ギャルゲ・ロワイアル2nd@ ウィキ

私と貴方は似ている。

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貴方と私は似ている。◆UcWYhusQhw


「なんつーか……事実なのかよ……これ」
俺は未だに信じられなかった。
いきなりこんな所に連れてこられ殺し合い?
はっ、冗談よしてくれって言いたいが、
「目の前で人が死んだ……これは紛れも無い事実だ」
あの少女達と少年が死んだ。
それは今でも分かる。
あの鉄の臭い。
血の臭い。
そう死んだのだ、俺の目の前で。

「ちっ……俺は……」
この殺し合い。
俺はどうするべきだ?
殺し合いに乗る?
それとも抗うべきか。
その二択。
「何……焦ってんだよ……俺らしくない」
流石に俺でも焦るらしい、この状況は。
もっと冷静になるべきだ。

あの時、理樹と鈴を助けると決めた時の様に……って! おい!
「マジかよ……俺はあの事故から助かったのか!? いや違う。俺は理樹と鈴を助ける為の最中の筈だ……なのに何故」
解らない……なんでこんな事になっちまった?
俺達はあの作り上げた世界で理樹達を成長させる為にいた筈だ。
これは完璧な現実。
それがはっきりと解る。
なら理樹は、皆は?
「落ち着け……たしか名簿が」
そう名簿が……俺の知り合いは。

……いた。
謙吾、真人、来々谷……そして理樹、鈴。

そうなのか。
理樹、鈴……お前達までいるのか。

考えろ、俺。

……こんな殺し合いなんて俺らしくない。
もっといいやり方があるはずだ。
転覆させるいいやり方が。

だが。
俺は元々死にいく者。
しかし理樹達は違う。

俺達は理樹達を救うと決めた。
なら……。

「決まってるよな……今更、罪とか言ってられないよな……俺は決めたんだから」

そう決まってる。
理樹達をすくう。
それは場所を変わってしまったけど決意は変わらない。
人を殺すという大きな罪。
はっ、それがどうした。
元々理樹達の為に沢山の罪を背負ってる。
今さらふえたって変わりはしない。
ならばやる事は一つ。

「乗ってやるさ……今更、正義の味方なんて柄じゃない……憧れるけどな……でも罪はとっくの昔に背負ってる……だから後悔はしない」」

そう、殺し合いに乗る、理樹の為に。
後悔はしない、絶対。
どんなに罵られ様と、俺は決めた、理樹達を生かすって。
そのためにはまずは準備を。
俺はそう思って支給品を確認する。

「……ビンゴ。銃、しかも本物だ。説明書がある……SIG SAUER P226……思いっきり当りだな」

しっかりと予備弾までご丁寧にある。
そこまで多くは無いが。
弾も装填してある。
さて……準備しようか。
作戦はもう決まってる。
一人では辛いがな。

俺は軽く準備しようとした矢先草陰から物音が聞こえた。
やれやれ……早速か。

ふーっ。
落ち着け。
これがミッションスタートだ。

「動くな!」
「ええ……そちらもね」

俺が銃を向けた瞬間もう相手も俺に向けていた。
ちっ……油断か、いや単純に俺も焦ってただけか。
俺がそっちに振り向くと少女がいた。
俺より若干下か?

相手も……銃か。
リボルバータイプの。

しかしこの膠着状態なんとかしないとな。
このままじゃジリ貧だ。
とりあえずコンタクトをとろう。

「ひゅう……なかなかだな。あんた、名は?」
「……そっちから名乗ったら?」
「それもそうだな……棗恭介。なんてこと無い1市民さ」
「トルティ二タ……トルティニタ=フィーネよ」

そう名乗った少女はどこか凛々しくそして決意を持った目で睨み付けていた。

その出会いが俺にとって大きな出会いになるとは俺自身も思いはしなかった。

「殺し合いね……やれやれ」
私はその言葉を口にしてみる。
まったくなんでそんなものに巻き込まれなきゃいけないのかしら。
私はやっと重荷から開放されたのに。
もっともかなり唐突だったけど。

