ギャルゲ・ロワイアル2nd@ ウィキ

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桂さんが私にあの話を持ちかけてきたのは、
文化祭が終わってしばらく経ってからの事だった。


「そ、そんなの無理だよ!」
「でも、言葉が三人でもいいって……。」
「ええ、誠君が望むんなら。」
「桂さん!」
「…俺はもう、どっちつかずは疲れたんだ。それが駄目なら、世界とは別れるしかない。」
「そんな!…誠はそれでもいいの!?」
「私ならなんでもできますよ。西園寺さんと一緒でもかまいません。」
「…私だって、誠の為になんでもできる!ねえ、誠、ちゃんと私も、愛してくれる?」
「もちろん。約束、するよ。」
「また、ここから始めましょう、西園寺さん。」
「……うん。」


そして、桂さんの提案を受け入れた私は、三人で新しい関係をスタートさせた。
みんなで幸せになれる、最高の物語を。



―――でも、結局桂さんは裏切っちゃったけどね!

◆ ◆ ◆

畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生!
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すす殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!
八つ裂きにしてやる八つ裂きにしてやる八つ裂きにしてやる八つ裂きにしてやる八つ裂きにしてやる!
ぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺す!


『さあ、4回目の放送いこうか。炎凪が伝えるよ。一回しか言わないから、しっかり聞いて。
 それによって君たちがどう動くか。どう動くとしても。僕はそれを期待するよ。』

『まず死者は』

畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生!
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すす殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!
八つ裂きにしてやる八つ裂きにしてやる八つ裂きにしてやる八つ裂きにしてやる八つ裂きにしてやる!
ぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺すぶち殺す!



畜生畜生畜・・・



「―え?」



…嘘?

今、なんて?

このみさん?

名前、呼ばれた?

死んだ?なんで?

あなたはわたしの怨敵なんでしょ?ライバルなんでしょ?

私たちは運命の赤い糸で結ばれているんじゃなかったの?

みんなを殺した後最後に決着をつけるんでしょ?

なんで?

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで――



「……あ……。」



「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
 なんでよ!!!なんで私に断りもなく勝手に死んでるのよ!!!
 貴方は私に殺されなきゃいけないんでしょ!!!
 どんだけ鈍くさかったら気が済むのよ馬鹿!!!
 馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ぁぁぁぁぁ!!!」




「うぅ……ぐすっ……ひぐっ……なんでよぉ……ばかぁ……。」




◆ ◆ ◆

…一息ついて、夜空を見上げる。
星が一面に輝いていて、とても綺麗だった。
自然の神秘とはかくも心を潤すものなのか。ちょっと感動してみた。

落ち着いて考えると、我が宿敵であるこのみさんが普通に戦って負けるとは考え難い。
となると、一緒にいた剣を持ってた黒い女が裏切って後ろから刺したりとかしたのかな?
私が桂さんに裏切られたタイミングとシンクロしてるからそれなら納得。
それはそれで間抜けだけど。
大体、仲間とか作っちゃうからそうなるのよっ!
そう考えるとあのボディコンスーツの美味しそうな娘その他達もお馬鹿さんだよねー。
……チーム組んで馴れ合ってても、どうせ最期は一人になっちゃうのにさっ。私は違うけどね。

「ま、いっか。」

殺さないといけない奴らはもっと沢山いるし、
運よくこのみさんの死体が見つかったら私の力で生き返せてあげればいいや。それで問題なし。
そういえば太一君と陽子さんもさっき名前呼ばれてたような気がするなぁ。おおアルス、死んでしまうとは情けない。
…なーんちゃって。二人一緒ってことは無理心中かな?後追い自殺かな?…でも、死んじゃったら意味ないじゃん!
もう、しょうがないなぁ。この二人も見つけたら回収しとこうかな?…でも、生き返らせても絶対言うこと聞かないんだろうなー。

論理は完全に狂っているが、憎悪が転じて愛情すら湧いていた唯一無為の宿敵の死を知った今の思考は、
この島に居たどんな時よりもクレバー。 もはや名伏しがたいほど異形と成り果てている肉体と比較すると、異様なほどに。
…まあ、今の彼女の現状が、桂言葉の裏切り云々の問題ではなく、蘭堂りのに敗北した結果であるという
事実を伝えても信じるかどうかは微妙だが。

