午前の仕事をこなし、一息つく。
監督役の通達で明らかになった3騎の脱落者。
キャスターに関しては早朝にランサーと話した通り麻薬を打っていた女性の事であろう。
セイバーとアーチャーに関してもそれらしき事件の調書は発見できた。

一つ目はミッドタウンで起きた爆発事故。
周囲に被害がないにもかかわらず、焼死した人の群れ。
ところどころに破壊された後もあった事から爆発事故として処理をされたそうだが、事故として片づけるにはあまりに不可解な状況はこれがサーヴァントの仕業であると推察できる。
二つ目はアップタウン港湾地帯で起きた殺人事件。
見つかったのは首を切断された少年と広範囲にわたって破損したコンテナ、そして何かが焼け焦げたような跡。
他にも複数の事件はあったが、大規模な破壊の跡や不可思議な痕跡のある事件としてはこの二つが際立っていた。

(どちらの事件にも炎、あるいは高熱を帯びた何かが関わっているように思えるが、どう思うランサー)
『同一のサーヴァントによる事件、そう考えてらっしゃると?』
(可能性としてはありえる。犯行は別日、現場もそこまで遠くはない)
『ふむ、それにしては港の事件の青年の遺体、こちらが気になりますね』

ランサーの声に促され調書に再度目を通す。
首を切断された殺害された青年と、表向きは爆発事故の犠牲になったとされる焼死体達。

(何故この青年だけ焼死していないのか、そういう事かな)
『ご名答、恐らく爆発事故の方はセイバーかアーチャー、どちらかのマスターも含めて焼死したのでしょう。他に死体はありませんから』
(なのにこの青年は焼死ではなく首を切断されて死んでいる。それが気になると)
『無論、広範囲の人間を焼死させるのに比べて人一人を殺害するのに焼死に使う魔力の無駄と考え消費を抑えた、といった見方もできますので断定は出来ませんがね
加えて、こちらの港の事件の調書を見るに二か所で戦闘が行われたらしき形跡もあります。ともすれば、こちらの下手人はサーヴァントではない可能性も考慮すべきかと』
(……それは厄介だな)

本来は魔術師なる人種によって行われるという聖杯戦争。
オカルトめいたものを信じるのは非常に癪ではあるが、現にその存在を目撃し、かつ巻き込まれている現状、そういったものが存在すると認めざるをえない。
問題はそんな超常めいた力を用いる人種を相手に一般人でしかない私が相対したところで打つ手がないという事だ。

(結局わかった事といえば何かを発火させる能力を持った主従がいる、という事くらいか)
『本格的に事が始まる前に尻尾を掴ませる主従というものの方が少ないですからね。
彼らが発見され事により脱落したのか、それとも返り討ちにされたのかはわかりませんが、詰めが甘かったかあるいは運が悪かったのでしょう』

ランサーの嘆息交じりの声を聴きながら調書をしまう。
……港の事件の被害者はまだ若い少年だった。
そして、爆発事故の中で唯一の少女の遺体、確証はない、確証はないのだが彼女がマスターであるという疑念はぬぐいきれなかった。
想像したくもないが、私よりも若い命が既にこの地で命を散らしたと考えると、やりきれない思いが胸にこみ上げる。

『思いつめた顔をしていますよ』

ランサーの言葉にハッと我に返る。
どうやら顔に出てしまっていたらしい。

(改めて、この戦争が度し難い、そう思っただけだ)
『ならばその思いはこれを開催したものを暴いた時に、真実に辿り着き黒幕に出会った時にぶつけるまでとっておきなさい』
(……そうだな、そうすべきなのだろう)

最後に、自分がいま関わっている調書を確認しなおし、しまってから席を立ち、部屋を出る。
マローニというマフィアの関与したこの案件もほぼチェックに手がかかった状態となった。
物理的な妨害に遭うこと数回、聖杯戦争とは関係のない事柄で命を狙われるとは思いもよらなかったが、ランサーの手を借りることなく、よくここまで漕ぎ着ける事ができたというものだ。

