「光実、また何日か家を空けることになる。戸締りには十分気をつけてくれ」
「兄さん、また泊まり込みなの?最近随分多いけど」
「…ああ。ちょうど今大きなプロジェクトを抱えていてな。
息抜きをするなとは言わないが人通りのない場所や治安の悪い地区には近づくなよ」
「わかってるよ、行ってらっしゃい」

呉島貴虎は社会人であり、弟の光実は高校生である。
それ故に二人の朝は早く、今日も貴虎は早くも身支度を終えて出社しようとしていた。
元来生真面目な性分の貴虎は重役出勤という言葉とは無縁の男であった。
貴虎が車で出社してから十分後、光実の側に彼よりも幾分幼い少女が現れた。

「サーヴァントの気配は?」
「相変わらずないわね。別行動していても殺されない自信があるのか、それとも本当にマスターでないのかは知らないけど」

呉島邸から離れた場所に待機させていたアーチャーにサーヴァントの気配を探らせていたが今日も空振りに終わった。
おかげで兄がマスターであるのかどうかまだ確証を掴めていない。

「もう一度聞くけど、本当にあなたの兄は元の世界で死んだの?
生き延びて、その上で参加しているということは無いの?」
「有り得ないよ。あれだけ高い崖から深手を負ったまま落ちて生きていられる人間なんて常識的に考えて絶対にいない。
第一ヘルヘイムの森で生き延びようと思ったら戦極ドライバーが必要不可欠だ。ドライバーが無い時点で死は免れない。
だからもし兄さんがマスターだとしたら、君が言った通りまだ生きていた頃から参加した場合だけだ」

記憶を取り戻して最初に兄の顔を見た時は幽霊にでも出会ってしまったかと思うほど驚いたものだ。もっとも考えてみればサーヴァントも高次元の幽霊のようなものだが。
アーチャーに貴虎の存在について意見を聞いてみたところ、聖杯が時間に干渉して参加者を過去や未来から呼んでいるのではないかと答えた。
時間を操作できるアーチャーをサーヴァントとして再現できるのなら確かにそんな大それた真似が出来てもおかしくはない。
勿論過去の時点で貴虎がいなくなっていればすぐわかるはずなのでパラレルワールドの概念も働いているのだろう。

「まあ兄さんがマスターだったとしても、君の存在と令呪さえ隠していればあの人は決して僕をマスターだと見抜けないよ。
というか疑おうとすらしないだろうね。そういう人なんだよ、兄さんは」

「随分悪い弟もいたものね」
「これは聖杯戦争だよ?騙される方が悪いに決まってるじゃないか」
「その通りだけど……そういう物言いは私の嫌いな奴を思い出すわ」

とはいえ光実が貴虎を殺すとすれば最後ということになるだろう。
未成年の光実がゴッサムシティで満足に生活しようと思えばどうしても保護者である貴虎が必要になる。
もっとも殺しやすいであろう兄がマスターであれば光実としてはむしろ望むところですらあるが順番を間違えてはならない。
聖杯さえ手に入れれば全てを取り返せるのだから躊躇う必要など全く無い。

「じゃあ僕らもそろそろ行こうか」
「他のマスターを探しに行くの?」
「もちろんそれもあるけど、学生の本分を疎かにするわけにもいかないんだよ。
だから今日は図書館で勉強しつつ、それとなく周りの様子を探ってみることにしよう。
マスターだからこそ、あまり悪目立ちして目をつけられると不味い」

どこにマスターが潜んでいるかもわからない状況で悪目立ちをするのは自分がマスターだと教えるに等しい。
サーヴァントの戦闘力に自信があるなら別かもしれないが生憎アーチャーの性能は最低レベルだ。
最大の切り札たる時間停止にしても燃費が悪く欠陥も少なくないため過信できるほどのものではない。
それにどうにもならない状況で撤退するために温存しておくべき能力でもあるのでどうあれ乱用は厳禁だ。
時間停止に頼らずサーヴァントを足止めして光実がマスターを殺せるならそれに越したことはない。

アーチャーの弱さに溜息が出そうになるが口に出したところで彼女との仲が険悪になる未来しか残らない。
それに弱いからこそ光実への負担も少ないわけで、その意味ではアーチャーは光実の身の丈に合ったサーヴァントと取れなくもない。
欠点の多い時間停止にしても一時同盟を組んだ相手を後ろから速やかに葬るにはうってつけだ。
様々な考えを巡らせながら光実も家を出て図書館へと歩き出した。






ゴッサムシティのオフィス街にそびえ立つユグドラシルタワー。
ユグドラシルの権威を誇示するかのような威容は見る者に彼らがいずれこの街の支配者になろうとしているのだ、という畏怖を抱かせる。
ユグドラシルを支える重鎮の一つ、呉島の長子である貴虎は二十六という若さで新商品の研究・開発部門を任されている。
ゴッサム支部の支社長でさえも彼に対しては一定の配慮を必要とするほどだ。
その貴虎はここ数日、仕事の合間にシェルターとしての機能も持たされている地下区画を訪れていた。
それはユグドラシルの一員としてではなくマスターの一人としての行動である。


