「……」
『決闘』と称された血生臭い殺し合いが巻き起こりつつあるバトル・ロワイアル会場。
その片隅で、オレンジ色の髪にブレザー姿の寝ぼけ眼の少女がとぼとぼと歩いていた。
その片隅で、オレンジ色の髪にブレザー姿の寝ぼけ眼の少女がとぼとぼと歩いていた。
「……」
歩き続けた先に、寝ぼけ眼の少女は小さな公園にたどり着いた。
ブランコと滑り台とシーソーしか遊具が無く、あとは公衆トイレとベンチしかない本当に小さな公園だった。
ブランコと滑り台とシーソーしか遊具が無く、あとは公衆トイレとベンチしかない本当に小さな公園だった。
「!」
公園に入ってすぐ、寝ぼけ眼の少女はベンチに人が座っているのに気がついた。
赤い髪に左手だけの手袋が印象的な自身と同い年位の少女だ。
赤い髪に左手だけの手袋が印象的な自身と同い年位の少女だ。
「……」
「あ、あの……」
「!?」
「あ、あの……」
「!?」
突然寝ぼけ眼の少女に話しかけられ、赤い髪の少女は目を丸くする。
「と、隣、良いかな?」
「ど、どうぞ……」
「ど、どうぞ……」
赤い髪の少女から許可を貰うと、寝ぼけ眼の少女は赤い髪の少女の隣に腰を下ろす。
ただし、二人の少女の間には一人分のスペースが開けられていたのだった。
ただし、二人の少女の間には一人分のスペースが開けられていたのだった。
「え、えっと……君も参加者、なんだよね?」
「うん……でも、人殺しをする気は無いから、安心して」
「うん……でも、人殺しをする気は無いから、安心して」
寝ぼけ眼の少女からの問いかけに、赤い髪の少女は恐る恐るといった様子で頷いた。
「あ、うん・・・えっと、ボクは宮下アキ。友達からは『アギラ』とか『アギちゃん』って呼ばれてるよ」
「私はチセ、羽鳥智世。よろしくね」
「私はチセ、羽鳥智世。よろしくね」
寝ぼけ眼の少女……アキと赤髪の少女……智世の二人は、自己紹介を済ませるとそのままベンチに座ったまま、再び口を閉ざした。
「「……」」
アキも智世も傍目からは冷静沈着に見えたが……
(き、)
(気まずい……!)
(気まずい……!)
内心ではもの凄く気まずい思いをしていた。
片や智世は、人ならざる存在を惹き付ける『夜の愛し仔(スレイ・ベガ)』にして、イギリス在住の本物の魔法使いの弟子(兼未来の嫁)。
片やアキは、『カプセル怪獣 アギラ』の魂をその身に宿した怪獣娘。
片やアキは、『カプセル怪獣 アギラ』の魂をその身に宿した怪獣娘。
出自も能力もバラバラだったが、共通して『初対面の相手との能動的なコミュニケーション』という物が余り得意な方ではなかったのだ。
しかも今、二人がいるのは殺し合いの場。
初対面の相手と気軽に仲良くなれるような環境ではない。
しかも今、二人がいるのは殺し合いの場。
初対面の相手と気軽に仲良くなれるような環境ではない。
「「……(どうしよう………?)」」
相手とどんな話をすべきなのか分からず、智世もアキも黙りこんだままベンチに座り込んで数分が過ぎていく……。
「もしもーし」
『?』
『?』
不意に背後から声をかけられ、二人はつい振り返った。
そこには……
そこには……
「バアッ!!」
『うわああぁぁ!!』
『うわああぁぁ!!』
大人の背丈程の巨大な髑髏が血走った目で二人を睨み付けており、二人の少女は思わず悲鳴を上げたのだった。
「……へっへっへっへっへっへっ」
髑髏はまるでイタズラが成功した子供のような笑い声をあげると……
「……よっと!」
……一瞬にして繋ぎの服を着た金髪の少年に変化したのだった。
「驚かしてゴメンな。女の子が二人して思い詰めた顔してたから、和ませようと思ってさ」
金髪の少年は屈託の無い笑顔を浮かべていた。
突然の事態に智世もアキも言葉が出ない。
そこへ智世が少年に声をかけた。
突然の事態に智世もアキも言葉が出ない。
そこへ智世が少年に声をかけた。
「き、君は……?」
「オイラは、オバケの風郎太。よろしくな♪」
「お、オバケ……?」
「うん、オバケ」
「オイラは、オバケの風郎太。よろしくな♪」
「お、オバケ……?」
「うん、オバケ」
少年……風郎太は満面の笑みを浮かべながら自身を『オバケ』と称した。
魔法使いの弟子(兼未来の嫁)として、普段から妖精や精霊といった『人ならざる存在』と親しくしている智世であったが、