(…そういえば、武器が足りなかったのよね。)
むくりと起き上がり、海の方向を見る。墜落したF-15E戦闘機『如月千早』モデリングカラーが海上で炎を上げていた。
手をその方向に伸ばす。仮に泳いで行ってもそこは禁止エリア。
(届く…訳ないよね…あーあ。あれ使えたら便利のになー)
別に首輪が爆発しても死ななそうだが、流石に命を賭してまで調べに行く価値はないだろう。
できることとできないことの区別がつくのは冷静な証だ。

とくん

「…あ…」
腹が胎動する。
「うん…ごめんね…私には彼方達が居たんだよね…。」
そうだよ、私は一人じゃない。この子も、蛆虫ちゃん達も居るんだ。
確かに強力な武器は必要だけど、この子たちの性能を引き出す方法も考えてあげないと。

…うん、もっとしっかりしなきゃ、私。


……ふと、放送前に頭に響いて己の眠りを妨げた幻聴を思い出す。



――みなさんに、伝えたいことがあります――


――えと、なんて言おうかな……あの、もう、やめません……か?――


――こんなことを続けても、みんなが悲しむだけだと思うんです。仕方ない、っていうのもあるんだろうけど――


――だからって、それじゃあ悲しみが続くだけだから。連鎖は、誰かが断ち切らなきゃダメだと思うから――


――子供っぽい、調子いいこと言ってるかもしれないけど、私は、みんなに笑って欲しいんです――



(……やめませんか……ねぇ?)




「私やこのみさんはこんなに頑張ってるのに、何言ってんの、こいつ?」




(…ふ…ふは…ふはははは…あはははははは!!)




「あぁぁああああああああぁぁあああああああぁぁあああああああぁぁあああああああぁあ!!!!
 ふざけんな!ふざけんな!ふざけんな!ふざけんな!ふざけんな!ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


誰が好き好んで殺し合いなんかするのよ!
他のやつをぶっ殺してでも生きなきゃいけないからやってるんでしょうが!
やめたらあんたが代わりに死んでくれるっていうの!?
みんなで笑って幸せになれるんならなんで刹那は死んだの!?桂さんは裏切ったの!?
たとえ体が変になっちゃっても!強くならなくちゃいけないんだからしょうがないじゃない!
それでもこの子のために何が何でも絶対絶対絶対絶対!生き残らなきゃいけないんだから!
そうよ!あんたは生きるってこと自体を否定してるのよ!幸せになることを侮辱してるのよ!
だからだからだからだから…………死んで!当然!だよね!!!


「……あははっ……心配しなくっていいよっ、連鎖は私が断ち切ってあげるから!
 ほら、みんな死んじゃえば、何も感じないし、誰も悲しくなんか無くなるでしょ?
 私があなた達を救ってみせるわ!生き残って極上な日々を送るのは、私と私と誠の子供だけでいいよ!」

―思えば、私と誠と桂さんの関係は、殺し合いと何も変わらなかった。
一人しかいない誠と一緒になるためあらゆる手段を使って頑張った。
結局、みんなで幸せになるなんて都合のいい戯言。
誠と一緒に幸せになれるのは、一人しかいないのだ。

「うん、そういうことなんだよね?桂さん?」

そう考えると私も別に経験不足って訳じゃなかったのかもしれない。
むしろ一歩間違えば人死にが出ていたほどの修羅場を潜り抜けてきた私は、
ここにいる誰よりも「幸せの奪い合い」の経験は豊富だ。
だって、誠に桂言葉さんを紹介してあげたのは私なのだから。
私がいなければ、私たちの物語は始まらなかった。私があの世界を作ったのだ。

