「――変身」
会場、とある木々に囲まれた地帯の中。少女は盾を天に掲げ、その一言を呟いた。
それに呼応する様、少女の身は一瞬光に包まれ――
それに呼応する様、少女の身は一瞬光に包まれ――
「……っ!変身、本当、なんだ」
やがて彼女の姿は、鎧に覆われたナイト、即ち並行世界――きららファンタジアの世界の姿へと変わった。手持ち無沙汰だった右手には、剣も現れる。そして身体を少し動かしてみるだけでも、身体能力が格段に上がっていることがわかった。
彼女――直樹美紀は、決闘の舞台にて力を手に入れた。
彼女――直樹美紀は、決闘の舞台にて力を手に入れた。
直樹美紀の居た世界は、壮絶の一言に尽きる。
ある日を境に人ならざる者と化した『かれら』が街を埋め尽くし、その中で生き残った彼女は数少ない仲間達と日常を過ごしていた。
学園生活部。仲間たちはこのサバイバル生活はあくまでも部活動の一環だという発想の中にて、彼女もそのロールプレイを行っていた。
ある日を境に人ならざる者と化した『かれら』が街を埋め尽くし、その中で生き残った彼女は数少ない仲間達と日常を過ごしていた。
学園生活部。仲間たちはこのサバイバル生活はあくまでも部活動の一環だという発想の中にて、彼女もそのロールプレイを行っていた。
やがてかけがえのない仲間となった学園生活部は、巡ヶ丘学園を『卒業』し、聖イシドロス大学へ『進学』し、ランダル・コーポレーションへと『就職』し――
やっと、この世界を救う方法の糸口を見つけられた。
やっと、この世界を救う方法の糸口を見つけられた。
そんな時に、彼女はこの決闘の舞台に呼ばれてしまった。
このデュエルでは様々な世界から決闘者を呼び寄せている、とハ・デスは語ったが、並行世界という概念など普段ならば簡単に信じられない。だがあの冥界の魔王たるあまりにも非現実的な相貌を見せられては、信じざるを得ない。
それならば、彼らにとってはパンデミックの中足掻く世界もただ一つの並行世界でしかないのであろう。
その上で磯野の発言はあまりにも魅力的であった。
それならば、彼らにとってはパンデミックの中足掻く世界もただ一つの並行世界でしかないのであろう。
その上で磯野の発言はあまりにも魅力的であった。
『最後の一人まで生き残った者をデュエルキングとし、富と名誉を与える。更に一つだけどんな願いでも叶えることが可能となる』
富も名誉も決闘王なんて称号も必要ない。ただ、どんな願いでも叶えられる権利。
その権利で、世界が救える。
数多の世界を観測した上でこのバトルロイヤルを開催した彼らにならば、ひとつの世界を救うなんて願いは容易く叶えてくれるであろう。
数多の世界を観測した上でこのバトルロイヤルを開催した彼らにならば、ひとつの世界を救うなんて願いは容易く叶えてくれるであろう。
だが、その願いを叶えるために、人々を殺めるのか?
確かにここに居る者全てが死ぬか世界の人間全てが元に戻るかを比べれば、圧倒的に救われる人間は後者の方が多いであろう。
確かにここに居る者全てが死ぬか世界の人間全てが元に戻るかを比べれば、圧倒的に救われる人間は後者の方が多いであろう。
それでも、最初に見せられたあの人間の姿を、
友人の為に異議を叫び、死んでいった少年の姿を思い浮かべれば、そんな発想は消える。
友人の為に異議を叫び、死んでいった少年の姿を思い浮かべれば、そんな発想は消える。
あんな善良な人間を、自分は殺せない。
恐らく彼、本田ヒロトの様な人間がこの舞台に多く巻き込まれているであろう。
ユウギという少年も彼の死を嘆き殺し合いに反旗を示すであろう。
ならば、自らもそうするべきだ。
この場に居る人を救う側につくべきだ。
そして自らの世界へ帰り、仲間と共に路を行くべきだ。美紀はそう強く思う。
ユウギという少年も彼の死を嘆き殺し合いに反旗を示すであろう。
ならば、自らもそうするべきだ。
この場に居る人を救う側につくべきだ。
そして自らの世界へ帰り、仲間と共に路を行くべきだ。美紀はそう強く思う。
その思いに応える様に、美紀の支給品は彼女に力を与えたのである。
――いや、与えたのは力だけではない。
――いや、与えたのは力だけではない。
「なんや、誰かおるおもたら巫女はんやったか」
突然の声。美紀は振り向き、その言葉への疑問を発する。
「……巫女?」
「あ、今は魔法少女いうらしかったか」
「……違います。巫女でも、魔法少女でもないです」