「やあ、ミツルギ。これからランチかい?」

不意に声がかけられた方向を見ると、見知った顔、この場所での同僚の一人がいた。
ハーヴェイ・デント氏。
私が来るまでは冥と人気を二分していたゴッサムを代表する検事だ。
古くからこの街で辣腕を振るう人当たりのいい好人物であり、この検事局の先輩格でも最も信頼できる人物ならば、私もこの男を挙げるだろう。

「ええ、そのつもりです。デント検事」
「そうか、私もちょうどランチに行こうと思っていたところだが……」

チン、と軽い金属音と共に、デント氏が片手に持っていたコインを弾く。
宙を舞い落下するコインは吸い込まれる様にデント氏の手の甲へと落ち、軽く乾いた音を響かせながら、空いた手のひらとでサンドされる。
手のひらをデント氏がゆっくりと開く、手の甲に置かれたコインは傷のついた表を示していた。

「ふむ、今日はランチをご一緒しない方が良さそうだ」

些か残念そうな口振りでデント氏はコインをしまう。
迷った時にはコイントスで決めるという彼の一風変わった癖だ。
それを裁判の時にもパフォーマンスめいて行う点については閉口をするが、まあ、裁判長や弁護側に鞭を振るうよりかは幾分マシかもしれない。
私も冥も彼からは気に入られている。
どうやらこの街で私達の様な、所謂何があっても悪党に屈さない人種は貴重な存在らしい。
この街の警察は腐敗している。が、検事とてそれは同様だ。
金、薬、女、ありとあらゆる汚職の種は検事局にも蔓延っている。
そして、それでも骨抜きにされないのであれば暴力の行使。
この様な環境ではまともな検事など育たなくて当然だ。
現にデント氏もかつての公判で硫酸入りのカプセルを投げつけられ、危うく顔の左半分が焼けただれるところだったのだという。
警察にいる友人とやらの助けもあったとはいえ、それでも毅然と模範的な検事であることを貫いている様は、例えNPCであったとしても同業として敬意を覚える。

「それは残念です。よろしければまた次の機会に」
「ああ、そうするよ。今度はメイも誘って皆で私の家で夕食でもとろう。ギルダも君達が来ると言えばいつもより腕を振るってくれるだろうからね」

手を振り、別れを告げるデント氏を見送ってから外へ出る。
今日の昼食は手頃な値段の軽食で済ませる事にした。
気分を変えて普段は入らない様な店に入る。
店の中に入るとマライア・キャリーのクリスマスソングが耳に飛び込んできた。
12月も下旬という時期に設定されたこの架空の町ではどこでもクリスマス一色だ。
カウンターに座ってクラムチャウダーとクラブハウスサンド、食後に紅茶を注文する。
窓からは見える街並みは晴れ晴れとした太陽の光を受けているにも関わらず、数日前に比べて人波や活気に乏しい、それは見えない恐怖に襲われつづけ不安に怯えるゴッサム市民の心情を表しているかに思えた。
チリン、と店の扉に備え付けられた、来客を知らせるベルが鳴る。
隣に人の座る気配を感じ、横目でチラリと見やると、前髪に白いメッシュの入った青年が座っていた。
彼もまた、クラムチャウダーとクラブハウスサンドを注文する。飲み物は私と違いホットのコーヒーを頼んでいたが。

「はい、クラムチャウダーとクラブハウスサンド」

店員が食事を持ってきた、が、そこで目が止まる。
たっぷりのレタスとローストしたチキンとトマトを挟み込み、ピンで止められたクラブハウスサンド、それはいい。
だが、問題はクラムチャウダーだ。
赤い、とにかく赤い色をしている。
クラムチャウダーといえば牛乳がベースの白いスープの筈、確かに貝の身は入ってるが、これは別物ではないだろうか。
しかし、さっきの店員は間違いなく"クラムチャウダー"と口にしていた。ならば同名の料理という可能性もある。

『どうかしましたか、料理になにか?』
(う、うム、いや、なんでもない)

