デスの存在は許しがたいものだった。
故に彼女の行動方針は、いかなる手を以てしてもハ・デスを倒すこととなる。
その為にはやはり他の参加者、特に最初の場で遊戯と呼ばれていた少年と接触するのが必須だろう。
正直、地底の嫌われ者と仲良しこよしできる人間が居るのか、という疑問はさとりの中にもあるが、接触しないという選択肢もないので、ある程度は出たとこ勝負で行くことにした。
正直、地底の嫌われ者と仲良しこよしできる人間が居るのか、という疑問はさとりの中にもあるが、接触しないという選択肢もないので、ある程度は出たとこ勝負で行くことにした。
「ブブブブヒィィィィィーーーーーー!!」
するといきなり、どこからともなく叫び声が聞こえる。
さとりが声のする方を見ると、少し離れた所に一人の男がこちらを見ながら吠えていた。
どこか蟹を思い起こされる特徴的な男は一通り吠えると、何事もなかったかのように自己紹介を始める。
さとりが声のする方を見ると、少し離れた所に一人の男がこちらを見ながら吠えていた。
どこか蟹を思い起こされる特徴的な男は一通り吠えると、何事もなかったかのように自己紹介を始める。
「俺の名前は不動遊星」
「……っ!?」
「……っ!?」
遊星と名乗った男の心を読もうとするさとり。しかしそこで彼女は二つの衝撃に襲われ、思わず顔をしかめる。
まず、単純に心が読み辛くなっている。心を読もうとするだけで、体に少し負担がかかるのだ。
これは直接的な戦闘だけでなく、騙しあいや蹴落としあいを見たい主催者が、それを台無しにしかねない彼女の能力に枷を掛けたのだと理解できる。
しかし、もう一つはそうはいかない。
さとりには理解できないが、なぜか制限とは別に遊星の心が読み辛いのだ。
まるで、本来の在り方から歪められ心の在り方が変わり、あるべき光景が映らないかのように。
まず、単純に心が読み辛くなっている。心を読もうとするだけで、体に少し負担がかかるのだ。
これは直接的な戦闘だけでなく、騙しあいや蹴落としあいを見たい主催者が、それを台無しにしかねない彼女の能力に枷を掛けたのだと理解できる。
しかし、もう一つはそうはいかない。
さとりには理解できないが、なぜか制限とは別に遊星の心が読み辛いのだ。
まるで、本来の在り方から歪められ心の在り方が変わり、あるべき光景が映らないかのように。
「大丈夫か!?」
「……ええ、問題ないわ」
「……ええ、問題ないわ」
そんなさとりの葛藤など露知らず、遊星はいきなり顔をしかめた目の前の少女を心配する。
それに適当な返答をしながら、さとりもまた自己紹介をする。
それに適当な返答をしながら、さとりもまた自己紹介をする。
「古明地さとりよ。地霊殿の主にして――」
「そうか。ならさとり!」
「そうか。ならさとり!」
しかしその自己紹介は遊星に遮られる。
さとりがそれを不愉快に思うよりも先には、彼は力強く彼女にあることを求めた。
さとりがそれを不愉快に思うよりも先には、彼は力強く彼女にあることを求めた。
「俺と[ピー]しろぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!!」
「……はい?」
「……はい?」
いきなり叫んだことと、内容に思わず思考が止まるさとり。
ちなみに諸事情で伏字になっているものの、遊星が求めているのはいわゆる性的な行為である。
ちなみに諸事情で伏字になっているものの、遊星が求めているのはいわゆる性的な行為である。
さとりとしては驚愕しかない。
この状況でそんなことをやりたがる精神と、相手がさとり妖怪とも知らず性欲を抱く彼の滑稽さに。
故に、彼女からすれば目の前の相手はいっそ新鮮とすら思えた。
だがいくら新鮮でも、こういえばさっきの言葉を取り消すだろうと判断して彼女は遊星に言葉を返す。
この状況でそんなことをやりたがる精神と、相手がさとり妖怪とも知らず性欲を抱く彼の滑稽さに。
故に、彼女からすれば目の前の相手はいっそ新鮮とすら思えた。