そうクリスが自分自身で気付いて。
そしてクリスの回復と共に姉さんも奇跡に近いような回復を遂げた。
2人は今、幸せに暮らしてる。

うん、立派なハッピーエンドだ。
でも私はその中にいない。
いちゃいけないのだ。
私の望みは叶ったようなものだから。

でもこの胸の空白は何?
何か満たされないような想い。

そうクリスの事。

どんなに違う事を思ってもクリスのことだけ思い出す。
クリスしか。

ああ、私はクリスしかなかったのだ、この3年間の間。
全てはクリスの為に全てを捧げた。
クリスが苦しくないように、あの事を思い出さないように。
自分を殺して姉さんのように演じて、邪魔な障害は排除して。
クリスだけ……クリスの為だけに。
私は生きてきた、あの時から。

……ああ……私はクリスだけなんだ。
姉さんが元気なっても、私は変わらないんだ。

今更……だよ。
今更遅いんだ……もうクリスは姉さんと幸せに暮らしてるから。
だから、だから。

「って……私は殺し合いの中にいるんだ。そんな事考えてる暇はないよ」

そう、殺し合いにいる。
どうするべきか、ね。

私は助からないだろうなあ。
あの2人の女みたいな力はないし、はあ。
私が帰らなくてもクリス達は幸せだろう。
心配ぐらいはしてくれるはずだけど。

「……悲観してもしかたないか。支給品とこれは参加者名簿?」

誰か知り合いはいるのかしら?
んとリセルシア、ファルシータ。
リセは安全そうだけどファルは駄目だ。
なんともいえない不安感があの子を見ると襲われる。
ファルは危険かもしれない。
後は……え?

「嘘……だ。クリ……ス……!?」

嘘……嘘。
クリスがなんで!?
何でクリスが……!?
もしや……ねえさんも!?

「……いない……よかった」

でも、そんな。
クリスはやっと幸せを取り戻せたというのに。
……なんで……なんでぇよお!

ひどすぎる……クリス。
私は……。

よく分からない感情が頭を巡る。
私はどうしたいんだろう。
クリスがいるなんて思っていなかった。

どうする? 私は。

……簡単ね、簡単。
そう変わらないのだ。
あの時と。

「……私がクリスを元の世界に返す! クリスは幸せにならなきゃいけないもの、姉さんと」

そうクリスは幸せじゃなきゃいけない。
だから元の世界に戻すのだ、姉さんのいる所へ。
つまりそれは

「私は殺す、人を。何の躊躇いもなく殺してみせる。罪とかは言ってられない……どんなに力がなくても絶対!」

人を殺すという事。
どんなに私が力がなくても。
必ず! 必ずだ!

