決して油断していたつもりはない。
敵が本気を出す前から、手を抜かずに全力で倒しにかかった。
今だってそう、持てる全てでぶつかっている。
必ずや倒してみせるという気概で、戦闘に臨んでいる。
だったらどうして、こうなっているのか。
敵が本気を出す前から、手を抜かずに全力で倒しにかかった。
今だってそう、持てる全てでぶつかっている。
必ずや倒してみせるという気概で、戦闘に臨んでいる。
だったらどうして、こうなっているのか。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!」
重機関銃にも匹敵、下手をすれば凌駕しかねない勢いのラッシュ。
スタープラチナによる拳の連打、その勢いはこれまでと同じく衰えが見当たらない。
数多のスタンドの中でも、同じく最上級の性能を持つザ・ワールドにだって引けは取らない。
そんなスタープラチナのラッシュが、ただの一発として当たらないのは俄かには信じ難い光景だ。
全身余す事なく狙った殴打の嵐は、脚一本で捌かれている。
顔面を狙った拳が狙いを逸らされた。
腹部を狙った拳が弾かれた。
腕を、胸を、足を、あらゆる箇所を狙った拳が悉くいなされる。
最上級のスピードを誇るスタンドのラッシュ同様、敵の脚は残像を描く程に速い。
自分の攻撃が全くと言っていい程当たらない、顔には出さずとも承太郎の内心に焦りが生まれる。
動揺をお構いなしに大尉は脚を振るう。戦闘再開してからも、表情に変化は訪れていない。
スタープラチナによる拳の連打、その勢いはこれまでと同じく衰えが見当たらない。
数多のスタンドの中でも、同じく最上級の性能を持つザ・ワールドにだって引けは取らない。
そんなスタープラチナのラッシュが、ただの一発として当たらないのは俄かには信じ難い光景だ。
全身余す事なく狙った殴打の嵐は、脚一本で捌かれている。
顔面を狙った拳が狙いを逸らされた。
腹部を狙った拳が弾かれた。
腕を、胸を、足を、あらゆる箇所を狙った拳が悉くいなされる。
最上級のスピードを誇るスタンドのラッシュ同様、敵の脚は残像を描く程に速い。
自分の攻撃が全くと言っていい程当たらない、顔には出さずとも承太郎の内心に焦りが生まれる。
動揺をお構いなしに大尉は脚を振るう。戦闘再開してからも、表情に変化は訪れていない。
『おばけ!』『パーカー!』
『ツインフィニッシュ!』
ツインブレイカーに装填したフルボトルの成分が、グリスを強化する。
銃口から発射されたのはゲルで形成されたパーカーゴースト。
仮面ライダーゴーストの能力を付与させた技。
迫り来るパーカーゴーストを、大尉は見向きもしない。
代わりに左脚を軸にし、スタープラチナへ振るっていた右脚で大きく円を描く。
回し蹴りという格闘技において有名な技も、大尉が行使した際の威力は桁違い。
パーカーゴーストを力技で霧散、更にはスタープラチナへも衝撃が襲う。
咄嗟のガードすら間に合わず胸部へ伝わる痛み。
シグルドに変身しているが、フィードバックにより発生するダメージは消し切れない。
必然的にラッシュへストップが掛かった。
銃口から発射されたのはゲルで形成されたパーカーゴースト。
仮面ライダーゴーストの能力を付与させた技。
迫り来るパーカーゴーストを、大尉は見向きもしない。
代わりに左脚を軸にし、スタープラチナへ振るっていた右脚で大きく円を描く。
回し蹴りという格闘技において有名な技も、大尉が行使した際の威力は桁違い。
パーカーゴーストを力技で霧散、更にはスタープラチナへも衝撃が襲う。
咄嗟のガードすら間に合わず胸部へ伝わる痛み。
シグルドに変身しているが、フィードバックにより発生するダメージは消し切れない。
必然的にラッシュへストップが掛かった。
仲間への追撃を、指を咥えて見てはいられない。
急接近したサウザーがサウザンドジャッカーを突き出す。
頭部を軽く捩って回避、だが一突きのみでは終わらず幾度も刺突剣が襲い来る。
身体機能を大幅に強化したサウザーの突き、それすら大尉には掠りもしない。
八度目の突きを回避と同時に腹部を殴りつける。
一瞬止まる呼吸、サウザーの装甲越しに受けたとは思えない痛みだ。
急接近したサウザーがサウザンドジャッカーを突き出す。
頭部を軽く捩って回避、だが一突きのみでは終わらず幾度も刺突剣が襲い来る。
身体機能を大幅に強化したサウザーの突き、それすら大尉には掠りもしない。