「あらそうなん?」
やがてその姿が見える――
声の主は、普通の人間ではなかった。
頭からは狐の様にとがった耳がついていて、何より目立つ『尻尾』というしかないモフモフ部分。
ハ・デスの存在や手元の剣と盾を見ても、この場所で常識に捉えられてはいけないことを美紀は重々承知していたが、やはり初見では驚かざるを得ない。
声の主は、普通の人間ではなかった。
頭からは狐の様にとがった耳がついていて、何より目立つ『尻尾』というしかないモフモフ部分。
ハ・デスの存在や手元の剣と盾を見ても、この場所で常識に捉えられてはいけないことを美紀は重々承知していたが、やはり初見では驚かざるを得ない。
それよりも、巫女や魔法少女というワード。
狐耳のことも相まって、彼女は様々な世界のうちの自分とは違う世界から来たということはなんとなく理解した。
ならば、情報を聞かなければいけない。別世界の人物なら、この殺し合いを止められる方法を思い浮かぶかもしれない。
狐耳のことも相まって、彼女は様々な世界のうちの自分とは違う世界から来たということはなんとなく理解した。
ならば、情報を聞かなければいけない。別世界の人物なら、この殺し合いを止められる方法を思い浮かぶかもしれない。
「……私は、直樹美紀です。殺し合いに乗るつもりはありません」
「美紀はんかぁ。うち、リコ。まぞくや」
「……リコさん、その『まぞく』とか『巫女』とか、『魔法少女』について教えて欲しいです」
「ん~?ええでええで」
住んでいる世界やおそらく種別まで違うであろうが、とにかくは友好的な人物と出会えてよかった、と美紀は思う。
◆◆◆◆
リコから聞く、異世界の情報。
それは案外、興味深く面白いものだった。
光の一族と闇の一族について、巫女――魔法少女について、自らが現在働く喫茶店について、そして自らの彼氏でありその喫茶店の店長というバクのまぞくについて。リコの知る限りの、大まかな情報が美紀へと流れ込む。
それは案外、興味深く面白いものだった。
光の一族と闇の一族について、巫女――魔法少女について、自らが現在働く喫茶店について、そして自らの彼氏でありその喫茶店の店長というバクのまぞくについて。リコの知る限りの、大まかな情報が美紀へと流れ込む。
美紀は普段からSFやファンタジーの小説を嗜む。リコの話す現実離れした世界観も、受け入れ噛み締めるほどの余裕は残されていた。
途中、リコにも美紀は自分達が別世界から呼ばれていることを伝えた。
リコと美紀の世界の最も大きな差異――『かれら』が存在するか否かを問うと、リコも納得した。
途中、リコにも美紀は自分達が別世界から呼ばれていることを伝えた。
リコと美紀の世界の最も大きな差異――『かれら』が存在するか否かを問うと、リコも納得した。
やがて互いに世界や身の丈について話し終えた所で、美紀は立ち上がる。
「私はおそらく、私やリコさんの世界ともまた別の世界の力を手に入れました。なのでこの力を、ハ・デス達を討つために使います……。リコさんも、まぞくですので力を持つと聞きました」
美紀が行うのは、『これから』についての提案。
リコが殺し合いに乗っている可能性は現時点でほぼゼロのようなものだが、それと自らに手を貸してくれるかは別。
美紀は、手を差し出す。
リコが殺し合いに乗っている可能性は現時点でほぼゼロのようなものだが、それと自らに手を貸してくれるかは別。
美紀は、手を差し出す。
「どうか、お願いします。私と一緒に、殺し合いを止めませんか?」
返答を待つ。やがて、リコは口を開く。
「美紀はん、人とは戦ったことないんやろ?」
「え?あ、まぁ……」
「それやのに自分がメインで戦うみたいに言うて、笑えるわぁ」
「ちょ……っ」
こちらを嘲笑う様に、リコは口に手を当てくすくすと笑う。
「……でも、気に入ったわ。カッコええやん~」
だがすぐにその笑みは、穏やかなものへと変わり――
「手ぇ貸したる。変なやつ出てきたらうちが肥溜め落としたるわ。うちもはよ帰りたいし」
美紀のその手を握った。友好の、証。
「……!リコさんっありがとうございます!」
「ええよええよ~」
美紀自身、明確な目標は決まっていない。
いくらハ・デス達を討つとて居場所もわからなければ、力もおそらく及ばないであろう。
だが、今隣に立ってくれている存在。
そんな存在をこれから増やしていけば、解決の糸口は見えるかもしれない。