でも何故か気分が高揚してる、人を殺すというのに。
ああ、簡単だ。
またクリスの為に何かできるのだから。
この胸の空白が埋まる気がするんだ、本当に。

クリスになにかできるという空白を埋めるパーツが。

ああ晴れやかだ、頑張ろう、あの3年間のように。

支給品は何だろう一つ目は

「……無骨なものね。でもいいわ、当たりよ」

それは銃。
名前は説明書に書いてある。
えっとSturm Ruger GP100?
名前を知ってもね……。

んと……使い方は……。
結構簡単かな……上手く撃てるかは別問題として。
ちょっと構えてみる。

重いな……これが銃。
人の命を奪うものなんだ。
私が奪うのだ命を。

……滅入ってちゃしょうがないな。
取り敢えずいこう。
どこにいくかは……気の向くままに。


そしてすこし進むと目の前に茂みの向こうに人が。
うーん男の人みたいね。
こっちには気付いてはいないか……なら。

殺すだけよ。

私はそう決意すると一歩ずつ気付かれずに進む。
銃の射程範囲までもう少し。

そして辿り着く。
さあ、あの通り構えよう。
さらに発射のトリガーを。

そこで
「動くな!」
相手が銃を即座に向けた。
気付かれた!?
でも
「ええ……そちらもね」
こっちも準備が終わってるのよ残念ながら。

さてどうしよう?
現状は緊迫してるわね。
隙もないし、こちらも見せてるつもりはない。
なにかきっかけが欲しいわね。

その時
「ひゅう……なかなかだな。あんた、名は?」
目の前の男が尋ねてきた。
隙でも狙ってる?
どうなんだろう。
しかし道義って物もある。

「……そっちから名乗ったら?」
尋ねる前にそっちからなのならければならない。
道義じゃない。
そしたら目の前の男ははっとして納得したように
「それもそうだな……棗恭介。なんてこと無い1市民さ」
棗恭介……か。

しかしなんてさわやかな笑み。
逆に怪しいわ。
兎も角こっちもなのらなきゃ
「トルティ二タ……トルティニタ=フィーネよ」
そうつげる。
恭介は頷き満足そうだった。

その時、この気さくそうだけど鋭い目をした青年が私の運命を変えるとは思わなかった。




さて、あれからどれくらい警戒したままだろうか。
私達は互いに牽制したままである。
とはいえ……私は実は震えていた。

これが正真正銘の殺し合いなのだ。
どちらが生きてどちらかが死ぬ。
そのせめぎあいで私は恐怖している。

私は殺し合いに乗ったはずなのに。
……慣れないものはするものじゃないか。
でも一生慣れたくはないわ。
人を殺す事なんて。

「さて……トルティニタ。お前は殺し合いに乗ってるのか?」

そんな時、恭介は突然私に尋ねてきた。
何でそんな事を?
やはり隙を狙ってるの?
この状況を打破する為に。

私は答えずただ押し黙っている。
その沈黙が答えだというように。
恭介はそれで納得したかのように

「そうか……。実はこう言ってはなんだが俺も乗っている……そしてトルティニタ、何故乗った?」
「……は?」
「だから何故乗ったと聞いてるんだ。ぱっと見お前はあの女たちのように特殊な力は持ってなさそうだ……いっちゃなんだが勝ち残れるようには思えない、それなのに何故?」

力が無い、か。
そうよ、私は残念ながらただの一般人。
それでも私はやらなければならない、クリスの為。
でも恭介。

「貴方も一緒でしょ? 恭介。私にも貴方はただの一般人にしか見えないわ。なら何故貴方も乗ったというのよ?」
「……ふん、こうみえても俺は火を噴くことが出来るんだぞ、こう見えても」
「嘘だっ!」
「……何故、すぐにばれる? そして何故そこまで気合を入れる?」

当たり前よ、目が笑っているわ。
人をごまかすことを楽しんでいるような。
まるで無邪気な子供。
でもならどうして?

「じゃあ……何故恭介は乗った?」
「じゃあ……なら、トルティニタ、何故乗った?」

ほぼ同時に同じことを尋ねる。
息ピッタリに。
やはり互いに気になるのかしら?
私達は苦笑いし

「ふっ……被っちまったか……」
「ええ……なら同時に言わない? 乗った理由」
「そうだな……いいだろう」

私は思いっきり息を吸う。
これからいつものように歌を歌うように。
大きく吸って。
さあ、宣言だ。

「私はクリスという幼馴染の為に……」
「俺は理樹と鈴という幼馴染の為に……」

さあ言おう、私の宣言だ。
これがここで起こる殺し合いで私がする事。

「全てを捧げて他の人を殺す、クリスをあの幸せな場所に還す為に、絶対」
「全力で人を殺す、理樹と鈴を救うためにだ、必ず」

そうそれがたとえ他の人に罵られても。
どんなに軽蔑されても。
クリスが私を止めようとしても。

「絶対に止めるわけにはいかないの。どんなにそれがいけない事でも」
「絶対にやめる事はできない。それがどうしようも無いほど大きな罪でも」

でもそんなのとっくに知っている、気付いてる。
だけどやめる事はできない、しない。
だって

「クリスは私が護る。それが私がここにいる意味。トルテニィタ=フィーネが存在する意義なの」
「理樹と鈴は俺が助ける。それが俺が生かされている理由。棗恭介というものの全部の意志だ」