八度目の突きを回避と同時に腹部を殴りつける。
一瞬止まる呼吸、サウザーの装甲越しに受けたとは思えない痛みだ。
「退いとけ!」
『スクラップフィニッシュ!』
『チェリーエナジースパーキング!』
「っ!!」
警告と電子音声で何をする気か察したサウザー、痛みを堪えて後方へと跳ぶ。
残された大尉目掛け、頭上より蹴りを放つ二人のライダー。
ヴァリアブルゼリーにより急加速したグリスと、エナジーロックシードのエネルギーを右足に集中させたシグルド。
左右からの挟み撃ちで仕留める算段だ。
残された大尉目掛け、頭上より蹴りを放つ二人のライダー。
ヴァリアブルゼリーにより急加速したグリスと、エナジーロックシードのエネルギーを右足に集中させたシグルド。
左右からの挟み撃ちで仕留める算段だ。
「んなっ!?」
「くっ…!」
「くっ…!」
NPCなどであれば確実に仕留められたかもしれない。
だが大尉を相手にこれは余りにも無謀。
だが大尉を相手にこれは余りにも無謀。
別方向から伸ばされた右足が肉体を叩く寸前、大尉はバネのように跳躍。
標的を命中の瞬間に見失ったグリスとシグルドだが、放った技は止められない。
結果、大尉にぶつける筈だった蹴りは互いの体を痛めつけた。
同士討ちとなった二人はそれぞれ反対の方向に吹き飛んで行く。
標的を命中の瞬間に見失ったグリスとシグルドだが、放った技は止められない。
結果、大尉にぶつける筈だった蹴りは互いの体を痛めつけた。
同士討ちとなった二人はそれぞれ反対の方向に吹き飛んで行く。
大尉の攻撃はこれからだ。
着地と同時に駆け出す。
最初の標的と定めたのはシグルドだ。
床に叩きつけられる前に足を掴んで引き寄せ、胴体目掛けて拳を振り下ろす。
背中から叩きつけられる衝撃と、それ以上に殴れた箇所への強烈な痛み。
承太郎から漏れる呻き声、仮面の下で血を吐き出した。
しかしすぐに仮面は消失し、サクランボを模した装甲までもが霧散。
衝撃でゲネシスドライバーが外れ変身が解除されたのだ。
地面を転がるドライバーとロックシード。
道端の小石でも蹴飛ばすように大尉が足で小突くと、それだけでゲネシスドライバーは破壊された。
仮面ライダーへの変身道具の損失を嘆いている暇は無い、スタープラチナを出現させ殴りつける。
最初の標的と定めたのはシグルドだ。
床に叩きつけられる前に足を掴んで引き寄せ、胴体目掛けて拳を振り下ろす。
背中から叩きつけられる衝撃と、それ以上に殴れた箇所への強烈な痛み。
承太郎から漏れる呻き声、仮面の下で血を吐き出した。
しかしすぐに仮面は消失し、サクランボを模した装甲までもが霧散。
衝撃でゲネシスドライバーが外れ変身が解除されたのだ。
地面を転がるドライバーとロックシード。
道端の小石でも蹴飛ばすように大尉が足で小突くと、それだけでゲネシスドライバーは破壊された。
仮面ライダーへの変身道具の損失を嘆いている暇は無い、スタープラチナを出現させ殴りつける。
「オラオラオラオラオラオラオラオラ」
「……」
「……」
涼しい顔、というより人形のような無表情でラッシュを捌く。
それだけではない、拳の僅かとすら言えない間を縫ってスタープラチナの胴体を殴りつける。
承太郎の骨と内臓が悲鳴を上げ、口から血が溢れた。
それだけではない、拳の僅かとすら言えない間を縫ってスタープラチナの胴体を殴りつける。
承太郎の骨と内臓が悲鳴を上げ、口から血が溢れた。
「オラアアアアッ!!」
承太郎への攻撃を止め、背後から殴りかかったグリスへ拳を放つ。
ツインブレイカーが大尉を貫く事は無い、数ミリの間を開けてグリスの腕が止まっている。
グリスの腹部へ叩き込まれた大尉の拳。
黄金色の装甲が軋み、その下にある一海の体を痛めつけた。
ツインブレイカーが大尉を貫く事は無い、数ミリの間を開けてグリスの腕が止まっている。
グリスの腹部へ叩き込まれた大尉の拳。
黄金色の装甲が軋み、その下にある一海の体を痛めつけた。
『Progrise key confirmed. Ready to break』
プログライズキーを叩きつけるように装填し、サウザンドジャッカーに炎のアビリティを付与。
大尉へと振るうもやはりと言うべきか、届かない。
蹴りが胸部装甲を叩き後退、追撃とばかりに顔面へ叩き込まれる拳。
本当に衝撃が緩和されているのかと疑いたくなるような痛みに、脳が揺さぶられた。
背中から倒れそうになった所を踏ん張るも、今度は顔面を掴まれる。