「キャスター、進捗状況はどうだ?」
「はい、魂喰いの方は滞りなく。“果実”の方は今しばらく解析に時間が必要です」
「そうか、引き続き作業を続けてくれ」

戦極ドライバーを身に着け、ヒマワリロックシードをセットしてキャスターの作業を見守る。
魔力に乏しい貴虎だが装着者に栄養補給を行う戦極ドライバーの特性を活かすことでキャスターへの供給量を多少は増やすことができる。
普段からドライバーを着けていては目立つためマスターとして行動する時に限定せざるを得ないが。

貴虎とキャスターが聖杯戦争に乗り出すにあたりいくつかの懸案事項があった。
その一つが陣地の確保だ。ゴッサムにはこれといって強力な霊地がなく貴虎の社会的立場の問題もあった。
陣地を確保したとて立場のある貴虎がそこに籠るわけにもいかない。さりとてキャスターが陣を離れれば他のマスターに荒らされる。
そこで貴虎は逆転の発想でこのユグドラシルタワーそのものを根城にすることを考えた。
ユグドラシルタワーは非常に強固な造りであり、誂え向きに普段は使われない緊急用の地下施設もあった。
そして社員である貴虎が理由をつけて会社に残り続けることは全く不自然なことではない。

貴虎の指示で地下にキャスターが工房を作り搾取した魔力を集め、魔術による厳重な隠蔽によって外から魔力を感知されぬようにした。
今はまだ工房の段階に過ぎないがいずれは神殿の領域にも達するだろう。
地下ならばアーチャーの狙撃を未然に防ぐことができ、進入口も限定されるためアサシンの迎撃も比較的容易だ。
また不審の種を取り除くため会社の支社長をはじめ主だった役員や地下に出入りする可能性を持った社員、職員に暗示をかけ支配下に置いた。
今やこのユグドラシルタワーは貴虎とキャスターの牙城となっている。

「しかしこの世界でヘルヘイムに遭遇するとはな……」

数日前、監視網を構築していたキャスターに不可解な植物があると告げられ彼女が使う水晶球を見た時は心臓が止まったかと思うほどの衝撃を受けた。
人通りの少ない地区を中心に繁殖するヘルヘイムを見た貴虎は一瞬ついに聖杯までもがヘルヘイムに侵略されたのではと疑った。
だがこのゴッサムシティが電脳空間であったことを思い出し考えを改めた。
いかにヘルヘイムの森といえどバーチャル空間への侵入までは確認されておらずロシュオの話からしてもオーバーロードが機械に強くないことは明らかだ。
クラックが確認されていないことと併せて考えるとアーマードライダーである貴虎を招いた聖杯が何らかの意図でヘルヘイムを部分的に再現したのではないかという推論を立てた。


戦力増強を図るためキャスターの竜牙兵に密かに運び込ませ、いくつかをロックシードに変換した。
その過程とヘルヘイムの実が放つ魔力を見たキャスターはある提案を持ちかけた。
ヘルヘイムの実を解析し、純粋な魔力の塊として取り込めるよう加工するという危険とも思える策であった。
しかし上手くいけば魂喰いの代替手段として使えることから無理をしないことを条件にキャスターの提案を受け入れた。
現在極力騒ぎを起こさないよう魂喰いを続けているがユグドラシルタワー内部から遠隔でNPCに干渉できる距離は限られている。
いずれは目敏いマスターやサーヴァントによってキャスターの位置を特定される恐れもあった。
そんな貴虎とキャスターにとって別な手段での魔力源の確保は重要課題の一つだった。
それに必要以上に市民を虐げずに魔力を得られるならばそれに越したことはない。こちらで果実を回収・利用すれば市民のインベス化などの被害も少しは減らせるはずだ。

「この時代の人間は魔術に依らずしてこれほど濃密な神秘を内包する果実を制御する術を編み出したのですね」
「全てが一朝一夕に上手く行ったわけではない。
量産体制を確立するまでにあまりにも多くの血が流れすぎた」

自分や望んで力に手を伸ばしたビートライダーズがモルモットになっているだけならまだ良かった。
しかし実際には貴虎の与り知らぬところで多くの子供たちがドライバー実験の被検体になっていた。
父が自分や光実にも知らせず非人道的な実験を行っていたのは良心の呵責があったからだと信じたい。

「それから、最近社会の裏に潜む者同士での小競り合いが頻発しています。
いえ、正確には一つの勢力による征服と呼ぶべきでしょう。首魁と思しき全身に包帯を巻いた男の近くにサーヴァントもいました。
例のグラスホッパーもあまりに急速すぎる勢力の拡大を鑑みるにマスターかサーヴァントが関与していることは確実かと」
「全身に包帯、そしてサーヴァント……隠す気もなしというわけか。
ユグドラシルの情報網でも不自然な物資の流通が行われていることが確認できている。
件の武装勢力とグラスホッパーの衝突は時間の問題だな。仮にそうならずとも連中は必ず他のマスターの耳目を惹く存在になるだろう」
「如何なさいますか?」
「無論、静観だ。今はまだ我々が動く時ではない。
武装勢力とグラスホッパーが衝突すればそれぞれのマスター、サーヴァントの正体に迫れるだろう。
我々は息を潜めて情報を集め準備とマスター、サーヴァントへの対策を整える」