それが私がいる意味だから。
神様は禁忌を破る私を許さないだろう。
きっと地獄に落ちる。
でも

「禁忌を破る事をもう慣れてるのよ。どんなに私が汚れても穢れても……ただクリスが幸せなら」
「大罪なんかとっくに背負ってる。どんなに俺が傷ついても死んだりしても……それでも理樹と鈴が生きてくれるのなら」

そう、だから。

「私は絶対諦めない! どんなに力が無くても! クリス! クリスだけは私の力で還すのよお!」
「俺は絶対挫けない! どんなに倒れそうでも! 理樹! 鈴! あの2人だけは俺の力で救うんだ!」

私は進むんだ。
最後の最後まで。
決して止まる事は無く。
クリスに為に。
そう、決めたから。

これが私の宣言。
私の誓いだ、この中での。

でもこれって恭介も殆ど一緒?
そう思った瞬間

「くくっ……はは、あはははははははははははははは!」

恭介はまるで面白い物を見たように満面の笑みで笑い出した。
あの鋭さは何処に言ったのやら。
まるで無邪気な子供のよう。
なんか自分の決意を笑われたようで腹立たしい。

「ちょっと……なに笑ってんのよ」
「はは、悪い、悪い。だってよおかしいじゃねえか……俺は悲壮な想いで決意を語ったのに、それがお前とほぼ同じだぜ。笑えるさ、
俺が必死で悩んで決めた決意は人と似てるとかさ。そしたらさ、あれだけ張り詰めていた緊張の糸が切れてな。途端笑いたくなっちまった……くくっ」
「貴方ね……ふふっ」

私も釣られて笑ってしまう。
なんか恭介の笑顔を見てると変に緊張をほぐれるのだ。
はは、さっきまで殺し合いしようとしてたのに……なんだろうこの緩み。
決して決意は鈍って無いのに。
恭介にはそんな雰囲気を変える力でもあるのかしら?

「俺とトルティニタは似てるんだな……きっと」
「似ている……私と貴方が?」

私と恭介が似ている?
何故よ?

「だってよ、ここまで考えがにてるなんてそれは驚きさ。お互いに乗った理由、その決意。罪すら厭わない事。そしてそれは護るべきものの為にだ。
 正直びっくりした……たぶん過去とかにてるんじゃーねえか?」
「まさか。でも確かに似てる……」
「だろ?」

……確かに。
そうかも知れない。
あそこまでにてるとかは想像できないわ。
でも過去はきっと違うわ。
私みたいに全てを捨て誰かに尽くした事なんて無いはず。
そこまで同じなら。
きっとそれはある意味奇跡で運命よ。
まあありえないが。

そんな事を考えてると恭介はなにやら難しそうな顔で考えている。
そして恭介がはっした言葉は予想外だった。

そうそれは

「……ちょうどいい。手を組まないか? トルティニタ」
「……え?」

恭介からの共闘の誘い。
この一人しか生き残れない殺し合いでのありえない誘いだった。
何でそんな誘いを?

「何故よ……?」
「簡単さ、俺のプランには出来れば仲間が欲しい。確実にする為にだ、そこでお前だ……なんか安心できるんだここまで似てるとな」
「プラン? 聞かせてよ?」

プラン? ただあった人間を殺すだけじゃないの?
私にはちんぷんかんぷんだった。
どんなのだろう?
恭介は一回頷き説明し始めた

「いいか……俺達はあんな不思議な力はない。普通にやり合ったら負けるだろう」
「そうね……」
「ならその力に対抗するならどうすればいい? それに変わる力は?」
「……解んないわ」

なんだろう? それ。
あんなの私が対抗できる力はあるの?

