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大事な会議など緊張の場面にかぎってお腹がゴロゴロ、キュー。あるいは電車内などトイレに駆け込めない場所で突然もよおして脂汗がタラタラ…。そんな症状を伴う過敏性腸症候群(IBS)は、患者数が国民の約1割と推計されているにも関わらず、放置されているケースが多い。人気お笑い芸人も番組でネタにするほど一般的だ。にもかかわらず、医療機関で正しい診断が行われていないのが現状。この際、きちんと治そうではないか。

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記事本文の続き 【大腸は正常でも腹痛】

 緊張するとお腹が痛くなるのは、珍しい話ではない。お笑い芸人でも、雨上がり決死隊の蛍原徹、ケンドーコバヤシ、中川家の弟・中川礼二、有吉弘行、笑い飯の西田幸治などが、自称「OPP(お腹ピーピー)芸人」といってネタにしているほどだ。

 では、どういう症状がIBSなのか。

 先日、IBSプレスセミナーで講演を行った兵庫医科大学内科学講座(上部消化管科)の三輪洋人主任教授は説明する。

 「過去3カ月間に、月に3回以上に渡り、腹痛や腹部の不快感が繰り返して起こるというのが、診断基準になります。その状態で、(1)排便によって症状が軽減される、(2)1日に何度もトイレに行くといった排便頻度の変化、(3)下痢や硬い便など形状の変化のいずれか2項目以上があると、IBSである可能性が高い」

 IBSの人は、大腸にはポリープなどがなく、正常であることも特徴だそうだ。

 【約10年もガマンして】

 大腸は正常であっても、緊張するとお腹がゴロゴロ。「ストレスがお腹にくる」と自覚はしていても、どうしたらよいのかわからない。そんな実態が、三輪教授のインターネットを用いた調査で明らかになった。

 日本全国の20~60代の一般生活者1万人を対象としたアンケートでは、IBS該当者が症状とつき合っているのは平均約10年間。今年5月に行った調査では、IBS該当者1341人のうち医療機関を受診した経験を持つ人は29%だった。

 「IBSの認知にはほど遠く、どういう病気かを理解している人が極めて少ない。しかし、調査結果では、IBS患者さんが症状によって、仕事の能率低下や、日常活動の障害など、OQL(生活の質)を損なっているのは明らかです」(三輪教授)

 “失われた10年”を取り返さなければ。

 【治療薬はあるけれど】

 IBSでは、緊張するとお腹に症状が出てしまう。その理由は、セロトニンという神経伝達物質が関係しているという。脳などの中枢神経に存在しているセロトニンは、わずか1~2%で、残りの約90%は腸内にある。ストレスによって腸のセロトニンが分泌されると、腸のぜん動運度が異常をきたすことで、IBSの症状は起こるそうだ。

 このセロトニンによる異常な状態を改善するため、2008年にセロトニン5-HT3受容体拮抗剤(製品名・イリボー錠)が発売された。医療機関では、IBS治療剤として使われているが、三輪教授の調査では、IBSと正しく診断されているのはわずか6%にすぎない。受診者が少ないだけでなく、医療機関でも正しい認識に乏しいのが実態のようだ。

 「日本消化器病学会では、一般の医療機関で診断を行いやすいように、IBSの診断と治療のガイドラインの作成に着手しています。IBSではないかと思われる方は、日本消化器病学会の専門医を受診していただきたいと思います」(三輪教授)

 急な下痢を止める一般用医薬品も人気だが、それは「応急処置にしかならない」と三輪教授はいう。IBSになりやすい人のチェック表(別項)を見て、症状があれば専門医のいる医療機関に相談しよう。

★「過敏性腸症候群(IBS)になりやすい人」チェックリスト

□前もってよく考える

□予定通りに行かないと気になる

□人前での説明が苦になる

□挨拶やスピーチに自信がない

□楽観的に物事を見られない

□リラックスできない

□気持ちが充実していない

□ストレスに強くない方だ

□健康管理ができていない方だ

□なかなか寝つくことができない

□夜中に何度も目が覚めてしまう

□早朝に目が覚めてしまう

□朝起きた後、頭がすっきりしない

□朝食を食べない

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最終更新:2011年09月30日 19:35