『なんてことしてくれたのよ!!』
どうして…どうしてそんな事を言うんだ……
『のび太さんの責任よ!』
そんな……僕はただ……
『のび太さんなんか大っ嫌い!!!』
ふざけるな……ふざけるなよ……あのブタ野郎の犬に股を開いた売女が…!この俺を拒絶するだと…!?
「このアバズレがあああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」
怒りの咆哮と共に腕を振り回せば、もたれ掛かっていた大岩が粉砕された。
ハッと目を見開くとそこは見慣れたすすきヶ原の町ではない。
ハッと目を見開くとそこは見慣れたすすきヶ原の町ではない。
「夢、か…」
自らの声で悪夢から覚めたのび太は軽く頭を振り、ゆっくりと立ち上がる。
将来結婚するはずの自分を裏切り、成金のお坊ちゃんに抱かれたメス豚に罵倒された時の記憶。
あの女を手に掛け、自らの血肉とした感触はハッキリと思い出せる。
最愛の相手の命を奪ったという事実は、復讐に燃えるのび太を止めるには至らない。
将来結婚するはずの自分を裏切り、成金のお坊ちゃんに抱かれたメス豚に罵倒された時の記憶。
あの女を手に掛け、自らの血肉とした感触はハッキリと思い出せる。
最愛の相手の命を奪ったという事実は、復讐に燃えるのび太を止めるには至らない。
魔法を使う少女との戦闘中、第三者による超火力の不意打ちを受け傷を負った。
その後、傷を癒す為に手頃な場所で仮眠を取っていたのだ。
超人類となった為か普通の人間よりも回復する速度は上。
火傷の痛みこそ多少残っているものの、戦闘を行う分には全く問題ない。
その後、傷を癒す為に手頃な場所で仮眠を取っていたのだ。
超人類となった為か普通の人間よりも回復する速度は上。
火傷の痛みこそ多少残っているものの、戦闘を行う分には全く問題ない。
早速参加者を狩るべく動き出そうとした時、出鼻を挫くかのように巨大なモニターが現れた。
「神だと?ならば俺達は神の掌で踊る犬だとでも言うのか?」
放送が終わり、答えが返って来ないと理解しながらも疑問を口にする。
都合の良い駒として利用されるのにはウンザリだ。
だがのび太の目的は優勝し、憎きドラえもんに復讐すること。
気に喰わない男なのは間違いないが、自称神の相手をしている暇は無い。
名簿を確認した所、ドラえもんや同じく超人類計画の発案者であるドラミは不参加であると分かった。
ならばやる事は変わらない。デュエルだかゲームだか呼び名はどっちでも良いが、殺し合いに優勝してあの忌々しい青狸への復讐を果たす。
その為なら無数の屍を積み上げる事になっても構いはしない。
都合の良い駒として利用されるのにはウンザリだ。
だがのび太の目的は優勝し、憎きドラえもんに復讐すること。
気に喰わない男なのは間違いないが、自称神の相手をしている暇は無い。
名簿を確認した所、ドラえもんや同じく超人類計画の発案者であるドラミは不参加であると分かった。
ならばやる事は変わらない。デュエルだかゲームだか呼び名はどっちでも良いが、殺し合いに優勝してあの忌々しい青狸への復讐を果たす。
その為なら無数の屍を積み上げる事になっても構いはしない。
今度こそ獲物を探すべく移動を開始した。
◆◆◆
胸糞悪い。
嫌悪と怒りを露わに吐き捨てられた言葉がロゼの耳に届く。
横目で見やれば険しい顔で上空を睨み付ける青年の姿。
飄々とした、悪く言えば軽薄な態度を見せていたがそれは彼の一面でしかない。
人の命をゴミ同然に扱う邪悪を許さない、正しき心の持ち主。それこそが涼邑零の本質なのだろう。
自らを守りし者と指した零の言葉は間違いでは無かった。
瞳のずっと奥に宿った覚悟と決意は、見間違いなんかでは無かったのだ。
嫌悪と怒りを露わに吐き捨てられた言葉がロゼの耳に届く。
横目で見やれば険しい顔で上空を睨み付ける青年の姿。
飄々とした、悪く言えば軽薄な態度を見せていたがそれは彼の一面でしかない。
人の命をゴミ同然に扱う邪悪を許さない、正しき心の持ち主。それこそが涼邑零の本質なのだろう。
自らを守りし者と指した零の言葉は間違いでは無かった。
瞳のずっと奥に宿った覚悟と決意は、見間違いなんかでは無かったのだ。
そして口には出さないが、ロゼもまた零と同意見である。
閃刀姫として己が手を血に染めて来たとはいえ、不要な犠牲は望まない少女だ。
我こそは神と高々に宣言した男と配下達の行いに嫌悪感を抱くのは当然のこと。
兵士の戦死などではない、怯える少女達や勇敢に立ち向かった青年を惨たらしく殺した。
彼らの死もこれから先で巻き起こる死も、主催者達はゲームの一言で片付けようとしている。
これで不快感や怒りを感じるなと言う方が無理な話。
閃刀姫として己が手を血に染めて来たとはいえ、不要な犠牲は望まない少女だ。
我こそは神と高々に宣言した男と配下達の行いに嫌悪感を抱くのは当然のこと。
兵士の戦死などではない、怯える少女達や勇敢に立ち向かった青年を惨たらしく殺した。
彼らの死もこれから先で巻き起こる死も、主催者達はゲームの一言で片付けようとしている。
これで不快感や怒りを感じるなと言う方が無理な話。
同時にふと思う。
もしレイに助けられる前の自分が参加していたら、一体どうしていたのだろうと。
ハ・デスや檀黎斗に嫌悪を抱きつつも、もしかしたら殺し合いに乗ってしまったのではないか。
自分は列強国の閃刀姫、こんな所で道草を食っている間に他国が攻めてくるかもしれない。
だから一刻も早く元の戦場へ帰る為に、手っ取り早く優勝の道を選ぶ。
そうなった可能性をロゼは否定できない。
嘗ての自分はレイに呆れられるくらいに頭が固くて、閃刀姫としての使命以外に生きる理由なんて無いと思っていた。
力無き人々を殺す事への迷いと葛藤の果てに、祖国の為なら仕方ないと無理矢理自分を納得させたかもしれない。
でもそうはならなかった。ここにいるのは列強国の閃刀姫ではなく、レイの隣にいる事を選んだ少女なのだから。
もしレイに助けられる前の自分が参加していたら、一体どうしていたのだろうと。
ハ・デスや檀黎斗に嫌悪を抱きつつも、もしかしたら殺し合いに乗ってしまったのではないか。
自分は列強国の閃刀姫、こんな所で道草を食っている間に他国が攻めてくるかもしれない。
だから一刻も早く元の戦場へ帰る為に、手っ取り早く優勝の道を選ぶ。
そうなった可能性をロゼは否定できない。
嘗ての自分はレイに呆れられるくらいに頭が固くて、閃刀姫としての使命以外に生きる理由なんて無いと思っていた。
力無き人々を殺す事への迷いと葛藤の果てに、祖国の為なら仕方ないと無理矢理自分を納得させたかもしれない。
でもそうはならなかった。ここにいるのは列強国の閃刀姫ではなく、レイの隣にいる事を選んだ少女なのだから。
レイが自分を変えてくれた。
その事実を改めて噛み締めるも顔には出さず、主催者打倒を誓った仲間へ話しかける。
その事実を改めて噛み締めるも顔には出さず、主催者打倒を誓った仲間へ話しかける。
「零、連中を許せない気持ちは私も同じ。でも焦ったら駄目。焦りと怒りに囚われたらそこを突かれる」
「…分かってるって。何かロゼちゃん、シルヴァみたいな事言うんだな」
「誰のこと?零の仲間?」
「っていうよりは相棒…かな。まぁ心配しなくても怒りで馬鹿になるつもりは無いよ」
「…分かってるって。何かロゼちゃん、シルヴァみたいな事言うんだな」
「誰のこと?零の仲間?」
「っていうよりは相棒…かな。まぁ心配しなくても怒りで馬鹿になるつもりは無いよ」
前にそれで失敗した事あるし。
自嘲するような呟きに、何があったか全く気にならないと言えば嘘になる。
しかしそのあたりを根掘り葉掘り聞こうとするような、無神経な人間になったつもりも無い。
だから零の過去には触れずに話を続けた。
自嘲するような呟きに、何があったか全く気にならないと言えば嘘になる。
しかしそのあたりを根掘り葉掘り聞こうとするような、無神経な人間になったつもりも無い。
だから零の過去には触れずに話を続けた。
「殺し合いを仕組んだのがハ・デス以外にもいるとは考えてたけど、まさかハ・デスも部下の一人に過ぎないのは予想外」
「黎斗とかって自称神様が本当の黒幕ってやつか。それと…黒い鎧の男も、な」
「零はあの男を知ってるの?」
「いや、初めて見る顔だよ。ただなんていうか、俺の大嫌いな奴にちょっと似ててね」
「黎斗とかって自称神様が本当の黒幕ってやつか。それと…黒い鎧の男も、な」
「零はあの男を知ってるの?」
「いや、初めて見る顔だよ。ただなんていうか、俺の大嫌いな奴にちょっと似ててね」
零が脳裏に思い浮かべるのは婚約者と師匠の仇の男。
闇に堕ちた魔戒騎士、バラゴだ。
と言ってもバラゴは既にこの世にはいない。
究極のホラーであるメシアの降臨を目論んだが、そのメシアによって吸収されるという因果応報の末路を迎えた。
無数の怨念が宿った暗黒騎士呀の鎧も鋼牙の手で斬られている。
それに映像で見た鎧は呀とは全く違う造形だったし、鎧を纏った男もバラゴとは別人。
だが零にはあの鎧が魔戒騎士と無関係だとはどうしても思えなかった。
闇に堕ちた魔戒騎士、バラゴだ。
と言ってもバラゴは既にこの世にはいない。
究極のホラーであるメシアの降臨を目論んだが、そのメシアによって吸収されるという因果応報の末路を迎えた。
無数の怨念が宿った暗黒騎士呀の鎧も鋼牙の手で斬られている。
それに映像で見た鎧は呀とは全く違う造形だったし、鎧を纏った男もバラゴとは別人。
だが零にはあの鎧が魔戒騎士と無関係だとはどうしても思えなかった。
(バラゴの奴以外にもホラー喰いの魔戒騎士がいたってのか?)
