おもしろい小説は、何がうまいのか
村上春樹パターン
- 社会にうまく適合できない主人公(「みんなわかってないよな(キリッ」系)が、どういうわけか美女や天才とかにだけは「あなたは(君は)すごい」と認められる
- ある意味エヴァンゲリオンと変わらない(平凡なシンジがヒーローになる)
- 読者はオナニー的感動を覚える
司馬遼太郎パターン
- 時代の変わり目(戦国、幕末、等)を舞台に
- 「天才的洞察力をもった主人公(信長、竜馬等)」が大活躍し、「合理的なやり方」で旧勢力をぶち壊す
- 時代の流れで必然的に出てきたっぽいもの(楽市楽座とか薩長同盟とか)も、強引に「天才的主人公のひらめき」にしてしまい、一方で旧勢力を代表する人々は「非合理的で」「性根も腐ってる」的な扱いにする(当然小説的にはその方がおもしろいわけだが)
- 司馬遼太郎個人が、戦争中に軍隊で脳みそ真空の上官にいじめられたトラウマがあり、それが色濃く出てるらしい(非合理的で性根腐った奴が、合理的な奴に淘汰されるパターン)
- 読者は主人公の痛快な活躍(旧弊なものの破壊)を読んで、浮世の憂いを忘れる
太宰治パターン
- 気恥ずかしい経験をひたすら暴露しつづける。
- 特に、こういうのが読者にうける(『人間失格』の、太宰ファンが必ず挙げる一説)。↓
鉄棒の練習のとき、葉蔵は幅飛びのように前方へ飛んでしまって、砂地にドスンと尻餅をつく。「すべて、計画的な失敗」だった。皆の大笑いになるが、竹一という「白痴に似た生徒」だけはその道化を見破り、葉蔵の背中をつついて、「ワザ。ワザ。」と低い声で囁く。「誰かひとりが知つてゐる」のだった。
- ちなみに最期は愛人に無理心中させられてる(薬中&愛人がややエキセントリック、いずれかorいずれもが原因)
最終更新:2010年09月19日 22:59