だがいくら新鮮でも、こういえばさっきの言葉を取り消すだろうと判断して彼女は遊星に言葉を返す。
「言っておきますが、私は人間ではありません。さとり妖怪ですよ?」
「そんなことはどうでもいい!!」
「 」
「そんなことはどうでもいい!!」
「 」
遊星の力強すぎる断言に、言葉を失うさとり。
もしかして自分が知らないだけで、人間の男とはこんなのばっかりなのだろうか、とすら思ってしまう。
あるいは、さとり妖怪がどういう物か知られていないのだろうか。
もしかして自分が知らないだけで、人間の男とはこんなのばっかりなのだろうか、とすら思ってしまう。
あるいは、さとり妖怪がどういう物か知られていないのだろうか。
「はぁ……はぁ……」
さとりの思考など関係なく、息を荒げ始める遊星。
ここで彼女は、目の前の相手を殺すことを視野に入れ始めた。
正直鬱陶しいと同時に、もしかしたらいるかもしれない妹やペットに危害を加えそうな存在を、見過ごす道理もないのだ。
ここで彼女は、目の前の相手を殺すことを視野に入れ始めた。
正直鬱陶しいと同時に、もしかしたらいるかもしれない妹やペットに危害を加えそうな存在を、見過ごす道理もないのだ。
さて、ここまで読んだ方の中には「不動遊星はこんなキャラじゃないだろ! いい加減にしろ!!」と思う方もいるだろう。
まず、不動遊星とは『遊戯王5'Ds』の主人公であり、仲間との絆を胸に戦う決闘者である。変人な部分はあるものの、断じて変態ではない。
しかし彼は本編の遊星ではなく、遊戯王MADシリーズの一つ『やりたい放題シリーズ』の遊星である。
このシリーズでは大抵、彼は女キャラにブヒる変態キャラと化しているので、このロワでもそうなっているのだ。
まず、不動遊星とは『遊戯王5'Ds』の主人公であり、仲間との絆を胸に戦う決闘者である。変人な部分はあるものの、断じて変態ではない。
しかし彼は本編の遊星ではなく、遊戯王MADシリーズの一つ『やりたい放題シリーズ』の遊星である。
このシリーズでは大抵、彼は女キャラにブヒる変態キャラと化しているので、このロワでもそうなっているのだ。
さて、遊星の殺害を視野に入れ始めるさとりだが、彼の身勝手な欲望に否定的なのは彼女だけではない。
ここに、新たなる乱入者が現れる。
ここに、新たなる乱入者が現れる。
「何やってんだぁぁぁああああ!!」
遊星の身勝手な言動を非難する叫びが、彼とは違う場所から響き渡る。
さとりと遊星の二人が叫び声のする方を見ると、そこには銀髪で特徴的な前髪をした、褐色で二メートル程の大男が、強い怒りを携えた目をして遊星を睨んでいた。
しかし遊星は一歩も怯まない。
さとりと遊星の二人が叫び声のする方を見ると、そこには銀髪で特徴的な前髪をした、褐色で二メートル程の大男が、強い怒りを携えた目をして遊星を睨んでいた。
しかし遊星は一歩も怯まない。
「貴様は何者だ!?」
「俺は……鉄華団団長、オルガ・イツカだぞ……!!」
「!?」
「俺は……鉄華団団長、オルガ・イツカだぞ……!!」
「!?」
さっきまで元気に叫んでいたのに、急に息も絶え絶えで死にかけになるオルガに驚くさとり。
だがオルガはまた元気になったかと思うと、話を進める。
だがオルガはまた元気になったかと思うと、話を進める。
「なあ、お前状況分かってんのか?」
遊星に凄むオルガ。
彼は少女にいきなり性的な行為を求める遊星に怒っていた。
元々、非道な大人にゴミのように扱われる子供たち、ヒューマンデブリを少しでもなんとかしたかったオルガは、目の前の光景は決して許せないものにしか映らない。
それでもなお、遊星は自らを改めない。
彼は少女にいきなり性的な行為を求める遊星に怒っていた。
元々、非道な大人にゴミのように扱われる子供たち、ヒューマンデブリを少しでもなんとかしたかったオルガは、目の前の光景は決して許せないものにしか映らない。
それでもなお、遊星は自らを改めない。
「いいや、俺は正しいはずだ! お前は間違っている!!」