いくらハ・デス達を討つとて居場所もわからなければ、力もおそらく及ばないであろう。
だが、今隣に立ってくれている存在。
そんな存在をこれから増やしていけば、解決の糸口は見えるかもしれない。
即ち、仲間集めだ。
絶望に塗れた世界の中でも、仲間が居たから自分は今も生き残っている。
この場でも、同じであろう。
絶望に塗れた世界の中でも、仲間が居たから自分は今も生き残っている。
この場でも、同じであろう。
(……先輩達、すぐに帰ります。待っててください)
自分は、帰らなければいけない。
だからこの場所でも、誰かと手を取り合う。
美紀は前へと進み続けることを、決めた。
だからこの場所でも、誰かと手を取り合う。
美紀は前へと進み続けることを、決めた。
【直樹美紀@がっこうぐらし!】
[状態]:健康
[装備]:直樹美紀専用シールド@きららファンタジア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止めて、元の世界へに
1:リコさんと共に、賛同してくれる仲間を探す
[備考]
※参戦時期は青襲椎子からのビデオを見る(原作71話)~巡ヶ丘学園に戻ってくるまで(原作72話)の間です。
[状態]:健康
[装備]:直樹美紀専用シールド@きららファンタジア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止めて、元の世界へに
1:リコさんと共に、賛同してくれる仲間を探す
[備考]
※参戦時期は青襲椎子からのビデオを見る(原作71話)~巡ヶ丘学園に戻ってくるまで(原作72話)の間です。
【リコ@まちカドまぞく】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:はよ帰る
1:美紀はんカッコええやん。気に入ったわ~
2:マスターとか知り合いおるなら探す
[備考]
※参戦時期は動物園遠足(原作42話・アニメ2丁目8話)~ウガルル受肉(原作52話・アニメ2丁目12話)までの間です。
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:はよ帰る
1:美紀はんカッコええやん。気に入ったわ~
2:マスターとか知り合いおるなら探す
[備考]
※参戦時期は動物園遠足(原作42話・アニメ2丁目8話)~ウガルル受肉(原作52話・アニメ2丁目12話)までの間です。
同刻、美紀達とは遠く離れた、とある市街地の一角。
彼女は椅子に座りながら、手元のCDプレイヤーを眺めている。
その瞳には、何が映っているのかわからない。
ただ、瞳から映る景色が晴れていないことだけはわかる。
彼女は椅子に座りながら、手元のCDプレイヤーを眺めている。
その瞳には、何が映っているのかわからない。
ただ、瞳から映る景色が晴れていないことだけはわかる。
そんな彼女の元へコーヒーカップが差し出された。
差出主は、なんともダンディという言葉が似合う男。
差出主は、なんともダンディという言葉が似合う男。
「お待たせしました、圭くん。カプチーノです」
「……!ありがとうございます、いただきますっ」
「……!ありがとうございます、いただきますっ」
殺し合いという舞台には似合わない落ち着いた雰囲気のカフェ――ラビットハウス。
二人、祠堂圭と香風タカヒロはその場所で日常と変わりない風景を再現していた。
二人、祠堂圭と香風タカヒロはその場所で日常と変わりない風景を再現していた。
時は、少し遡る。
タカヒロは決闘の舞台、ラビットハウスのすぐ側へと配置された。
本来この場所にあるはずないもの。タカヒロは怪しむも、中へ入ることを決意。
タカヒロは決闘の舞台、ラビットハウスのすぐ側へと配置された。
本来この場所にあるはずないもの。タカヒロは怪しむも、中へ入ることを決意。
店内の景色は、何も変わっていなかった。
珈琲豆、食材、食器、調理器具、日用品、私物。
チノの部屋も失礼を承知で確認したが、何も変化は見られない。
珈琲豆、食材、食器、調理器具、日用品、私物。
チノの部屋も失礼を承知で確認したが、何も変化は見られない。
だが、変わっているものもある。
チノが、リゼくんが、ココアくんが、親父が。
誰一人居ない。窓から外を見渡しても、兎も見当たらないし、鳩も見当たらない。
そもそも、窓から見えるのは全く別の景色。