考えても答えは出ない。
こういう時に首から下げた相棒がいたら何か手掛かりをくれるのだろうが、残念ながら今は不在だ。
こういう時に首から下げた相棒がいたら何か手掛かりをくれるのだろうが、残念ながら今は不在だ。
「……嘘、ですよね…?」
小さい、緩やかな夜風にすら掻き消されそうな程小さい声がした。
誰に向けて発した言葉なのか、本人にすら分かっていない。
されど仲間の二人は確かに小さな声を拾い上げた。
ロゼと零が揃って視線を向けた事にすら気付いていないのか、彼女は上を向いたままもう一度言う。
誰に向けて発した言葉なのか、本人にすら分かっていない。
されど仲間の二人は確かに小さな声を拾い上げた。
ロゼと零が揃って視線を向けた事にすら気付いていないのか、彼女は上を向いたままもう一度言う。
「嘘……ですよね……」
香風智乃のただならぬ様子、二人はすぐ原因を察する。
今しがた行われた黎斗の放送。
次から次へと人が殺される光景にショックを受けた。
今しがた行われた黎斗の放送。
次から次へと人が殺される光景にショックを受けた。
或いはもっと最悪な展開。
「な、なんで…マヤさんが……」
殺された者の中にチノと親しい人物がいたということ。
条河麻耶が殺された。
起こってしまった事を説明すればその一言で足りるも、チノには理解も納得もできない。
起こってしまった事を説明すればその一言で足りるも、チノには理解も納得もできない。
普段のマヤらしからぬ怯え切った表情で抵抗を続け、無意味とばかりに一瞬で片が付いた。
地面に転がる上半身と下半身。
おへその下あたりから沢山出ていた赤い液体と、ピンクが混じった色のぐちゃぐちゃしたモノ。
安らかなとは程遠い、一生分でも足りないくらいの恐怖を味わった顔でピクリとも動かなくなった親友。
受け入れ難い、しかし現実に起きてしまった惨劇。
地面に転がる上半身と下半身。
おへその下あたりから沢山出ていた赤い液体と、ピンクが混じった色のぐちゃぐちゃしたモノ。
安らかなとは程遠い、一生分でも足りないくらいの恐怖を味わった顔でピクリとも動かなくなった親友。
受け入れ難い、しかし現実に起きてしまった惨劇。
「あ、あ…あの…!これ…何かのイタズラとかで……マヤさんも、実はイタズラの仕掛け人とかだったりで…!」
途中まで言いかけて、自分が物凄く馬鹿馬鹿しい発言をしている気持ちになった。
例えイタズラだとしても人が殺されるような悪趣味極まりないものに、マヤが加担するはずが無いだろう。
映像越しだけどマヤの怯えた顔は演技なんかじゃない、本当に殺されるかもしれないが故の恐怖。
チノは聡明な少女だ、これが所謂ドッキリ企画の類でない事くらいとっくに理解している。
本物の殺し合いだと分かっているからこそ、本当の姉のように、或いはそれ以上に慕う少女を守るべく『変身』したのだから。
例えイタズラだとしても人が殺されるような悪趣味極まりないものに、マヤが加担するはずが無いだろう。
映像越しだけどマヤの怯えた顔は演技なんかじゃない、本当に殺されるかもしれないが故の恐怖。
チノは聡明な少女だ、これが所謂ドッキリ企画の類でない事くらいとっくに理解している。
本物の殺し合いだと分かっているからこそ、本当の姉のように、或いはそれ以上に慕う少女を守るべく『変身』したのだから。
「う…うぁ……」
金髪の偉丈夫はどうしてマヤを殺したのだろうか。
檀黎斗はどうしてマヤの死を見世物のように扱えるのだろうか。
整った顔の裏に隠されたドス黒いモノなどチノには分からないし、分かりたいとも思わない。
嫌でも分かってしまうのは、チノの大切な友達が殺された事だけ。
檀黎斗はどうしてマヤの死を見世物のように扱えるのだろうか。
整った顔の裏に隠されたドス黒いモノなどチノには分からないし、分かりたいとも思わない。
嫌でも分かってしまうのは、チノの大切な友達が殺された事だけ。
「返して、ください……」
もしチノが無事に元居た街へ、ラビットハウスへ帰れたとしても。
元通りの日常へは帰れない。
ココア達はいても、一人分の穴がポッカリと開いた日々。
そんなものは、ココアと一緒に住むようになってから少しずつキラキラしていった毎日なんかじゃない。
チマメ隊がこんな残酷な形で失われるなんて、信じたくなかった。
元通りの日常へは帰れない。
ココア達はいても、一人分の穴がポッカリと開いた日々。
そんなものは、ココアと一緒に住むようになってから少しずつキラキラしていった毎日なんかじゃない。
チマメ隊がこんな残酷な形で失われるなんて、信じたくなかった。
「返して……!」
私の大事な友達を、返してください。私の大好きな日常を、返してください。
願いを聞き入れてくれる優しい神様はいない。
いるのは「ならばゲームに勝ち残ってみせろ」と悪びれもせずに言い放つ、檀黎斗(わるいかみさま)ただ一人。
願いを聞き入れてくれる優しい神様はいない。
いるのは「ならばゲームに勝ち残ってみせろ」と悪びれもせずに言い放つ、檀黎斗(わるいかみさま)ただ一人。
だけど、チノの願いは叶えられないけど、チノの悲しみを拭おうとする者はいた。
「えっ…?」
ふいに自分の体へ柔らかいものが押し付けられる感触がした。
視線を上げると、悲しそうな瞳をした少女が見える。
視線を上げると、悲しそうな瞳をした少女が見える。
「ロゼさん…?」
名前を呼ばれ、ロゼは自分よりも小さい少女を抱きしめる力を強めた。
自分でも何となくぎこちない抱きしめ方だとは理解している。
こういう時レイだったら、もっと自然に優しく抱きしめてあげられただろうに。
そんな思いは胸に仕舞ったままでチノの頭を撫でる。
出会ってすぐの時、黒づくめの集団を蹴散らした直後の時よりも精一杯の優しさを込めて。
自分でも何となくぎこちない抱きしめ方だとは理解している。
こういう時レイだったら、もっと自然に優しく抱きしめてあげられただろうに。
そんな思いは胸に仕舞ったままでチノの頭を撫でる。
出会ってすぐの時、黒づくめの集団を蹴散らした直後の時よりも精一杯の優しさを込めて。
「前に…私が不安をうっかり顔に出した時、レイがこうしてくれた」
レイとの二人旅は毎日が楽しくて幸せだったけど、時折どうしようもなく不安に囚われた事もあった。
閃刀姫である事から逃げた自分を列強国は許さない。
追っ手が現れた時、レイにまで被害が及ぶのではないか。
自分のせいでレイまで傷ついてしまうのではないだろうか。
嫌な可能性ばかりを考えていて顔に出た時は、決まってレイが抱きしめ頭を撫でてくれたのを覚えている。
レイからしたら妹分を可愛がる感覚だったのかもしれないが、ロゼにはその行為もレイへの気持ちをより大きくさせるものだった。
閃刀姫である事から逃げた自分を列強国は許さない。
追っ手が現れた時、レイにまで被害が及ぶのではないか。
自分のせいでレイまで傷ついてしまうのではないだろうか。
嫌な可能性ばかりを考えていて顔に出た時は、決まってレイが抱きしめ頭を撫でてくれたのを覚えている。
レイからしたら妹分を可愛がる感覚だったのかもしれないが、ロゼにはその行為もレイへの気持ちをより大きくさせるものだった。
「私はレイみたいに優しくはなれないけど、チノの支えになりたい」
「ロゼさ……」
「ロゼさ……」
こんな風に優しくされたら、我慢なんて出来る筈が無い。
後はもう言葉にならずに、嗚咽が続く。
胸に小さな頭をグリグリと押し付けられ服が涙で濡れても、ロゼはチノを拒絶しない。
ただ少しでも彼女の心にできた傷を癒せればと、頭を撫で続けた。
胸に小さな頭をグリグリと押し付けられ服が涙で濡れても、ロゼはチノを拒絶しない。
ただ少しでも彼女の心にできた傷を癒せればと、頭を撫で続けた。
○
「ご、ごめんなさい…」
恥ずかし気に縮こまって謝罪するチノに、ロゼは首を傾げる。
ある程度落ち着いたチノはロゼに抱きしめられている現状に頬を染め、慌てて離れた。
ある程度落ち着いたチノはロゼに抱きしめられている現状に頬を染め、慌てて離れた。
「別に謝られるような事はされてない。…もしかして、私の抱きしめ方が嫌だった?」
「そっ、そんなことないです…!あったかくて、優しい匂いがしました」
「そっ、そんなことないです…!あったかくて、優しい匂いがしました」
もしこれをココアが聞いたら対抗意識を燃やして、「私の方がチノちゃんをぎゅーってしてあげられるよ!」と言うかもしれない。
自分で浮かべた想像図に思わずクスリと笑みを零せば、ロゼも安堵したように小さく笑った。
自分で浮かべた想像図に思わずクスリと笑みを零せば、ロゼも安堵したように小さく笑った。
「落ち着いたみたいだね、チノちゃん」
「あっ、零さん…。あの、ご迷惑をおかけしまして……」
「ありがとう零」
「いやいや、謝罪もお礼も言われるような事してないって」
「あっ、零さん…。あの、ご迷惑をおかけしまして……」
「ありがとう零」
「いやいや、謝罪もお礼も言われるような事してないって」
肩を竦めて返されるが、ロゼは気付いていた。
自分がチノを落ち着かせている間、ずっと周囲へ気を張ってくれていた事に。
余計な茶々を入れず、空気を読まずに襲って来る者がいないかの警戒。
飄々とした態度の裏に信頼できるものを宿していると、改めて思う。
自分がチノを落ち着かせている間、ずっと周囲へ気を張ってくれていた事に。
余計な茶々を入れず、空気を読まずに襲って来る者がいないかの警戒。
飄々とした態度の裏に信頼できるものを宿していると、改めて思う。
「ところで、ちょっと確認しといた方が良いのがあるぜ」
どことなくむず痒い空気を変える為にか、少々強引に話題を変える。
零が提案したのは名簿の確認。
三人とも会場に転移された際にタブレットを起動してみたが、名簿は白紙の状態だった。
だが先程の放送によると今なら見れるようになったらしい。
確認しておくべきという至極真っ当な意見を否定する気は無く、三人揃ってそれぞれのタブレットを開いた。
零が提案したのは名簿の確認。
三人とも会場に転移された際にタブレットを起動してみたが、名簿は白紙の状態だった。
だが先程の放送によると今なら見れるようになったらしい。
確認しておくべきという至極真っ当な意見を否定する気は無く、三人揃ってそれぞれのタブレットを開いた。
「やっぱり、ココアさん達も……」
ココア、リゼ、メグ。名簿に記されたチノの大切な人達。
マヤがいた事から薄々そうでないかと考えてはいたが、悪い予感は的中してしまった。
幸いと言うべきか千夜とシャロ、自分の家族は不参加のようだが、やはりココア達まで巻き込まれたのには気持ちが沈むのを抑えられない。
もしかしたらココア達までマヤのような目に遭ってるかもしれないと考えると、体が震え出す。
マヤがいた事から薄々そうでないかと考えてはいたが、悪い予感は的中してしまった。
幸いと言うべきか千夜とシャロ、自分の家族は不参加のようだが、やはりココア達まで巻き込まれたのには気持ちが沈むのを抑えられない。
もしかしたらココア達までマヤのような目に遭ってるかもしれないと考えると、体が震え出す。
(っ、いえ、こんなんじゃ駄目です私!)