「そうかよ……なら、やっちまえ! ミカァ!!」
「そうかよ……なら、やっちまえ! ミカァ!!」
オルガ勢いよく叫ぶも何も起こらない、と思ったのもつかの間。
即座に上空数十メートルの地点に、推定二十メートルほどの巨大な人型兵器、ガンダムバルバトスが現れる。
即座に上空数十メートルの地点に、推定二十メートルほどの巨大な人型兵器、ガンダムバルバトスが現れる。
『慣性制御システム、スタスター全開』
バルバトスは腕にロケット砲を構え、遊星に向けて数発弾を発射してきた。
「おら逃げろお嬢さん!」
「滅茶苦茶するわねあなた……」
「滅茶苦茶するわねあなた……」
だが巨大な弾が人一人を正確に狙えるわけがない。
オルガは即座にさとりを逃がそうとする。
オルガは即座にさとりを逃がそうとする。
ここで、このオルガ・イツカについて解説しよう。
オルガ・イツカとは『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の主人公のうち一人である。ガンダムのキャラである以上、召喚なんてファンタジーなことはできない。
だがこのオルガは、他作品とのクロスと死ネタで一時期ブームを掻っ攫ったMADシリーズ『異世界オルガシリーズ』のオルガだ。
このシリーズでは、オルガが召喚で相棒の三日月・オーガスを呼び寄せる能力持ちなこともあるので、このロワでもそうなっているのだ。
ところで、異世界オルガシリーズのオルガにはもう一つ特徴がある。それは――
オルガ・イツカとは『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の主人公のうち一人である。ガンダムのキャラである以上、召喚なんてファンタジーなことはできない。
だがこのオルガは、他作品とのクロスと死ネタで一時期ブームを掻っ攫ったMADシリーズ『異世界オルガシリーズ』のオルガだ。
このシリーズでは、オルガが召喚で相棒の三日月・オーガスを呼び寄せる能力持ちなこともあるので、このロワでもそうなっているのだ。
ところで、異世界オルガシリーズのオルガにはもう一つ特徴がある。それは――
「うぉぉぉおおおお!!」
とにかく攻撃を吸引しやすいということ。
時に敵の、あるいは味方の攻撃を引き付けて、彼は死亡シーンを見せ続ける。
今回はバルバトスが放った砲弾の内一発が、オルガに命中したのだ。
時に敵の、あるいは味方の攻撃を引き付けて、彼は死亡シーンを見せ続ける。
今回はバルバトスが放った砲弾の内一発が、オルガに命中したのだ。
「だからよ、止まるんじゃねえぞ……」
そしてオルガは、一部の人なら親の顔より見たシーンと共にこの世を去っていった。
【オルガ・イツカ@異世界オルガシリーズ 死亡】
「じ、自分の召喚獣に殺された……!?」
目の前で起きた光景に戸惑いを隠せないさとり。
しかし、次の瞬間更に理解を超える出来事が起こる。
しかし、次の瞬間更に理解を超える出来事が起こる。
「……えっ!?」
なんと、さとりの目の前でオルガの遺体が首輪とデイパックを残して消失したのだ。
これはこのロワ特有の制限である。
これはこのロワ特有の制限である。
そもそも異世界オルガのオルガ・イツカは、極度の紙耐久の対価として蘇生能力を得ていることがほとんどだ。
しかしデスゲームにおいて、何度死んでも蘇る存在などペテン以外の何物でもない。
そこでハ・デスは、このオルガを死亡と共に異世界に転生させるよう仕向けていたのだ。
しかしデスゲームにおいて、何度死んでも蘇る存在などペテン以外の何物でもない。
そこでハ・デスは、このオルガを死亡と共に異世界に転生させるよう仕向けていたのだ。
そんな事実を知る術のないさとりのキャパシティは正直限界だが、だからと言って止まるわけにはいかないわけがある。
それは――
それは――
ズガァァアアン
轟音を響かせて、空中から落ちてきたバルバトスが着地し、巨大なメイスを遊星相手に振るい続けているからだ。正直、距離を取らないと巻き込まれかねない。