疑問は重なって行くばかりだが、その時、扉が開く音が聞こえる。
急いでニ階から降り、その音の主を確かめる。
決闘の舞台、ラビットハウス最初の入店客は――制服を着た、チノ達同じ歳くらいの少女だった。
チノが、リゼくんが、ココアくんが、親父が。
誰一人居ない。窓から外を見渡しても、兎も見当たらないし、鳩も見当たらない。
そもそも、窓から見えるのは全く別の景色。
疑問は重なって行くばかりだが、その時、扉が開く音が聞こえる。
急いでニ階から降り、その音の主を確かめる。
決闘の舞台、ラビットハウス最初の入店客は――制服を着た、チノ達同じ歳くらいの少女だった。
少女の名は、祠堂圭。
殺し合いの舞台、市街地を彷徨いていた彼女だったが喫茶店と書かれている建物ならば入っても良いだろうと、ラビットハウスの扉を開いた。
タカヒロは彼女に、この建物は元々自らの喫茶店であり家であることを伝えると、とにかくリラックスをしてもらう為、そして自らも一旦落ち着くために、普段通りにコーヒーを淹れる事にした。
殺し合いの舞台、市街地を彷徨いていた彼女だったが喫茶店と書かれている建物ならば入っても良いだろうと、ラビットハウスの扉を開いた。
タカヒロは彼女に、この建物は元々自らの喫茶店であり家であることを伝えると、とにかくリラックスをしてもらう為、そして自らも一旦落ち着くために、普段通りにコーヒーを淹れる事にした。
淹れたのは、カプチーノ。少女の好みに合わせた訳でもなく、自然と手がカプチーノを生み出していた。それは娘への心配故の行動かはわからない。
そして、今へと至る。
圭という少女は、表情が妙に暗かった。
だがタカヒロもそれは当然だと考える。いきなり彼女とも同年代であろう男子が殺され、挙句自らも殺し合えと命令されたのだ。
カプチーノを差し出すと、笑みを浮かべ飲み始めてくれた事には安心する。
圭という少女は、表情が妙に暗かった。
だがタカヒロもそれは当然だと考える。いきなり彼女とも同年代であろう男子が殺され、挙句自らも殺し合えと命令されたのだ。
カプチーノを差し出すと、笑みを浮かべ飲み始めてくれた事には安心する。
ならば、この少女は自らが守ってあげないといけない。
軍人としての経験もある自分が、この少女を守ってあげれば良い、と。
タカヒロはそう決めた。
軍人としての経験もある自分が、この少女を守ってあげれば良い、と。
タカヒロはそう決めた。
だが、そもそも住んでいた世界が違うタカヒロに分かるはずがなかった。
圭の表情が暗い理由が、殺し合いに巻き込まれたことに関してだけではないことを。
圭はもう既に、この世にいるはずのない存在であることを。
圭の表情が暗い理由が、殺し合いに巻き込まれたことに関してだけではないことを。
圭はもう既に、この世にいるはずのない存在であることを。
◆◆◆◆
祠堂圭が、決闘の舞台にてまず抱いたもの。
それは、恐怖。
そう言えば殺し合いに巻き込まれたことへの恐怖と考えられるであろうが、それだけではない。
それは、恐怖。
そう言えば殺し合いに巻き込まれたことへの恐怖と考えられるであろうが、それだけではない。
なぜ、自分が生きているのか、という恐怖。
脚は、怪我をしていたはずだ。痛みもないし傷跡すら残っていない。
髪は自らでさえ不快に感じるほど乱れていたはずだ。ずっと前、シャワーを浴びた時と同じくらいに整っている。
身体は、終わったはずだ。『かれら』に噛まれ、ウイルスに蝕まれた身体は朽ちていったはずだ。
脚は、怪我をしていたはずだ。痛みもないし傷跡すら残っていない。
髪は自らでさえ不快に感じるほど乱れていたはずだ。ずっと前、シャワーを浴びた時と同じくらいに整っている。
身体は、終わったはずだ。『かれら』に噛まれ、ウイルスに蝕まれた身体は朽ちていったはずだ。
今、五体満足で、何事もなかった様に自分は地面に立っている。
理解が追いつかなかった、最初の人間や冥界の魔王だと名乗る者達も相まって、混乱が続く。
とにかく背負っていたデイパックを確認することにした。
いくつか支給品らしきものが見当たり……一つ取り出す。
とにかく背負っていたデイパックを確認することにした。
いくつか支給品らしきものが見当たり……一つ取り出す。
「――これって……!?」
それは、CDプレイヤー。
そこらで売っている様なモデル。しかし間違いなく、自分があの時あの子に託したもの。