万力のように締め付けられ、このままでは仮面ごと果実のようにクラッシュされそうだ。
しかし掴んだ力をそのままに、大尉はサウザーをあらぬ方向へと投げ付けた。
そこにいたのはグリス。
フルボトルをツインブレイカーに装填しようとしたタイミングで、サウザーをぶつけられ妨害。
二人揃って床に倒れるが、急ぎ立たねば非常にマズい。
その証拠に硬い靴底が間近まで迫っているではないか。
大尉へと振るうもやはりと言うべきか、届かない。
蹴りが胸部装甲を叩き後退、追撃とばかりに顔面へ叩き込まれる拳。
本当に衝撃が緩和されているのかと疑いたくなるような痛みに、脳が揺さぶられた。
背中から倒れそうになった所を踏ん張るも、今度は顔面を掴まれる。
万力のように締め付けられ、このままでは仮面ごと果実のようにクラッシュされそうだ。
しかし掴んだ力をそのままに、大尉はサウザーをあらぬ方向へと投げ付けた。
そこにいたのはグリス。
フルボトルをツインブレイカーに装填しようとしたタイミングで、サウザーをぶつけられ妨害。
二人揃って床に倒れるが、急ぎ立たねば非常にマズい。
その証拠に硬い靴底が間近まで迫っているではないか。
「クソッ!」
それぞれ別方向へ床を転がり回避。
1秒にすら満たない直後、床が粉砕された。
転がりながらもグリスはフルボトルの装填を完了。
立つと同時にツインブレイカーの照準を大尉へと合わせる。
1秒にすら満たない直後、床が粉砕された。
転がりながらもグリスはフルボトルの装填を完了。
立つと同時にツインブレイカーの照準を大尉へと合わせる。
『ロケット!』『友情!』
『ツインブレイク!』
ロケットモジュールによる攻撃は、仮面ライダーフォーゼの力。
煙を噴射した煙で病院内の細かな破片が舞う。
大尉はグリスへと駆ける。
泳ぐようにロケットモジュールの間をすり抜け、即座にグリスの元へと到達。
背後では標的を見失ったロケットモジュールが空しく爆散していた。
煙を噴射した煙で病院内の細かな破片が舞う。
大尉はグリスへと駆ける。
泳ぐようにロケットモジュールの間をすり抜け、即座にグリスの元へと到達。
背後では標的を見失ったロケットモジュールが空しく爆散していた。
『ロック!』
『ディスチャージクラッシュ!潰れな~い!』
だがグリス、ロケットモジュールを撃った時点で別のフルボトルを手にしていた。
スクラッシュドライバーに装填したロックフルボトルが、成分を解放。
無数の鎖が大尉に巻き付き動きを封じる。
スクラッシュドライバーに装填したロックフルボトルが、成分を解放。
無数の鎖が大尉に巻き付き動きを封じる。
『Progrise key confirmed. Ready to break』
『スクラップフィニッシュ!』
ロストスマッシュだろうと拘束したフルボトルだが、大尉相手に長々とした効果は期待できない。
スクラッシュドライバーとサウザンドジャッカーから響く電子音声。
必殺のエネルギーを充填した証だ。
後は拳と武器を敵へ直接叩きつけてやるのみだが、当たるどころか振るわれる事すら無かった。
力任せに鎖を引き千切った大尉の姿が、グリス達の視界から搔き消える。
どこへ行ったと焦る思考は即座に痛みへと塗り替えられた。
蹴り上げられ宙を舞うグリス、殴り飛ばされ後方へと引っ張られるサウザー。
片や床に叩きつけられ、もう片方は壁に激突。
スクラッシュドライバーとサウザンドジャッカーから響く電子音声。
必殺のエネルギーを充填した証だ。
後は拳と武器を敵へ直接叩きつけてやるのみだが、当たるどころか振るわれる事すら無かった。
力任せに鎖を引き千切った大尉の姿が、グリス達の視界から搔き消える。
どこへ行ったと焦る思考は即座に痛みへと塗り替えられた。
蹴り上げられ宙を舞うグリス、殴り飛ばされ後方へと引っ張られるサウザー。
片や床に叩きつけられ、もう片方は壁に激突。
「が……」
口の端から血を零し、痛みで呻き声すら一海は出せない。
グリスへの変身はとっくに解除されている。
グリスへの変身はとっくに解除されている。
「馬鹿…な……」
天津もまた生身を晒し、地に這い蹲っていた。
強制的に変身解除させられた事で、大尉にぶつける筈だったエネルギーも霧散したらしい。
仮に当たったとして倒せる保障も無いが。
強制的に変身解除させられた事で、大尉にぶつける筈だったエネルギーも霧散したらしい。
仮に当たったとして倒せる保障も無いが。
(強過ぎる…!)