弱気になりかけた自分を内心で叱咤する。
もしココアが危険な目に遭っているなら自分が守る、そう決意して剣を手にしたのだ。
早くも怖気づいていてはココア達を守れはしない。
もしココアが危険な目に遭っているなら自分が守る、そう決意して剣を手にしたのだ。
早くも怖気づいていてはココア達を守れはしない。
「チノ、知っている名前はあった?」
「あ、はい…。ココアさんとリゼさん、メグさんが…。でも、これ……」
「あ、はい…。ココアさんとリゼさん、メグさんが…。でも、これ……」
一つだけ名簿に奇妙な点が存在した。
それはココアの名前だけ何故か二つ記載されている事だ。
名前の並びを見るに、恐らくは知り合い同士で固めているのが分かる。
チノの名前の前と後ろにそれぞれココアとリゼの名が載っており、リゼに続く形でメグとマヤの名前があった。
だからこそ余計に分からない。どうしてもう一つのココアの名は自分達から離れて記載されているのかが。
そっちは前後どちらの名前もチノの知らない人物。
同姓同名の別人の線もあるにはあるが、どちらかと言えば珍しい名前が一致するなど有り得るのだろうか。
それはココアの名前だけ何故か二つ記載されている事だ。
名前の並びを見るに、恐らくは知り合い同士で固めているのが分かる。
チノの名前の前と後ろにそれぞれココアとリゼの名が載っており、リゼに続く形でメグとマヤの名前があった。
だからこそ余計に分からない。どうしてもう一つのココアの名は自分達から離れて記載されているのかが。
そっちは前後どちらの名前もチノの知らない人物。
同姓同名の別人の線もあるにはあるが、どちらかと言えば珍しい名前が一致するなど有り得るのだろうか。
ココアの名前が二つあるのは気になるが、今はそれ以上にココア達が本当に参加している方が重大だ。
自分の知っている名前がこんなにあるなら、ロゼも同じかもしれない。
自分の知っている名前がこんなにあるなら、ロゼも同じかもしれない。
「あの、ロゼさんもですか?」
「うん……」
「うん……」
ロゼもまた可能性として考えていた事が的中していた。
殺し合いにはレイも参加させられている。
自分もそうだが、ご丁寧に閃刀姫の肩書付きで。
既に閃刀姫ではなく少女として生きる道を選んだのにわざわざ付けるとは、黎斗への不快感が増す。
殺し合いにはレイも参加させられている。
自分もそうだが、ご丁寧に閃刀姫の肩書付きで。
既に閃刀姫ではなく少女として生きる道を選んだのにわざわざ付けるとは、黎斗への不快感が増す。
(レイ……)
彼女の強さは自分が一番よく知っているし、このようなゲームを肯定するような人間でもない。
レイの優しさに救われ、惹かれたロゼだからこそ確信を持って言える。
だが同時に、その優しさのせいで無茶をしないか心配でもあった。
今すぐにでもレイを見つけ、守ってあげたい。
レイの優しさに救われ、惹かれたロゼだからこそ確信を持って言える。
だが同時に、その優しさのせいで無茶をしないか心配でもあった。
今すぐにでもレイを見つけ、守ってあげたい。
少女達の切実な想いを察したのか、明るい声が二人に掛かる。
「だったらさ、まずはチノちゃんとロゼちゃんの友達を探しに行こっか」
「それは…嬉しいけど、零は良いの?」
「そうですよ、もし零さんのお知り合いもいるんだったら…」
「それは…嬉しいけど、零は良いの?」
「そうですよ、もし零さんのお知り合いもいるんだったら…」
零の提案は嬉しいが、自分達の事ばかり優先して良いのだろうか。
申し訳なさと後ろめたさを含んだ言葉に、零は変わらず笑みを返す。
申し訳なさと後ろめたさを含んだ言葉に、零は変わらず笑みを返す。
「心配しなくても、鋼牙なら大丈夫だって」
楽観的に考えて言ったのではない、確信があっての事だ。
そんじょそこらの悪党やホラーが相手だろうと、不覚を取るような力の持ち主ではない。
黎斗やハ・デスに屈し殺し合いを肯定するような未熟者でもない。
バラゴとの戦いでは焦りと怒りから、自ら心滅獣身へ化したがそれも過去の話。
今更闇への誘惑に惑わされる馬鹿をやらかすような奴ではないだろう。
冴島鋼牙の心身の強靭さを知っているからこそ、大丈夫だと言える。
無論、合流できれば心強いがこういった状況ではバラけて動いて一般人の保護や協力者を探す方が良いのかもしれない。
そんじょそこらの悪党やホラーが相手だろうと、不覚を取るような力の持ち主ではない。
黎斗やハ・デスに屈し殺し合いを肯定するような未熟者でもない。
バラゴとの戦いでは焦りと怒りから、自ら心滅獣身へ化したがそれも過去の話。
今更闇への誘惑に惑わされる馬鹿をやらかすような奴ではないだろう。
冴島鋼牙の心身の強靭さを知っているからこそ、大丈夫だと言える。
無論、合流できれば心強いがこういった状況ではバラけて動いて一般人の保護や協力者を探す方が良いのかもしれない。
「それにもしかしたら、今頃二人の友達と一緒にいるかもしれないしさ」
だからこっちは心配しなくても、遠慮を感じる必要もないと告げる。
そう言われたら必要以上に遠慮するのも逆に失礼というもの。
レイやココア達と一刻も早く会いたいのも本当なので、素直に礼を言う。
そう言われたら必要以上に遠慮するのも逆に失礼というもの。
レイやココア達と一刻も早く会いたいのも本当なので、素直に礼を言う。
「ありがとうございます、零さ――」
「「――ッ!!」」
「「――ッ!!」」
感謝の言葉を言い終わるより先に、チノの体が宙に浮いた。
より正確に言えばチノを引き寄せたロゼが跳躍し、同じく零も飛び退く。
そうしなければ自分達は無事では済まない。
歴戦の戦士であるロゼと零だから気付けたのだ、急接近する殺意の塊を。
より正確に言えばチノを引き寄せたロゼが跳躍し、同じく零も飛び退く。
そうしなければ自分達は無事では済まない。
歴戦の戦士であるロゼと零だから気付けたのだ、急接近する殺意の塊を。
轟音が響く。
発生源は三人が立っていた場所。
地面が砕け、土煙が周囲を覆い隠す。
それもすぐに搔き消された。襲撃者の腕の一振りによって。
発生源は三人が立っていた場所。
地面が砕け、土煙が周囲を覆い隠す。
それもすぐに搔き消された。襲撃者の腕の一振りによって。
「あえて抵抗し、苦しみながら死ぬ道を選ぶか」
現れたのは一人の青年。
鍛え抜かれた肉体を持ち、丸眼鏡の内側に隠し切れない殺意を宿す様は危険人物以外の何者でもない。
鍛え抜かれた肉体を持ち、丸眼鏡の内側に隠し切れない殺意を宿す様は危険人物以外の何者でもない。
落ちこぼれの代名詞。
勉強・スポーツダメダメ男。
いじめられっ子代表。
居眠りの天才。
0点チャンピオン。
誰かの為に泣ける少年『だった』者。
勉強・スポーツダメダメ男。
いじめられっ子代表。
居眠りの天才。
0点チャンピオン。
誰かの為に泣ける少年『だった』者。
そして、超人類。
復讐鬼・野比のび太が、参加者の気配を感知し襲撃して来たのである。
「派手に登場したとこ悪いんだけどさ、こっちは女の子がいるんだよね。あんまり恐がらせないでくれる?」
「零、私は恐がってなんかない。そんな風に思われるのは心外」
「零、私は恐がってなんかない。そんな風に思われるのは心外」
軽口を叩きつつも、二人の剣士は油断無く襲撃者を見据える。
既にどちらも愛剣を構え臨戦態勢に入っており、瞬きの間に斬り掛かる事が可能。
だが簡単に片が付くような相手でない事も分かっていた。
全身を刺すような殺気はより激しさを増し、見掛け倒しでは無いだろう肉体が膨れ上がる。
既にどちらも愛剣を構え臨戦態勢に入っており、瞬きの間に斬り掛かる事が可能。
だが簡単に片が付くような相手でない事も分かっていた。
全身を刺すような殺気はより激しさを増し、見掛け倒しでは無いだろう肉体が膨れ上がる。
「貴様らに恨みは無い。だが俺の目的の為に、ここでその命を散らして行け」
来る。
ロゼと零がそう思ったのと、実際に拳が放たれたのはどちらが先か。
確かな事は一つ、戦闘が始まった。
握り締めた拳は岩石の如く硬い、それでいて銃弾よりも速い。
拳圧とでも言うべきか、放たれた際の勢いだけで常人ならば紙の様に吹き飛ばされそうだ。
直撃した際に受ける被害は考えるまでも無い。
ロゼと零がそう思ったのと、実際に拳が放たれたのはどちらが先か。
確かな事は一つ、戦闘が始まった。
握り締めた拳は岩石の如く硬い、それでいて銃弾よりも速い。
拳圧とでも言うべきか、放たれた際の勢いだけで常人ならば紙の様に吹き飛ばされそうだ。
直撃した際に受ける被害は考えるまでも無い。
二人の剣士がのび太を簡単に倒せる相手でないと見たように、のび太もまた易々と勝ちを奪える連中で無いとは思っていた。
その考えを証明するかのように、ジャイアンですら叩きのめした拳は空を切るに終わる。
剣士達はそれぞれ別方向へと回避、初撃で呆気なく死ぬ結末にはならなかった。
尤もこの程度で驚くのび太ではない。
その考えを証明するかのように、ジャイアンですら叩きのめした拳は空を切るに終わる。
剣士達はそれぞれ別方向へと回避、初撃で呆気なく死ぬ結末にはならなかった。
尤もこの程度で驚くのび太ではない。
「ハァッ!」
紅と白銀。
左右二方向から迫る計三本の剣。
大切な人を守る為、命を無為に奪う者を止める為。
純粋な想いの込められた刃は、復讐という負の感情を宿したのび太の攻撃とは正反対。
左右二方向から迫る計三本の剣。
大切な人を守る為、命を無為に奪う者を止める為。
純粋な想いの込められた刃は、復讐という負の感情を宿したのび太の攻撃とは正反対。
「ヌゥンッ!」
だが想いの強さだけで勝てる戦いでも無し。
両腕を伸ばし、右足を軸に回転するとのび太を中心に暴風が発生。
刃は肉体に到達せず、二人は揃って吹き飛ばされる。
あわや地面、若しくは付近の木々や岩に激突、とはならない。
空中という不安定な位置ながらも体勢を整え着地、素早く各々の剣を構え直した。
両腕を伸ばし、右足を軸に回転するとのび太を中心に暴風が発生。
刃は肉体に到達せず、二人は揃って吹き飛ばされる。
あわや地面、若しくは付近の木々や岩に激突、とはならない。
空中という不安定な位置ながらも体勢を整え着地、素早く各々の剣を構え直した。
「ホォォォーーーッ!!」
距離を詰めに動いたのはのび太。
伸ばした足を縦横無尽に振るい、鞭のようなしなやかさを以て攻撃。
拳同様にこちらも威力は桁外れ。
皮膚が裂けるのみならず、人体だろうと容易く引き千切られるだろう。
伸ばした足を縦横無尽に振るい、鞭のようなしなやかさを以て攻撃。
拳同様にこちらも威力は桁外れ。
皮膚が裂けるのみならず、人体だろうと容易く引き千切られるだろう。
これに対しロゼ、地面スレスレまで姿勢を低くし回避。
のび太の右脚が軍帽を掠めるも無視、軸となっている左脚目掛けて剣を突き出す。
ロゼとは反対に跳躍しのび太の頭上を取ったのは零だ。
真下にいるのび太へと魔戒剣を振るう。
首を斬り落とす気こそ無いが、両腕を潰して戦闘不能に追い込むくらいは躊躇しない。
のび太の右脚が軍帽を掠めるも無視、軸となっている左脚目掛けて剣を突き出す。
ロゼとは反対に跳躍しのび太の頭上を取ったのは零だ。
真下にいるのび太へと魔戒剣を振るう。
首を斬り落とす気こそ無いが、両腕を潰して戦闘不能に追い込むくらいは躊躇しない。
「甘い!」
突きの体勢から一転、ロゼは体を倒して地面を転がる。
原因はのび太が振るっていた右脚で、真下のロゼを踏み潰そうとした為。
骨を砕かれ内臓を潰されるリスクを負ってでも攻撃するか、素直に回避へ移るか。
