町ゆっくりの食料事情 6KB
・秋コンペの没ネタ
お題を推測して2~3本小ネタ書いてたけど、全部はずしちゃった。
また一から練り直しだー。
・小ネタ・単品という普段やらない形式で行きそうだったので、
普段使いどころの無さそうなネタをひねりだしてみました。
『町ゆっくりの食料事情』
D.O
脆弱かつ本能に忠実なゆっくりに対して、世界は常に厳しい。
中でも、人間にとってのみ都合よく整備された『町』は、
四季を通じてゆっくりを絶望的な環境に追い込み続ける。
町では、ゆっくりを追い詰める存在には枚挙いとまがない。
あんよを痛める舗装道路、全ての饅頭を蹂躙する巨大なすぃー、そして人間さん。
だが、特に絶望的なのが、食料事情であった。
冬どころか、四季を通じて自然の恵みはほとんど存在せず、
わずかな草地や、生ゴミの多く出るゴミ集積所を求めて熾烈な縄張り争いが行われる。
町で生まれた野良ゆっくり達には安息の日は訪れないのだろうかと思われた。
だが最近、町ゆっくりの食料事情が多少改善される変化があらわれはじめた。
「「「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー。」」」
まりさ一家は、今日もごはんを無事手に入れることができた。
「おきゃーしゃん、しゅうまがさんはぱりぱりしちぇ、とっちぇもゆっくちしちぇるにぇ。」
「ゆぅ、でもしんぶんさんのほうがおみずによわいから、さきにむーしゃむーしゃしようね。」
「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」」
・・・・・・町のゆっくり達が今食べているのは、古新聞や古雑誌。
全ては、食料争奪戦についていけなくなり空腹に苦しむ一匹のぱちゅりーが、
最近町内でオープンしたとある店の前で、甘党お兄さんに偶然出会ったことがきっかけであった。
「むきゅ・・・お・・・おにーさん、なにたべてるのぉぉお!?」
・・・・・・。
「何って、クレープだよ。」
「か、かみさんはごはんじゃないわ、むきゅ?」
「(紙って・・・)うまいぞ。ちょっと食ってみるか?」
ぴり。ぽいっ。
「む、むきゅ・・・むーしゃ、むーしゃ。・・・・・・し、し、し、しあわせー!」
それから2週間後、紙を食べるゆっくりは町中のいたるところで見ることができる様になっていた。
一体どれだけのゆっくりが、クレープと紙を勘違いしているかはわからない。
ゆっくりがいくら思い込みに感覚を左右される饅頭とはいえ、おそらくは最初のぱちゅりーくらいであろう。
しかし、勘違いはともかくとしても、紙自体はとてもゆっくりした食料だった。
野生時代は草ばかり食べていたゆっくりの、本能を刺激する味と食感。
薄っぺらくて、水でぬらすと柔らかくなり、非常に食べやすいこと。
生ゴミと違って保存も利くこと。
さらに、多少散らかしても人間さんも大目に見るし、紙製のゴミなどそこらじゅうに転がっていた点も魅力であった。
以前は防寒用だった新聞紙さんや段ボールさんも、今では非常食として重宝している。
公園では野良ゆっくり達が集まってワイワイと何かやっている。
中央にいる数匹は、何やら目隠ししながら紙ゴミを食べているようだ。
「わかるよー。かめばかむほどこくがでるなかに、さわやかなかおりがひろがるよー。
これはしっぷさんのあきばこだよー。」
「ゆぉぉぉぉおおお!!せいかいだよっ!」
「すごいよ、またせいかいしたよ。」
「さすがは『ぼーるがみのちぇん』だみょん。」
「むきゅぅ、つぎはこっちよ。むーしゃ、むーしゃ。
むきゅっ!このかるいしょっかんとにがしょっぱいあじ、それにいかさんのにおい・・・これは、てぃっしゅさんね!」
「ゆぉぉぉぉおおおお!!!またせいかいしたよ!!」
「さすがは『かみそむりえのぱちぇ』だみょん。しょうぶがつかないみょんね。」