不審げな調子のランサーの念話での問いに生返事で返す。
この町の一般的な知識に関しては、聖杯戦争の参加者として呼び出された際にどういう原理か頭に刷り込まれたが、たった一杯のスープ料理の知識までは生憎とフォローはされていない。
ここは物を知らない人間と思われようが、店員に確認をすべきだろうか……。

「そいつはマンハッタン風のクラムチャウダーさ、牛乳の代わりにトマトとコンソメで煮込んである」

不意に小声で声をかけられた。
私の困惑を見透かしたかのような言葉にギョッとして声が聞こえた方向を見る。
声の主は先程の青年。口許には笑みが浮かんでいた。

「失礼、ミスター。どうもそいつを見て難しい顔をしてるから、もしかしてと思ってね。もしも別の事でお悩みだったんなら謝るよ」
「ム、これはすまない。ご教授感謝する」

バツが悪い。
ランサーの鼻で笑う音が聞こえた。
念話でもしなければ聞こえないものをわざわざ聞かせてくるあたり、我がサーヴァントながらなかなかいい性格をしている。
店員が私の席の後ろを通る、私に話しかけてきた青年の注文も来たらしい。
気を取り直して食事に向きなおる。
クラブハウスサンドを一口。
しっとりしたパンにしみ込んだソースとマヨネーズ、そして肉のうま味と野菜の瑞々しさが口の中に広がる。
シャキシャキしたレタスの触感も楽しみながら嚥下し、件のマンハッタン風というクラムチャウダーにスプーンを持った手を伸ばし、掬い上げる。
出来立てでほかほかと湯気をたてるそれを、恐る恐る口に運ぶ。

「……ほう」

今まで口にしてきたクラムチャウダーとは別物の味である。
が、いい意味で予想を裏切る味だった。
コンソメの上品な味わいをさっぱりとしたトマトの酸味がまとめたスープ。
そのスープによって煮込まれた二枚貝は噛みしめる度に魚介のうま味をプラスする。
サンドを一口、スープを一口のローテーションが出来上がっていく。
気付けばすべてが胃袋に収まっていた。
初めて入った店ではあったが、どうやら当たりを引いたらしい。
もっとも、今飲んでいる紅茶に関してだけは、自宅で淹れたものに比べて断然劣るものではあるが。

「初めてのチャウダーは口に合ったかい、ミスター」

紅茶を飲み、一息ついているところに先ほどの青年が再び話しかけてきた。
どうやらあちらも食事は終わったらしい。

「ああ、こういったものもあるのかと新しい発見をさせてもらった。
まだこちらに来てからは日が浅い身でね、食文化についてはさっぱりなところがあったから助かったよ」
「ハハ、検事先生にも知らない事があるって事か」

親切にも教えてくれた人間との会話を無下にあしらうのも悪いと思い返答する。
が、彼の発言を聞き自身の顔が強張ったのを感じた。

「失礼、私は君に自分が何者であるかを名乗ったか、あるいはどこかで出会った事があるだろうか」
「いや、初対面だし、名乗ってもらってもいないな」
「……では、何故私が"検事であること"を知っているのか、答えていただきたいものだが」

視線が鋭くなり、緊張が高まっていく。
会ってすぐの人間に自身が検事であるなどと言われた経験は滅多にない。
そして、私の態度が変わったというのに、青年はその笑みを変える様子はない。

(ランサー)
『特にサーヴァントの反応は感じられません、が油断は禁物かと。隠密に長けたサーヴァントもいますので』
(アサシン、暗殺者のサーヴァントか。いつでも実体化できる準備をしてくれ)
『承知しました』

ランサーの声にも緊張の音が籠っていた。
考える事は一緒らしい。

「すまんねミスター、変に警戒させちまったようだが、その気はなかったんだ。ただね、あんたはあんたが思っている以上に"有名人"なのさ」

青年がおどけた調子で両手を掲げ、手のひらを見せる。
それは私たちに危害を加えないという証明なのだろう。

「"ハーヴェイ・デント""メイ・カルマ"に続いてやってきた法曹界の正義の剣<<ソード・オブ・ジャスティス>>、"レイジ・ミツルギ"大層な名前で呼ばれたもんだな、あんたも」