武力を以って勢力を拡大するテロリスト勢力に一大組織になるまでに至った自警団、グラスホッパー。
多くのマスターが関心を寄せるであろう両勢力の存在は自らの存在を秘匿したい貴虎とキャスターにとって実に好都合だった。
彼らが派手に動き注目されればされるほど貴虎とキャスターの存在が露呈するのは遅れることになる。
その間に可能な限り魔力、情報を集め陣地を強化し打って出る準備を整えるのが大まかな方針だ。

その準備の一環としてのキャスターの強化魔術の検証も既に済ませている。
前衛を務められないキャスターに代わって貴虎が戦うためにアーマードライダー・斬月の戦力を底上げしておく必要があった。
そも強化の魔術とは単に人や物に魔力を通して神秘を与えることではなく、対象の存在を高める術理を指す。
成功すれば素人魔術師でもただのポスターに鋼鉄並の硬度を持たせることができるなど効果は高い。

まず最高難度とされる他人、つまり貴虎自身の肉体強化だがこれはキャスターにかかればそう難しいことではなくあっさり成功した。
戦極ドライバーもアーマードライダーの弱点でもあるということで強度を補強した。
ロックシードは試行錯誤の末エネルギー効率の強化という形に落ち着いた。
しかし斬月と斬月の武装である無双セイバー、メロンディフェンダーに関しては少々複雑な手順が必要であった。
元々ヘルヘイム環境でインベスを討伐しつつ生存することを目的に開発されたアーマードライダーは様々な機能を付与されているからだ。
視覚情報を補強する頭部の「パルプアイ」、センサーの役目を果たす「ヒイロシグナル」。
鎧部分にあたる「メロウラング」、腕力や脚力をそれぞれ強化する「モウユウリン」、「モウユウタイ」など数えればきりがない程である。
サーヴァント戦での生存率を一パーセントでも高めるためには斬月が持つこれらの武器、機能を余さず、かつ適切に、そして出来る限り瞬時に強化する必要があった。

流石のキャスターでも事前準備もなくこの難題を満たすことはできず、前段階として戦極ドライバーやロックシード、斬月の各武装とパーツを検分、解析した。
二日ほどかけて解析し、強化魔術を施す手順を最適化してようやくアーマーの展開から二秒で貴虎及び斬月を万遍なく強化することに成功した。
開発スタッフの一員でありアーマードライダーの機能を知り尽くしている貴虎が適宜キャスターに助言を送ったからこそ二日で済んだと言える。




「…マスター、貴方の弟君について報告するべきことがあります」

不意に、作業の手を止めたキャスターが意を決したように告げた。
貴虎は動かない。姿勢も表情も、一切が凍りついたように微動だにしない。
キャスターはそれでも構わず、サーヴァントの義務を果たすために言葉を続けた。

「彼はマスターの一人です。貴方が出かけた後、年若い少女のサーヴァントを屋敷に入れ会話をしていました。
いえ、今日だけではありません。五日以上前から同じことが続けられていました」

キャスターが召喚されてからユグドラシルタワーを拠点と定めるまでの間、彼女は呉島邸に逗留していた。
当然その間も光実は自宅で過ごし、アーチャーも呉島邸を見張っていた。
しかしアーチャーはついぞキャスターを捉えることは出来なかった。キャスターが魔術によって気配最大限隠蔽していたからだ。
そもそも気配を絶つ、あるいは隠す魔術というものはそうマイナーなものではない。
そしてメディアは神代の魔術師にして逃げ隠れることにかけては当代随一とも呼べる技能を誇る。
暁美ほむらの探査能力が他より劣っていたわけではなく、ただただ相手が悪すぎた、と形容するべきであろう。
もしほむらが呉島邸内部まで踏み込んで探査すれば違った結果もあったかもしれないがそこまで大胆な行動は光実が許さなかった。
光実としては兄がマスターであるかどうか確認するより自分がマスターであることを知られないことを優先した結果だ。
そして貴虎に宿った令呪もまたキャスターによって隠蔽されていたため光実は兄がマスターであるという確証を掴みきれなかった。
閑話休題。



「………………………そう、か」

長い、長い沈黙の後小さな声で、絞り出すように口を開くのが精一杯だった。

「あまり驚かれていませんね」
「……心のどこかで可能性はあると思っていた。
だが実際に現実になってみると思いの外堪えるものだな…」

貴虎は自分と同じように光実も現状を良しとしていないだろう、とわかっていた。
光実とて好んでオーバーロードに手を貸しているわけではないだろう、と。
偽りの日常を続けながらも弟がマスターなのではないかという疑念は心の奥底に確かにあった。
同時に日常が決定的な破綻を迎えるその瞬間までは兄らしく在りたいという願いがあった。
だがそれもここまで。ここより先は聖杯を巡り争うマスターとして光実と向き合わなければならない。


「……如何なさいますか?」
「マスターである以上、光実も敵の一人と判断するしかない。血を分けた肉親であってもな……。
今のあいつが正しいことのためだけに聖杯を使うとは思えない。何より光実を利用しているオーバーロードに聖杯が渡る可能性がある。
兄としても、マスターとしても、一人の人間としても光実だけは勝たせるわけにはいかない」

