「な・る・ほ・ど・ねぇ~~~~~」
わざとらしく間延びした言い方。
横目で見やるとタブレット片手に、これ見よがしに頷く仕草をする男。
外見は同じでも中身が違えばこうもストレスの元になるのか。
仕方がないとはいえ、胃痛の原因とピッタリくっついて行動しなくてはならない事にため息が出る。
ちなみに何度目のため息かは10を超えた所で数えるのをやめた。
どうせこの先も何かあれば意識せずとも出してしまう。
横目で見やるとタブレット片手に、これ見よがしに頷く仕草をする男。
外見は同じでも中身が違えばこうもストレスの元になるのか。
仕方がないとはいえ、胃痛の原因とピッタリくっついて行動しなくてはならない事にため息が出る。
ちなみに何度目のため息かは10を超えた所で数えるのをやめた。
どうせこの先も何かあれば意識せずとも出してしまう。
「何が?」
極めて簡潔に問い掛ければ、待ってましたとばかりに笑みを向けられた。
構ってちゃんかよ。内心で零した悪態を察しているのかいないのか。
前者だとしてもさして気にはしないのがエボルトという男だ。
構ってちゃんかよ。内心で零した悪態を察しているのかいないのか。
前者だとしてもさして気にはしないのがエボルトという男だ。
「いやな?あのふんぞり返った神様が言ってたデュエルのルールってのをちょいと見てみたんだよ」
先程の大々的に行われた放送で説明された、デュエルのルールを記したアプリの追加。
神の恵みと豪語したのは嘘ではなかったらしく、実際戦兎も放送が終わり名簿を確認した後で内容を確認はしようとはした。
直後に何者かが戦闘を行っているだろう音が聞こえ、詳しくは見ていなかったが。
そのルールブックアプリを戦兎の代わりにという意図ではないかもしれないが、とにかく見たエボルトは言う。
神の恵みと豪語したのは嘘ではなかったらしく、実際戦兎も放送が終わり名簿を確認した後で内容を確認はしようとはした。
直後に何者かが戦闘を行っているだろう音が聞こえ、詳しくは見ていなかったが。
そのルールブックアプリを戦兎の代わりにという意図ではないかもしれないが、とにかく見たエボルトは言う。
「で、率直にこう思ったんだよ。このデュエルモンスターズってのを支給する意味はあるのか?ってな」
「…どういう意味だ?」
「百聞は一見に如かずってやつさ。とにかくお前も読んでみりゃ分かるさ」
「…どういう意味だ?」
「百聞は一見に如かずってやつさ。とにかくお前も読んでみりゃ分かるさ」
自分の口から答えを言うのを躱し、そっちの目で確かめてみろ。
何とも勿体ぶった返しに呆れを抱くも、一々言い返したって時間の無駄。
デイパックからタブレットを取り出して早速アプリを起動。
渋い表情がディスプレイの光に照らされ、ルールを読み進めて行くと眉間の皺も深くなっていく。
やがて読み終わった戦兎はタブレットを仕舞い、真っ先に感じた事を口にした。
何とも勿体ぶった返しに呆れを抱くも、一々言い返したって時間の無駄。
デイパックからタブレットを取り出して早速アプリを起動。
渋い表情がディスプレイの光に照らされ、ルールを読み進めて行くと眉間の皺も深くなっていく。
やがて読み終わった戦兎はタブレットを仕舞い、真っ先に感じた事を口にした。
「単に俺がカードゲームに興味が無いからかもしれねえけど、素人には優しくねえルールだな」
「だろ?」
「だろ?」
互いのプレイヤーは40枚以上のカードで構築されたデッキを用意。
モンスターを召喚し相手のライフポイントを先にゼロにした方が勝者。
デュエルモンスターズのルールを大雑把に言えばこう。
しかし使えるカードはモンスター以外に魔法や罠が存在する。
更にモンスターの召喚というのもただ単に手札から場に出すのみではない。
それぞれ決められた条件をクリアして初めてフィールドに出す事が可能な特殊召喚。
カードの効果を駆使し時には大胆な攻勢に、時には守りに徹し、時には搦め手を駆使する。
こういったカードゲームの類にはさして興味のない戦兎からしても、よく考えられたと感心を抱くものだ。
モンスターを召喚し相手のライフポイントを先にゼロにした方が勝者。
デュエルモンスターズのルールを大雑把に言えばこう。
しかし使えるカードはモンスター以外に魔法や罠が存在する。
更にモンスターの召喚というのもただ単に手札から場に出すのみではない。
それぞれ決められた条件をクリアして初めてフィールドに出す事が可能な特殊召喚。
カードの効果を駆使し時には大胆な攻勢に、時には守りに徹し、時には搦め手を駆使する。