自ら『オバケ』と名乗る者と会うのは初めての事であった。
自ら『オバケ』と名乗る者と会うのは初めての事であった。
「……でも足あるし、頭に三角形の布も無いよ?」
一方のアキは風郎太を指差しながら、
いささかトンチンカンな発言をしたのだった。
いささかトンチンカンな発言をしたのだった。
「いや、それは『オバケ』じゃなくって『幽霊』の特徴だから」
アキの発言に風郎太は真顔でツッコミを入れるが、アキはまたも首を傾げた。
「?『オバケ』も『幽霊』も同じじゃないの?」
「いや、全然違うから!」
「あ、あのね宮下さん……」
「『アギラ』でいいってば」
「いや、全然違うから!」
「あ、あのね宮下さん……」
「『アギラ』でいいってば」
☆☆☆
風郎太のおかげ(?)で、幾分気持ちがほぐれた智世とアキは、風郎太も交えて情報交換を開始した。
だが………
だが………
「『超人』に……『超人課』?……ごめん、聞いた事ないや」
「『怪獣娘』……『GIRLS』……そんなの、聞いた事ないけど……」
「『魔法使い』って……輝子さんの仲間か?」
「『怪獣娘』……『GIRLS』……そんなの、聞いた事ないけど……」
「『魔法使い』って……輝子さんの仲間か?」
……お互いの『常識』があまりに違い過ぎて、3人の頭上には大量の?が浮かんでいた。
アキは自らを『国際怪獣救助指導組織、通称『GIRLS』に所属する怪獣娘の一人』と説明したが、智世も風郎太も『GIRLS』という組織だけでなく、『怪獣娘』の存在すら知らなかった。
アキが怪獣娘について、『過去に地球に出現した怪獣の魂を宿した女の子の事』と説明して風郎太は一応理解したが、智世にとって『怪獣』とはテレビや映画の中だけの『架空の存在』であり、それが実際に出現したなんて話は、一度も聞いた事がなかったのだ。
同じく、智世が自分について『イギリスで修行している魔法使いの弟子』(嫁云々は話がややこしくなるので伏せた)だと語っても、アキにとって『魔法使い』とは絵本の中だけの存在という認識だったし、風郎太にいたっては「魔法使いって、魔女っ娘の仲間かなんか?」とか真顔で聞いてくる始末だ。
更に、風郎太は自らを『人々の平和を守る『超人』達を守る超過人口審議研究所、通称『超人課』の一員』と語ったのだが、やはりアキも智世も『超人課』なる団体を全く知らず、そもそも『超人』なる存在に関しても『テレビや映画に出てくる正義の味方』としか認識していなかったのだ。
「えっと……ところで、今年は何年か分かる?」
智世が何気なくそんな質問をすると……
「えっ?神化45年だろ?」
………風郎太は真顔でそう答えた。
「『しんか』………?しんかって、何?」
「何って……今年の年号に決まってんだろ?」
「えっ?今年の年号は『平成』だよ?平成29年」
「何って……今年の年号に決まってんだろ?」
「えっ?今年の年号は『平成』だよ?平成29年」
風郎太の言葉にアキはそう答える。
智世の背中に何か……冷たい感覚が走った。
智世の背中に何か……冷たい感覚が走った。
「え、えっと……できれば、『年号』じゃなくて『西暦』で言ってくれると助かるかな?私、今、イギリス暮らしだから」
「えっ?『西暦』だと……確か……」
「えっ?『西暦』だと……確か……」
風郎太は少し考えた後に答えた。
「……1970年くらい、かな?」
『えっ?』
『えっ?』
風郎太の返答に、アキも智世も目を丸くする。
「1970って……な、何言ってるの?今は2017年だよ?」
「……はぁ?」
「……はぁ?」
アキが口にした年代に、今度は風郎太が目を丸くする。
「ね、ねぇ?そうだよね?」
アキは見るからに困惑の表情を浮かべながら、智世に同意を求める。
だが……智世の顔はアキ以上に青ざめていた。
だが……智世の顔はアキ以上に青ざめていた。
「いや……私がここに来る直前に見たカレンダーには……『2018年4月』って書いてあった……」
『………どういう事?』
お互いの常識だけでなく、時間の認識すら異なっている。
更に詳しく確認すると、アキと智世は1970年代の日本の年号は『神化』ではなく、『昭和』だと認識していた。
更に詳しく確認すると、アキと智世は1970年代の日本の年号は『神化』ではなく、『昭和』だと認識していた。
一体これはどういう事か?