ロゼが選択したのは後者。
踏みつけられ氷の張った水溜まりのように砕ける地面、小石や土が目に入りそうになり咄嗟に目を瞑った。
一方で零の動きは止まらない。二振りの魔戒剣がのび太へと迫り来る。
キッと頭上を睨み付けるのび太、両手をバネのように跳ね上げた。
原因はのび太が振るっていた右脚で、真下のロゼを踏み潰そうとした為。
骨を砕かれ内臓を潰されるリスクを負ってでも攻撃するか、素直に回避へ移るか。
ロゼが選択したのは後者。
踏みつけられ氷の張った水溜まりのように砕ける地面、小石や土が目に入りそうになり咄嗟に目を瞑った。
一方で零の動きは止まらない。二振りの魔戒剣がのび太へと迫り来る。
キッと頭上を睨み付けるのび太、両手をバネのように跳ね上げた。
「なっ!?」
驚きの声を上げる零が見たのは、自身の愛剣が両方とも止められた光景。
何とのび太、両手でチョキを作り魔戒剣の刃を指で挟んだ。
剣を引き抜こうにもどれだけの指にどれ程の力を込めているのか、ビクともしない。
厳しい修行を積んだ魔戒騎士が超人的な身体能力を有しているのは言うまでもなく、まして零は黄金騎士に匹敵する程の強さの持ち主。
そんな自分の剣が素手で止められた事実に息を呑む。
何とのび太、両手でチョキを作り魔戒剣の刃を指で挟んだ。
剣を引き抜こうにもどれだけの指にどれ程の力を込めているのか、ビクともしない。
厳しい修行を積んだ魔戒騎士が超人的な身体能力を有しているのは言うまでもなく、まして零は黄金騎士に匹敵する程の強さの持ち主。
そんな自分の剣が素手で止められた事実に息を呑む。
魔戒剣を防いでいるのび太も僅かに目を細める。
現在進行形で止めてはいるものの、ほんのちょっぴり力を緩めれば即座に手を斬られ使い物にならなくされる。
そんな予感を抱くくらいには、零の刃は勢いがある。
加えてどれだけ指に力を込めようとも、刃には罅一つ入らない。
現在進行形で止めてはいるものの、ほんのちょっぴり力を緩めれば即座に手を斬られ使い物にならなくされる。
そんな予感を抱くくらいには、零の刃は勢いがある。
加えてどれだけ指に力を込めようとも、刃には罅一つ入らない。
(つまらん真似をしてくれる……)
相手が思ったよりも強く、振るう剣もまた相当な業物だから。理由はそれだけではないだろう。
恐らく、超人類としての戦闘能力に何らかの枷を付けられている。
檀黎斗は殺し合いをゲームと称した。
ゲームである以上、極端にパワーバランスを崩壊させる参加者には調整を施したと考えるのが自然。
放送でもデッキとやらを支給された参加者は他の支給品を没収する形で、戦力過多になるのを防いでいる。
そういう事ならば自分がある程度弱体化しているのも頷ける。
気に喰わない事に変わりは無いが。
恐らく、超人類としての戦闘能力に何らかの枷を付けられている。
檀黎斗は殺し合いをゲームと称した。
ゲームである以上、極端にパワーバランスを崩壊させる参加者には調整を施したと考えるのが自然。
放送でもデッキとやらを支給された参加者は他の支給品を没収する形で、戦力過多になるのを防いでいる。
そういう事ならば自分がある程度弱体化しているのも頷ける。
気に喰わない事に変わりは無いが。
「零!」
例え力を制限されていようと、のび太が強者である事実に変わりはない。
斬り掛かって来たロゼへ投げ付けるように指を放す。
錐揉み回転しながら吹き飛んで行く零と、避けるか受け止めるかで迷い動きが止まったロゼ。
激突は当然の結果だ、揃って地面を転がる。
ズキリと鈍く痛む体に顔を顰めながら零が短く謝罪を告げれば、大丈夫だと簡潔に返された。
別に怒っていないのは本当だし、そんなものを気にしている場合にあらず。
何せ敵はとっくに目の前まで来ているのだ。
斬り掛かって来たロゼへ投げ付けるように指を放す。
錐揉み回転しながら吹き飛んで行く零と、避けるか受け止めるかで迷い動きが止まったロゼ。
激突は当然の結果だ、揃って地面を転がる。
ズキリと鈍く痛む体に顔を顰めながら零が短く謝罪を告げれば、大丈夫だと簡潔に返された。
別に怒っていないのは本当だし、そんなものを気にしている場合にあらず。
何せ敵はとっくに目の前まで来ているのだ。
「アタァ!」
拳の回避と同時に剣を振るう。
右からは零、左からはロゼ。
たかだか一人を相手に振るわれるには十分過ぎる速度、迫る脅威を前にしてものび太に焦りは皆無。
小さく息を吐き呼吸を整える。
右からは零、左からはロゼ。
たかだか一人を相手に振るわれるには十分過ぎる速度、迫る脅威を前にしてものび太に焦りは皆無。
小さく息を吐き呼吸を整える。
「見切った!」
カッと目を見開き大胆にも一流以上の腕を持つ剣士へ宣言する。
それが妄言でない事は、実際に起きている光景からも明らかだった。
それが妄言でない事は、実際に起きている光景からも明らかだった。
「ホォォォアァァァーーーーッ!!!」
前面へ円を描くかのように振るわれるのび太の両腕。
適当な動きをしているのではなく、全てが己を狙う刃への対処を完璧に行っている。
拳が剣の腹を叩き、或いは手刀で弾き、時には指で挟んだ刃でもう片方の剣を防ぎ、更には受け流した刃を別方向からの刃にぶつける。
零とロゼが剣を振るう速度を速めれば速める程、のび太が凌ぐスピードも増す。
二対一にも関わらず、余裕が無いのは前者の方だ。
適当な動きをしているのではなく、全てが己を狙う刃への対処を完璧に行っている。
拳が剣の腹を叩き、或いは手刀で弾き、時には指で挟んだ刃でもう片方の剣を防ぎ、更には受け流した刃を別方向からの刃にぶつける。
零とロゼが剣を振るう速度を速めれば速める程、のび太が凌ぐスピードも増す。
二対一にも関わらず、余裕が無いのは前者の方だ。
時折刃が掠めるも致命傷には程遠い。
魔戒剣もロゼの剣も切れ味の高さに疑う余地は無くとも、のび太相手では自慢の切れ味もいささか頼りない。
超人類と化したのび太はスネ夫が搭乗したνガンダムの攻撃を受けても、五体満足でいた。
制限下にあろうと、単純な肉体の強度すら一般人を超えている。
だからといって敵の刃を甘んじて受け入れるつもりはない。
何度剣を振るおうと捌く事は容易い、超人類故の慢心からか口の端を吊り上げるのび太。
その真正面から、新たに三本目の剣が襲い掛かった。
魔戒剣もロゼの剣も切れ味の高さに疑う余地は無くとも、のび太相手では自慢の切れ味もいささか頼りない。
超人類と化したのび太はスネ夫が搭乗したνガンダムの攻撃を受けても、五体満足でいた。
制限下にあろうと、単純な肉体の強度すら一般人を超えている。
だからといって敵の刃を甘んじて受け入れるつもりはない。
何度剣を振るおうと捌く事は容易い、超人類故の慢心からか口の端を吊り上げるのび太。
その真正面から、新たに三本目の剣が襲い掛かった。
「やあああ!」
夜風に靡かせるは薄水色の長髪。
深い海色のリボンをあしらった衣装は可愛らしいだけのものではない、少女が『変身』を遂げた姿。
天上の星々に負けない輝きを放つ銀の星を象った剣は、彼女にのみ力を与える特別。
想いの強さならば歴戦の閃刀姫や魔戒騎士にも負けない、チノが繰り出す一刀がのび太へ迫る。
深い海色のリボンをあしらった衣装は可愛らしいだけのものではない、少女が『変身』を遂げた姿。
天上の星々に負けない輝きを放つ銀の星を象った剣は、彼女にのみ力を与える特別。
想いの強さならば歴戦の閃刀姫や魔戒騎士にも負けない、チノが繰り出す一刀がのび太へ迫る。
「小賢しい…!」
短く吐き捨て両手を左右へ杭打機のような勢いで突き出す。
突き出された拳の威力はそんなものには収まらない、人体など障子紙より脆い。
片方は剣を翳し、もう片方は双剣を交差させる。
咄嗟の判断で防御の構えを取ったのは流石の判断力か。
それでも武器を通じて両腕に走る痺れと、宙に浮き後方へと吹き飛ばされる体まではどうしようもない。
左右の剣士は離れた、真正面から振るわれた刀を両掌で挟み込み強引に止める。真剣白刃取りである。
魔戒騎士の零ですら指二本から武器を引き抜けなかったのだ、身体能力が上がっていようとチノの細腕では不可能でしかない。
必死に引き抜く姿を無駄な努力と笑いもせず、淡々と足を振るう。
両腕が塞がっていようと問題無い。小柄な少女の体を一撃で原型を留めぬ肉片に変えられるのだ。
しかしチノに放たれる筈だった蹴りは左方向へと急に向きを変えた。
視線を寄越さなくとも分かる。今しがた殴り飛ばした剣士、その女の方だ。
突き出された拳の威力はそんなものには収まらない、人体など障子紙より脆い。
片方は剣を翳し、もう片方は双剣を交差させる。
咄嗟の判断で防御の構えを取ったのは流石の判断力か。
それでも武器を通じて両腕に走る痺れと、宙に浮き後方へと吹き飛ばされる体まではどうしようもない。
左右の剣士は離れた、真正面から振るわれた刀を両掌で挟み込み強引に止める。真剣白刃取りである。
魔戒騎士の零ですら指二本から武器を引き抜けなかったのだ、身体能力が上がっていようとチノの細腕では不可能でしかない。
必死に引き抜く姿を無駄な努力と笑いもせず、淡々と足を振るう。
両腕が塞がっていようと問題無い。小柄な少女の体を一撃で原型を留めぬ肉片に変えられるのだ。
しかしチノに放たれる筈だった蹴りは左方向へと急に向きを変えた。
視線を寄越さなくとも分かる。今しがた殴り飛ばした剣士、その女の方だ。
「っ!!」
急接近からの強引な回避、半身を捩ると蹴りが胸の位置スレスレを通過。
列強国の駒だった頃は気にも留めなかった、今ではレイの影響か気にするようになった少女らしい膨らみ。
僅かにでも回避のタイミングがズレていたら抉り潰されていただろう。
ヒヤリとした背中を流れる汗すらも、気を回す暇は与えられない。
体を捩った無理な姿勢のまま胴体へ剣を突き出すが、のび太は先程と同じ対処法を取る。
ロゼにぶつける形でチノの剣を解放、小柄とはいえ衝撃で狙いが逸れた。
二人纏めて粉砕すべく拳を振り下ろそうとし、別方向から迫る敵意に意識を持って行かれる。
逆手に構えた双剣で斬り掛かる零だ。
列強国の駒だった頃は気にも留めなかった、今ではレイの影響か気にするようになった少女らしい膨らみ。
僅かにでも回避のタイミングがズレていたら抉り潰されていただろう。
ヒヤリとした背中を流れる汗すらも、気を回す暇は与えられない。
体を捩った無理な姿勢のまま胴体へ剣を突き出すが、のび太は先程と同じ対処法を取る。
ロゼにぶつける形でチノの剣を解放、小柄とはいえ衝撃で狙いが逸れた。
二人纏めて粉砕すべく拳を振り下ろそうとし、別方向から迫る敵意に意識を持って行かれる。
逆手に構えた双剣で斬り掛かる零だ。
「ホアタァッ!」
目障りな羽虫を潰さんと放たれる裏拳。
対する零は直前で剣を引っ込めのび太の拳を蹴り付ける。
相手が一般人ならこれだけで拳を使い物にならなくできたが、のび太の拳はノーダメージ。
無論そうなる事は零にも分かっていた事だ。蹴った際の反動を利用し大きく後退。
のび太の意識が外れた隙にロゼはチノを抱え跳躍、零の隣へ降り立った。
対する零は直前で剣を引っ込めのび太の拳を蹴り付ける。
相手が一般人ならこれだけで拳を使い物にならなくできたが、のび太の拳はノーダメージ。
無論そうなる事は零にも分かっていた事だ。蹴った際の反動を利用し大きく後退。
のび太の意識が外れた隙にロゼはチノを抱え跳躍、零の隣へ降り立った。
「二人とも無事か?」
「はい、大丈夫です…。ロゼさん、零さん。ここからは私もお手伝いします…!」