こういったカードゲームの類にはさして興味のない戦兎からしても、よく考えられたと感心を抱くものだ。
その反面、口に出した通り全く知らない人間が一から手を出すには少しばかり敷居が高いと思わなくもない。
強そうなカードのみを投入するだけでなく、一枚一枚の効果を把握し勝利に繋げられる戦略をデッキ構築の段階で踏まねばならず、望んだカードが手元に無ければ手持ちのカードだけで切り抜ける判断力。
初心者にとっては召喚方法をそれぞれ覚えるだけでも苦労しそうなものである。
エボルトが何故「支給する意味はあるのか」という疑問を抱いたか、戦兎にも分かった。
強そうなカードのみを投入するだけでなく、一枚一枚の効果を把握し勝利に繋げられる戦略をデッキ構築の段階で踏まねばならず、望んだカードが手元に無ければ手持ちのカードだけで切り抜ける判断力。
初心者にとっては召喚方法をそれぞれ覚えるだけでも苦労しそうなものである。
エボルトが何故「支給する意味はあるのか」という疑問を抱いたか、戦兎にも分かった。
放送で行われたデモンストレーションを信じるなら、少なくとも会場内においてはデュエルで参加者を殺せる仕組みになっている。
カードから召喚したモンスターを操る事が可能な立派な武器。
だが実際に使いこなせるかどうかは別。
仮にデッキを手にしたのが決闘者と呼ばれる、殺し合い以前からデュエルモンスターズを熟知している者ならともかく。
檀黎斗のゲームで初めてデュエルモンスターズの存在を知った者が、デッキを最大限に活用できるかは正直怪しい。
いつ、どんなタイミングで危険人物に襲われるかも分からない状況でルールを正確に覚えられるのは、流石に無茶ではないか。
分かり易い例が条河麻耶だ。
初手でポセイドンという最上級の能力を持つ参加者に遭遇した不運もあるが、デッキを使いこなすには余りにも時間が足りなかった。
仮にデッキを支給されたのが不動遊星本人ならば、また違った結果になっただろう。
戦兎達からはマヤに支給されたのが誰のデッキかは知る由も無い。
しかし闇雲にモンスターを召喚するだけなのは映像からでも分かり、デュエルの初心者なのは察せられた。
カードから召喚したモンスターを操る事が可能な立派な武器。
だが実際に使いこなせるかどうかは別。
仮にデッキを手にしたのが決闘者と呼ばれる、殺し合い以前からデュエルモンスターズを熟知している者ならともかく。
檀黎斗のゲームで初めてデュエルモンスターズの存在を知った者が、デッキを最大限に活用できるかは正直怪しい。
いつ、どんなタイミングで危険人物に襲われるかも分からない状況でルールを正確に覚えられるのは、流石に無茶ではないか。
分かり易い例が条河麻耶だ。
初手でポセイドンという最上級の能力を持つ参加者に遭遇した不運もあるが、デッキを使いこなすには余りにも時間が足りなかった。
仮にデッキを支給されたのが不動遊星本人ならば、また違った結果になっただろう。
戦兎達からはマヤに支給されたのが誰のデッキかは知る由も無い。
しかし闇雲にモンスターを召喚するだけなのは映像からでも分かり、デュエルの初心者なのは察せられた。
「あの神様はデュエルを推してるみたいだが、殺し合わせたいんなら他にやり様があるんじゃねぇのか?」
強力な反面、使いこなすには相応の時間と頭の回転が必要なカード。
それよりならば拉致した参加者全員にネビュラガスを注入し、ライダーシステムやスマッシュボトルでも支給した方が効率が良いのではないか。
どうにもちぐはぐな黎斗の考えにエボルトは首を傾げる。
それよりならば拉致した参加者全員にネビュラガスを注入し、ライダーシステムやスマッシュボトルでも支給した方が効率が良いのではないか。
どうにもちぐはぐな黎斗の考えにエボルトは首を傾げる。
「…デュエルを推したのは別の奴って線も考えられるじゃないか?」
「うん?」
「檀黎斗は元々ゲームにデュエルを組み込む予定は無かった。後になって別の誰かからデュエルの存在を教えられた。そういう可能性もある」
「うん?」
「檀黎斗は元々ゲームにデュエルを組み込む予定は無かった。後になって別の誰かからデュエルの存在を教えられた。そういう可能性もある」
疑問への正解とまではいかずとも、仮説ならば立てられる。
戦兎からの返答に成程と納得した仕草で頷いた。
放送を見る限りこの主催者の中心は檀黎斗のようだが、運営全てをあの男一人で担っているのでは無いだろう。
ハ・デス、磯野、葛葉紘汰を殺した鎧の男。
もしかしたら放送で姿を見せていないだけで、もっと多くの協力者がいるか可能性は十分に考えられる。