ふと一枚の紙が付属していることに気付く、それは説明書であった。
その説明書を読むと、認識が少し変わる。
『並行世界で手にした力を引き出す。本人の意思で並行世界の力を解放した姿に『変身』が可能』なんて綴られている。圭のプレイヤーは、知らないうちになんともマジカルなアイテムへと変わっていた。
そこらで売っている様なモデル。しかし間違いなく、自分があの時あの子に託したもの。
ふと一枚の紙が付属していることに気付く、それは説明書であった。
その説明書を読むと、認識が少し変わる。
『並行世界で手にした力を引き出す。本人の意思で並行世界の力を解放した姿に『変身』が可能』なんて綴られている。圭のプレイヤーは、知らないうちになんともマジカルなアイテムへと変わっていた。
「変身……」
確かに、殺し合えというならば自分の様な何の力も持たない様な人間には武器が必要だ。
並行世界なんてワードは、現実では考えにくい。
だが、現実で考えられない事ならば、元の世界から既に何回も起きている。
ならばこの変身とやらも、本当なのかもしれない。そう思い圭はCDプレイヤーを掲げ――
並行世界なんてワードは、現実では考えにくい。
だが、現実で考えられない事ならば、元の世界から既に何回も起きている。
ならばこの変身とやらも、本当なのかもしれない。そう思い圭はCDプレイヤーを掲げ――
「……やめとこ」
手を、下ろした。
変身する時は、今ではない気がする。もっと、強い敵が現れた時のために温存。
書かれていないだけでデメリットがある可能性すらある。圭は慎重に行動することを選んだ。
変身する時は、今ではない気がする。もっと、強い敵が現れた時のために温存。
書かれていないだけでデメリットがある可能性すらある。圭は慎重に行動することを選んだ。
元々圭は、なんでも率先して行う様な性格であった。
だが、そう動いてどうなったか。
だが、そう動いてどうなったか。
『生きていれば、それで良いの?』
未だに、圭は後悔している。その行動が、自分の死を招いたことについてではない。
あの時、結果的にあの子を――美紀を突き放してしまったことを。
あの時、結果的にあの子を――美紀を突き放してしまったことを。
美紀を孤独に追いやって、自分は助けを呼ぶどころか結局、『かれら』になってしまった。……そうなってしまったのに、今生きていることは一旦置いておく。
二度と、あんな過ちを繰り返さない様に。慎重に動くことが、吉であろう。
二度と、あんな過ちを繰り返さない様に。慎重に動くことが、吉であろう。
そんな事を考えながら、彼女は市街地を歩いているうちに一つの建物が目に入った。
『喫茶店 ラビットハウス』。人が居る気配もなんとなく感じた為、扉を開く。
『喫茶店 ラビットハウス』。人が居る気配もなんとなく感じた為、扉を開く。
そこで彼女は、タカヒロと出会った。
◆◆◆◆
――カップが空になる。
「……ありがとうございます、美味しかったですっ」
「それなら良かったよ」
カップをタカヒロは回収する。同時、圭は口を開く。
「あの、タカヒロさんは、これからどうしますか?」
「……これから、か」
質問に対し、タカヒロはすぐに答えた。
「二つ、やらないといけない事があるんだ。一つは、この場所からの脱出方法を考えること。そしてもう一つは……ここで一緒に住んでいたはずの娘達を探す、ことだな」
はっきりとした目標だ。圭は、それを聞きそう思う。
なら未だに状況を把握できていない自分は、取り敢えずは彼について行くべきだろう、となんとなく感じた。
なら未だに状況を把握できていない自分は、取り敢えずは彼について行くべきだろう、となんとなく感じた。
「……私も、手伝います。娘さん達も、居るかも知れないんですよね」
「……!良いのかい?君も、何かしたい事が無いのかい?」
「今は、タカヒロさんを手伝いたいです」
そう言って圭は立ち上がる。
「コーヒーのお礼をしたいです。娘さん達を探します。脱出方法も、一緒に考えましょう」
脱出したところで、自分はどうなる。そんな事を考えるも、他の誰かが助かるならば、それで良いと判断。
「……ありがとう。なら、娘達の事を教えるよ」
そして二人は、手を組んだ。
タカヒロは圭を、居るかもしれない娘や友人を守るために。
圭はこれ以上、後悔を残さないために。
タカヒロは圭を、居るかもしれない娘や友人を守るために。
圭はこれ以上、後悔を残さないために。