正義の剣<<ソード・オブ・ジャスティス>>、私の御剣という苗字にあやかって一部のマスコミがつけているあだ名のようなものだ。
紙面で書かれた時は冥を含む検事局の面々にからかわれたものだが。

「とりあえず、新聞に取り上げられるような男がだ、そんな目立つ服装で街中を歩いてりゃわかる奴にはわかっちまうって訳さ。
気をつけた方がいいぜ、あんたらを鬱陶しがってるゴロツキどもなんて山ほどいるんだからな」

くくっ、とひきつった笑い声を上げながら、青年はそう続けた。

「……忠告はありがたく受け取っておこう。それで何か用件でもあるのではないかね」
「まさか、俺はただ昼飯を食いに来たら見たことある有名人がいたから、興味半分であんたの横に座っただけさ。
ああ、"法曹界の正義の剣<<ソード・オブ・ジャスティス>>はマンハッタン風のクラムチャウダーを知らなかった"って教えてやれば、
カストリ雑誌の記者どもあたりが喜んでくれるだろうから予定外の収穫はあったがね」
「冗談でもやめてもらおう」

そんな記事を書かれたら冥に何と言われるか分かったものではない。鞭の2,3発も覚悟せねばならないだろう。

「ま、という訳で別にやりあう気なんてないのさ、ミスター。気を悪くしたって言うならすまなかったな、謝るぜ」
「ム、いや、こちらも少々過敏になり過ぎていたようだ。すまなかった」

青年の砕けた物言いにつられた事もあり、一旦警戒心を和らげる。
とはいえ万が一もありうる故にランサーには警戒態勢を維持してもらう。

「あんたから見て、この街はどう思うミスター。まあガキの時分から住んでる俺にしたってここがいいところとは口が裂けても言えんがね」

唐突な青年の質問。
その言葉から青年が地元の人間であるという事が読み取れた。
どう返すべきかと思考を巡らす。

「ここまで犯罪が横行している街、というのは初めて見たな」
「ははっ! きっぱりと言ってくれるじゃないか」

青年が口を開けて笑う。
少なくとも私の返答は彼にとってお気に召すものだったらしい。

「だがそうさミスター、この街は犯罪だらけ、警察も検事も裁判官も揃ってグルなくそったれの街なのさ。どんな悪事だってこの街の闇が隠しちまう」
「しかし、そんな中でも法と秩序の元、その闇を晴らそうと努力している人間達もいる」
「そいつらだって、切欠さえありゃ転げ落ちるんもんさ、ミスター。清廉潔白な検事様だって些細な事で道を踏み外しちまえば忽ち悪党<<ヴィラン>>、街の闇の仲間入り。
あんたの知り合いにはそんな経験をした奴はいなかったのかい?」

青年の言葉を受けて返答に詰まる。
厳徒海慈。宝月巴。
警察局局長や検事局主席の検事であったが些細な不運から犯罪に手を染めてしまった二人。
決して短くはない検事生活の中で、そんな人間を何度も私は見てきている。
そして私自身、あの事件がなければ何かの間違いでそうなっていた可能性も否定はできない。
我が師であり、父を殺したあの人のように、何かの間違いで罪を犯していた可能性もだ。

「沈黙は肯定って事だぜ、ミスター」
「そうだな、誰だって道を踏み外す可能性はある」

深く息を吸って、吐く。
改めて挑戦的な笑みを浮かべる青年のその目へと、視線を合わせる。

「だとしても、私は彼らの持つ善性を信じていいものだと思う。私たち検事や警察は真実を追求し、その裏に潜む何かを突き止め、明るみに出す事こそが存在意義だ。
少なくとも私は、"真実を追求すること"を諦めようなどとは思わない。例え誰が相手でも、どんな困難が待ち受けていようとも、だ」