光実はオーバーロードを利用しているつもりかもしれないが、貴虎に言わせればそれは根拠も後ろ盾も無い妄想でしかない。
対等な同盟や協力関係というものは両者の力関係がある程度拮抗して初めて成立する。
世界を浸食するほどの絶大な力を持つオーバーロードとただの一個人で対等な協力関係など生まれるわけがない。
それに気づけていない光実が聖杯を獲ったところでオーバーロードに出し抜かれ奪い取られる可能性は決して低くないだろう。
オーバーロードが聖杯を手に入れるようなことがあれば今の人類に未来は無い。
その結末だけは絶対に避けなければならない。

「オーバーロード、ですか……?
差し出がましいようですがマスター、そのオーバーロードなる存在と貴方の弟は貴方が聖杯を求める理由と関係しているのですか?
貴方は聖杯に何を願うつもりなのですか?」

貴虎はキャスターを利害の一致したビジネスパートナーのようなものと考えてきた。
だからこそ互いに聖杯への願いを語る機会を設けてこなかった。別段そうする必要はないと考えていた。
ヘルヘイムの果実やインベスを発見し、貴虎がそれらへの知識を披露してもキャスターは深く詮索することをしなかった。
しかし実の家族がマスターと判明した以上何の説明もしないわけにはいくまい。
何から話すべきか、暫し思案してから顔を上げ口を開いた。

「………少し、長い話になる」













「………はぁ」

寒さが身に染みる街並みの中で前川みくは小さく溜息を洩らした。
手に持った単語帳に書かれた英単語も頭に入ってくれない。
昨日見たあの光景が何度も思い出され、どうしても集中できない。
アーチャーは傍にいない。彼女には家にいるよう懇願して外に出てきた。
せめて学校やプライベートの時だけは聖杯戦争から遠ざかりたかった。

「もう一度行ってみようかにゃ……行ってみようかなあ」

思わず出そうになってしまった猫言葉を抑えて昨日見たステージに思いを馳せる。
今日は図書館で勉強をするつもりでいるのだがこのままでは集中できる気がしない。
踵を返そうとしたその時、思いがけず昨日のステージにいたある人物を見つけた。



「あの…!呉島先輩、ですよね?」
「え?」

図書館へ向かう途中、光実は同年代の少女に後ろから声を掛けられた。
振り向いた先にいたのは光実も一応見知った、同じ学校にいる眼鏡をかけた少女だった。

「えっと、確か前川さん…だったっけ?」
「はい!」

前川みくは校内の男子学生の間ではちょっとした有名人であった。
今時珍しい日本人らしい清楚で真面目な雰囲気と可愛らしい容姿から隠れたファンは多いと聞く。
基本的に学校では没交渉な態度を取る光実も彼女の噂、顔と名前程度は知っていた。
もっとも年下に興味のない光実にとって恋愛対象にはなり得ないが。

一方呉島光実という少年は校内の半数以上の生徒が知っているほどの有名人だった。
ゴッサムでウェイン産業と二分する大企業、ユグドラシルコーポレーションの御曹司にして学園屈指の秀才。
不良に分類されるグループでさえユグドラシルを敵に回すことを恐れて彼には手を出すことができない。
みくと同学年の女子生徒たちの中にも彼に憧れを抱く者が少なくない。
そんな二人が何の因果かここで出会った。



「どうしたの?僕に何か用?」
「えーっと、その……見間違いだったらごめんなさい!
昨日、ビートライダーズのステージで踊ってましたよね!?」
(こいつ………!)


光実の表情が強張った。図星だと教えているようなものだと気づくのに五秒かかった。
まさか見られていたとは、と臍を噛んだ。
ビートライダーズの活動地区には基本的に光実の通う学校の生徒は近寄らないため油断していた。
学生が寄り付かない理由の一つは非合法組織の存在なのだが、最近になって現れたとある緑色の正義の戦士によって彼らの多くが駆逐された。
みくがビートライダーズのステージに訪れたのもその戦士、つまりアーマードライダー龍玄にあやかってのことだ。
要するに、全ては光実自身の身から出た錆である。

「……ちょっと場所を変えようか。ここで話すと目立つしね」
「あっ……はい」

半ば有無を言わさぬような声音で移動を促す光実に思わず従ってしまった。
彼について行った先にあったのは落ち着いた雰囲気のカフェテリアだった。どうやら先にカウンターで注文を済ませる形式のようだ。
学生のみくにとっては手が出ないとは言わないまでも財布に結構なダメージが来る高級店だ。

「いいよ、奢るから。何でも好きなものを頼んでよ」
「え、えっと……じゃあカフェラテとサンドイッチで……」

しかし光実にとっては全く問題ない程度の出費だったらしく、自分の注文も含めてポンと金を出してしまった。
御曹司の金回りの良さに感嘆しつつ、やはり聞くべきではないことを聞いてしまったのではないかと後悔が押し寄せてくる。

(うぅ…やっぱり怒ってるかにゃあ……)
(こいつは絶対にここで口止めしておかないと……)

光実がダンスのことを口外していないであろうことはみくにも想像はついていた。
もし誰かに話していたら噂の一つには昇っていないとおかしいのだから。
それでも、みくにはどうしても光実に言いたいことがあったのだ。
光実もまたチーム鎧武の一員であることを知られた以上みくを放置する気はなかった。
あまり手荒な手段に訴えたくはないが何としても口外しないよう釘を刺しておかなければなるまい。