だから今度も同じことをすればいい。今度は迷わず、私が幸せになる為だけの世界を作るんだ。

そしてもし……生き残って帰れたら……

とりあえず今生きてる人間はみんな殺しちゃおっか♪

うん、それがいいね、私を悪者みたいに言うこの世界はどうしようもないくらい壊れちゃってるんだ。
だから一度みんな消して私達でもう一回作り直すしかないよね。
つまりこの戦いは私のワールドワイドな夢を叶える為の前哨戦であり、母親になる為の通過儀礼のようなものなんだね。
ここでぶっ殺さないといけないのは……残り20人くらい?上等!誠が浮気してた娘の数より全然少ないよっ。

悪鬼の憎しみ、魔導書の狂気、贄の血の誘惑、この世全ての悪の呪い、止の血の魔性、
西園寺世界自身の、殺し合いが始まる以前から、既に何かが壊れていた論理観。
すべての要素の利害関係は完全な一致を果たし、崩壊した自我の上に新たな自我を形成。
女子高生という名の「制限」は解除され、この異常極まりない殺戮遊戯を全面的に肯定した。


◆ ◆ ◆

「そうと決まれば、行動開始、だね。」

ディバッグを整理して、金ぴかパーカーを取り出す。
不本意だがこれくらいしか濡れてる服の代わりになるものがなかったので仕方がない。
桂さんが着てた騎士服は着たくないし。
「……あれ?」
今まで意識してなかったから気付かなかったのか、
バッグの奥にピンク色のリボンが見つかった。
柚原このみが付けていたものと、非常に良く似た。
まったく関係ないのだろうが、タイミング的に運命めいた物を勝手に感じ、
彼女からの何かしらのダイイングメッセージと解釈した。
「あはははっ、しぶとい奴めっ。そんなに私に……戦って欲しいの?あなたの代わりに、あなたの分まで?」
手を頭の後ろに回し、このみのリボンをつけてみた。少し刹那に似てるかな?

「いいよ……一緒に……頑張ろうね♪」

―――ちなみに、己が宿敵と呼ぶ少女には最終的に自分の本名すら覚えられていなかったのだが、
どこまでも自分に都合のいい妄想で形作られた今の彼女の世界にそのような現実は意味をなさず――― 


長く伸びた影が揺れ、体の蛆虫が餌を欲して怪しく蠢く。


――――もう容赦なんかしちゃいけないよね、嫌になるくらい思い知らせてやる!


西園寺世界は全速力でその場から駈け出し、海岸には誰も居なくなった。


【E-8 海沿い(移動中)/2日目 深夜】

【西園寺世界@SchoolDays】
【装備】:エクスカリバー@Fate/staynight[RealtaNua]、防刃チョッキ、きんぴかパーカー@Fate/staynight[RealtaNua]、このみのリボン
【所持品】:支給品一式×4、BLOCKDEMOLITIONM5A1COMPOSITIONC4(残り約0.60kg)@現実、
      時限信管@現実×2、89式小銃(28/30)、37mmスタンダード弾×5発、手榴弾1つ、妖蛆の秘密@機神咆哮デモンベイン、
      ICレコーダー、ゲーム用メダル400枚@ギャルゲロワ2ndオリジナル、スペツナズナイフの柄、
      贄の血入りの小瓶×1、天狗秘伝の塗り薬(残り90%)@あやかしびと-幻妖異聞録-、
     アーチャーの騎士服@Fate/staynight[RealtaNua]
【状態】:疲労(小) 、『この世、全ての悪』受胎、精神崩壊、思考回路破綻、空腹、悪鬼侵食率95%
【思考・行動】
基本:殺し合いにのってない=生きることを侮辱してる連中は、徹底的に蹂躙して皆殺しにする。
1:基本的に奇襲。適当なところで離脱する。
2:このみの死体を見つけたら、生き返らせてもう一回殺す。
3:利用できそうな奴は利用してもいいかな?後で殺すけど。
【備考】
※侵食に伴い、五感が鋭くなっています。
※腹の中の胎児に、間桐桜の中に居た『この世、全ての悪』が受肉しています。

210:第四回放送【裏】新たなる星詠みの舞(後編) 投下順 211:今、出来る事
時系列順
185:メモリーズオフ~T-wave~(後編) 西園寺世界 218:DEAT SET/イグニッション


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