パックンマーチ
スペシャルマーチ
概要
『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』の二番目のステージ「歌って踊って パックンマーチ」のワンダー発動時に流れる曲。
曲名はワンダー発動時に表示されており、これ以降も登場するこの手のワンダーは、全て敵のみならず画面全体がミュージカルのような展開となる。
この森のステージは、平気で歩き回る新たなパックンフラワーのランランパックン(&おしゃべりフラワー)しか登場しない、花だらけのステージなのだが、このステージのワンダー化の内容というのが、行進曲に合わせて大量のランランパックンが可愛らしい声で合唱するというインパクト抜群の代物。
しかも各パートごとに分かれた混声合唱というやけに力の入ったものである。
この作品の発売の約一ヶ月後にはリメイク版『
スーパーマリオRPG』の発売が控えていたこともあり、やけに中毒性のある曲と相まって27年前のCM曲「
スーパーマリオRPG 唄って踊る パックシスターズ篇」を思い起こしたプレイヤーが相次いだ。
イントロと共にランランパックンが次々とドカンから出てきて、可愛らしいソプラノの声で歌い始めたかと思うと、なんとドカンから出て歩き出してしまう。
これがヨタヨタ歩きながら手拍子を叩いて歌うという悶絶級の可愛らしさの上、地上のみならず天井すらお構いなしに練り歩くなんでもありの状態。
このバックには山がバスの声で歌い、テンポに合わせてドカンまで動き出してこのノリを後押ししてくれる。
後半にはなんと、でかランランパックンまで出てきて歌いながら歩き出すのだが、そのデカい図体に見合ったアルトの声で奏でるビブラートが気持ちよく、ドカンの上で腰振って踊る姿はデカいのにもかかわらず可愛い。
最後はランランパックンが大量に歌いながら出現して、曲の終わりに合わせてドカンからワンダーシードが飛び出しフィニッシュ。
オマケにワンダーシードを取った瞬間に全ランランパックンがドロンと消え去り、何事もなかったかのようにステージが元に戻るキレの良さである。
ちなみにランランパックンを倒してしまうと、当然のことながら歌声も消えてしまう。
またこのステージは音符ブロックの派生形である「木琴ブロック」が地面のいたるところに配置されており、木琴ブロックの上を歩くと音が鳴るのだが、この木琴の音色はステージ内のBGMの音階に合わせて鳴っているのである。
これによりBGMを邪魔するどころかより色付けして華やかにしているのである。
更にはこの木琴ブロックの音色、なんとJoy-ConとProコントローラーからも鳴るという衝撃のプログラムまでもが組み込まれている。
このシステム、HD振動を利用したものと思われる隠されたものであり、以前も『
星のカービィ スターアライズ』にてコントローラーから「
GREEN GREENS」を流して密かな話題となったシステムであった。
こんな面白いプログラムまで入れてしまう辺り、本作の芸の細かさが良く分かる。
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見過ごされた隠しゴール |
実はこのコースには隠しゴールがあり、到達すると キノピオ隊長のところに行くことが出来るのだが、これが絶妙な隠しルートのために見つけられないプレイヤーが相次いだ。
この隠しルートというのが、なんと「パックンマーチ」終了後の天井。
考えてみると、これまでのシリーズでは二番目のステージのゴール直前の天井に隠しルートが用意してある作品はこれまでいくつもあったのだが、今作はまさかの逆走であることと、 地下ではなく森であったことに加えて、やはり「パックンマーチ」のインパクトでこの当たり前が見過ごされてしまったようだ。
シリーズの常識すら吹き飛ばしてしまうほどの衝撃だったということなのだろう。
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しかもこれだけでは終わらず、
シリーズ恒例の隠しコース「スペシャルワールド」のワンダーシードを6個入手することで挑戦できる「チャンピオンシップ みんなでつなぐ マーチング」のワンダーは、「パックンマーチ」にこれまでのミュージカル系ワンダーの要素を混ぜ合わせた超パワーアップバージョンである「スペシャルマーチ」。
ここではランランパックンだけではなく、「King Beats You Up!」で登場したキラーに「Jumpin' Jack Pumpkin!」で踊っていたタケボーまで加わり音色を奏でる斬新ながらも殺意マシマシの内容となっている。
しかも後半からは曲とスクロールがスピードアップの上に「サンバ デ ガボン」で活躍したガボンまでもが登場し、ノリの良い掛け声でシューリンガンをぶん投げてくる始末。
そしてサビではダッシュとほぼ同じ速度の途轍もないスクロールでプレイヤーを本気で仕留めにかかり、ドカンからワンダーシードが飛び出しフィニッシュ。
チャンピオンシップの名を冠するに相応しい盛り上がりと難易度を誇る代物であり、本作のスペシャルコースらしい豪華な内容だと言っていいだろう。
ここまで画面全体が変化するのは2Dの
マリオシリーズとしては前代未聞であり、発売前のPVの段階から一番目のステージ等を公開し、その衝撃的な絵面で世間を騒がせていた。
だがこの「パックンマーチ」を始めとするミュージカル系統のワンダーは発売まで殆どが伏せられており、発売後のプレイで特に強烈な印象を残す一因になったようだ。
唯一発売前に明かされていたのは発売二日前に公開されたスタッフ公式インタビュー「
開発者に訊きました」で軽く触れられた「ヒデリー・ナイト・フィーバー」くらいであり、サプライズとしてあえて伏せていた意図が読み取れる。
なぜここまでのことができたのかについてはこのインタビュー内で語られており、サウンドチームが開発序盤から開発に関わってきたことが大きい。
これまではある程度作品の方向性が定まらないとイメージができないということで開発後半から合流するケースが多かったようだが、これにより画面内の大きな変化にまで手を出せず、『
New スーパーマリオブラザーズ』でクリボーがBGMに合わせてジャンプする等の小さな変化くらいしかできなかったようである。
それが今回はレベルデザインの段階から開発に関わりアイデアを出し合ったことで、このような垣根を越えたプログラムとサウンドの融合が実現したようだ。
これだけのスタッフの意識の変化もただ事ではないが、これはディレクターの毛利志朗氏が「今後の新たな2Dマリオのベースをつくる」というシリーズの改革を掲げたためだと思われる。
初代より
マリオシリーズの殆どの作品に登場し、シリーズを支え続けた最古参のキャラクターであり、『
大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のファイター参戦でそれが大々的に認知されたパックンフラワーが、新たな新天地であるフラワー王国を舞台とした本作でピックアップされたのは、ある意味必然でもあったのだろう。
その衝撃的な内容と斬新な手法でシリーズの新たな挑戦を示したこの曲は、「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」の象徴と言っても過言ではない。
過去ランキング順位
「パックンマーチ」
「スペシャルマーチ」
関連動画
スーパーマリオブラザーズ ワンダー CM ミュージカル篇
最終更新:2024年08月24日 19:00