カフェの食事は日本人であるみくの口にも合う繊細で上質なものだった。
この店はユグドラシルの傘下にある店で日本人の利用者も数多いため、そうした客層に合わせた味付けのメニューが豊富に揃えられていた。
アメリカナイズされた大味な食事に辟易しつつあったみくにとっては懐かしいとすら思える日本人向けの味だった。
光実は既に家で朝食を摂った後なのでコーヒー一杯だけを頼んでいた。


「…それで前川さん、さっきの話のことだけど」
「あっ、は、はい!わかってます!誰にも喋ったりしません!
ただみ…じゃなくて、私、どうしても先輩に伝えたいことと、聞きたいことがあったんです!」

少々オーバー気味の仕草で必死に光実に害意が無いことを示す。
さすがに優等生で通っている異性の上級生に対して普段の一人称を使うのは気恥ずかしく感じられた。
一度深呼吸してから意を決し、強く光実を見据えた。




「昨日、先輩が鎧武の人たちと踊ってるのを見て、すごいって思ったんです」
「………え?それは、どうして?」

光実はよほど虚を突かれたのか困惑気味に聞いてきた。
実際光実にとっては完全な想定外といえる感想だった。
ユグドラシルの御曹司、呉島光実としてはビートライダーズに所属しているという事実は恥だという考えが常にあったからだ。
だから元の世界でもこの世界でも誰にも知られぬよう二つの顔を使い分けてきた。いや、龍玄としての仮面を含めれば三つか。
ともかく呉島の次男としての光実を知る人間からダンスチームに所属していることを賞賛されるということは彼の人生で一度もないことだった。

「みk…私はこの街が怖くて、住んでいてもあんまり好きになれなかった。
でも昨日遠出した時にチーム鎧武の人たちと先輩が踊ってるのが見えたんです」



――――――みんな、楽しんでるぅー!?


――――――ここからは俺達、チーム鎧武のステージだ!!



生命力に溢れた女性と元気な男性が中心になっているらしいチーム鎧武のダンスは沈んでいたみくの心に光を灯した。
キラキラとした照明も丁寧にセットされたステージもないけれど、踊っている彼らはどこまでも輝いて見えた。
この荒んだ世界でそれでも自由を謳い、“自分たちはここにいる”と誰よりも高らかに示していた。
そしてその中には同じ学校に通う光実の姿もあった。学校という同じコミュニティにいる人間がステージに立っていたのはこの上ない衝撃だった。

「学校とか通学路とか、普段過ごしてるところから一歩外に出たらそこは地獄みたいに怖い世界が広がってる。
それでも自分から安全な世界を飛び出していって自分の道を歩いていけるって、とってもすごいことだと思います。
だから教えてほしいんです。先輩はどうしてこの街で踊ろうって思ったんですか?」


あまりにも純粋な瞳で直球に問うてくるみくにどうしてか困惑してしまう。
普段は大人が相手でも上手く回る口がどうしても回ってくれない。
調子を崩された光実は思わず彼らしくなく本音を語ってしまっていた。

「………まあ、その、窮屈だったから、かな。呉島の家に生まれたってだけで将来が決められてるようなものだから。
家族が敷いたレールからどうにかして外れてみたかったんだ。ダンスはそのための手段だっただけだよ」

人間は大抵の場合他人から褒められれば悪い気はしない生き物だ。
特に呉島光実という少年は歳相応以上の承認欲求の持ち主でもあった。当人は自覚などしていないが。
だからこうして直球に賞賛されると普段被っている優等生の仮面がずれてしまう。

「え?でも確か先輩の家ってユグドラシルに務めてるお兄さんがいるって…」
「確かに家を継ぐのは兄さんだけど、僕もユグドラシルで兄さんを支える仕事に就くように将来設計されてるんだ。
そういうのは嫌だから、本当の自分を出せるところに行ったんだ。別にプロのダンサーになろうとかそこまで考えてるわけじゃないよ」

そうだ。全ては楽しくも充実したあの日に帰るために。聖杯でそれを為すために光実はここにいる。
時間を操るサーヴァントがいるなら過去の改変と時間の遡行程度どうとでもなるはずだ。
ヘルヘイムだろうとオーバーロードだろうと実の兄だろうと誰にも邪魔はさせない。

「前川さんも何か悩んでいるみたいだけど、少なくともただじっとしているだけじゃ何も良くならないと思うよ。
本当に欲しいものがあるなら自分で動いて勝ち取らないと何も手に入らないし何も守れない。
覚悟を決めて動かない限り、何も変わらないでずっと弱い自分が残るだけなんだ。だから僕は……」

そこまで言ってからふと我に返った。
いつの間にか妙なことまで語ってしまっているのではないか?

(くそっ、今日の僕はどうかしてるぞ!何で大して面識もない下級生相手にこんなに長々と自分のことを話してるんだ!?疲れてるのか?)