単独か複数かは不明だがその協力者が黎斗にデュエルの有用性を説き、承諾した結果が今回のゲームに繋がった。
そのように考えれば納得のいく部分はある。
やちよと別れた後に話した事だが、黎斗にとってもデュエルは未知数な部分が多い。
もし最初から黎斗が殺し合いにデュエルを組み込む事を考えていたならば、テストプレイを行わずとも準備段階で必要な調整を施していた筈。
そうじゃないという事は、後になって急遽デュエルモンスターズをゲームの一要素としての追加を決断したかもしれない。
となると、今度は新たな疑問が一つ生まれる。
戦兎からの返答に成程と納得した仕草で頷いた。
放送を見る限りこの主催者の中心は檀黎斗のようだが、運営全てをあの男一人で担っているのでは無いだろう。
ハ・デス、磯野、葛葉紘汰を殺した鎧の男。
もしかしたら放送で姿を見せていないだけで、もっと多くの協力者がいるか可能性は十分に考えられる。
単独か複数かは不明だがその協力者が黎斗にデュエルの有用性を説き、承諾した結果が今回のゲームに繋がった。
そのように考えれば納得のいく部分はある。
やちよと別れた後に話した事だが、黎斗にとってもデュエルは未知数な部分が多い。
もし最初から黎斗が殺し合いにデュエルを組み込む事を考えていたならば、テストプレイを行わずとも準備段階で必要な調整を施していた筈。
そうじゃないという事は、後になって急遽デュエルモンスターズをゲームの一要素としての追加を決断したかもしれない。
となると、今度は新たな疑問が一つ生まれる。
「お前の推測通りだとしたらだ、何でその別の誰かさんはそこまでデュエルに拘るんだ?」
エボルトの疑問は尤もだ。
デュエルモンスターズとは恐らく檀黎斗が手を加えなければ、他者の命を奪う武器ではなく普通のカードゲームのはず。
それをどうして殺し合いに関わらせたのか。
単純にゲームの進行を促したいのであれば他に手段は幾らでもあるだろうに。
デュエルモンスターズとは恐らく檀黎斗が手を加えなければ、他者の命を奪う武器ではなく普通のカードゲームのはず。
それをどうして殺し合いに関わらせたのか。
単純にゲームの進行を促したいのであれば他に手段は幾らでもあるだろうに。
「そこまでは流石に分かんねぇよ。決闘者って参加者を探して聞いてみるしかない」
「ま、ひょっとしたらパンドラボックスみたいに星を滅ぼすレベルの厄ネタかもしれねぇしな」
「カードゲームがか?」
「カードゲームがだ」
「ま、ひょっとしたらパンドラボックスみたいに星を滅ぼすレベルの厄ネタかもしれねぇしな」
「カードゲームがか?」
「カードゲームがだ」
突拍子も無い考えに呆れた眼差しを向ける。
幾ら何でも飛躍し過ぎだろう。多分。
幾ら何でも飛躍し過ぎだろう。多分。
「とりあえずデュエルに関しちゃ決闘者に任せるとしてだ、こっちもどうにかしなきゃならんだろうよ」
言いながらコツコツと指で叩くのは檀黎斗に命を握られた証。
「お前の能力の高さを疑うつもりはないが、コイツも一筋縄じゃあいかないだろうよ。なにせ…」
言葉を区切るとエボルトが肉体を変化させる。
石動惣一の姿が崩れ、赤いスライムのような流動体へ。
それが5秒と経たない内に新たな人型へと変わった。
支給された写真に写っていた人物であり、七海やちよの探し人である環いろはの姿へと。
石動惣一の姿が崩れ、赤いスライムのような流動体へ。
それが5秒と経たない内に新たな人型へと変わった。
支給された写真に写っていた人物であり、七海やちよの探し人である環いろはの姿へと。
「見ての通りだ。人の形じゃ無くなっても、首輪はピッタリ嵌ったまま」
「ああ、お前の能力も当然対策済みって事だろ」
「ああ、お前の能力も当然対策済みって事だろ」
これだけ大掛かりなゲームの運営をしている。
参加者の力を正確に把握しておくくらいは当然やっているだろう。
十分予測出来た事だけに、さして落胆も驚愕も無い。
エボルトに言われるまでもなく、決闘者との接触と並行して首輪の解除も進めるつもりだ。
参加者の力を正確に把握しておくくらいは当然やっているだろう。
十分予測出来た事だけに、さして落胆も驚愕も無い。
エボルトに言われるまでもなく、決闘者との接触と並行して首輪の解除も進めるつもりだ。
やちよとの合流まではまだ時間がある。
それまでに何か有用な情報を手に入れたり、信頼できる参加者と出会えるのを期待し二人は進む。
それまでに何か有用な情報を手に入れたり、信頼できる参加者と出会えるのを期待し二人は進む。
