◇
「クソクソクソクソクソクソクソッ!!」
殺し合いが始まってまもなくの頃。
夢見弖ユメミは苛々を口に吐き出しながら、森林地帯を彷徨っていた。
ピンク色の髪をツインテールに纏めて、赤のセーラー服と黒のスカートを身に纏う彼女の容姿はとても可憐で可愛らしいが、実際に彼女は名門私立百花王学園生徒会の広報兼、現役のアイドルでもある。
しかし、そんな彼女も今、その可愛い顔立ちには似つかわしくないほど険しい表情を浮かべていた。
原因はこの殺し合い。
突然こんな場所に連れてこられて、爆破機能付きの首輪を嵌められて、殺し合いを強制させられているこの状況下で、ニコニコといつもの営業スマイルを張り付かせるほど彼女は能天気ではない。
夢見弖ユメミは苛々を口に吐き出しながら、森林地帯を彷徨っていた。
ピンク色の髪をツインテールに纏めて、赤のセーラー服と黒のスカートを身に纏う彼女の容姿はとても可憐で可愛らしいが、実際に彼女は名門私立百花王学園生徒会の広報兼、現役のアイドルでもある。
しかし、そんな彼女も今、その可愛い顔立ちには似つかわしくないほど険しい表情を浮かべていた。
原因はこの殺し合い。
突然こんな場所に連れてこられて、爆破機能付きの首輪を嵌められて、殺し合いを強制させられているこの状況下で、ニコニコといつもの営業スマイルを張り付かせるほど彼女は能天気ではない。
(ハ・デスだか何だか知らないけど、よくも私の夢の邪魔をしてくれたな、コスプレ親父ィッ!)
夢見弖ユメミには、夢がある。
女優として成功を収め、幼い頃より憧れていたアカデミー賞のレッドカーペットを歩くという夢だ。
その為の近道として、アイドル活動に従事して、日々レッスンを重ねてきたし、クソ気持ち悪いアイドルオタクどもに媚を売ってきた。
女優として成功を収め、幼い頃より憧れていたアカデミー賞のレッドカーペットを歩くという夢だ。
その為の近道として、アイドル活動に従事して、日々レッスンを重ねてきたし、クソ気持ち悪いアイドルオタクどもに媚を売ってきた。
そんな彼女に、突如降りかかった災難がこの殺し合いである。
――夢の為にもこんなところで死ぬわけにはいかない。
そう思いながら、彼女はあてもなく歩き続けると、ふと視界の奥から人影が現れる。
「――っ!?」
思わず身体を強張らせるユメミ。
彼女の前に現れた人物は、長い髪を靡かせた眼鏡の女性。
白い基調としたワンピースを着こなしており、どことなく落ち着いた雰囲気を醸し出していた。ユメミと同じく首輪を嵌められていることから察するに、彼女もこの殺し合いの参加者の一人のようだ。
彼女の前に現れた人物は、長い髪を靡かせた眼鏡の女性。
白い基調としたワンピースを着こなしており、どことなく落ち着いた雰囲気を醸し出していた。ユメミと同じく首輪を嵌められていることから察するに、彼女もこの殺し合いの参加者の一人のようだ。
(―――どうする……?)