みくを見れば、ポカンとした様子で僅かに口を開けている。
当然だ。親しくもない上級生からいきなり説教じみたことを言われれば誰だってこうなる。
光実は慌てて「今の話は忘れてくれ」と言おうとした。だがみくに機先を制された。

「…先輩って熱い人だったんですね」
「……え?」
「あ、ごめんなさい。学校での先輩って誰とも話さない無口な人ってイメージだったから…。
でもそうですよね。自分の弱いところから逃げてても何も変わらない……。何も出来なくても、せめて向き合わなきゃ……」

妙な勘違いをされた挙句自分の世界に入ってしまったようだ。
しかし真剣そのものであることは見て取れるので声を掛けるのも憚られる。
しばらくして鞄を持って勢いよく立ち上がった。

「先輩、みく帰ります!お食事と相談、どっちもありがとうございました!」
「う、うん。あ、僕がビートライダーズにいることは……」
「はい、内緒ですよね!すいません、失礼します!」

何やら慌てた様子で駆けだしていってしまった。
ただこちらが悪印象を与えてしまったわけではないらしく、むしろ意図せず彼女の悩み事の解決に貢献したように思える。

「まあ元気になったなら良いか」

呉島光実という少年は自分のコミュニティの外にいる人間に対してひどく冷淡である。
しかしその一方、コミュニティ内の人間や自分の価値を認めてくれた者には寛容でもある。
「元気になったなら良い」という言葉が口をついて出る程度には光実は前川みくに好感を持っていた。

『マスター、今大丈夫かしら?』

自分も店を出ようとした時、アーチャーから念話が届いた。
念話が可能ということは彼女は比較的近くにいるのだろう。

『どうしたの?マスターかサーヴァントでも見つけた?』
『そういうわけではないのだけれど…そのカフェの近くに奇妙な植物があるわ。
路地裏を中心に繁殖してて、紫色に近い果実のようなものまで生ってる。正体はわからないけど注意しておいて』
『……何だって?』




前川みくは来た道を引き返し家路へと急いでいた。
今すぐにでもアーチャー、ジャスティスに会って話をしたかった。

(みくに何ができるかなんて全然わからないし、もしかしたら本当に何もできないのかもしれないけど…やっぱりこのままじゃ駄目…!
先輩の言う通り、ちゃんと動かなきゃちっとも変わらないし良いことなんて何もない!)

呉島光実と話してわかったことがある。いや、再認識したと言うべきだろうか。
一度向かい合って話してみなければ相手の人となりはわからない。みくはまだジャスティスのことをほとんど何も知らない。
マスターとしての心構えや聖杯戦争での戦略云々はわからない。何か現状を打開する策が見えたわけでもない。
それでも、光実のおかげで今為すべきことがわかった。まずはみく自身のことを知ってもらい、みくもジャスティスのことを知るのだ。
そうして初めて前川みくは聖杯戦争というものに向き合ったことになる。



「え……?」

だがこの世界は少女のささやかな願いを容易に果たさせるほど優しくはない。
みくの前に突如現れたヒトガタ。だがそれが人間ではないことは明らかだった。
金色の頭部に緑色の胴体に白い下半身。何よりも右腕に生える見るからに鋭利で重厚な鉤爪。
ヘキジャインベス。ビートライダーズの一員、初瀬亮二がヘルヘイムの実を食べて変貌したインベスと同一の個体がみくの前にいた。


【UPTOWN SOUTH PT/1日目 午前】

【前川みく@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]健康、恐怖で混乱
[令呪]残り三画
[装備]私服、眼鏡、鞄
[所持金]五千程度
[思考・状況]
基本:死にたくない、誰も殺したくない
0 何なの、あれ……!?
[備考]
※呉島光実がマスターだと気づいていません
※恐怖以外の思考が吹き飛んでいます



【呉島光実@仮面ライダー鎧武】
[状態]健康、精神的疲労(小)
[令呪]残り三画
[装備]私服
[道具]鞄、戦極ドライバー、ゲネシスドライバー、各種ロックシード
[所持金]現金十万程、クレジットカード(ゴールド)
[思考・状況]
基本:無駄な戦闘は避けつつ聖杯を狙う
0 奇妙な果実に植物…まさか……!?
1 前川みくを口止めできたかが少々心配
2 アーチャーが弱すぎて頭が痛い
3 兄さんはマスターなのか?
[備考]
※所持ロックシードの内訳は以下の通りです
ブドウ、キウイ、メロンエナジー、ローズアタッカー

※前川みくがマスターだと気づいていません
※ヘルヘイムの植物の存在に気づきました
※呉島貴虎がマスターではないかと疑っていますが確証は掴めていません。もしマスターであった場合殺すのは最後にするべきと考えています
※聖杯は時間の操作や平行世界への干渉も可能だと考えています


【アーチャー(暁美ほむら)@劇場版魔法少女まどか☆マギカ~叛逆の物語~】
[状態]健康
[装備]魔法少女の服、双眼鏡
[所持金]光実に依存
[思考・状況]
基本:今のところは光実の采配に従う
1 あの植物と果実…何かしら?
2 引き続き周辺を警戒する
[備考]
※呉島貴虎がマスターではないかと疑っていますが確証は掴めていません










キャスターはいつものように使い魔で監視網を広げ陣地の形成やヘルヘイムの果実の解析を進めていく。
勝つための策を推し進めながら、しかし彼女の脳裏には先ほど仕事に戻った貴虎の言葉が焼き付いて離れなかった。