その時、智世の脳裏にある事が浮かんだ。
「……別の世界」
『?』
『?』
智世が口走った言葉に、アキと風郎太は首を傾げる。
「……あのハ・デスって人が言ってたよね?『この世には無数の世界がある。この決闘でも様々な世界から決闘者を呼び寄せてある』って」
「そう言えば……」
「確かにそんなこと言ってたなぁ~……オイラ、難しくてちんぷんかんぷんだったけど」
「つまり……私達はそれぞれ『全く違う別の世界』……『パラレルワールド』とか、そういう感じの場所からここに連れて来られた。だから、お互いの『常識』も『時間』も、全然違う……そういう事、なんじゃないかな?」
『………』
「そう言えば……」
「確かにそんなこと言ってたなぁ~……オイラ、難しくてちんぷんかんぷんだったけど」
「つまり……私達はそれぞれ『全く違う別の世界』……『パラレルワールド』とか、そういう感じの場所からここに連れて来られた。だから、お互いの『常識』も『時間』も、全然違う……そういう事、なんじゃないかな?」
『………』
あまりに突拍子も無い話だったが……アキも風郎太も、確かにそう考えるとつじつまが合う気がしていた。
過去に怪獣が出現し、その魂を宿した『怪獣娘』が存在する世界。
世間一般から隠された場所で、『魔法使い』が存在する世界。
『昭和』の代わりに『神化』という年号が採用され、『超人』的な存在が人助けを行っている世界。
世間一般から隠された場所で、『魔法使い』が存在する世界。
『昭和』の代わりに『神化』という年号が採用され、『超人』的な存在が人助けを行っている世界。
少なくとも、アキや智世、それに風郎太は全く異なる3つの世界から連れて来られたと考えれば……全てのつじつまがぴったりと合った。
「なんだか、SF映画みたいな話だね……」
「……まぁ、どっちかって言ったら、『ファンタジー』か『オカルト』だけどね」
「……まぁ、どっちかって言ったら、『ファンタジー』か『オカルト』だけどね」
アキのこぼした感想に智世は苦笑いを浮かべる。
「えっと……つまり、あれがああだから……」
一方、風郎太は智世の話を理解しようと、必死に頭を動かしていたのだった。
☆☆☆
「………で?これからどうするんだ?」
智世の話をどうにか理解できた風郎太が、アキと智世に今後の方針を聞く。
「どうする?って言われても……」
「……どうしようか?」
「……どうしようか?」
アキと智世はお互い顔を見合せながら、首をひねる。
進んで人殺しをするつもりは無い。
だからといって、この会場から脱出する為の手段も方法も思い付かない。
そもそもアキも智世も、自分から能動的に行動するのはあまり得意ではなかった。
だからといって、この会場から脱出する為の手段も方法も思い付かない。
そもそもアキも智世も、自分から能動的に行動するのはあまり得意ではなかった。
「「…………」」
アキと智世はまたしても、黙り込んでしまった。
「……もしもーし」
『?』
『?』
二人が黙り込んだままでいると、風郎太が声をかけてきた。
顔をあげると……
顔をあげると……
「バアーッ!!」
『うわああああっ!!』
『うわああああっ!!』
……風郎太が自身の首から上をワニに変化させて鋭い牙が生えた口を大きく開けており、アキと智世は悲鳴を上げた。
「まったくさぁ……一々考えこむ度に難しい顔して黙り込むの、止めようぜ?一応ここ、『殺し合い』の場なんだし」
『ウッ……』
『ウッ……』
風郎太は首から上を元の姿に戻しながら智世とアキにツッコミを入れ、風郎太に痛い所を突かれたアキと智世は苦い顔を浮かべながら風郎太の意見に納得する。
ここは殺し合いの場。
殺人に嫌悪感や拒否感を持つ者ばかりとは限らない。
中には『どんな願いも叶える』という甘い誘惑に乗る者もいるはずだ。
殺人に嫌悪感や拒否感を持つ者ばかりとは限らない。
中には『どんな願いも叶える』という甘い誘惑に乗る者もいるはずだ。
それにもしかしたら……自分たちの友人や知り合いもこの会場のどこかにいるかもしれない。
『………』
そこまで考えて、アキと智世は互いの顔を見合せながら静かに立ち上がった。
「……確か、しばらくしたら支給されたタブレットに参加者の名簿が出るらしいから、それまで少し待とう。それで、もしも名簿の中に知り合いの名前があったら、探して合流しよう」
「……うん。私もそれでいいよ」
「……うん。私もそれでいいよ」
アキが今後の方針を決めると、智世もそれに同意し、二人は顔を見合せながら笑った。
「よーし!んじゃあオイラは、この会場から出られるまで、二人の事を守るぜ!違う世界の人でも、『超人を守る』のが超人課の仕事だからな!」
風郎太はニッカリと笑いながら、自身の胸を叩いた。
その姿を見ながら智世は苦笑する。
その姿を見ながら智世は苦笑する。
「『超人』って……私は『魔法使い』であって、超人なんて凄いものじゃないよ?」