直立不動の体勢で自分達を見下ろす男の力に、天津はただ戦慄するばかり。
拘束を脱した男がやったのは単純明快。
接近して蹴り、殴った。
言ってしまえばそれだけの事、それだけで自分達はこの様だ。
拘束を脱した男がやったのは単純明快。
接近して蹴り、殴った。
言ってしまえばそれだけの事、それだけで自分達はこの様だ。
(これが奴の本気だと言うのか…)
力強く素早い。
小細工など必要としない圧倒的な力だ。
こっちがどれだけ連携し攻め立てたとて、向こうにとってはお遊びにしか映らない気さえしてくる。
小細工など必要としない圧倒的な力だ。
こっちがどれだけ連携し攻め立てたとて、向こうにとってはお遊びにしか映らない気さえしてくる。
「ぐぅっ!?」
突然上がった声は承太郎のもの。
いや、声だけではなく重低音が連続して響いた。
何時の間にやら承太郎へ向けられた巨大な拳銃、ジャッカルが弾丸を吐き出したのだ。
いや、声だけではなく重低音が連続して響いた。
何時の間にやら承太郎へ向けられた巨大な拳銃、ジャッカルが弾丸を吐き出したのだ。
(ふざけた威力だぜ…)
声には出さずに悪態を吐く承太郎。
痺れるような両手の痛みは、スタープラチナでジャッカルの弾を防いだのが原因。
一海と天津が倒れ伏し、迷う事無く時を止めようとした。
が、こちらの空気が変わったのを察知したらしい大尉が右腕を跳ね上げ発砲。
時間停止を断念し弾丸の防御に徹した。
発射された三発全て防いだものの、拳に鈍い痛みがジワジワとやって来る。
銃弾を摘まむ事すら可能なスタープラチナでもこれとは、本当にふざけているとしか言いようが無い。
痺れるような両手の痛みは、スタープラチナでジャッカルの弾を防いだのが原因。
一海と天津が倒れ伏し、迷う事無く時を止めようとした。
が、こちらの空気が変わったのを察知したらしい大尉が右腕を跳ね上げ発砲。
時間停止を断念し弾丸の防御に徹した。
発射された三発全て防いだものの、拳に鈍い痛みがジワジワとやって来る。
銃弾を摘まむ事すら可能なスタープラチナでもこれとは、本当にふざけているとしか言いようが無い。
と、呑気に愚痴っている余裕をくれてやる程敵は甘く無かった。
ジャッカルはあくまで牽制に過ぎない。
己の肉体で直接殺すべく握った拳がスタープラチナへ放たれた。
接近して殴るなり蹴るなりする。
この戦闘だけでも飽きるくらいに見た動きだが、脅威の度合いは一向に下がってくれない。
己の肉体で直接殺すべく握った拳がスタープラチナへ放たれた。
接近して殴るなり蹴るなりする。
この戦闘だけでも飽きるくらいに見た動きだが、脅威の度合いは一向に下がってくれない。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!」
スタープラチナのラッシュで迎え撃つ。
これに対し大尉、先程までのようなスタープラチナと真っ向から殴り合う真似はしない。
跳躍しスタープラチナの頭上を跳び越えると、本体の承太郎を直接狙う。
予想外の動きにさしもの承太郎も冷や汗を流す。
迫り来る蹴りを前に承太郎、スタンドではなく支給品を使った。
ゲネシスドライバーが破壊されている以上、変身は不可能。
使ったのは別の支給品、奇妙な毛の塊のようなモンスターが描かれたカード。
これに関してはデュエルディスクにセットしなくても、直接召喚が可能らしい。
カードの絵柄がそのまま現実に現れたような外見のモンスター、クリボーが出現。
可愛らしい鳴き声を出すクリボーを大尉が蹴り付ける。
鳴き声は一瞬で断末魔に変わり、クリボーは5秒も経たない内に消滅し役目を終えた。
酷く呆気ないが承太郎にはそれだけで十分。
これに対し大尉、先程までのようなスタープラチナと真っ向から殴り合う真似はしない。
跳躍しスタープラチナの頭上を跳び越えると、本体の承太郎を直接狙う。
予想外の動きにさしもの承太郎も冷や汗を流す。
迫り来る蹴りを前に承太郎、スタンドではなく支給品を使った。
ゲネシスドライバーが破壊されている以上、変身は不可能。
使ったのは別の支給品、奇妙な毛の塊のようなモンスターが描かれたカード。
これに関してはデュエルディスクにセットしなくても、直接召喚が可能らしい。
カードの絵柄がそのまま現実に現れたような外見のモンスター、クリボーが出現。
可愛らしい鳴き声を出すクリボーを大尉が蹴り付ける。
鳴き声は一瞬で断末魔に変わり、クリボーは5秒も経たない内に消滅し役目を終えた。
酷く呆気ないが承太郎にはそれだけで十分。
「オラァッ!」
再度大尉との間へ割って入らせるようにスタープラチナを出現させ殴る。
顔を逸らして避けた大尉、次の拳が放たれるより先に蹴りを放った。
顔を逸らして避けた大尉、次の拳が放たれるより先に蹴りを放った。
スタープラチナの上半身に次々と爪先が突き刺さり、その度に本体の承太郎は血を吐く。
数手遅れて拳を放ち蹴りを防御。
それも全ては防ぎ切れず、承太郎の傷は増すばかりだ。
数手遅れて拳を放ち蹴りを防御。