―――私は元々ヘルヘイムの森の侵略から人類を守る計画に携わっていた。もっともその実態はノアの方舟のようなものだったがな。

プロジェクト・アーク。ヘルヘイムに侵略された環境下でも人類が生き残り文明を残すための計画。
そのために開発されたのが生物をインベスに変貌させる猛毒の果実を無害なロックシードに変換するベルト・戦極ドライバー。
ロックシードをセットした戦極ドライバーを装着することで生存に必要な栄養を賄い人はヘルヘイム環境下でも生存することができる。
だが製造にかかる時間や必要なレアメタル等の関係上量産できるドライバーの上限は十億だけ。つまり救える人類は十億人。
残る六十億の人間がヘルヘイムの森に取り込まれれば早々にインベスと化し救われた十億人に牙を剥くのは自明の理。
故にユグドラシルは六十億の人類を世界から間引くこととし、貴虎はその計画の責任者に任ぜられた。




―――私は同期入社した友人や同僚たちと共にプロジェクトアークを推し進めていた。だが彼らは人類を救うつもりはなかったようだ。

戦極ドライバー、そして次世代型のゲネシスドライバーを開発した男、戦極凌馬は私欲のために貴虎を裏切り抹殺を図った。
彼は森を操り侵略を止めるも進めるも自在な力を持つ超越生命体・オーバーロードの存在を事前に知っていた。
そして自らがその力を手にするために貴虎の権力を利用しオーバーロードの存在を知られるや貴虎の排除に乗り出した。
だがその直後からオーバーロードが本格的に地球への侵攻を開始。劣勢となるや凌馬は逃走し沢芽市から姿を消した。



―――そして、弟の光実は圧倒的な力を持つオーバーロードの軍門に下り、人類を裏切った。
私がこの街に招かれたのはちょうどあいつと決着を着けようとしていた時だった。

そんな中、光実は貴虎が落としたゲネシスドライバーを悪用し仲間であったはずの葛葉紘汰抹殺に乗り出し挙句の果てにオーバーロードに与した。
全ては光実を追い詰め正しく導いてやれなかった自分の責任だと貴虎は言い切った。
正しさ、責任、呉島の男としての誇り。押しつけに等しい教育方針が光実に多大なストレスを与えたのだろうと。



―――いつも騙され、利用されるばかりの馬鹿な兄の背中を見てあいつはこう思ったのだろう。
自分はああはなるまい、騙されるぐらいなら騙す方が良い。裏切られるぐらいなら裏切る側に立つ方が良いと……。

きょうだい殺し。生前キャスターが女神の呪いによって犯した過ち。
それがこのゴッサムで彼女のマスターとその弟によって繰り返されようとしている。
一方的な殺人と骨肉の殺し合いという違いはあるが。



―――まあ、つまり君を召喚したマスターとはそういう男なんだ。
マスターとして不甲斐ない身であることは承知しているが、どうか聖杯を手にするまで力を貸してほしい。

呉島貴虎はこれほど手酷い裏切りを受けても尚人類を救うために聖杯を求めるのだという。
それがキャスターには解せなかった。そして問わずにはいられなかった。




―――マスター、貴方は復讐を果たそうとは思わなかったのですか?
聖杯を以ってすれば貴方を裏切り追い落とした者どもに鉄槌を下すことなど造作もないことでしょう。

人々の都合で祭り上げられ利用され、裏切られたならばその相手に対して憎しみを抱かなければ嘘だ。
少なくとも英霊メディアは魔女の役割を求め押しつけた人間への復讐を誓った。
そして貴虎の半生はメディアのそれと似通っている。ならば彼には自身を裏切った者に復讐する権利があるはずだ。
だが。



―――確かに凌馬たちへの怒りが全く無いといえば嘘になる。
だが私個人の恨み辛みよりも今滅亡に瀕している人類を救う方が先決というだけだ。凌馬とは元の世界に戻った後決着を着けるつもりだ。

貴虎はあくまでも人類救済のために聖杯を使うことを曲げない。その過程で実の弟と対立することになろうとも。
馬鹿げているとしか思えない、度し難いまでの無欲さだ。



―――それに、今でも信じている父の教えがある。
ノブレス・オブリージュ。高貴なる者の義務のことだ。
人より多くのものを貰って生まれた私には力なき人々を守る責務がある。
だが今にしてみれば、それ以外の生き方を学ばなかっただけなのかもしれない……。



「…………」

つくづく愚かな男だ、とキャスターは思う。
例え聖杯を手に入れ人類を救えたとて人々はそれで満足しない。ヘルヘイムの侵略という惨事が起きた責任を誰かへと押しつける。
貴虎が不満を溜めこんだ人間達の悪意の受け皿として利用される可能性は十分に有り得ることだ。
もしそうならずともあの性格だ、また誰かに体よく利用されるのは目に見えている。
なら放っておけばいい。弟と殺し合いを演じようが誰に騙されようが素知らぬふりをしていればいい。
この身はキャスター。マスターを失ったとしても二日は存命できる。その間に新たなマスターを探せばいいだけのこと。

なら何故あの男に魔力避けの道具など手渡した?
何故抗魔力を持たないあの男を傀儡にして支配しない?
何故―――あの男の愚かしくも実直な生き方から目を逸らしきることができない?