「はい、大丈夫です…。ロゼさん、零さん。ここからは私もお手伝いします…!」
そう言ったチノの顔は緊張からか若干強張ってはいたが、同じく決意に満ちていた。
相手は強敵だ、チノが加勢したとしても厳しい戦いに変わりは無い。
加えて閃刀姫や魔戒騎士と違い、チノは元々争いとは無縁の世界に暮らしている少女。
支給品の恩恵で身体機能が劇的に向上しても、経験という点において二人に大きく劣る。
だからといってチノのやる気を削ぐような事を言う気は無い。
足りない分は自分達がカバーしてやれば良い、零とロゼは互いの目を見て小さく頷き合った。
相手は強敵だ、チノが加勢したとしても厳しい戦いに変わりは無い。
加えて閃刀姫や魔戒騎士と違い、チノは元々争いとは無縁の世界に暮らしている少女。
支給品の恩恵で身体機能が劇的に向上しても、経験という点において二人に大きく劣る。
だからといってチノのやる気を削ぐような事を言う気は無い。
足りない分は自分達がカバーしてやれば良い、零とロゼは互いの目を見て小さく頷き合った。
「うん。私たちは一緒に頑張るって約束した仲間。三人であいつを倒そう」
一瞬たりとも目を離してはならない敵の為、チノの方を見ないまま言う。
自分へ集中する鋭い視線を意に介さず、のび太は威圧するように両手の骨を鳴らした。
自分へ集中する鋭い視線を意に介さず、のび太は威圧するように両手の骨を鳴らした。
「一人増えた所で退いてもらえるなどと思うな。何より女や子どもだろうと容赦する気は無い」
「女だからって甘く見るのは不愉快。そうやって油断してる奴に限って足元を掬われる」
「油断ではない、事実を告げているに過ぎん。…そこのお前」
「っ、何ですか…?」
「お前の剣が一番軽いぞ、小娘。怒りも憎しみも敵意すら薄い生温い剣で、俺をどうにか出来ると思っているのか?」
「女だからって甘く見るのは不愉快。そうやって油断してる奴に限って足元を掬われる」
「油断ではない、事実を告げているに過ぎん。…そこのお前」
「っ、何ですか…?」
「お前の剣が一番軽いぞ、小娘。怒りも憎しみも敵意すら薄い生温い剣で、俺をどうにか出来ると思っているのか?」
丸眼鏡の奥の眼光に射抜かれると、チノは全身が強張り言葉に詰まる。
反論したいが相手の言っている事が分からない訳でもない。
自分はロゼと零程戦い慣れてはいない。丸眼鏡の男が襲い掛かって来た当初、目出し帽の黒タイツ集団とは段違いの迫力に動けずにいた。
ロゼと零はまるで漫画のキャラクターのように華麗な剣捌きで戦い、それでも苦戦する程に丸眼鏡の男は強い。
そんな相手からしたらココア達を守りたいという想いで振るう剣など、見下す対象でしかないのだろうか。
反論したいが相手の言っている事が分からない訳でもない。
自分はロゼと零程戦い慣れてはいない。丸眼鏡の男が襲い掛かって来た当初、目出し帽の黒タイツ集団とは段違いの迫力に動けずにいた。
ロゼと零はまるで漫画のキャラクターのように華麗な剣捌きで戦い、それでも苦戦する程に丸眼鏡の男は強い。
そんな相手からしたらココア達を守りたいという想いで振るう剣など、見下す対象でしかないのだろうか。
「チノ」
「っ…」
「っ…」
自分を呼ぶ名前に視線を上げると、こちらを見ずにいるロゼが映る。
辺り一面を覆う夜の闇の中にあっても、爛々と輝く真紅の瞳。
そんな場合では無いと分かっているのに、チノは宝石なんかよりも綺麗な目だと思った。
辺り一面を覆う夜の闇の中にあっても、爛々と輝く真紅の瞳。
そんな場合では無いと分かっているのに、チノは宝石なんかよりも綺麗な目だと思った。
「あいつの言葉を聞く必要は無い」
えっ、というチノの呟きはのび太に剣を突き付けたロゼの言葉に掻き消される。
「チノの剣は軽くなんかない。チノの勇気を否定するなら、私はお前を許さない」
のび太は知らない、けれどロゼは知っている。
チノがココアとの日常を守る為に、勇気を振り絞って剣を手にした瞬間を。
自分と違って元々戦士ではないけど、大切な人の為に戦う決意を固めた事を。
ロゼはレイがいたから戦い以外の生き方を知れた、チノはココアがいたから毎日がより楽しいものになった。
愛する人との日常を守りたい切な願い、それは決して否定されていいものではない。
チノがココアとの日常を守る為に、勇気を振り絞って剣を手にした瞬間を。
自分と違って元々戦士ではないけど、大切な人の為に戦う決意を固めた事を。
ロゼはレイがいたから戦い以外の生き方を知れた、チノはココアがいたから毎日がより楽しいものになった。
愛する人との日常を守りたい切な願い、それは決して否定されていいものではない。
「怒りと憎しみ、ね……」
のび太の言葉に零は思う所が無い訳ではない。
零も嘗ては復讐の為に生きた男。
勘違いだったとはいえ、黄金騎士への憎悪が己を突き動かす原動力だったのは紛れも無い事実。
但しそれらは過去の話に過ぎない。
零も嘗ては復讐の為に生きた男。
勘違いだったとはいえ、黄金騎士への憎悪が己を突き動かす原動力だったのは紛れも無い事実。
但しそれらは過去の話に過ぎない。
「別に怒りとか相手への恨みは絶対に持つなとは言わねぇよ。
ただ、それに執着し過ぎて自分の目を曇らせるな。俺も、俺の知る中で一番強い男もそれで失敗したからさ」
「零、やっぱり……」
ただ、それに執着し過ぎて自分の目を曇らせるな。俺も、俺の知る中で一番強い男もそれで失敗したからさ」
「零、やっぱり……」
零の言葉は己自身に言い聞かせている、どうしてかロゼにはそう思えた。
最初に出会った時も言っていた、大切な人を失った事があると。
きっと零はその人を奪った相手への復讐に燃えていた時期があったのだろう。
声の調子から察するに、復讐を果たす為の戦いで零と零の仲間は何らかの間違いを犯した。
あくまで推測に過ぎないが。
最初に出会った時も言っていた、大切な人を失った事があると。
きっと零はその人を奪った相手への復讐に燃えていた時期があったのだろう。
声の調子から察するに、復讐を果たす為の戦いで零と零の仲間は何らかの間違いを犯した。
あくまで推測に過ぎないが。
実際、ロゼの推測は間違っていない。
婚約者である静香と師である道寺の二人を殺されて以来、零は本来の名前を捨て復讐の道に走った。
自分から大切な人達を奪った黄金騎士牙狼、冴島鋼牙を殺す。魔戒騎士の掟を忘れた訳では無くとも、当時の零にとっては復讐を果たす事が重要だった。
尤も黄金騎士が仇というのは勘違いに過ぎず、真の復讐対象はホラー喰いの魔戒騎士・バラゴだと知るのは随分後になってからのこと。
復讐に執着する余り己の目を曇らせ、時には鋼牙と共にいた観月カオルを危険に晒した事もある。
しかし誤解が解けた後、鋼牙は零を責めるでもなく共に戦う魔戒騎士として受け入れた。
だからこそ鋼牙が決して犯してはならない過ちに手を染めようとしたのを、零は命懸けで止めたのだ。
父、冴島大河を侮蔑された怒り。カオルを攫われ、圧倒的な力を持つバラゴに勝つ術を見出せない焦り。
それらが要因となり自ら心滅獣身と化し、バラゴと同じ闇へ堕ちかけた鋼牙を零は正気に戻した。
婚約者である静香と師である道寺の二人を殺されて以来、零は本来の名前を捨て復讐の道に走った。
自分から大切な人達を奪った黄金騎士牙狼、冴島鋼牙を殺す。魔戒騎士の掟を忘れた訳では無くとも、当時の零にとっては復讐を果たす事が重要だった。
尤も黄金騎士が仇というのは勘違いに過ぎず、真の復讐対象はホラー喰いの魔戒騎士・バラゴだと知るのは随分後になってからのこと。
復讐に執着する余り己の目を曇らせ、時には鋼牙と共にいた観月カオルを危険に晒した事もある。
しかし誤解が解けた後、鋼牙は零を責めるでもなく共に戦う魔戒騎士として受け入れた。
だからこそ鋼牙が決して犯してはならない過ちに手を染めようとしたのを、零は命懸けで止めたのだ。
父、冴島大河を侮蔑された怒り。カオルを攫われ、圧倒的な力を持つバラゴに勝つ術を見出せない焦り。
それらが要因となり自ら心滅獣身と化し、バラゴと同じ闇へ堕ちかけた鋼牙を零は正気に戻した。
「ま、今俺からチノちゃんに言えるのは一つだけだよ」
チノとロゼは大切な人との日常を守る為に剣を取った。
大切な彼女達がゲームに参加していると知り、守りたいという決意が一層強くなった。
その想いを零は決して否定しない。
何故なら彼もまた守りし者。命の尊さを知り、魔界の住人から人々を守る為に剣を振るう魔戒騎士。
大切な彼女達がゲームに参加していると知り、守りたいという決意が一層強くなった。
その想いを零は決して否定しない。
何故なら彼もまた守りし者。命の尊さを知り、魔界の住人から人々を守る為に剣を振るう魔戒騎士。
「誰かを守りたいって想いは間違ってなんかない。アイツの言葉なんざ気にしないのが一番だよ」
「……はい!ロゼさん、零さん、ありがとうございます…!」
「……はい!ロゼさん、零さん、ありがとうございます…!」
仲間達からの心強い言葉に、チノの不安は何時の間にか消え去っていた。
戦意を取り戻したチノの姿を前にのび太は思う。
誰かを守りたいという気持ち。昔は自分もそれがあった。
様々な大冒険に繰り出し、その度に未来の犯罪者や異世界の怪物、超化学の産物に大魔王や大妖怪。
思い返せばひみつ道具が手元にあったとはいえ、小学生に過ぎない自分達がよく生き残って来れたものだ。
多くの悪者を倒せたのは相手を野放しにできない正義感、何より友だちを守りたい想いがあったからこそ。
ああそういえば、アイツを助ける為に危ない橋を渡った事もあったかと、らしくなく感傷に浸る。
それも僅かな間だけだ。数々の冒険を通して友情を育んだと思っていたのはのび太だけだったのだから。
戦意を取り戻したチノの姿を前にのび太は思う。
誰かを守りたいという気持ち。昔は自分もそれがあった。
様々な大冒険に繰り出し、その度に未来の犯罪者や異世界の怪物、超化学の産物に大魔王や大妖怪。
思い返せばひみつ道具が手元にあったとはいえ、小学生に過ぎない自分達がよく生き残って来れたものだ。
多くの悪者を倒せたのは相手を野放しにできない正義感、何より友だちを守りたい想いがあったからこそ。
ああそういえば、アイツを助ける為に危ない橋を渡った事もあったかと、らしくなく感傷に浸る。
それも僅かな間だけだ。数々の冒険を通して友情を育んだと思っていたのはのび太だけだったのだから。
闘気が膨れ上がる。
許してはおけぬ、生かしてはおけぬゴミ野郎への憎しみが再点火されたからだ。
ドラえもんへの復讐を果たすまで、のび太は殺し続けるのだろう。
許してはおけぬ、生かしてはおけぬゴミ野郎への憎しみが再点火されたからだ。
ドラえもんへの復讐を果たすまで、のび太は殺し続けるのだろう。
「向こうがその気なら、こっちも本気でいかないとな」
本来ならばホラーではない人間相手に使う気は無かった手。
だがのび太の戦闘力は間違いなく、歴戦の魔戒騎士や上級ホラーにも匹敵する。
となれば出し惜しみなどはしていられない。
今は非常事態なのだから、番犬所も少しくらいは大目に見てくれる筈。
だがのび太の戦闘力は間違いなく、歴戦の魔戒騎士や上級ホラーにも匹敵する。
となれば出し惜しみなどはしていられない。
今は非常事態なのだから、番犬所も少しくらいは大目に見てくれる筈。
魔戒剣で空を突くように両手を頭上に掲げる。
双剣で円を描くと真下の零へ光が降り注ぐ。
天からの、神々からの祝福を一身に受けるかのような光景。
双剣で円を描くと真下の零へ光が降り注ぐ。
天からの、神々からの祝福を一身に受けるかのような光景。