「それは……情報だ」
「じょう……ほう?」
「そう、俺たちはそれを操っていく」

情報で?
何言ってるのかさっぱり理解できないわ。
どうやったらそんなものが力になるというのよ。

「わかんなそうだな……んじゃま説明するか」
「当たり前よ」
「じゃあま、例えばな今俺達は【棗恭介&トルティニタ=フィーネ。助けたい人達の為に殺し合いに乗っている】という状態な訳だ。 
 まずプランの最初はだ。この情報を【棗恭介&トルティニタ=フィーネ。主催者に反抗】というものに変える」
「……つまり、殺し合いに乗っていないと偽るって事?」
「そのとおりだ、まず手始めはこうだ」

要するに偽る事で隠れながら殺していくという事か。
でもそれはとても情報でやっていくように思えないし、いずればれる危険性だって高い。
それに2人で組むメリットも無いような。
私がそう考えてる時、恭介は
「待て、トルティニタ。それだけじゃない。本番はむしろこれからだ」
「これから? 偽って殺してく訳じゃないの?」
「そうだ。まあいずれはそうなるが……最初は違う。むしろ余り積極的に自分で殺しにはいかないさ」
「……はあ? なに言ってるのよ!? 殺しに乗ってるのでしょう!?」

全く何言ってるのよ、この男は。
あんな宣言までして、その果てが殺さないって。
馬鹿じゃないの?

「おいおい、焦るな。違う、殺してはいくさ。ただし『間接的』にな」
「……間接的?」
「そうだ。一番狙うは主催者に反抗するものの同士討ち、誤解によるな。そしてその誤解を俺達の力で作る」
「同士、討ち?」

同士討ちですって?
確かに自ら手を汚さないしその状況を作れるならかなり楽になる。
だけどそんなの簡単に作れる訳が無いじゃない。
それをどうやってやるのよ?

「まあここからが肝だ。例を出して説明していくぜ。まず俺達が偽って最初の主催反抗チーム……Aとするか。それと接触。
 ここで俺達はAと情報交換、そこで俺達は他の主催反抗者B、殺し合いに乗った人間Cという情報を手にしたと仮定しよう。 そしてその後Aのチームと分かれるとするが……」
「Aに対してどうするの?」
「何もしない」
「はあ? どうして?」
「もし相手に能力者がいた場合は勝ち目が無いし、いない場合でも殺し損ねたら全てがパアだ、それは避けなきゃいけないんだ」

確かに恭介の話を聞いていると偽っている事に意味があると思う。
それがばれた場合は駄目なんだろう。
でも肝心の中身を私は聞いて無いわ。

「とりあえず続きだ。その後俺達は反抗チームDとあったとする。そこで情報交換をするのだが……ここで情報を作り変えるんだ」
「作り変える?」
「ああつまりこちらの情報【主催反抗者B。殺し合いに乗ってない】という本来の情報を【B。殺し合いに乗っている】という情報に作り変える。
 それに【C。殺し合いに乗っている】を【C。乗っていない】にしてもいい。こうして相手を勘違いさせていくんだ。 
 またそこでDからさらに情報を手に入れていくとしていく……暫くはこれを繰り返す。まあ一例なんだが……つまり」
「つまり?」
「俺達がやっていこうするのは沢山の参加者の情報の入手。それをその情報を巧みに改竄して残りの主催反抗勢を内部からガタガタにするんだ。
 沢山の情報をこちらは正しく把握してるが相手は誤解したまま。つまりは情報戦さ。どれだけ正しく多くの情報を持ってるかが鍵さ」