視線と視線がぶつかりあい、沈黙が生まれる。

『臨時ニュースです』

沈黙を破ったのは店のテレビから流れたニュース速報だった
ミッドタウンのフォートクリントン地区で起きた大量殺人事件、しかも全員が笑った姿で窒息するという怪死事件だ。

(ランサー)
『わかりません、が。この異常性は疑ってかかるべきかと』
「すまない、悪いが私はこのあたりで……」

ランサーの言葉に内心で相槌を打ち、警察側から要請があった時の為に検事局へ戻る為に、青年に一言告げようとして、私は言葉を止める。
青年は今の放送を呆然とした表情で聞き入っていた。
まさか、一つの疑念が私の中で膨れ上がっていく。

「君は、あの事件についてなにか心当たりがあるのかね」

その言葉で青年はハッと我に返った様子だった。

「そう見えるかい」
「そうとしか見えなかったら尋ねている」

青年は笑みを浮かべて答えるが、その顔には明らかに余裕がなくなっていた。
疑念が確信に変わる。
この男はあの事件に対してなんらかの事柄を知っている……!

「俺が言えるのは忠告だけだ、ミスター。俺の予想が正しいなら、あんたはこの事件に関わるべきじゃない。
あんたみたいなのは食い物にされるだけ、ああいう手合いは俺みたいのに任せて、あんたは行儀のいいマフィアどもで相手にしてな」
「待て!」

そう言って去ろうとする青年を止めようとした時、急に背後か強い力で肩を引き寄せ動きを止められる。
何事かと後ろを見るとランサーの姿、その眼鏡の奥から険しい視線が青年を睨んでいる。
つられて青年へと視線を戻すと私と彼とを分断するように、白髪の青年が立っていた。
サーヴァント、そう認識してパラメーターを確認する。アサシン、暗殺者のクラスのサーヴァントの情報が視覚を通して流れてくる。

「メイって姉ちゃんとどっちかだとは思っていたが、あんたがマスターだったとはね、ミスター」
「君も、マスターだったのか」

その問いには答えず、青年は困惑する店員に金を払い、店を後にする。
バイクのエンジン音が響くのと同時に彼のサーヴァントがその姿をかき消す。
つまりはここから離れたという事なのだろう。
ここにいては怪しまれると思い、私も代金を払ってその店を後にする。

「……まんまと逃げられたな」
『そのようですね』

検事局への道を歩きながら思考する。
彼の発言に一つ引っ掛かる事があったのだ。
彼は、私か冥、どちらかがマスターだとあたりをつけていた。
何故私と冥の二人だったのか。
検事であるならば有名どころといえるのは私と冥以外にもデント氏がいる。
何故、青年の中で彼は除外されていたのか。
思考する。
私と冥、デント氏との違い。
一番の違いは活躍の期間だろう。
デント氏は古くからこのゴッサムで活躍している検事だ、それに対して冥と私は時期こそ違えどここで活躍している時期は明らかに短い。
そして、思い返せば、彼はこの街が地元のような発言をしていた。
だが、ここは存在しない架空の街の筈だ。現に私のしるアメリカにはゴッサムシティなどという街は存在しない。
架空の電脳世界において地元のようにふるまう人間と、そこで古くから活躍していたが故にマスターの候補から外されたデント氏。
一つの可能性が頭をよぎる。

(ランサー、一つ確認したい事がある)
『なんでしょうか?』
(私はこのゴッサムという街を架空の街だと認識していた。私の世界にはないものだからな。
だが、その前提はもしかしたら間違っていたのかもしれない。だから君に確認したいのだ。
"ゴッサムシティ"という街はいずれかの世界に確かな街として存在しえるのか?)
『……結論から言うとそれはYESです。聖杯から与えられた知識の中には、この舞台がアメリカ合衆国の中に確かに存在する街をモチーフにしているとありました』

やはりか。
ならば、あの青年が私と冥をマスターの候補と考えた理由にも検討がつく。

(ランサー、あの青年とは恐らく早急に再度接触をすべきだと私は考える)
『ほう、その理由は?』
(彼が本来のゴッサムシティから呼び出された住人だからだ)