瞬きする一瞬で、頭上からの光を更なる輝きで塗り替えるが如き姿へ変わった。
闇を切り裂く刃を纏ったかのような銀。
睨めつける眼光は鋭く、響く咆哮は勇ましい。
銀牙騎士絶狼。黄金騎士牙狼とも肩を並べる、歴代最強の魔戒騎士。
睨めつける眼光は鋭く、響く咆哮は勇ましい。
銀牙騎士絶狼。黄金騎士牙狼とも肩を並べる、歴代最強の魔戒騎士。
「零、その鎧は……」
「零さんも変身が出来たんですか…!?」
「説明は後後。今はあのメガネくんの相手が先だよ」
「零さんも変身が出来たんですか…!?」
「説明は後後。今はあのメガネくんの相手が先だよ」
驚きを隠せない少女達への返答もそこそこに双剣を構える。
敵の変化を目の当たりにしたのび太もまた、デイパックから支給品を取り出す。
奇しくも絶狼の鎧と同じ銀のガントレットを両腕に装備する。
敵が剣を持っていようと素手で叩きのめすつもりが急に武器を使い始めた理由は、零が纏った鎧にあった。
超人類となったのび太は集中する事で相手の体内を透視し、筋繊維の一本一本の動きまで視認が可能な力がある。
偶然にもゲームの参加者として登録された、ある双子の兄弟と酷似した能力だ。
だが不可解な事に鎧を纏った零の体内は透視出来なくなっている。
例え分厚い装甲を着込んでいようと、本来ならば超人類の力の前には無意味の筈。
代わりに鎧は眩い輝きのみならず、異様なまでの熱を帯びているのが分かった。
ソウルメタルを加工した魔戒騎士の鎧は常に超振動を繰り返し高熱を発している。
素手で触れようものなら瞬時に焼け付くされるだろう。
となると素手で直接打撃を放てばこちらの拳が使い物にならなくなるかもしれない。
その可能性を警戒し、拳を守りつつ効果的なダメージを与える手段としてガントレットを装備したのだ。
奇しくも絶狼の鎧と同じ銀のガントレットを両腕に装備する。
敵が剣を持っていようと素手で叩きのめすつもりが急に武器を使い始めた理由は、零が纏った鎧にあった。
超人類となったのび太は集中する事で相手の体内を透視し、筋繊維の一本一本の動きまで視認が可能な力がある。
偶然にもゲームの参加者として登録された、ある双子の兄弟と酷似した能力だ。
だが不可解な事に鎧を纏った零の体内は透視出来なくなっている。
例え分厚い装甲を着込んでいようと、本来ならば超人類の力の前には無意味の筈。
代わりに鎧は眩い輝きのみならず、異様なまでの熱を帯びているのが分かった。
ソウルメタルを加工した魔戒騎士の鎧は常に超振動を繰り返し高熱を発している。
素手で触れようものなら瞬時に焼け付くされるだろう。
となると素手で直接打撃を放てばこちらの拳が使い物にならなくなるかもしれない。
その可能性を警戒し、拳を守りつつ効果的なダメージを与える手段としてガントレットを装備したのだ。
そういった事情を説明してやる気はなく、向こうも期待なんかしていない。
ルール無用の殺し合いに合図は不要、有無を言わせぬ拳が三人へと放たれた。
ルール無用の殺し合いに合図は不要、有無を言わせぬ拳が三人へと放たれた。
「アタァッ!」
飾り気のないストレートパンチだが、威力はプロの格闘家“程度”では決して届かない領域だ。
ブタ野郎ことジャイアンに重症を負わせた拳を覆うのは、とある聖女愛用の打撃武具。
のび太の力にも十分耐えられる代物である。
ブタ野郎ことジャイアンに重症を負わせた拳を覆うのは、とある聖女愛用の打撃武具。
のび太の力にも十分耐えられる代物である。
「ハァッ!」
その拳が双剣で弾かれた。
銀牙騎士の鎧を纏った事で零の魔戒剣は一回り巨大化し、銀狼剣と化している。
今の一振りのみでも、敵の力は見掛け倒しなどではないとのび太は理解。
銀牙騎士の鎧を纏った事で零の魔戒剣は一回り巨大化し、銀狼剣と化している。
今の一振りのみでも、敵の力は見掛け倒しなどではないとのび太は理解。
「行きます!」
のんびり敵の力に関心を抱くのは強者の特権だが、見ようによっては油断と慢心にも取れる。
ほんのちょっぴりの思考に耽るのび太へここぞとばかりに斬り込む少女達。
獣のように駆け、喰い千切る牙の如き剣を同時に放つ。
手応えは肉を斬った感触ではなく、金属へぶつかった衝撃と耳障りな音。
ガントレットを装着した事で、回避や受け流しだけでなく防御が可能となっていた。
ほんのちょっぴりの思考に耽るのび太へここぞとばかりに斬り込む少女達。
獣のように駆け、喰い千切る牙の如き剣を同時に放つ。
手応えは肉を斬った感触ではなく、金属へぶつかった衝撃と耳障りな音。
ガントレットを装着した事で、回避や受け流しだけでなく防御が可能となっていた。
両腕の筋肉が盛り上がりガントレットが僅かに軋みを上げる。
強烈なのが来る。瞬時に察したロゼがチノを呼ぶと、頷きながら共にのび太から離れた。
強烈なのが来る。瞬時に察したロゼがチノを呼ぶと、頷きながら共にのび太から離れた。
「アタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタァッ!!」
一発二発どころではない、数十発もの殴打の嵐。
紙一重でロゼは躱すもチノは少しだけ遅い、一発が胴体に当たる。
強化された身体能力だからこそ耐えられたが、痛みを無効化する訳ではない。
細い体に走る鈍痛に短い悲鳴が上がっても、のび太は攻撃の手を緩めるつもりは無し。
だがそれ以上傷つけさせるかとチノを庇うようにロゼが前に出た。
紙一重でロゼは躱すもチノは少しだけ遅い、一発が胴体に当たる。
強化された身体能力だからこそ耐えられたが、痛みを無効化する訳ではない。
細い体に走る鈍痛に短い悲鳴が上がっても、のび太は攻撃の手を緩めるつもりは無し。
だがそれ以上傷つけさせるかとチノを庇うようにロゼが前に出た。
「ぐっ…!」
愛剣を盾にし拳を防ぐも、ふざけているとしか思えない勢いにへし折られそうだ。
しかしまだ退けない、退いたら拳の餌食になるのはチノなのだから。
しかしまだ退けない、退いたら拳の餌食になるのはチノなのだから。
仲間への猛攻を止めるべく斬り掛かるのは絶狼。
絶狼の方を見ないままにのび太は蹴りを放つ。
すると絶狼もそれに合わせて脚を振るった。
短パンを履いただけの太い脚と、銀の装甲に覆われた足が激突。
絶狼の方を見ないままにのび太は蹴りを放つ。
すると絶狼もそれに合わせて脚を振るった。
短パンを履いただけの太い脚と、銀の装甲に覆われた足が激突。
「ぬ…!」
「づ…!」
「づ…!」
短い苦悶の声は両方から出たもの。
のび太は焼けるような熱さを、零は鎧越しにも伝わる痛みを感じた。
すぐさま互いに足を戻し、一手早く攻めに移ったのは絶狼。
生身の時は逆手持ちだった魔戒剣を順手持ちに変え、銀狼剣を巧みに操る。
のび太は焼けるような熱さを、零は鎧越しにも伝わる痛みを感じた。
すぐさま互いに足を戻し、一手早く攻めに移ったのは絶狼。
生身の時は逆手持ちだった魔戒剣を順手持ちに変え、銀狼剣を巧みに操る。
ロゼへの殴打を中断し、標的を絶狼へ変更。
双剣を弾き、時には拳を放つも逆に銀狼剣で弾き返される。
恐るべき事だが鎧を纏っていても、のび太の拳を受け、弾く度に双剣から伝わる衝撃で痺れを感じるのだ。
それ程大きな痺れで無いとはいえ改めて強敵だと思い知らされた。
双剣を弾き、時には拳を放つも逆に銀狼剣で弾き返される。
恐るべき事だが鎧を纏っていても、のび太の拳を受け、弾く度に双剣から伝わる衝撃で痺れを感じるのだ。
それ程大きな痺れで無いとはいえ改めて強敵だと思い知らされた。
金属同士の激しい衝突の繰り返しで絶えず火花が散る。
剣と拳、どちらも振るわれる速度が徐々に上昇。
互いに未だ一撃も食らってはいない。状況を変えるのは彼ら以外の存在だ。
剣と拳、どちらも振るわれる速度が徐々に上昇。
互いに未だ一撃も食らってはいない。状況を変えるのは彼ら以外の存在だ。
大きく息を吐き剣の柄を強く握り直すチノ。
大丈夫かという問いに、大丈夫ですと強気な言葉を返す。
殴られた箇所は痛い、大人の男の人に暴力を振るわれるなんて、本当だったら恐くて泣き出していたかもしれない。
大丈夫かという問いに、大丈夫ですと強気な言葉を返す。
殴られた箇所は痛い、大人の男の人に暴力を振るわれるなんて、本当だったら恐くて泣き出していたかもしれない。
だけどチノは、こういう暴力の対象がココア達にまで向かう事の方が恐いと思った。
マヤのように理不尽な恐怖に晒されてこれ以上大切な誰かを失くしたくない。
それを考えれば戦う為の気力は幾らでも湧いて来る。
マヤのように理不尽な恐怖に晒されてこれ以上大切な誰かを失くしたくない。
それを考えれば戦う為の気力は幾らでも湧いて来る。
「分かった。でも無理をする前に私達を頼って」
力強く頷き返し、再度のび太へと二人は斬り掛かった。
戦場に長くいたロゼにとって、この程度の痛みなら問題なく耐えられる。
仲間達が戦意を見せているのなら、自分だけ先にダウンは有り得ない。
まだ戦える、一人で敵の相手を引き受けている零に加勢出来る。
チノと同じように強く握り直した剣が、のび太の肉体へ吸い込まれるように振るわれた。
戦場に長くいたロゼにとって、この程度の痛みなら問題なく耐えられる。
仲間達が戦意を見せているのなら、自分だけ先にダウンは有り得ない。
まだ戦える、一人で敵の相手を引き受けている零に加勢出来る。
チノと同じように強く握り直した剣が、のび太の肉体へ吸い込まれるように振るわれた。
絶狼と殺意の応酬を続けている最中でも、少女達の接近を瞬時に察知。
まず左手の銀狼剣を右腕で防御、次に左手でアッパーカットを放つ。
これを零は上体を後ろに引いて回避したが、それはのび太の狙い通り。
真正面を蹴り付けると右の銀狼剣で防ぎ、幾らか距離を取らされた。
ダメージを期待しての蹴りではない、絶狼を少しでも遠ざける為。
まず左手の銀狼剣を右腕で防御、次に左手でアッパーカットを放つ。
これを零は上体を後ろに引いて回避したが、それはのび太の狙い通り。
真正面を蹴り付けると右の銀狼剣で防ぎ、幾らか距離を取らされた。
ダメージを期待しての蹴りではない、絶狼を少しでも遠ざける為。
直後、のび太の視界に入り込んだのは真紅の剣。
同じ色の瞳に殺意を宿したロゼの踏み込みに、のび太は慌てず数ミリ体を捩って躱す。
避けた先で襲い来るのは薄水色の疾風。
殺意とはまた別の、強き想いを乗せた剣だがのび太はこちらも最小限の動作で避けてみせた。
同じ色の瞳に殺意を宿したロゼの踏み込みに、のび太は慌てず数ミリ体を捩って躱す。
避けた先で襲い来るのは薄水色の疾風。
殺意とはまた別の、強き想いを乗せた剣だがのび太はこちらも最小限の動作で避けてみせた。
「お前たちの剣は俺に届かん」
「じゃあ届かせる」
「じゃあ届かせる」
挑発にしては淡々した言葉を投げ合い、それ以上の会話は不要と激突。
のび太がロゼ達だけでなく自分以外の参加者全員に求めるのは一つ、死のみ。
死んで自分が優勝する為の礎となればそれで良い。
のび太がロゼ達だけでなく自分以外の参加者全員に求めるのは一つ、死のみ。
死んで自分が優勝する為の礎となればそれで良い。
(だが思ったよりも梃子摺らされるな……)
自分の力が制限されているのを抜きにしても、中々の力を持つ連中が多数参加している。
最初に戦った魔女を思えば、そう驚く事でも無いが。
思いは口に出さず、ただ黙々と攻撃を捌く。
こちらを斬る為に絶えず振るわれる二本の剣。
一人が二本を振るっていたのと、二人が一本ずつ振るっている違いはあれどのび太の動きに変化はほとんどない。
ガントレットを装着した腕で剣を弾き、時には軽く身体を捩って躱す。