凄い、ただ単純にそれだけを思った。
もしそれだけのことができるのならば私達は手を下さなくても勝手に誤解で人が死んでいく。
しかも私達は殺し合いに乗って無い風にも思われているんだ。
ん、でも?
「もし私達が教えた情報が偽の情報だってばれたらどうするのよ?」
「別にそこまで困った事じゃないさ。俺らも違う奴から聞いて騙されたといえばいい。情報ってのは直に変わっていく。実際乗って無かった人間が乗る可能性だってある。その逆もだ
 なら俺たちが知っていたのは昔の情報とでも言えばいい。そしてだれから騙されたと聞かれたら死んだ奴にでもといえばいいさ、死人にくちなしってな
 それに常に嘘の情報ばっか教えるんじゃない。正しい事だけを教えるだけでもいい。最も安心できると思われるメンバーにでも。嘘と真実。上手く使い分けるさ
 まあ基本はこんな感じだ。わかったか?」

えーとつまり。
1:自ら主催反抗といつわり他の主催反抗のメンバーと接触。
2:そこから情報を得る。
3:自分に危害が出ないように他の対主催の悪評を伝え歩く、十分な情報を得たらそのメンバーと別れる。
4:序盤は積極的には人を殺さない。基本同士討ちを狙う。情報最優先。
って事かしら。

「まあなんとなくは」
「なんとなく……まあとりあえずはいいだろう。ちなみ終盤では元々反抗側から乗った人間排除。のち疲労した主催反抗から狙う……それでだな……
「ストップ」
「何だ?」
「クリスや貴方が探してる人間が見つかった場合は?」

そうクリスや鈴とかいう人達、つまり護るべき人達のことだ。
情報を集める最中でクリス達が見つかった場合の事、そのときはどうするのだろうか。

「無論、即保護だ。理樹達がともに行動していた仲間は時機を見て排除する。……が不運にも中々合流できない場合は一旦安全なチームに身を隠すさ」

ふうん、ちゃんと考えているのね。
なるべくなら直に合流はしたいけど。
こんな広い島で出会えるかしら。
……いえ見つけなきゃいけないんだ。
クリスは私の力で護らなきゃ全力で。

そう恭介は言い切るとさらに目が鋭くなって
「さて……ここから組むのなら互いに確認しなきゃならない事だ……いいな?」
「何よ」
「もし……もしだ。最悪なパターンを考えた場合の話だ。落ち着いて聞けよ……俺が探している理樹、鈴。お前が探しているクリス。そのどちらが死んだ場合だ」
「なっ!? 何言ってんのよ!?」

頭に血が一気に昇った。
クリスが……死ぬ?
ありえない!
絶対させない!
させるものか!

「落ち着け! トルテニィタ! 最悪のパターンだ。理樹達も普通の人間だ。いつどうなるか分からない。この事実を受け止めろ!」
「っでも!」
「そんな最悪な結末にならない為に俺達が行動するんだ! わかるか……うけとめろ」
「……っ」
「とりあえず、いいな……死んだ場合だ。俺は理樹……鈴が……しんだ……場合。俺はお前達が生き残れるようサポートに徹する。約束する!
 そして最後お前ら2人と俺とで優勝をかけて戦おう。そして逆も然りだ。もしそうなった場合協力できるか? トルティニタ 
 ……そして本当に最悪のパターンだが……互いの探し人が全員死んだ場合、互いに協力して優勝目指そう……そして最後に戦おう
 どうだ? これがチームを組むための約束事だ、これを含めもう一度聞く。手を組まないか?」

恭介の提案、そして再度の勧誘。
どうする? 私は。
さっき恭介が言ったこと、クリスが死んだ場合とかで動転してしまった。
クリスは死なせない、絶対。
でもクリスの居場所なんてわかんない。
じゃあ……どうすればいい。
頼るのは?