【祠堂圭@がっこうぐらし!】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、圭のCDプレイヤー@きららファンタジア、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:この場所で、出来ることを
1:タカヒロさんと行動。娘さん達を探す
2:よくわからないけど、まだ生きてるなら、後悔をこれ以上残さない様に動きたい
3:変身……は然るべき時に
[備考]
※参戦時期は死亡後。『かれら』と化した後の記憶はないものとします。
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、圭のCDプレイヤー@きららファンタジア、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:この場所で、出来ることを
1:タカヒロさんと行動。娘さん達を探す
2:よくわからないけど、まだ生きてるなら、後悔をこれ以上残さない様に動きたい
3:変身……は然るべき時に
[備考]
※参戦時期は死亡後。『かれら』と化した後の記憶はないものとします。
【香風タカヒロ@ご注文はうさぎですか?】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:殺し合いから脱出できる方法を探す
1:圭くんを守る
2:チノやその友人達が巻き込まれていないか心配
[備考]
※参戦時期は後の書き手様にお任せします。
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:殺し合いから脱出できる方法を探す
1:圭くんを守る
2:チノやその友人達が巻き込まれていないか心配
[備考]
※参戦時期は後の書き手様にお任せします。
※直樹美紀達と祠堂圭達の位置は、ある程度離れています。
『支給品紹介』
【直樹美紀専用シールド@きららファンタジア】
直樹美紀に支給。
美紀が並行世界――きららファンタジアで手にした力を引き出すための盾。
本人の意思で並行世界の力を解放した姿に『変身』が可能であり、変身中は身体能力が向上する他、固有能力が使用可能。
さらに専用の剣が現れる。変身中はきららファンタジアの『ナイト』の美紀の衣装へと服装が変わる。
【直樹美紀専用シールド@きららファンタジア】
直樹美紀に支給。
美紀が並行世界――きららファンタジアで手にした力を引き出すための盾。
本人の意思で並行世界の力を解放した姿に『変身』が可能であり、変身中は身体能力が向上する他、固有能力が使用可能。
さらに専用の剣が現れる。変身中はきららファンタジアの『ナイト』の美紀の衣装へと服装が変わる。
【圭のCDプレイヤー@きららファンタジア】
祠堂圭に支給。
圭のお気に入りのプレイヤーが、並行世界――きららファンタジアの世界にて圭と同時に召喚されたことで変異したもの。
見た目自体は普通のCDプレイヤーだがプレイヤーとしての機能は失われている。
圭の意思によって、『変身』が可能で変身中は身体能力が向上する他、固有能力が扱える。
変身中はきららファンタジアの『まほうつかい』の圭の衣装に服装が変わる。
祠堂圭に支給。
圭のお気に入りのプレイヤーが、並行世界――きららファンタジアの世界にて圭と同時に召喚されたことで変異したもの。
見た目自体は普通のCDプレイヤーだがプレイヤーとしての機能は失われている。
圭の意思によって、『変身』が可能で変身中は身体能力が向上する他、固有能力が扱える。
変身中はきららファンタジアの『まほうつかい』の圭の衣装に服装が変わる。
『施設紹介』
【ラビットハウス@ご注文はうさぎですか?】
チノやココア達が働く喫茶店。二階建てであり、二階部分は彼女達の部屋が用意されている。
このバトルロイヤルの舞台には特に何も変わらずそのまま設置されており、珈琲豆や食材、調理器具に日用品、ココア達の私物にあたるまでそのままの状態。
【ラビットハウス@ご注文はうさぎですか?】
チノやココア達が働く喫茶店。二階建てであり、二階部分は彼女達の部屋が用意されている。
このバトルロイヤルの舞台には特に何も変わらずそのまま設置されており、珈琲豆や食材、調理器具に日用品、ココア達の私物にあたるまでそのままの状態。