そうやって敵の体勢が崩れたり隙が生まれた瞬間に拳を放つ。
こちらの攻撃も向こうに届く前に防がれたりしているが、それでも有利なのは自分の方とのび太は確信していた。
最初に戦った魔女を思えば、そう驚く事でも無いが。
思いは口に出さず、ただ黙々と攻撃を捌く。
こちらを斬る為に絶えず振るわれる二本の剣。
一人が二本を振るっていたのと、二人が一本ずつ振るっている違いはあれどのび太の動きに変化はほとんどない。
ガントレットを装着した腕で剣を弾き、時には軽く身体を捩って躱す。
そうやって敵の体勢が崩れたり隙が生まれた瞬間に拳を放つ。
こちらの攻撃も向こうに届く前に防がれたりしているが、それでも有利なのは自分の方とのび太は確信していた。
のび太がどこまでも余裕を持っているのに対し、ロゼとチノは額に汗を滲ませどうにか対処に回っている。
一撃が重い、だから防いでも両腕が痺れる。一撃が速い、だから躱した傍から次が来る。
集中力を決して切らさずにいても一撃を凌ぐ度に疲労が着実に溜まっていく。
一撃が重い、だから防いでも両腕が痺れる。一撃が速い、だから躱した傍から次が来る。
集中力を決して切らさずにいても一撃を凌ぐ度に疲労が着実に溜まっていく。
同じタイミングで迫る刃を受け止め、刀身を掴んだまま両腕を振り回す。
足が地面から離れ、不格好なアトラクションのように二人は宙を舞う。
足が地面から離れ、不格好なアトラクションのように二人は宙を舞う。
「きゃっ…!」
とうとう剣を握っていられなくなり、チノはより高くに放り出された。
このまま地上への落下を待つよりも早く、チノが手放した剣をのび太が投擲。
よりにもよって自分の武器で殺される、だがチノが剣を手放した時点でロゼもまた動き出していた。
剣から手を離し跳躍、チノの腕を掴むと間近に迫った切っ先をどうにか避けようと、
このまま地上への落下を待つよりも早く、チノが手放した剣をのび太が投擲。
よりにもよって自分の武器で殺される、だがチノが剣を手放した時点でロゼもまた動き出していた。
剣から手を離し跳躍、チノの腕を掴むと間近に迫った切っ先をどうにか避けようと、
「オオッ!!」
する必要は無かった。
ロゼの視界いっぱいに入り込む、眩しい銀色の背中。
庇うように跳んだ絶狼がチノの剣を地面にはたき落とす。
使い手の血で刃を汚す事にはならずに済み、チノを抱えてロゼは着地。
ロゼの視界いっぱいに入り込む、眩しい銀色の背中。
庇うように跳んだ絶狼がチノの剣を地面にはたき落とす。
使い手の血で刃を汚す事にはならずに済み、チノを抱えてロゼは着地。
「そらよっ!」
無事に地面へ降り立ったと気配で分かった絶狼はロゼ達の方を見ない。
銀狼剣の柄底面へもう片方を組み合わせ、二双の刃を持つ銀牙銀狼剣を作り出し投擲。
円盤が飛来していると錯覚する程の速さで回転し、のび太の体を斬り落とすのを今か今かと待ち侘びていた。
銀狼剣の柄底面へもう片方を組み合わせ、二双の刃を持つ銀牙銀狼剣を作り出し投擲。
円盤が飛来していると錯覚する程の速さで回転し、のび太の体を斬り落とすのを今か今かと待ち侘びていた。
これでもまだのび太は顔色一つ変えずに回避。
ついでに握ったままの真紅の剣を絶狼目掛け投げ付けた。
ついでに握ったままの真紅の剣を絶狼目掛け投げ付けた。
しかし慌てる様子が無いのは絶狼も同じ。
真紅の剣を掴み、視線はそのままで背後に投げた。
再び手元に愛剣を取り戻したロゼが簡潔に礼を告げ、のび太へと走る。
絶狼も同様に駆け出し、のび太に投げた銀牙銀狼剣がブーメランの要領で戻って来たのを掴む。
一本から再度双剣へと分離させ、ロゼに続くように斬り掛かる。
真紅の剣を掴み、視線はそのままで背後に投げた。
再び手元に愛剣を取り戻したロゼが簡潔に礼を告げ、のび太へと走る。
絶狼も同様に駆け出し、のび太に投げた銀牙銀狼剣がブーメランの要領で戻って来たのを掴む。
一本から再度双剣へと分離させ、ロゼに続くように斬り掛かる。
(このままじゃダメです……)
果敢に攻め立てるロゼと零の背後でチノは唇を噛む。
自分も共に戦うと宣言したが、実際はどうだ。
二人に庇われ、助けられ、足を引っ張っている始末。
自分が弱いせいで二人を余計に苦戦させてしまう、そんなのは絶対にダメだ。
ならどうすれば良いのか。
自分も共に戦うと宣言したが、実際はどうだ。
二人に庇われ、助けられ、足を引っ張っている始末。
自分が弱いせいで二人を余計に苦戦させてしまう、そんなのは絶対にダメだ。
ならどうすれば良いのか。
(力を貸してください…)
変身し剣を振るい、時間が経つ毎に不思議な現象が起きた。
どういう訳か、この剣に秘められた力の使い方が分かって来るような気がしたのだ。
怪しいと言えばその通りであるし、大体この剣は檀黎斗によって支給された物。
信じ過ぎるのは良くないと言われてしまったら、流石に否定は出来ない。
どういう訳か、この剣に秘められた力の使い方が分かって来るような気がしたのだ。
怪しいと言えばその通りであるし、大体この剣は檀黎斗によって支給された物。
信じ過ぎるのは良くないと言われてしまったら、流石に否定は出来ない。
(でも今は…)
今は、今だけはこの剣が、戦う為の力が必要なのだ。
戦って、守らなければいけない人達が同じ地にいる。
戦って、守らなければいけない人達が同じ地にいる。
マヤが死んで、心に穴が開いたような気がした。
きっとこの穴は永遠に塞がらない、一生抱え続けねばならない喪失感なのだろう。
もしも他の皆まで死んでしまったら、心の穴はもっと広がりチノを痛めつけるに違いない。
だからもうこれ以上失わない為に、死なせない為の力を求める。
一緒に木組みの街へ帰る人達を、一緒に戦ってくれる仲間達を守る為の、
きっとこの穴は永遠に塞がらない、一生抱え続けねばならない喪失感なのだろう。
もしも他の皆まで死んでしまったら、心の穴はもっと広がりチノを痛めつけるに違いない。
だからもうこれ以上失わない為に、死なせない為の力を求める。
一緒に木組みの街へ帰る人達を、一緒に戦ってくれる仲間達を守る為の、
「皆を助けられる力を!!」
剣に光が灯る。
青く淡い輝きを放つ刀身の周りに浮かぶは雪の結晶。
幻想的な光景だが見惚れてはいられない。
チノには分かった、今なら仲間達の助けになれると。
それが可能な力が自分の手の中にある。
青く淡い輝きを放つ刀身の周りに浮かぶは雪の結晶。
幻想的な光景だが見惚れてはいられない。
チノには分かった、今なら仲間達の助けになれると。
それが可能な力が自分の手の中にある。
光を放つ剣を地面に思いっ切り突き刺す。
放たれるのはチノの“とっておき”だ。
放たれるのはチノの“とっておき”だ。
「ぐおおおおおおおおおお!?」
この戦闘で初めて苦悶と驚きの声がのび太の口から飛び出した。
無理もない事だ、何の予兆も無く唐突に足元から突き出た巨大な塊が当たったのだから。
のび太を襲った塊の正体は氷。
突如出現した巨大な氷塊がのび太を直撃、更には四方八方へ剣のような突起を生み出した。
咄嗟に両腕を交差させ防御したが、防ぎ切れなかった箇所がじくじくと痛む。
無理もない事だ、何の予兆も無く唐突に足元から突き出た巨大な塊が当たったのだから。
のび太を襲った塊の正体は氷。
突如出現した巨大な氷塊がのび太を直撃、更には四方八方へ剣のような突起を生み出した。
咄嗟に両腕を交差させ防御したが、防ぎ切れなかった箇所がじくじくと痛む。
一番下に見ていた相手からの予想外の攻撃とダメージ。
それはつまり、のび太であっても隙を晒す羽目になったということ。
それはつまり、のび太であっても隙を晒す羽目になったということ。
「二人とも今です!」
チノの言葉が言い終わるより早くに斬り掛かる二人の剣士。
まさかチノがこんな力を秘めていたのは彼らにも驚きだが、それらは後回し。
千載一遇の好機を逃すような、仲間が作り出した勝機を捨てる愚行は犯せない。
ロゼと絶狼、今度こそ二人の剣がのび太を討つ時が来た。
まさかチノがこんな力を秘めていたのは彼らにも驚きだが、それらは後回し。
千載一遇の好機を逃すような、仲間が作り出した勝機を捨てる愚行は犯せない。
ロゼと絶狼、今度こそ二人の剣がのび太を討つ時が来た。
「それがどうした」
が、現実は甘くない。
野比のび太という復讐鬼は、とことん常識外れの怪物だった。
野比のび太という復讐鬼は、とことん常識外れの怪物だった。
「俺は…スーパーのびー太だあああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」」
氷塊が砕け、地面が捲れ、空気が悲鳴を上げる。
のび太の全身から放たれる、圧倒的なエネルギーが周囲一帯を薙ぎ払う。
放送前に一戦交えた魔女、ルナが放ったセルフバーストに似た攻撃方法だ。
違いはルナが魔力を放出したのに対し、のび太は気を放出させた事。
どちらも強大なエネルギーを内包しているという点は同じである。
のび太の全身から放たれる、圧倒的なエネルギーが周囲一帯を薙ぎ払う。
放送前に一戦交えた魔女、ルナが放ったセルフバーストに似た攻撃方法だ。
違いはルナが魔力を放出したのに対し、のび太は気を放出させた事。
どちらも強大なエネルギーを内包しているという点は同じである。
「きゃああああああああっ!?」
気の放出を食らった事で近くにいたロゼと絶狼のみならず、少し離れた位置にいたチノまでもが吹き飛ばされた。
鎧を装着した零ですら地面から足が離れたのだ、三人の中で一番小柄なチノに踏ん張れる筈が無い。
風に飛ばされた枯れ葉のようにもみくちゃにされた挙句、運悪く後方にどっしりと鎮座する大岩に背中から激突した。
鎧を装着した零ですら地面から足が離れたのだ、三人の中で一番小柄なチノに踏ん張れる筈が無い。
風に飛ばされた枯れ葉のようにもみくちゃにされた挙句、運悪く後方にどっしりと鎮座する大岩に背中から激突した。
「チノ…!!」
ロゼも同じように大岩へと激突しかけるが、間一髪で蹴り付けると反動を利用し強引に着地。
足を襲う痺れるような痛みに構わずチノへ駆け寄った。
目を閉じ身動ぎもしない姿に一瞬焦るも、小さく胸を上下させており気を失っているだけらしい。
だが安堵するにはまだ早い。
足を襲う痺れるような痛みに構わずチノへ駆け寄った。
目を閉じ身動ぎもしない姿に一瞬焦るも、小さく胸を上下させており気を失っているだけらしい。
だが安堵するにはまだ早い。
「アタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!」
いち早く体勢を立て直した絶狼の双剣と、追撃を仕掛けたのび太の拳がぶつかり合う。
ガントレット諸共拳を叩っ斬らんとする絶狼、双剣も鎧も菓子のように砕き生身へ拳を到達せんとするのび太。
両者譲らぬ拳と双剣の激しさを増す真っ向勝負、やがて互いに決めの一手を繰り出す。
絶狼の鎧を叩く右拳、ソウルメタルの鎧であっても殺し切れぬ痛みと衝撃に殴り飛ばされた。
それはのび太も同じであった。胸を走る赤の一本線、少し遅れて地面に血の雨が降り注ぐ。
ガントレット諸共拳を叩っ斬らんとする絶狼、双剣も鎧も菓子のように砕き生身へ拳を到達せんとするのび太。
両者譲らぬ拳と双剣の激しさを増す真っ向勝負、やがて互いに決めの一手を繰り出す。
絶狼の鎧を叩く右拳、ソウルメタルの鎧であっても殺し切れぬ痛みと衝撃に殴り飛ばされた。
それはのび太も同じであった。胸を走る赤の一本線、少し遅れて地面に血の雨が降り注ぐ。
(そろそろヤバいか…!)