……情報。

彼の案に乗って情報を沢山手に入れれば……きっと近づく。

でも、でも分からない。
聞く限りでは恭介一人でも出きる筈。
それに何故、私?
……利用するだけでは、私を?
気になる。気になって仕方ない。

「私にメリットは? それにこれは貴方一人でも出切る筈。何故私を誘った? そして何故私なの?」

恭介は何処かキョトンとした表情をしてでも満足そうに笑った。
やっぱりその笑顔は無邪気な子供の様で。
何故か私を笑わせてくれる、そんな笑顔だった。

「無論トルティニタにもメリットがあるさ。まずやはり自ら参加者を襲うより安全だ……お前は普通の少女だろ? ならなおさらだ。 
 そして上手くいけばクリスの情報を直に手に入れられるさ。どうだ? 魅力的だろ」

確かに襲うよりは安全ね、クリスの情報も手に入れられるかもしれない。
でもそんなの知ってる、一番聞きたいのはその先。

「いや二人でやるメリットは大きいぞ。第一に、もし一人で『私殺し合いに乗ってないんですぅ』といってきた奴安心できるか?」
「い、いや……あまり信用できないわ……ちょっと気持ち悪いわよ?」
「茶化すなよ。だろう、余り信用したくない。だが2人だとどう思う。例えばお前が殺し合いに乗っていたやつに襲われていたのを俺が助けたといって近づけどう思う?」
「私が本当に襲われた風に演技できれば……まあ納得できるわ。けど貴方そんな力あるの?」
「いっただろう? 炎を吐けるって」
「嘘だっ! 冗談もいい加減にしてよね」
「いや……だから、どうして気合を入れるんだ?」

恭介が冷や汗をかいてる。
いや何となく言いたくなるのよ、この言葉。
何故かしら?

「まあ兎も角一人よりも2人の方が納得されやすいんだよ。まさか殺し合いに乗ってる人間がつるんでるとは思わないだろしな。他にもメリットあるんだが、取り敢えずは納得したか?」
「ん……まあわかったわ」

まあとりあえずは。
確かに恭介一人だとお気楽な怪しい青年だ。
間違いなく疑われる。
そういう意味では誰かいるほうがいいのだろう。
そして次こそが私を選んだ理由なのだ。
胸が高鳴る。

「そんでお前を選んだ理由なんだが……まあぶっちゃけると一番最初にあったからだ」

いやいや。
そんな理由ですか。
……いや納得できるといえば出来るけど。
なんか期待しすぎたのか。
うーんいやまあいいけどさ。
なんというかもやもやだ。
だけど恭介の言葉は終わらなかった。

「そうだったはずなんだけどさ……ちょっと違うんだ。なんか気になるんだよ、お前」
「は?」
「なんつーかな。似すぎなんだよ、お前が、俺と。そうやって助けたいもの為に我武者羅で、危なっかしいんだよ」
「私と貴方が?」
「ああ……だから自分から手を貸したくなっちまった。最初断られたら殺そうと思ったよ……でもさ今は違う純粋に手を貸したい……トルティニタ。お前に
 俺に似すぎてるお前と……畜生、俺は決意したつもりだったがとんだ甘ちゃんだよ……馬鹿だな……ああ大馬鹿者だ」

なによ……それ?

「ふふふ……あはははははははあはははは!!!!!」
「なぁ!? わらうんじゃねえ!」

馬鹿よ……馬鹿。
結局貴方も甘いじゃない。
馬鹿……大馬鹿者よ。
確かに似てるけど……私そこまで馬鹿じゃないわ。

恭介はなんか笑ってる。
やはり彼の笑顔は私を楽しくする。
不思議な人だ。
もう答えは決まってる

「あはは……いいわよ。貴方の提案に乗るわ……くくっ……私は演技も自信あるしまかせなさい……はは」
「そうか……なら交渉成立だな……トルティニタ。よろしく頼む、これか……」
「トルタ」
「はっ?」
「トルタよ。私の愛称。あまり本名で呼ぶのよくないのよ、恭介」
「そうか、よろしくなトルタ」
恭介が手を差し出す
私もそれに従い握手をする。