「今はまだあの男に死なれては困る。支配すればあの男の戦士としての能力を損なうかもしれない。そう、それだけよ……」







「キャスターには頭が下がる思いだな」

キャスターから受け取った魔力避けのアミュレットを握りながら彼女が自分のサーヴァントであったことに感謝する。
これで魔術を操る他のキャスター相手にも多少は自衛できるだろう。他のクラスのサーヴァントではこうはいかない。
戦闘には役割分担というものがある。優れた魔術師なら確かにセイバーを引いた方が互いの持ち味を生かせるだろう。
しかし戦士としての能力しか持ち合わせない貴虎にはキャスターの方が合う。心底から彼女がサーヴァントで良かったと思う。
だが今は別の問題もある。

「光実………」

今も聖杯を獲るために動いているであろう弟のことを考えると胸が痛む。
ヘルヘイムさえ根絶できれば敵対することもなくなると思っていたが儚い願望に過ぎなかったらしい。
元より光実との決着は兄である貴虎が着けなければならなかったこと。その舞台が沢芽からゴッサムに移っただけだ。

想像する。斬月に変身した自分と斬月・真に変身した光実が切り結び殺し合う姿を。
ソニックアローをいなし、的確に斬月・真に斬撃を加えていく自分を想像する。
自惚れではなく既存のロックシードやアームズウェポンを知り尽くしている貴虎なら十分可能な芸当だ。
そして必殺技を起動し斬月・真に迫る自分を想像する。だが。

―――斬月・真を、光実を打ち倒して最後に立っている自分を思い描くことだけはどうしてもできなかった。



【MIDTOWN COLUMBIA PT/1日目 午前】
【呉島貴虎@仮面ライダー鎧武】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]黒のスーツ、魔力避けのアミュレット
[道具]黒いコート、戦極ドライバー、各種ロックシード
[所持金]現金十五万程、クレジットカード(ゴールド)
[思考・状況]
基本:慎重に立ち回りながら聖杯戦争を勝ち抜く
1 光実……………
2 グラスホッパーと武装勢力(志々雄真実の一派)の争いを静観し、マスターやサーヴァントの情報を手に入れる
3 自分がマスターであることとキャスターがユグドラシルに潜んでいることを極力知られないようにする
4 準備が十分に整ったら打って出る。その際は斬月に変身して正体を隠す。
5 できるだけ市民(NPC)に無用な犠牲を出したくはないが……
6 今後自宅に帰るべきか、帰らないべきか……
[備考]
※所持ロックシードの内訳は以下の通りです
メロン、ヒマワリ×4、マツボックリ

※キャスター(メディア)の魔術によって肉体及び斬月の機能を強化できます。
強化魔術が働いている間はサーヴァントにダメージを与えることができます
※ユグドラシル・コーポレーションの情報網から聖杯戦争に関係する情報を集めています
※グラスホッパーの内部にマスター、サーヴァントがいると考えています
※武装勢力の頭領(志々雄真実)がマスターであることを把握しました
※呉島光実がマスターであることを把握しました
※ヘルヘイムの森及びインベスの存在を認知しています。これについては聖杯が意図的にヘルヘイムを再現したのではないかと考察しています
※魔力避けのアミュレットはDランクの対魔力に相当する効果を得られます


【キャスター(メディア)@Fate/stay night】
[状態]健康
[装備]ローブ
[道具]ヘルヘイムの果実×4、杖、ルールブレイカー
[所持金]貴虎に依存
[思考・状況]
基本:聖杯を手に入れ、受肉を果たし故郷に帰る
1 今は貴虎の采配に従う
2 陣地の構築や監視網の形成、ヘルヘイムの果実の解析を進める
3 状況次第では貴虎を見限る………?
[備考]
※ユグドラシル・コーポレーションの地下区画に陣地を形成しています。
今はまだ陣地の段階ですが時間経過で神殿にランクアップします
※陣地の存在を隠蔽する魔術が何重にも敷かれています。
よほど感知能力に優れたサーヴァントでない限り発見は困難でしょう
※現在ヘルヘイムの果実の解析を行っています。
解析に成功すれば果実が内包する魔力を無害な形で直接抽出できるようになります。
※ユグドラシル・コーポレーションの支社長をはじめとした役員、及び地下区画に出入りする可能性のある社員、職員に暗示をかけ支配下に置いています
※使い魔による監視網を構築中です。
現在はユグドラシル・コーポレーションを中心としたゴッサムシティ全体の半分程度ですが時間経過で監視網は広がります
※グラスホッパー、武装勢力(志々雄真実の一派)、呉島光実以外のマスター、サーヴァントに関わる情報を持っているかは後の書き手さんにお任せします
※魔力避けのアミュレットを貴虎に渡しました。
時間をかければより高品質な魔術礼装を作成できます。



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000:Lights,Camera,Action! 呉島光実 012:EGOISTIC HERO
アーチャー(暁美ほむら)
000:Lights,Camera,Action! 呉島貴虎 017:魔術師と科学者
キャスター(メディア)
000:Lights,Camera,Action! 前川みく 012:EGOISTIC HERO

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最終更新:2015年09月21日 14:57