鎧を召喚してから大分時間を消費している。
99.9秒という制限時間を過ぎる前に解除しなければ、待ち受けるのは心滅獣身。
99.9秒という制限時間を過ぎる前に解除しなければ、待ち受けるのは心滅獣身。
「零!こっちに来て!」
自分を呼ぶ声へ瞬時に応え、ロゼの元へと大きく跳ぶ。
腕に抱かれたチノの姿にまさかと悪い予感をしかけるが、察したロゼから気絶しただけと言われた。
敵はまだ健在、こっちは一人が気を失っている。
ここからどう動くか、ロゼは既に答えを出していた。
腕に抱かれたチノの姿にまさかと悪い予感をしかけるが、察したロゼから気絶しただけと言われた。
敵はまだ健在、こっちは一人が気を失っている。
ここからどう動くか、ロゼは既に答えを出していた。
デイパックに手を突っ込み、目当ての物を引っ張り出す。
「は!?」
「なにっ」
「なにっ」
のび太だけでなく味方である零までもが素っ頓狂な声を出した。
それもその筈、ロゼが出したのは二階建ての建造物くらいの大きさの物体である。
大きさや重量に関係無く収納可能な構造のデイパックと言えど、まさかこれ程巨大な物が入っていたとは思わないだろう。
おまけにこの物体、何とも奇妙なデザインをしており用途が不明。
いや、よく見るとロケットに見えなくもない。
それもその筈、ロゼが出したのは二階建ての建造物くらいの大きさの物体である。
大きさや重量に関係無く収納可能な構造のデイパックと言えど、まさかこれ程巨大な物が入っていたとは思わないだろう。
おまけにこの物体、何とも奇妙なデザインをしており用途が不明。
いや、よく見るとロケットに見えなくもない。
「乗って!」
チノを抱えたロゼが真ん中の板らしき部分に飛び乗り、呆気に取られている零へ叫んだ。
切羽詰まった声に我に返った。
どうやら乗り物らしい物体を前に呆けてしまったがそんな場合では無いのだ。
鎧を解除した零が自分の隣に飛び乗るのを確認すると、ロケット(仮)を急発進させる。
どこを見ても操縦桿は見当たらないが、説明書によると乗っている人間の意思で動くとのこと。
何から何までおかしな乗り物だが今はそんなのどうだっていい。
切羽詰まった声に我に返った。
どうやら乗り物らしい物体を前に呆けてしまったがそんな場合では無いのだ。
鎧を解除した零が自分の隣に飛び乗るのを確認すると、ロケット(仮)を急発進させる。
どこを見ても操縦桿は見当たらないが、説明書によると乗っている人間の意思で動くとのこと。
何から何までおかしな乗り物だが今はそんなのどうだっていい。
「ぬう…!」
スラスターらしき箇所から猛烈な炎が発射され、逃亡を阻止しようとしたのび太は思わず足を止める。
その僅かな隙でロケット(仮)はあっという間に飛び去って行った。
その僅かな隙でロケット(仮)はあっという間に飛び去って行った。
(追いかけるか…?)
タケコプターなどと言うゴミ野郎のひみつ道具に頼らずとも、今の自分は空を飛べる。
暫し考えた後、やはり止めにした。
想定したよりもこの身に負わされた傷は大きい。
分かっていた事だが、超人類となった自分でも苦戦するような強者がゴロゴロいる。
未だ一人も殺せていない自身への不甲斐なさはあれど、苛立ちに身を任せて動ても優勝への道は遠のくだけ。
理解しているからこそ、こんな序盤で無理は禁物。
暫し考えた後、やはり止めにした。
想定したよりもこの身に負わされた傷は大きい。
分かっていた事だが、超人類となった自分でも苦戦するような強者がゴロゴロいる。
未だ一人も殺せていない自身への不甲斐なさはあれど、苛立ちに身を任せて動ても優勝への道は遠のくだけ。
理解しているからこそ、こんな序盤で無理は禁物。
「…俺はまだ死ねん。貴様を地獄に叩き落とすその時までは!」
自分を騙し、裏切り、切り捨てたドラえもんへの復讐心。
どれだけ冷静に努めようとも、己を焦がす憎しみだけは無くなりそうもなかった。
どれだけ冷静に努めようとも、己を焦がす憎しみだけは無くなりそうもなかった。
【C-3/一日目/深夜】
【野比のび太@超人類】
[状態]:全身に火傷(中)、上半身に細かい切り傷、胸部に裂傷(中)、疲労(大)
[装備]:ホーリー・ナックル@Fate/Grand Order
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~2
[思考]
基本方針:優勝して、あの裏切り者を必ず殺す
1:あの娘とはいずれ雌雄を決する事になろう
2:あの炎は、一体何だ?
3:やはり手強い連中が多いな
[備考]
※参戦時期は第4話、スーパーのびー太になった直後
[状態]:全身に火傷(中)、上半身に細かい切り傷、胸部に裂傷(中)、疲労(大)
[装備]:ホーリー・ナックル@Fate/Grand Order
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~2
[思考]
基本方針:優勝して、あの裏切り者を必ず殺す
1:あの娘とはいずれ雌雄を決する事になろう
2:あの炎は、一体何だ?
3:やはり手強い連中が多いな
[備考]
※参戦時期は第4話、スーパーのびー太になった直後
◆◆◆
「ごめんなさい零、あの男を放置して逃げて…」
「謝んなくても良いよロゼちゃん。今はチノちゃんのが大事だしさ」
「謝んなくても良いよロゼちゃん。今はチノちゃんのが大事だしさ」
申し訳なさそうに頭を下げるロゼを窘め、寝かされた少女を見る。
気を失っただけで命は繋がっていても、浮かべる顔はどこか苦しそうだ。
心配気に頬を撫でるロゼの気持ちは零にも分かった。
気を失っただけで命は繋がっていても、浮かべる顔はどこか苦しそうだ。
心配気に頬を撫でるロゼの気持ちは零にも分かった。
「早めにどこかに降りて、チノを休ませないと」
ロゼの言葉に異論は無い。
チノが心配なのもあるし、何よりこんな馬鹿デカい物で飛行し続けるのはよろしくない。
徒歩よりも上等な移動手段があるのは良いが、夜でも目立つコレでは今この瞬間にも地上から撃たれそうだ。
チノが心配なのもあるし、何よりこんな馬鹿デカい物で飛行し続けるのはよろしくない。
徒歩よりも上等な移動手段があるのは良いが、夜でも目立つコレでは今この瞬間にも地上から撃たれそうだ。
だが他にも理由があるのか、少々気まずそうな顔をしてロゼが言う。
「それにこの乗り物、10分経ったら動かなくなるらしい。だから急がないと墜落する」
「……マジで?」
「……マジで?」
【C-3(上空)/一日目/深夜】
【閃刀姫-ロゼ@遊戯王OCG】
[状態]:疲労(中)、両腕と片足に若干の痺れ、ロケットに搭乗中
[装備]:閃刀姫-ロゼの剣@遊戯王OCG、チームみかづき荘のロケット@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~1
[思考・状況]
基本方針:檀黎斗やハ・デスを斬り、大切な人(レイ)の待つ平和な日常に帰る
1:今はチノを休ませられる場所へ降りないと
2:チノや涼邑零と協力する
3:レイを見つけて守る
[備考]
※遊戯王カードについての知識はありません。
[状態]:疲労(中)、両腕と片足に若干の痺れ、ロケットに搭乗中
[装備]:閃刀姫-ロゼの剣@遊戯王OCG、チームみかづき荘のロケット@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~1
[思考・状況]
基本方針:檀黎斗やハ・デスを斬り、大切な人(レイ)の待つ平和な日常に帰る
1:今はチノを休ませられる場所へ降りないと
2:チノや涼邑零と協力する
3:レイを見つけて守る
[備考]
※遊戯王カードについての知識はありません。
【涼邑零@牙狼-GARO-シリーズ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、搭乗中
[装備]:涼邑零の魔戒剣@牙狼-GARO-
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本方針:守りし者として人々を守る。檀黎斗達も倒す
1:墜落ってマジかよ
2:ロゼちゃんとチノちゃんを守りつつ、二人の友達を探す
3:他の参加者に支給された可能性があるシルヴァを探す
4:鋼牙を探して共闘する。あいつなら大丈夫だろ
5:あの黒い鎧、ホラー喰いの魔戒騎士か?
[備考]
※参戦時期は少なくとも牙狼-GARO- ~MAKAISENKI~終了後。
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、搭乗中
[装備]:涼邑零の魔戒剣@牙狼-GARO-
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本方針:守りし者として人々を守る。檀黎斗達も倒す
1:墜落ってマジかよ
2:ロゼちゃんとチノちゃんを守りつつ、二人の友達を探す
3:他の参加者に支給された可能性があるシルヴァを探す
4:鋼牙を探して共闘する。あいつなら大丈夫だろ
5:あの黒い鎧、ホラー喰いの魔戒騎士か?
[備考]
※参戦時期は少なくとも牙狼-GARO- ~MAKAISENKI~終了後。
【香風智乃@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、悲しみと決意、搭乗中、気絶中
[装備]: チノ(せんし)の剣@きららファンタジア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本方針:ハ・デスや檀黎斗達を倒して平和な日常に――ココアさんのいる場所に帰りたいです
0:……
1:ロゼさんや零さんに協力します
2:ココアさんやみんなを探したいです
3:ティッピーはここにはいないんでしょうか……?
4:マヤさん……
5:どうしてココアさんの名前が二つあったんでしょう……?
[備考]
[状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、悲しみと決意、搭乗中、気絶中
[装備]: チノ(せんし)の剣@きららファンタジア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本方針:ハ・デスや檀黎斗達を倒して平和な日常に――ココアさんのいる場所に帰りたいです
0:……
1:ロゼさんや零さんに協力します
2:ココアさんやみんなを探したいです
3:ティッピーはここにはいないんでしょうか……?
4:マヤさん……
5:どうしてココアさんの名前が二つあったんでしょう……?
[備考]
【ホーリー・ナックル@Fate/Grand Order】
マルタ(水着)の絆礼装。
金の装飾が施された打撃用のガントレット。
マルタ(水着)の絆礼装。
金の装飾が施された打撃用のガントレット。
【チームみかづき荘のロケット@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)】
ファイナルシーズンで登場した乗り物。
チームみかづき荘の抱えるそれぞれの絶望に、ありったけの希望を込めた5人のコネクトにより生まれた。
クロスボウ、ハルバード、鉄扇、ハンマー、盾といったそれぞれの固有武器が合体したような外見をしている。
本ロワ独自の制限として一度飛び立つと10分経過で強制的に停止、再起動には3時間のインターバルが必要。
ファイナルシーズンで登場した乗り物。
チームみかづき荘の抱えるそれぞれの絶望に、ありったけの希望を込めた5人のコネクトにより生まれた。
クロスボウ、ハルバード、鉄扇、ハンマー、盾といったそれぞれの固有武器が合体したような外見をしている。
本ロワ独自の制限として一度飛び立つと10分経過で強制的に停止、再起動には3時間のインターバルが必要。
015:嵐の前の静けさ ~心を無くした系~ | 投下順 | 017:DIVE to DEEP ―青い季節の罪深き夜に― |
時系列順 | ||
16:S#0/レイが私にくれた幸せを無にしない為に | 閃刀姫-ロゼ | 072:Judge End ─アドバンス・カーニバル─ |
涼邑零 | ||
香風智乃 | ||
24:Break Down | 野比のび太 | 053:Battle Royal Mode-Joining 超戦士カオスソルジャー |