先方の様子を窺いつつ、懐にしまってある小型ナイフに手を忍ばせるユメミ。
これはユメミに支給された唯一の武器で、相手の出方次第では、即座に切りかかるつもりでいる。
だが、その心配は無用だったようで、女性はユメミの姿を確認するなり、警戒を解くように両手を上げてみせた。
これはユメミに支給された唯一の武器で、相手の出方次第では、即座に切りかかるつもりでいる。
だが、その心配は無用だったようで、女性はユメミの姿を確認するなり、警戒を解くように両手を上げてみせた。
「そんなに警戒しなくてもよいわよ。私は殺し合いには乗っていないのだから」
物腰の柔らかそうな口調で話しかけてくる女性の態度に、ユメミが警戒を解くのに、そう時間はかからなかった。
◇
「―――それで、これからパンドラさんはどうするんですぅ?」
「……まずは、どこか身を潜める場所を探すつもりよ……」
「……まずは、どこか身を潜める場所を探すつもりよ……」
互いに軽い自己紹介を経て、ユメミと眼鏡の女性ことパンドラは、今後の行動について話していた。
二人が接触してからは、特に滞りなく事は運ばれ、今に至っている。
唯一、ユメミにとって気がかりなのは、自分のことをアイドルと紹介した際に、パンドラが顔を顰めて見せたことくらいだろうか。
二人が接触してからは、特に滞りなく事は運ばれ、今に至っている。
唯一、ユメミにとって気がかりなのは、自分のことをアイドルと紹介した際に、パンドラが顔を顰めて見せたことくらいだろうか。
「成る程~まずは安全確保って訳ですね~。それじゃあ私もご一緒させて頂いてもいいですか? 一人だと心細いですし~」
ともかく、まずは自分が生き残ることが優先だ。
いざという時の肉壁として、この女を利用してやろうと決めたユメミは、同性でも庇護欲を掻き立てられるような何ともいじらしい笑顔とともに、パンドラへ同行を申し出るのだが。
いざという時の肉壁として、この女を利用してやろうと決めたユメミは、同性でも庇護欲を掻き立てられるような何ともいじらしい笑顔とともに、パンドラへ同行を申し出るのだが。
「……残念だけど、それは許可できないわ」
「え?」
「え?」
まさか断られると思わなかったのか、ユメミは素直に驚いた声を上げる。
そんな彼女を尻目に、パンドラは言葉を続けた。
そんな彼女を尻目に、パンドラは言葉を続けた。
「申し訳ないけど、私は貴方のこと信用できないもの」
「…………」
「…………」
はっきりと言い放たれた拒絶の言葉に、ユメミは何も言えず押し黙ってしまう。
確かに邪な考えがあったのは事実だが、ここまではっきりと言われるとは思ってもいなかったのだ。
確かに邪な考えがあったのは事実だが、ここまではっきりと言われるとは思ってもいなかったのだ。
「それじゃあ、私はあちらの方に進むから、これで失礼するわね」
とパンドラは、呆然とするユメミの側を横切り、立ち去っていく。
「……。」
小さくなっていくその背中を、ただ見つめるユメミ。
やがて、彼女のドス黒い感情が湧き出るようになる。
やがて、彼女のドス黒い感情が湧き出るようになる。
(――ふざけんなよ……人が下手に出てれば調子に乗りやがって……)
やがて、ドス黒い感情は、ユメミをパンドラの背中を追跡するように駆り立てる。
(――利用できないんなら……)
ユメミを突き動かすドス黒い感情は、明確な殺意へと変貌していく。
それに伴い、彼女の創る表情も、現役アイドルとは思えないほどの、険しく禍々しいものへと変貌していた。
そして、懐から支給品の小型ナイフを取り出す。
それに伴い、彼女の創る表情も、現役アイドルとは思えないほどの、険しく禍々しいものへと変貌していた。
そして、懐から支給品の小型ナイフを取り出す。
(――いっそのこと、此処で……!)
そのままパンドラの背後まで後数歩のところまで迫ると、その無防備な背中に向けて、ナイフを振り上げる。
「―――やっぱりね」
「っ!?」
「っ!?」
瞬間、パンドラは背後を振り返り、肉薄したユメミを冷たく睨みつける。
思わず、硬直するユメミ。
そんな彼女を他所に、パンドラはその手に黒い杖のようなものを顕現したかと思うと、それを振り下ろす。
その仕草を合図に、複数の蔦が地面から出現―――ナイフを振り上げていたユメミの身体を瞬く間に拘束した。
思わず、硬直するユメミ。
そんな彼女を他所に、パンドラはその手に黒い杖のようなものを顕現したかと思うと、それを振り下ろす。
その仕草を合図に、複数の蔦が地面から出現―――ナイフを振り上げていたユメミの身体を瞬く間に拘束した。
「っ!?な、何だよ、コレッ!?」
身体に巻き付いていく植物に、ユメミはじたばたともがくが、抜け出すことは叶わず。