それも全ては防ぎ切れず、承太郎の傷は増すばかりだ。
「おいコラ、ガキ相手に嬲るなんざダセェ真似してんじゃねぇよ」
ピタリと蹴りを止め振り返る。
真紅の瞳に飛び込んだのは、肩で息をしながらも不敵な笑みを浮かべる一海。
時折体中に走る痛みに顔を顰めながら、それでも挑発的な表情は崩さない。
敵はまだ戦う気でいる。なら応えてやろうと大尉の意識は完全に一海へと向けられた。
一海もまたやっぱり無しなどと逃げ腰になる気は無い。
真紅の瞳に飛び込んだのは、肩で息をしながらも不敵な笑みを浮かべる一海。
時折体中に走る痛みに顔を顰めながら、それでも挑発的な表情は崩さない。
敵はまだ戦う気でいる。なら応えてやろうと大尉の意識は完全に一海へと向けられた。
一海もまたやっぱり無しなどと逃げ腰になる気は無い。
「変身!!」
『潰れる!流れる!溢れ出る!ロボット・イン・グリス!』
『ブラァッ!!!』
強制解除からの再変身は危険。
嘗て万丈に警告した言葉が今は自分に返って来る。
それでも一海に止まる気は無し。
戦いから逃げ、諦めるのは仮面ライダーのやる事では無いのだから。
嘗て万丈に警告した言葉が今は自分に返って来る。
それでも一海に止まる気は無し。
戦いから逃げ、諦めるのは仮面ライダーのやる事では無いのだから。
「こっからが、祭りの時間だぁ!」
戦意は十分、敵は強敵。
上等だ、こうでなければ祭りは盛り上がらない。
上等だ、こうでなければ祭りは盛り上がらない。
両の拳を打ち鳴らし、咆えながら獲物へと走る。
大尉も拳を軽く鳴らしてグリスへと接近、相手と違い無言だが勢いは見劣りせず。
同時に突き出される拳。
大尉の右拳はグリスの装甲を叩き、グリスの右拳は剥き出しの胸を貫いた。
大幅に強化された腕力で殴るも浅い、殴られグリスがよろめくと簡単に離れていく。
まだ倒れさせはしない、顔面を狙った大尉のストレート。
ヴァリアブルゼリーを硬質化させたクリアパーツの装甲だろうと、防げるかは怪しい。
大尉も拳を軽く鳴らしてグリスへと接近、相手と違い無言だが勢いは見劣りせず。
同時に突き出される拳。
大尉の右拳はグリスの装甲を叩き、グリスの右拳は剥き出しの胸を貫いた。
大幅に強化された腕力で殴るも浅い、殴られグリスがよろめくと簡単に離れていく。
まだ倒れさせはしない、顔面を狙った大尉のストレート。
ヴァリアブルゼリーを硬質化させたクリアパーツの装甲だろうと、防げるかは怪しい。
「ゥオラァッ!」
グリスとていきなり無様に倒れる気は微塵もあらず。
拳を振り上げ、下から大尉のストレートを崩す。
片方が防がれればもう片方を振るうだけ。
そう来る事はグリスには予測済み、肘を振り下ろしてガードする。
両手の攻撃を防ぎ切ったグリス、大尉の顔へ自分の頭部を叩きつける。
拳を振り上げ、下から大尉のストレートを崩す。
片方が防がれればもう片方を振るうだけ。
そう来る事はグリスには予測済み、肘を振り下ろしてガードする。
両手の攻撃を防ぎ切ったグリス、大尉の顔へ自分の頭部を叩きつける。
「っ!」
頭突きをモロに食らい、声は出さないが初めて怯んだ様子を見せる大尉。
整った鼻がひしゃげ血が流れ出すも、ビキリビキリと再生が始まっている。
もう一発食らわせようと頭部を振り被るグリスへ、反対にこっちが頭突きしてやった。
整った鼻がひしゃげ血が流れ出すも、ビキリビキリと再生が始まっている。
もう一発食らわせようと頭部を振り被るグリスへ、反対にこっちが頭突きしてやった。
「ぐぉ…」
変身していなければ潰されただろうダメージを最小限に抑えるも、痛みはゼロでは無い。
脳みそをシェイクされたように視界がぐらつく。
安定しない視界のままで捉えたのは、固く握られた敵の拳。
脳みそをシェイクされたように視界がぐらつく。
安定しない視界のままで捉えたのは、固く握られた敵の拳。
「がはっ!」
腹部を押し上げられ、骨が嫌な音を立てる。
臓器が形を変えてしまいそうだ。
仮面の下で吐血、その間に大尉は反対の腕を振るう。
そう何度も大人しくやられてやるのは非常に癪だ。
歯を食い縛ってこちらも殴りつけると、大尉の脇腹へ鈍い音を立て命中。
臓器が形を変えてしまいそうだ。
仮面の下で吐血、その間に大尉は反対の腕を振るう。
そう何度も大人しくやられてやるのは非常に癪だ。
歯を食い縛ってこちらも殴りつけると、大尉の脇腹へ鈍い音を立て命中。
「っ…」
「へっ、ようやく体が火照って来やがったな…」
「へっ、ようやく体が火照って来やがったな…」
挑発とも強がりとも取れるグリスへの返しは言葉ではない。
膨れ上がる程の殺意を込めた拳で返す。
グリスも大尉に言葉は最初から期待しちゃいない、返してやるのは同じ拳だけ。
膨れ上がる程の殺意を込めた拳で返す。
グリスも大尉に言葉は最初から期待しちゃいない、返してやるのは同じ拳だけ。
「オラァァァッ!!」
互いの頬へと突き刺さる拳。
脳へと伝達する痛みは無視、相手の胴体を殴りつければ同じように殴り返される。