・・・ゆっくり達がやっているのは『利き酒』ならぬ『利き紙』。
どちらの味覚がより優れているか勝負しているようだ。
野良ゆっくり達は、大量の新しい食料を手に入れることで、
食事を、生命をただ明日へつなぐためのモノから、一つの娯楽へと高めることに成功したのだ。
とある他の公園では、ご近所の人間さん主催による新聞紙大食いバトルが行われている。
「はふっ、はふっ、めっちゃうめ!まじぱねぇっ!」
「おきゃーしゃん、がんばっちぇ~!」×5
「ゆうしょうはれいむだみょん!あっとうてきだみょん!しょうひんは、でんわちょうさんだみょん!」
「ゆふぅーん。おちびちゃんたち、きょうはおなかいっぱいむーしゃむーしゃしようね!」
「ゆっくちー!ゆっくち!!」×5
「・・・・・・面白えなあ、ゆっくり。」
一方別の広場では、特に味の良い紙と生ゴミ等を交換する、美味紙オークションが行われている。
「つぎはこの、ぎゅうにゅうぱっくさん3たばなのぜ!」
「ゆゆっ!ありすはきのうひろった、とかいはなおべんとうさんをだすわ!」
「それじゃあちぇんは、ふかふかのたおるさんだよー!」
「まりさはたおるさんとこうかんするのぜ!!」
「わかるよー!」
「ゆぁーん、みゃみゃー。ありしゅ、ぎゅうにゅうぱっくしゃんがたべちゃいわ。」
「ごめんねぇ、おちびちゃん。いなかもののおべんとうさんでがまんしてね。」
今はゆっくり飽食の時代。
はたしてこの、ゆっくりした生活はいつまで続くのであろうか。
食料の量に町ゆっくりの数が追いついたとき?それとも・・・・・・
「・・・・・・ねぇ、ゆっくり。お前紙とか食ってるけど、うまいの?」
「む、むきゅん!かみさんはとってもあまあまなのよ!おにーさんもたべてるでしょ!?」
「んなわけねーだろ。何と勘違いしてんのやら。むーしゃ、むーしゃ。」
そう言ったお姉さんの手にはクレープ・・・
「いや、餃子の皮とか紙に似てるけどさぁ。あとコレとか。」
「む・・・むきゅぅ?・・・おにいさんが、かみ・・・?むきゅ・・えれえれ・・・・・・」
最近、何描いても誰かとかぶっているような気がしてなりません。
このくらいのネタだと、誰かが書いててもおかしくない気がするんですけどねー。
餡小話掲載作品
プラス本作品
『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど)
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- 再生紙は最大手紙器業者すら赤字になるくらいコスト莫大なので、なんでも食うゆっくり
は業界の救世主だよ・・・。 -- 2017-10-24 13:44:38
- 再生紙が作れなくなって紙資源が枯渇するぞ。
そんなこともわからないのか…ばかなのしすの?
-- 2014-05-03 12:50:37
- 思い込みの力ってすごいね -- 2012-12-29 12:10:46
- 紙食べてさせて>うんうん・しーしー集めて>
バイオ燃料の材料と絞りかすは肥料にして木材用の樹木の栄養
木材>紙>ウンシー>燃料・肥料
これ・・・すごくね?
-- 2012-08-12 12:29:51
- 栄養にならんだろあっ!そうかゆっくりの何でも餡子に変換する能力のおかげか -- 2012-07-11 14:51:38
- いかさんのにおいwww -- 2012-04-21 17:21:46
- あんまり紙食べ過ぎると、再生紙とか作れなくなるんじゃ、とか思ったりする -- 2010-10-10 04:08:24
- 面白いです。そのうち誰かが入れ知恵して空き缶なんかも食べちゃうんじゃ・・・。
紙を食べ物と思いこんでるゆっくりから良いやつだけ抜き出し古紙ポストっなーんてね -- 2010-08-13 21:26:46
最終更新:2009年10月27日 13:51