「それがあんたの本性ね。やっぱりアイドルっていうのは、人の善意をゴミくらいにしか思っていない連中の集まり。野放しにしておくのは危険ね」
「て、てめえ、何しやがっーーうぐっ!?」
「て、てめえ、何しやがっーーうぐっ!?」
ユメミの身体に巻きつく蔦は上部へと、伸びていき、首と両手首を締め上げていく。
「うがっ…ぐはぁっ……」
蔦によって、徐々に息苦しさを増して呼吸もままならなくなり、ユメミの顔色が青ざめていく。
苦悶の表情と共に呻めき声を上げながら、何とか逃れようと必死にもがき続けるが、植物の力は強くびくともしない。
そんなユメミの様子を、パンドラは冷やかに見据えている。
苦悶の表情と共に呻めき声を上げながら、何とか逃れようと必死にもがき続けるが、植物の力は強くびくともしない。
そんなユメミの様子を、パンドラは冷やかに見据えている。
「被害者が出る前に、殺しておかなきゃね」
「……ま、待て―――」
「……ま、待て―――」
ゴ キ リ
と、いう音とともに、ユメミの視界は90度回転したのを最後に、闇へと落ちていくのであった。
【夢見弖ユメミ@賭ケグルイ 死亡】
◇
「アイドルなんて……アイドルなんて―――」
物言わなくなった少女の骸を前にして、オブリガードの楽士・パンドラは、恨めしそうに呟いていた。
「きれいな自分を売りものにしてるくせに、本性は汚い奴ばっかり!」
彼女は、アイドルという存在に深い憎悪を抱いていた。
現実世界での過ち―――アイドルを愛してしまったことを後悔して、彼女は楽士となり、リドゥの世界で、その想いを歌に込め続けてきた。
現実世界での過ち―――アイドルを愛してしまったことを後悔して、彼女は楽士となり、リドゥの世界で、その想いを歌に込め続けてきた。
「気持ち悪い!気持ち悪い!気持ち悪い!!」
唐突に巻き込まれたこの殺し合いにおいて出会ったアイドル・夢見弖ユメミも、やはり例外ではなかった。
彼女もまた、他のアイドルと同じく、表面上は可愛らしい笑みを浮かべながら、腹の底ではドス黒いことを秘めて殺し合いに乗った、下衆で、醜い人間だった。
彼女もまた、他のアイドルと同じく、表面上は可愛らしい笑みを浮かべながら、腹の底ではドス黒いことを秘めて殺し合いに乗った、下衆で、醜い人間だった。
「――アイドルなんて、全員、死ねばいいんだわ……」
パンドラはこの殺し合いに乗るつもりはない。
出来る限り争いごとは避けて、この訳の分からない会場から脱出して、早々にリドゥに帰還したいと思っている。
しかし、アイドルに関してだけは別だ。
仮にこの殺し合いにおいて、ユメミのようなアイドルが他にも混ざっているようであれば、この手で必ず始末してやる。
殺し合いに巻きまれる直前、倉橋桃奈はパンドラのことを逆恨みであると糾弾していたが、そんなことはない。
ユメミと出会って確信した。
アイドルなんてクズしかいない。
出来る限り争いごとは避けて、この訳の分からない会場から脱出して、早々にリドゥに帰還したいと思っている。
しかし、アイドルに関してだけは別だ。
仮にこの殺し合いにおいて、ユメミのようなアイドルが他にも混ざっているようであれば、この手で必ず始末してやる。
殺し合いに巻きまれる直前、倉橋桃奈はパンドラのことを逆恨みであると糾弾していたが、そんなことはない。
ユメミと出会って確信した。
アイドルなんてクズしかいない。
「お前たちのような、生粋の嘘つきどもは生きている価値がない……!絶対に殺してやるから!」
その瞳に、激しい怒りと憎しみに宿しながら、パンドラはその場を跡にするのであった。
【パンドラ@Caligula2 -カリギュラ2-】
[状態]:健康。倉橋桃奈(宮迫切子)及びアイドルに対する憎悪(大)
[服装]:いつもの服
[装備]:
[道具]:基本支給品一色、不明支給品0~3
[思考]
基本:殺し合いには乗らずに、ゲームから脱出し、リドゥへ帰還する
1:まずは周辺探索。どこか落ち着ける場所を見つけたい。
2:やはり、アイドルの類は生かしちゃいけない。参加者に紛れ込んでいようものなら、殺してやる。
[備考]
※本編第二章において、帰宅部との決戦直前からの参戦となります。
※夢見弖ユメミの死体及び支給品一式は放置されております。
[状態]:健康。倉橋桃奈(宮迫切子)及びアイドルに対する憎悪(大)
[服装]:いつもの服
[装備]:
[道具]:基本支給品一色、不明支給品0~3
[思考]
基本:殺し合いには乗らずに、ゲームから脱出し、リドゥへ帰還する
1:まずは周辺探索。どこか落ち着ける場所を見つけたい。
2:やはり、アイドルの類は生かしちゃいけない。参加者に紛れ込んでいようものなら、殺してやる。
[備考]
※本編第二章において、帰宅部との決戦直前からの参戦となります。
※夢見弖ユメミの死体及び支給品一式は放置されております。