だが関係無い、また殴る。
相手の体を殴りつける感触と、自分の体を殴られている痛み。
それらが絶えず同時に襲い来る。
脳へと伝達する痛みは無視、相手の胴体を殴りつければ同じように殴り返される。
だが関係無い、また殴る。
相手の体を殴りつける感触と、自分の体を殴られている痛み。
それらが絶えず同時に襲い来る。
「足りねぇなぁ」
殴られる度に体のそこかしこが悲鳴を上げる。
口から溢れる血は一向に止まらず、顎から首まで滴り落ちる。
ダメージを緩和すべくヴァリアブルゼリーの装甲が働きかけるも、徐々に効果が薄れていく。
威力が高過ぎる故にグリスの装甲にも限界が近付いているらしい。
このままでは危険な事だと、一海が一番よく分かる。
口から溢れる血は一向に止まらず、顎から首まで滴り落ちる。
ダメージを緩和すべくヴァリアブルゼリーの装甲が働きかけるも、徐々に効果が薄れていく。
威力が高過ぎる故にグリスの装甲にも限界が近付いているらしい。
このままでは危険な事だと、一海が一番よく分かる。
「足りねぇよ」
だが、それがどうしたと言うのか。
傷がどれだけ痛もうと、自身の命が危険へ近付いていようと。
『その程度』、一海が止まる理由としては不十分だ。
また一発拳を受け、反対に殴り返す。
そうすればさらにもう一発食らったので、こっちも負けじと叩き込む。
気のせいか、拳のキレが増していると感じられる。
いや、これは決して気のせいなんかじゃあ無い。
傷がどれだけ痛もうと、自身の命が危険へ近付いていようと。
『その程度』、一海が止まる理由としては不十分だ。
また一発拳を受け、反対に殴り返す。
そうすればさらにもう一発食らったので、こっちも負けじと叩き込む。
気のせいか、拳のキレが増していると感じられる。
いや、これは決して気のせいなんかじゃあ無い。
「全然、足りねぇんだよっ!!」
魂が震える、戦意がより昂る。
心火が激しく燃え上がる。
心火が激しく燃え上がる。
「もっとだ!」
自分に何が起こっているのかを一海が知らない訳が無い。
ハザードレベルの急上昇。
デェムシュ相手にも引き起こした、ネビュラガスを注入された者に発生する現象。
強敵を前に、倒れてたまるか、退いてたまるかと己を奮い立たせる感情を刺激。
グリスの能力が急速に強化されている。
ハザードレベルの急上昇。
デェムシュ相手にも引き起こした、ネビュラガスを注入された者に発生する現象。
強敵を前に、倒れてたまるか、退いてたまるかと己を奮い立たせる感情を刺激。
グリスの能力が急速に強化されている。
「こんなもんじゃねぇ!」
だがハザードレベルを上げて、それでも敵は強い。
こちらの拳の威力が上がったのを察したのか、向こうまで一発の勢いが増したように見える。
無口無表情で愛想という言葉から程遠い男のようだが、冷めた心では無いようだ。
ついつい場違いな苦笑いを浮かべるも、すぐに獰猛な笑みへと変える。
こちらの拳の威力が上がったのを察したのか、向こうまで一発の勢いが増したように見える。
無口無表情で愛想という言葉から程遠い男のようだが、冷めた心では無いようだ。
ついつい場違いな苦笑いを浮かべるも、すぐに獰猛な笑みへと変える。
「もっと俺を楽しませてみろやぁあああああああああっ!!!」
ストレートの交差、互いの胸に吸い込まれる拳。
倒れこそしないが堪らず後方へと大きくよろける大尉。
グリスは大きく吹き飛ばされ、ない。
立っているだけでも尋常では無い痛みに襲われる体で踏ん張る。
散々痛めつけられたがこの瞬間、ようやっと自分の拳が相手を上回ったらしい。
だが達成感を得るにはまだ早い、まだ戦わねばならないのに。
倒れこそしないが堪らず後方へと大きくよろける大尉。
グリスは大きく吹き飛ばされ、ない。
立っているだけでも尋常では無い痛みに襲われる体で踏ん張る。
散々痛めつけられたがこの瞬間、ようやっと自分の拳が相手を上回ったらしい。
だが達成感を得るにはまだ早い、まだ戦わねばならないのに。
「痛ぇな……」
小さく笑いながら零した言葉が引き金となった。
ゆっくりと仰向けに倒れ、背中から床に激突。
外れたドライバーが宙を舞い、顔のすぐ近くへと落下した。
横目で見ながら掴もうとするが、困った事に腕が上がらない。
どうにかこうにか力を込めようとするも、うんともすんとも反応しない。
体を横に倒そうとしても動けない、不思議な事だが全身の傷の痛みが少しずつ薄らいでいる気がする。
代わりに体がやけに重くなった。
指一本動かすのすら億劫に感じてしまう。
ゆっくりと仰向けに倒れ、背中から床に激突。
外れたドライバーが宙を舞い、顔のすぐ近くへと落下した。
横目で見ながら掴もうとするが、困った事に腕が上がらない。
どうにかこうにか力を込めようとするも、うんともすんとも反応しない。
体を横に倒そうとしても動けない、不思議な事だが全身の傷の痛みが少しずつ薄らいでいる気がする。
代わりに体がやけに重くなった。
指一本動かすのすら億劫に感じてしまう。