これで契約は行なわれた。
私と恭介はパトーナー。

「くくっ」
「だあ……笑うなあああ」

まるで殺し合いに乗ってるパートナーじゃないみたいよ。
全く、全くね。

「それでこれからどうするの?」
「街に向かおうと思う、人も多いだろうしな」

恭介の意見にはもっともだ。
反対する理由も無いし
「じゃあ……それでいいわ」
「ああ……そうだ」

恭介はちょっと遠い風にどこかを見て

「……もしもの話だが脱出が確定的なった場合反抗派に移ろうと思う……どうだ?」
「別に出来るならいいわ……もっとも無駄だと思うけど」
「そうだな……いくか」

やっぱり。
恭介は修羅になりきれて居ない。
こういう甘えがでるのだから。
でもそういう甘さも好きだ。
……私も甘いのだろうか?

それに気付いた事が一つ。
もし理樹と鈴二人が生き残った場合どうするのだろうと。

恐らく恭介は片方が死ぬ可能性が高いと考えているんだろう。
妙にリアリストだし。
でもそれはきっと口にだすことは無いだろう。
こういう男なんだろう。
自分自身の幸せなんて考えてないのだろか?

「貴方……理樹達のことばっか考えてるけど自分のことを考えてないの? 自分自身のことよ」
「さあな……考えたことはなかった。そういうお前はどうなんだ? 聞いた所によるとクリスは恋人ではないんだろ?」
「ええ……そうね私も考えてなかったわ」

言われて思う。
そうかも知れない。
私はどう思ってるんだろう。
私にも幸せは来るのだろうか。
今はわかんないわ
そして気になる。
恭介がどうしてそこまで2人を助けたいのだろう。
その動機となる過去が。
私とにてるかも。

「気になるな……」
「なにがだ?」
「恭介の過去……もしかしたら一緒かも」
「さあな……まあおいおい話すさ……ただわかるのは……俺自身報われることは無い事を解っていた。そう言う過去さ」

なにそれ……
私の過去そして今と一緒よ。

ああ……本当に。
本当に。




【F-1 草原/1日目 深夜】

【2人の共通方針】
1:他の対主催のメンバーと接触。
2:そこから情報を得る。
3:自分に危害が出ないように他の対主催の悪評を伝え歩く。
4:十分な情報を得たらそのメンバーと別れる。もし理樹、クリスがいるメンバーなら合流。その後隠れながら邪魔な対主催メンバーを排除。
5:もし中々合流できない場合、もっとも安全だと思われるチームに合流。(戦力の面で、信頼関係も含め)
6:序盤は積極的には人を殺さない。基本同士討ちを狙う。情報最優先。終盤は対主催の中心になりなるべくマーダー排除。のち疲労した対主催から狙う。
7:最悪クリス、理樹、鈴がどちらかが死亡した場合は片方のサポートに徹する。両方死亡した場合は互いに優勝を狙う。二人になった場合一騎打ち。
8:ただし完璧に脱出ができる状況になったらそのまま対主催に変更。


【棗恭介@リトルバスターズ!】
【装備:SIG SAUER P226(15/15)】
【所持品:予備弾45 不明支給品0~2】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:共通方針の通りに行動し理樹、鈴を優勝させる
1:人の多いところへ。
2;トルタに奇妙な共感
3:トルタの過去に興味
※トルタを信頼してます。


【トルティニタ=フィーネ@シンフォニック=レイン】
【装備:Sturm Ruger GP100(6/6)】
【所持品:予備弾36 不明支給品0~2】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:共通方針の通りに行動しクリスを優勝させる
1:人の多いところへ。
2;恭介に奇妙な共感
3:恭介の過去に興味
※恭介を信頼してます。
※登場時期はアルルートのアルが復活した頃。

015:激突!?究極の筋肉VS至高の筋肉! 投下順 017:彼等の本気
時系列順
棗恭介 038:降り止まない雨などここにはないから(前編)
トルティニタ=フィーネ

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