幻想用語データベース @ ウィキ
ロスメルタ
最終更新:
gensousyusyu
-
view
ロスメルタ/Rosmerita
ケルト神話に登場する豊饒の女神。
肥沃や豊穣・多産・より良い生活に必要な全ての物を得るために人々から信仰を集めた。また、富の分配を司り、物質的利益や充足感、繁栄をもたらしたり、運命の女神とされることもあった。
豊穣の角(コルヌ・コピア)と供物皿(パテラ)と財布、あるいは果物籠を手にし、長いローブをゆったり着た姿で表される。ローマ占領下ではメルクリウスの伴侶とされ、メリクリウスの財布と伝令の杖(カドゥケウス)を持って表された。
彫像にはメルクリウスと共に夫婦神として表され、ガリア中部と東部を中心に、ローヌ川、ムーズ川、モーゼル川、ライン川周辺で強く信仰された。ヴァッセルビリグでは、232年に寄進された夫婦神の神殿が発見された。ドイツのトリーアでは夫婦神の1世紀の石碑が、ライン川の船乗りだったインドゥスと言うメディオマトリキ族の男によって奉納された。この石碑の片面にはエススと柳と3羽の弦と雄牛が描かれていたという。またドイツ南西部のバーデン・ヴュルテンブルク州の神殿では、財布と使者の杖を持って描かれていた。ヴィースバーデンの浮彫では、メルクリウスが差し出す財布の中身を受け取るロスメルタが、玉座に座った姿で描かれている。マンハイムの彫刻ではロスメルタのみが財布を持ち、その上に蛇が頭を乗せている。イングランドのバースやドイツのビールシュタットでは、座った夫婦神がそれぞれ使者の杖を左肩の方へ持ち上げている。またバースの表現では、飾り板の台座の上を走り回る3人のゲニウス・ククラトゥスと共に描かれている。グロスターの表現では広口容器の上の笏と柄杓と共に描かれたり、松明を逆さに持ってフォルトゥナと向き合う様に描かれる。バースの表現でも、鉄を巻いた木製の広口容器を持ったロスメルタが描かれた。ロスメルタが単独で描かれた物としては、フランス・ヨンヌ県のエスコリーヴ=サント=カミーユの遺跡では壁龕に描かれ、フランス・コート=ドール県のジセ=ラ=ヴィエイユの彫像では聖なる泉の女神として描かれていた。それらはいずれも献辞により、ロスメルタは皇帝崇拝と結びつけられていたことがわかる。そのためロスメルタは高い位にあったと思われ、フランス中部ピュイ・ド・ドームのルズーで出土された碑銘には「女王」と呼ばれていた痕跡が残る。
名は「偉大な供給者」の意。
肥沃や豊穣・多産・より良い生活に必要な全ての物を得るために人々から信仰を集めた。また、富の分配を司り、物質的利益や充足感、繁栄をもたらしたり、運命の女神とされることもあった。
豊穣の角(コルヌ・コピア)と供物皿(パテラ)と財布、あるいは果物籠を手にし、長いローブをゆったり着た姿で表される。ローマ占領下ではメルクリウスの伴侶とされ、メリクリウスの財布と伝令の杖(カドゥケウス)を持って表された。
彫像にはメルクリウスと共に夫婦神として表され、ガリア中部と東部を中心に、ローヌ川、ムーズ川、モーゼル川、ライン川周辺で強く信仰された。ヴァッセルビリグでは、232年に寄進された夫婦神の神殿が発見された。ドイツのトリーアでは夫婦神の1世紀の石碑が、ライン川の船乗りだったインドゥスと言うメディオマトリキ族の男によって奉納された。この石碑の片面にはエススと柳と3羽の弦と雄牛が描かれていたという。またドイツ南西部のバーデン・ヴュルテンブルク州の神殿では、財布と使者の杖を持って描かれていた。ヴィースバーデンの浮彫では、メルクリウスが差し出す財布の中身を受け取るロスメルタが、玉座に座った姿で描かれている。マンハイムの彫刻ではロスメルタのみが財布を持ち、その上に蛇が頭を乗せている。イングランドのバースやドイツのビールシュタットでは、座った夫婦神がそれぞれ使者の杖を左肩の方へ持ち上げている。またバースの表現では、飾り板の台座の上を走り回る3人のゲニウス・ククラトゥスと共に描かれている。グロスターの表現では広口容器の上の笏と柄杓と共に描かれたり、松明を逆さに持ってフォルトゥナと向き合う様に描かれる。バースの表現でも、鉄を巻いた木製の広口容器を持ったロスメルタが描かれた。ロスメルタが単独で描かれた物としては、フランス・ヨンヌ県のエスコリーヴ=サント=カミーユの遺跡では壁龕に描かれ、フランス・コート=ドール県のジセ=ラ=ヴィエイユの彫像では聖なる泉の女神として描かれていた。それらはいずれも献辞により、ロスメルタは皇帝崇拝と結びつけられていたことがわかる。そのためロスメルタは高い位にあったと思われ、フランス中部ピュイ・ド・ドームのルズーで出土された碑銘には「女王」と呼ばれていた痕跡が残る。
名は「偉大な供給者」の意。
参考文献
- フェルナン・コント著/蔵持不三也訳『ヴィジュアル版ラルース 世界の神々神話百科』原書房
- 松村一男,森雅子,沖田瑞穂編『世界女神大事典』原書房
- プロインシァス・マッカーナ著/松田幸雄訳『ケルト神話』青土社
- ミランダ・J・グリーン著/渡辺充子,大橋篤子,北川佳奈訳『ケルト神話・伝説事典』東京書籍