「なァ、思ったんだけどよ。この嬢ちゃんの見た目の方が相手の警戒を解き易くなるんじゃねぇか?」
「中身がお前なら胡散臭さは変わんねぇよ。マスターの姿に戻っとけ」
「中身がお前なら胡散臭さは変わんねぇよ。マスターの姿に戻っとけ」
【E-2/一日目/黎明】
【桐生戦兎@仮面ライダービルド】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(小)
[装備]:ビルドドライバー+フルボトル(ラビット、タンク)@仮面ライダービルド、ドリルクラッシャー@仮面ライダービルド
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~1(確認済み、フルボトルは無い)
[思考・状況]
基本方針:檀黎斗を倒し殺し合いを終わらせる。
1:西方面を探索。6時間後にE-4で七海と合流する。
2:監視も兼ねてエボルトと共闘する。信用した訳じゃねぇからな
3:首輪を解除する為に工具を探す。
4:万丈達やエグゼイドを探す。エグゼイドは檀黎斗を知っているのかもしれない。
5:環いろはをこっちでも探してみる。
6:デュエリストにも接触しておきたい。
[備考]
※参戦時期は『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』以降。
[状態]:疲労(小)、ダメージ(小)
[装備]:ビルドドライバー+フルボトル(ラビット、タンク)@仮面ライダービルド、ドリルクラッシャー@仮面ライダービルド
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~1(確認済み、フルボトルは無い)
[思考・状況]
基本方針:檀黎斗を倒し殺し合いを終わらせる。
1:西方面を探索。6時間後にE-4で七海と合流する。
2:監視も兼ねてエボルトと共闘する。信用した訳じゃねぇからな
3:首輪を解除する為に工具を探す。
4:万丈達やエグゼイドを探す。エグゼイドは檀黎斗を知っているのかもしれない。
5:環いろはをこっちでも探してみる。
6:デュエリストにも接触しておきたい。
[備考]
※参戦時期は『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』以降。
【エボルト@仮面ライダービルド】
[状態]:健康、環いろはに擬態中
[装備]:トランスチームガン+コブラロストフルボトル@仮面ライダービルド
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~1
[思考・状況]
基本方針:生存優先。あわよくば未知の技術や檀黎斗の持つ力を手に入れる。
1:西方面を探索。6時間後にE-4でやちよと合流する。
2:戦兎と共闘しつつどこまで足掻くのか楽しむ。仲良くやろうぜ?
3:エボルドライバーを取り戻す。元は内海の?知らねぇなァ。
4:正攻法じゃあ檀黎斗を倒すのは難しいか。
5:やちよの声はどうにも苦手。まぁ次に会えたら仲良くしてやるさ。
[備考]
※参戦時期は『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』で地球を去った後。
※環いろはの姿を写真で確認した為、いろはに擬態可能となりました。
[状態]:健康、環いろはに擬態中
[装備]:トランスチームガン+コブラロストフルボトル@仮面ライダービルド
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~1
[思考・状況]
基本方針:生存優先。あわよくば未知の技術や檀黎斗の持つ力を手に入れる。
1:西方面を探索。6時間後にE-4でやちよと合流する。
2:戦兎と共闘しつつどこまで足掻くのか楽しむ。仲良くやろうぜ?
3:エボルドライバーを取り戻す。元は内海の?知らねぇなァ。
4:正攻法じゃあ檀黎斗を倒すのは難しいか。
5:やちよの声はどうにも苦手。まぁ次に会えたら仲良くしてやるさ。
[備考]
※参戦時期は『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』で地球を去った後。
※環いろはの姿を写真で確認した為、いろはに擬態可能となりました。
022:You say…絆 ―死者と生者、零にて交わりし時― | 投下順 | 033:Questionな性別 |
時系列順 | ||
002:前途多難のエンカウント | 桐生戦兎 | 065:発見!希望への第一歩! |
エボルト |