(ああ…ヤベぇなこれ……)
唯一動かせるのと言ったら両目くらいか。
視線の先ではつい今しがた暑苦しく殴り合っていた男が、こっちに近付いて来る。
自分がやった事ながら酷い有様だ。体中の肉が抉れ引き千切られており、だけど元の形を取り戻そうとしている。
反則だろと呆れ交じりに笑みが浮かんだ。
笑っている場合で無いのは百も承知だが、さてどうするべきかと視線を彷徨わせ、
視線の先ではつい今しがた暑苦しく殴り合っていた男が、こっちに近付いて来る。
自分がやった事ながら酷い有様だ。体中の肉が抉れ引き千切られており、だけど元の形を取り戻そうとしている。
反則だろと呆れ交じりに笑みが浮かんだ。
笑っている場合で無いのは百も承知だが、さてどうするべきかと視線を彷徨わせ、
「……アンタは休んでな、一海」
ガチャリとドライバーを拾い上げる者が瞳に映った。
学ランを血で染め、一海に負けず劣らずの重症を負った少年。
だがその目は死んでいない、空条承太郎は未だ勝負を投げ出してはいない。
スクラッシュドライバーを腹部に当てると、ベルトが巻き付く。
反対の手に持つのはパウチ型アイテム、スクラッシュゼリー。
グリスへ変身した瞬間はこの目で見ている、故にどうすればいいかは分かっているのだ。
叩きつけるようにしてベルト中央の窪みに装填する。
だがその目は死んでいない、空条承太郎は未だ勝負を投げ出してはいない。
スクラッシュドライバーを腹部に当てると、ベルトが巻き付く。
反対の手に持つのはパウチ型アイテム、スクラッシュゼリー。
グリスへ変身した瞬間はこの目で見ている、故にどうすればいいかは分かっているのだ。
叩きつけるようにしてベルト中央の窪みに装填する。
『ロボットゼリー!』
「変身…!」
『潰れる!流れる!溢れ出る!ロボット・イン・グリス!』
『ブラァッ!!!』
本来であれば人体実験を受け、ネビュラガスを注入されていない者では変身不可能。
しかし黎斗主催のゲームではそう言った条件を無視し変身が出来る。
現にビルドドライバーやエボルドライバー等を支給された参加者は、ネビュラガスが注入されておらずとも変身している。
スクラッシュドライバーも同じだ。
全ての参加者が等しく扱えるように調整を施された上で、一海に支給された。
しかし黎斗主催のゲームではそう言った条件を無視し変身が出来る。
現にビルドドライバーやエボルドライバー等を支給された参加者は、ネビュラガスが注入されておらずとも変身している。
スクラッシュドライバーも同じだ。
全ての参加者が等しく扱えるように調整を施された上で、一海に支給された。
そして今、承太郎はグリスへの変身に成功し大尉と対峙している。
「……」
大尉は標的を倒れた一海から、新たに変身した承太郎へと変更。
どうせ全員殺す事に変わりは無いが、大尉が求めるのは闘争の果ての死。
だからこうして立ち上がり、戦う気概を見せている者を優先する。
ビリビリとした殺気が承太郎の全身を刺激する。
変身したとはいえ重いダメージはそのまま、承太郎もまた立っているだけでも相当な負担だ。
どうせ全員殺す事に変わりは無いが、大尉が求めるのは闘争の果ての死。
だからこうして立ち上がり、戦う気概を見せている者を優先する。
ビリビリとした殺気が承太郎の全身を刺激する。
変身したとはいえ重いダメージはそのまま、承太郎もまた立っているだけでも相当な負担だ。
『Progrise key confirmed. Ready to break.』
されどこれは承太郎一人の戦いではない。
「こいつは…」
驚きを露わに承太郎は自分の周囲へ視線をやる。
承太郎と並び立つように現れたのは、複数人の戦士。
そのどれも見覚えは無いが正体は分かる、彼らは皆仮面ライダーだ。
ポンと、自分の肩に手を置いた黄金のライダー。
承太郎同様に負傷を押し殺してサウザーへと再変身した天津へ問い掛けた。
承太郎と並び立つように現れたのは、複数人の戦士。
そのどれも見覚えは無いが正体は分かる、彼らは皆仮面ライダーだ。
ポンと、自分の肩に手を置いた黄金のライダー。
承太郎同様に負傷を押し殺してサウザーへと再変身した天津へ問い掛けた。
「こいつらはアンタが出したのか?」
「その通りだ。承太郎君、私もまだ戦える」
「その通りだ。承太郎君、私もまだ戦える」
天津がサウザンドジャッカーに装填したのはアメイジングコーカサスプログライズキー。
主にサウザーへの変身へ用いるが、サウザンドジャッカーに装填した際にも特殊な効果を発揮する。
それはサウザンドジャッカーに保存されたライダモデルの一斉解放。
ランペイジバルカンとの戦闘で使用した技だが、現在のサウザンドジャッカーにはレジェンドライダーのデータを貯めてある。
これにより6体の仮面ライダーをライダモデルとして召喚したのだ。
主にサウザーへの変身へ用いるが、サウザンドジャッカーに装填した際にも特殊な効果を発揮する。
それはサウザンドジャッカーに保存されたライダモデルの一斉解放。