一方、直接狙われている遊星は、決闘者特有の超耐久と身体能力で必死に致命傷を回避し続けるが、いくらか続けていると限界が訪れた。
一方、直接狙われている遊星は、決闘者特有の超耐久と身体能力で必死に致命傷を回避し続けるが、いくらか続けていると限界が訪れた。
『お前、消えろよ』
「うわあああああああああああああああああ!!」
「うわあああああああああああああああああ!!」
バルバトスのメイスがついに遊星を捕らえ、彼はなすすべもなく飛んでいき、さとり達から離れた所へ飛んでいく。
これだと生死が分からないので、きちんとこう表記しておこう。
これだと生死が分からないので、きちんとこう表記しておこう。
【不動遊星@遊戯王MAD(やりたい放題シリーズ) 死亡】
こうして遊星を倒したバルバトスは、役目を終えたとばかりに消失する。
色々と頭が追いつかないさとりだが、とりあえず彼女はこう決断した。
色々と頭が追いつかないさとりだが、とりあえず彼女はこう決断した。
「逃げましょう」
さっきまでの戦闘はあまりにも轟音が響きすぎた。なので危険な参加者が集まりかねない。
そう考えたさとりは、何かに使えるかもしれないと考え、オルガのデイパックと首輪を携え、この場を逃げ出した。
そう考えたさとりは、何かに使えるかもしれないと考え、オルガのデイパックと首輪を携え、この場を逃げ出した。
【古明地さとり@東方project】
[状態]:健康、困惑
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3、オルガ・イツカのデイパック(基本支給品、ランダム支給品0~1)、オルガ・イツカの首輪
[思考・状況]基本方針:ハ・デスを倒す。一応このデュエルには乗らないつもり
1:とりあえずこの場から離れる
2:さっきまでのあれは何だったの……?
[備考]
※制限として、心が読める程度の能力を使用すると体に負担がかかるようになっています。
※制限とは別にミーム汚染、二次創作出展キャラの心が読み辛くなっています。
原作とキャラ乖離が大きいほど読めなくなります。
[状態]:健康、困惑
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3、オルガ・イツカのデイパック(基本支給品、ランダム支給品0~1)、オルガ・イツカの首輪
[思考・状況]基本方針:ハ・デスを倒す。一応このデュエルには乗らないつもり
1:とりあえずこの場から離れる
2:さっきまでのあれは何だったの……?
[備考]
※制限として、心が読める程度の能力を使用すると体に負担がかかるようになっています。
※制限とは別にミーム汚染、二次創作出展キャラの心が読み辛くなっています。
原作とキャラ乖離が大きいほど読めなくなります。
※不動遊星の遺体と彼のデイパック(基本支給品、ランダム支給品1~3)が会場のどこかに放置されています。
※会場のどこかで戦闘音が響き渡りました。周囲のエリアにいれば聞こえると思われます。
※会場のどこかで戦闘音が響き渡りました。周囲のエリアにいれば聞こえると思われます。
【三日月・オーガス@異世界オルガシリーズ】
オルガ・イツカの支給品扱いされているが、厳密には支給品ではない。
本ロワではオルガの魔力を消費することで召喚できる召喚獣扱いとなっている。
また、消費魔力量を増やすことでガンダムバルバトスに乗った状態で召喚できる。
さらに増やすことでバルバトスをルプス、ルプスレクス状態にすることも可能。
また、三日月だけで支給品二枠とっている。
オルガ・イツカの支給品扱いされているが、厳密には支給品ではない。
本ロワではオルガの魔力を消費することで召喚できる召喚獣扱いとなっている。
また、消費魔力量を増やすことでガンダムバルバトスに乗った状態で召喚できる。
さらに増やすことでバルバトスをルプス、ルプスレクス状態にすることも可能。
また、三日月だけで支給品二枠とっている。