「問題ねぇよ。超人課じゃあ、宇宙人でも怪獣でもロボットでも妖怪でも魔女っ娘でも、『人間より凄い力を持ってて、その力を人間を助ける為に使う奴』はみんな『超人』扱いだからな」
「………なんだかアバウトっていうか、結構いい加減だね」
「問題ねぇよ。超人課じゃあ、宇宙人でも怪獣でもロボットでも妖怪でも魔女っ娘でも、『人間より凄い力を持ってて、その力を人間を助ける為に使う奴』はみんな『超人』扱いだからな」
「………なんだかアバウトっていうか、結構いい加減だね」
風郎太の語る『超人』の定義に少し唖然となる智世であった。
【羽鳥智世@魔法使いの嫁】
[状態]健康、少し気持ちがほぐれた
[装備]無し
[道具]基本支給品、不明支給品1~3
[思考]
基本:人殺しはしたくない
1:名簿が表示されるまで待機
2:名簿を確認して、知り合いがいたら合流する
3:アキと風郎太と行動する
4:私は『超人』じゃなくて『魔法使い』だよ……
[備考]
単行本第9巻時点より参戦(2018年4月は、単行本第9巻の初版刊行日付参照)。
アキと風郎太より、『怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~』世界と『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』世界に関する大まかな情報を入手しました。
[状態]健康、少し気持ちがほぐれた
[装備]無し
[道具]基本支給品、不明支給品1~3
[思考]
基本:人殺しはしたくない
1:名簿が表示されるまで待機
2:名簿を確認して、知り合いがいたら合流する
3:アキと風郎太と行動する
4:私は『超人』じゃなくて『魔法使い』だよ……
[備考]
単行本第9巻時点より参戦(2018年4月は、単行本第9巻の初版刊行日付参照)。
アキと風郎太より、『怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~』世界と『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』世界に関する大まかな情報を入手しました。
【宮下アキ(アギラ)@怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~】
[状態]健康、少し気持ちがほぐれた
[装備]無し
[道具]基本支給品、不明支給品1~3
[思考]
基本:人殺しはしたくない
1:名簿が表示されるまで待機
2:名簿で知り合いの名前があったら、探して合流する
3:智世と風郎太と行動する
[備考]
アニメ第二期からの参戦です。
智世と風郎太から『魔法使いの嫁』世界と『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』世界に関する大まかな情報を入手しました。
[状態]健康、少し気持ちがほぐれた
[装備]無し
[道具]基本支給品、不明支給品1~3
[思考]
基本:人殺しはしたくない
1:名簿が表示されるまで待機
2:名簿で知り合いの名前があったら、探して合流する
3:智世と風郎太と行動する
[備考]
アニメ第二期からの参戦です。
智世と風郎太から『魔法使いの嫁』世界と『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』世界に関する大まかな情報を入手しました。
【風郎太@コンクリート・レボルティオ~超人幻想~】
[状態]健康
[装備]無し
[道具]基本支給品、不明支給品1~3
[思考]
基本:人殺しはしない
1:超人課の一員として、アキと智世を守る
2:知り合いがいたら合流する
[備考]
第一期終盤(神化43年)から第二期序盤(神化46年)の間からの参戦です
アキと智世から『怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~』世界と『魔法使いの嫁』世界の大まかな情報を入手しました。
アキと智世を『自分とは違う世界の超人』と認識しています。
制限により、変身しても首輪は外れません。
[状態]健康
[装備]無し
[道具]基本支給品、不明支給品1~3
[思考]
基本:人殺しはしない
1:超人課の一員として、アキと智世を守る
2:知り合いがいたら合流する
[備考]
第一期終盤(神化43年)から第二期序盤(神化46年)の間からの参戦です
アキと智世から『怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~』世界と『魔法使いの嫁』世界の大まかな情報を入手しました。
アキと智世を『自分とは違う世界の超人』と認識しています。
制限により、変身しても首輪は外れません。