ランペイジバルカンとの戦闘で使用した技だが、現在のサウザンドジャッカーにはレジェンドライダーのデータを貯めてある。
これにより6体の仮面ライダーをライダモデルとして召喚したのだ。
「――ッ!!」
敵が増えたからと言って大尉は微塵も怯まない、むしろ望む所と腕を振るう。
大尉が放った拳はアギトのパンチと激突、打ち勝ったのは前者だ。
後退したアギトの首へと手刀を振るい撃破、間髪入れずに振るわれたブレイラウザーを躱す。
ならばもう一度とブレイラウザーが振り下ろされるが屈んで回避、蹴り上げた足がブレイドを引き裂く。
回転しながらハンドル剣を振るうドライブも、大尉相手では脅威とならない。
飛び掛かり拳を振り下ろし、床諸共叩き潰した。
上体を起こした大尉へと迫る回し蹴り、カブトの足を素手でガッチリ掴む。
両腕の筋肉が盛り上がりカブトを床に叩きつけた。
起き上がる暇など与えない、顔面を踏みつければ沈黙。
残る二体のライダーも仕留めようとし、
大尉が放った拳はアギトのパンチと激突、打ち勝ったのは前者だ。
後退したアギトの首へと手刀を振るい撃破、間髪入れずに振るわれたブレイラウザーを躱す。
ならばもう一度とブレイラウザーが振り下ろされるが屈んで回避、蹴り上げた足がブレイドを引き裂く。
回転しながらハンドル剣を振るうドライブも、大尉相手では脅威とならない。
飛び掛かり拳を振り下ろし、床諸共叩き潰した。
上体を起こした大尉へと迫る回し蹴り、カブトの足を素手でガッチリ掴む。
両腕の筋肉が盛り上がりカブトを床に叩きつけた。
起き上がる暇など与えない、顔面を踏みつければ沈黙。
残る二体のライダーも仕留めようとし、
「スタープラチナ・ザ・ワールド」
世界は完全なる静寂に包まれた。
グリスへ変身した承太郎、その横へ立つスタープラチナ。
悠長にしている時間は無い。
短い間しか時を止められないのもそうだが、承太郎自身のダメージも深刻だ。
本体とスタンド、その両方が拳を握る。
ふと、倒れたままの一海と目が合った。
時の止まった世界で動き、思考が可能なのは承太郎ただ一人。
だけど承太郎には、一海の目がこう伝えているような気がした。
悠長にしている時間は無い。
短い間しか時を止められないのもそうだが、承太郎自身のダメージも深刻だ。
本体とスタンド、その両方が拳を握る。
ふと、倒れたままの一海と目が合った。
時の止まった世界で動き、思考が可能なのは承太郎ただ一人。
だけど承太郎には、一海の目がこう伝えているような気がした。
「ブチかましてやれ」、と。
「「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」」
拳が放たれる。
グリスとスタープラチナ、計四本の腕による壮絶なラッシュ。
拳一発を放つだけで息が上がる。しかし止めない、止めてたまるかと殴り続ける。
承太郎はこの目で見たのだ。一海が、仮面ライダーグリスが戦う姿を。
その男と同じ姿になった自分が、情けない姿を晒す訳にはいかない。
グリスとスタープラチナ、計四本の腕による壮絶なラッシュ。
拳一発を放つだけで息が上がる。しかし止めない、止めてたまるかと殴り続ける。
承太郎はこの目で見たのだ。一海が、仮面ライダーグリスが戦う姿を。
その男と同じ姿になった自分が、情けない姿を晒す訳にはいかない。
「「オォォォラァァァーーーーーッ!!!!!」」
最後の一発がブチ当たり、時は動き出す。
無防備な全身を絶え間なく襲った殴打の嵐に、大尉の肉体がひしゃげる。
それでもだ、それでも大尉は吹き飛ばされず二本の足でどっしりと耐え抜いた。
これこそ正に化け物。
甚大なダメージを負おうとも、そう簡単には決して殺されてやらない
無防備な全身を絶え間なく襲った殴打の嵐に、大尉の肉体がひしゃげる。
それでもだ、それでも大尉は吹き飛ばされず二本の足でどっしりと耐え抜いた。
これこそ正に化け物。
甚大なダメージを負おうとも、そう簡単には決して殺されてやらない
ならば、それに抗い続けるのが人間。
『THOUSAND DESTRUCTION!』
両足にエネルギーを集中させ放つ飛び蹴り。
勝負を決める為の技を放つのはサウザー一人ではない。
キングオブバンパイア、仮面ライダーキバ。
最高最善の王、仮面ライダージオウ。
召喚された二体のライダーもサウザーと同じフォームで蹴りを放ったのだ。
勝負を決める為の技を放つのはサウザー一人ではない。
キングオブバンパイア、仮面ライダーキバ。
最高最善の王、仮面ライダージオウ。
召喚された二体のライダーもサウザーと同じフォームで蹴りを放ったのだ。
回避するにはもう遅い。
人間の足掻きが叩き込まれる。
言葉はやはり発さない、されど両目を限界まで見開いたまま大尉は病院の壁を突き破り、承太郎達の視界から完全に消え失せた。
人間の足掻きが叩き込まれる。
言葉はやはり発さない、されど両目を限界まで見開いたまま大尉は病院の壁を突き破り、承太郎達の視界から完全に消え失せた。