──人は何かの犠牲なしに、何も得ることは出来ない。何かを得るためには、同等の代価が必要になる。それが、錬金術における等価交換の原則だ。
──その頃僕らは、それが世界の真実だと信じていた。
「パラレルワールドか……確かに一つある以上、無数にあると考えた方が自然だよな」
エドワード・エルリックはそう言いながら両手を合わせ、地面に手を添える。すると彼の手が光り輝き、地中の成分で作られた土の剣が現れる。
「ミュンヘンでは使えなかったけど、ここだと錬金術は使えるのか……ちょっと調子悪いのは久しぶりだからか、制限ってやつのせいか?」
エドワードは今でこそドイツのミュンヘンという都市に住んでいるが、元々は機械文明の代わりに錬金術が発達した世界の、アメストリスという国に住む国家錬金術師だった。
賢者の石を巡るホムンクルスとの戦いで死んだ弟、アルフォンスの魂を呼び戻した対価として、真理の扉の向こう側……パラレルワールドに飛ばされたのだ。
「あそこは俺にとっての、夢で地獄だったけど……まさか本当に冥界の王の地獄みてぇな殺し合いに巻き込まれるとはな」
自嘲するかのように苦笑したエドワードは、自らの右腕に触れる。
その義手は慣れ親しんだ鋼の腕ではなく、機械文明によって作られた機械仕掛けの義手だ。
「どこまで行っても……俺は自分の罪から逃げられない」
最大の禁忌、人体錬成で母を蘇らせようとして失敗し、失った右腕と左足。ただ自分が苦しむだけなら痛みを伴う教訓として我慢もできただろうが、肉体全てを失った弟のためにも賢者の石を求めた。
その旅の中で自分の人体錬成のせいで産まれたスロウス……母と同じ顔をしたホムンクルスを殺した。
その旅の中で自分の人体錬成のせいで産まれたスロウス……母と同じ顔をしたホムンクルスを殺した。
後始末、といえば聞こえはいいが、罪を罪で上塗り、リライトしただけだ。
その結果がミュンヘンに飛ばされることだった。そして今は、こんな殺し合いに巻き込まれている。
「自業自得……いや、等価交換、だな」
自虐的に微笑んでからエドワードは配られたデイバッグの中を検める。
錬金術の使えるエドワードにとっては支給品の重要度は低いが、それでも確認しないわけにもいかない。
錬金術の使えるエドワードにとっては支給品の重要度は低いが、それでも確認しないわけにもいかない。
ひょっとしたら、平行世界に干渉するハデスの力を調べれば、元の世界に帰れるかもしれないが……エドワードは殺し合いに乗る気はない。
しかしそれと同時に、躍起になって止めようとも思えない。これが消せない罪で背負った罰ならば、受け入れるのもありだとすら思える。
まるで宙に舞うメリッサの葉のように、今のエドワードは地に足が付いていない。
しかしそれと同時に、躍起になって止めようとも思えない。これが消せない罪で背負った罰ならば、受け入れるのもありだとすら思える。
まるで宙に舞うメリッサの葉のように、今のエドワードは地に足が付いていない。
どこか無気力なままデイバッグを漁るエドワードの指に、何か硬いものが当たる。何かしらの武器かと思って取り出したそれは……
「なんだこの悪趣味なアクセサリー?親父やダンテ辺りなら喜びそうだな」
硬いものの正体は、全体が黄金色の禍々しい装飾品だった。
戦いで何の役に立つんだが、と思いながら何気なく同梱されていた説明書に目を通したエドワードは……
「なっ!?」
その黄金色の装飾品……千年アイテムの説明を読んで絶句した。
「何人もの人間を対価に生み出した千年アイテム!?これじゃまるで、賢者の石じゃねぇか……!」
エドワードが自分と弟の元の体を取り戻すために探していた賢者の石。それを作るためには、大勢の人間の命を対価にする必要があった。エドワードに支給された千年アイテムもまた、古代の時代に大勢の人の命を対価に生み出された道具であった。
説明書を読む限り、確かに命を対価に生み出されただけあって強力な呪具らしい。
だが、何事にも対価があるように、強力過ぎる武器には相応のデメリットがある。
選ばれた資格を持つ者以外が千年アイテムを使おうとすると体の内側から焼かれ、炎を吐き出しながら絶命してしまう。
殺し合いの武器として支給している以上、資格に関してはそこまで厳しいものではないと推測できるが……
「どっちにしろ、人の命でできた道具なんて使えるわけあるか!」
包みに入ったままの千年アイテムを乱暴にデイパックに戻すエドワード。だが彼は内心では動揺していた。
エドワードがドイツに飛ばされたのはアルフォンスの魂を呼び戻したためだが、そもそもアルフォンスの魂がなくなったのは、賢者の石そのものとなったアルフォンスが、エンヴィーに殺されたエドワードを蘇らせたからだ。
アルフォンスが賢者の石になったのもエドワードが甦ったのも成り行きだが、結果として自分は人の命で作られた賢者の石のおかげで生きているのも事実。
だからある意味、この支給品はエドワードにとってピッタリとも言えた。
「クソっ、ふざけやがって!」
エドワード・エルリック。彼はパラレルワールド〘原作〙の彼と違って影のある性格で自虐的だ。精神的に弱い所もある。だがその内に秘める正義感は変わらない。
ここが彼に与えられた地獄だったとしても、大勢の人と殺し合うなんてことは決してしない。
ここが彼に与えられた地獄だったとしても、大勢の人と殺し合うなんてことは決してしない。
「上等じゃねぇか……」
神経を逆撫でするかのような支給品を見た怒りで、ドイツで暮らしているうちに忘れかけていた激情を思い出す。
「何が冥界の王だ、ド三流が……格の違いってやつを見せてやる!」
先ほど錬成した土の剣を掲げて宣言するエドワード。カチカチに固くして錬成したが所詮は土。武器としては心もとない。機械鎧以上にデリケートな今の義手は剣に錬成するわけにもいかない。まずは武器の材料になる鉄を探しつつ同じように殺し合いに抵抗する仲間を探して……と、先ほどまでの無気力ぶりから一転、やるべきことが次々と溢れ出す。
「ついでにパラレルワールドの秘密も聞き出して帰ってやる……アルやウィンリィがいる世界に!!」
【エドワード・エルリック@劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者】
[状態]:健康
[装備]:土の剣、義手(右腕)、義足(左足)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2、千年アイテム@遊☆戯☆王】
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める。あわよくば元の世界に帰る方法を探す。
1:まずは武器の確保。土の剣では不安なので鉄がある場所を探す。
2:俺……帰れるのかな……
[備考]
アニメ版最終話から劇場版開始までの間の参戦。
義手義足は機械鎧ではなく劇場版の機械仕掛けのものです。
千年アイテムの種類については他の参加者との兼ね合いもあるので現時点では未定にしておきます。
[状態]:健康
[装備]:土の剣、義手(右腕)、義足(左足)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2、千年アイテム@遊☆戯☆王】
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める。あわよくば元の世界に帰る方法を探す。
1:まずは武器の確保。土の剣では不安なので鉄がある場所を探す。
2:俺……帰れるのかな……
[備考]
アニメ版最終話から劇場版開始までの間の参戦。
義手義足は機械鎧ではなく劇場版の機械仕掛けのものです。
千年アイテムの種類については他の参加者との兼ね合いもあるので現時点では未定にしておきます。