ほう、とランサーが興味深げな声を漏らし、言外に続きを促す。

(私と冥が疑われ、デント氏がマスターの嫌疑から外された理由、それは私と彼女が彼の知るゴッサムにとって明らかな異物であるからだ。
それはそうだろう。自分の知る街に自分の知らない人間がいたのであれば、その部外者がマスターである可能性は高い。
そして、先ほどの事件、おそらくあれを起こしたのもゴッサムシティから来た人間か、あの街由来のサーヴァントだ。でなければ彼の反応に説明がつかない。
ゴッサムシティを知る彼ならば、何か有力な情報を持っている可能性がある。だからこそ、彼とは今一度接触をすべきなのだ)
『なるほど、しかしどうするのです? あてなどないでしょう』
(あてならあるさ)

彼が向かったのは間違いなく怪死事件の現場だ。
彼が捨て置けない何かがあの事件の関係者にはある。
ならば、あの事件を調査すれば自然と彼に会える可能性は高くなる筈。
足早に検事局へと向かう。
一筋の光明が見えた気がした。

【MIDTOWN COLOMBIA PT/1日目 午後】

御剣怜侍@逆転裁判シリーズ】
[状態]健康、平常
[令呪]残り三画
[装備]ブラックコート、黒いウェストコート、ワインレッドのスーツ。
[道具]検事バッジ
[所持金]現金が数万程と、クレジットカード
[思考・状況]
基本:やはり聖杯戦争は許し難い。何としてでも止めねば
1. 仕事を放棄してはいられないので、検事としての本分も果たすつもり
2. 青年(レッドフード)と接触し、詳しい話を聞きたい
3.ランサーとは共に行動する事を徹底させる
[備考]
※検事としての権限を利用し、警察の捜査資料を調べ上げました
※内部から身体を破裂させて対象を殺す殺人鬼(デスドレイン)をサーヴァントではないかと疑っています
ヤモト・コキが聖杯戦争の参加者であると認識しています。同盟も組めるかもと思っていますが、立場の問題上厳しい事も自覚しています
※キャスターと思しきサーヴァントとそのマスターを殺した存在(レッドフード&チップ・ザナフ)をサーヴァントと認識しました
※脱落したサーヴァントとの戦闘らしき事件の調書から炎、あるいは熱に関する能力を持ったサーヴァントがいる可能性を認識しました。
※アサシン(チップ・ザナフ)の
※素顔のレッドフードに接触しました、レッドフードが本来のゴッサム住民である可能性に気が付きました。

【ランサー(ジェイド・カーティス)@テイルズオブジアビス】
[状態]健康
[装備]マルクト帝国の士官服
[道具]フォニックランス
[所持金]御剣に依存
[思考・状況]
基本:御剣に従う
1. 他サーヴァントの情報をもっと集められないか
2. 殺人鬼(デスドレイン)が犯行現場に残した黒いタールの残留を調べたい
[備考]
※殺人鬼(デスドレイン)がサーヴァントであると疑っています。犯行現場に残したアンコクトンの残骸を調べれば、確証に変わります
※ヤモト・コキが聖杯戦争の参加者である可能性は非常に高いと認識しています
※キャスターとそのマスターを殺した存在(レッドフード&チップ・ザナフ)が間違いなく聖杯戦争の関係者であると考えています
※脱落したサーヴァントとの戦闘らしき事件の調書から炎、あるいは熱に関する能力を持ったサーヴァントがいる可能性を認識しました。
※アサシン(チップ・ザナフ)と素顔のレッドフードに接触しました、レッドフードが本来のゴッサム住民である可能性に気が付きました。


何でだ。

バイクを走らせながら疑問がぐるぐると脳裏を駆け巡る。
ここで悪党狩りをやって幾日か、あの目立ちたがりの糞野郎は今まで何も痕跡を見せなかった。
それがどうして今になって思い出したかのように現れやがった。

『おい、本当にあの事件の奴がお前の仇なのか?』
(あんな悪趣味な真似するイカレ野郎、他にいる訳がねえだろ)

あのニュースの時に、アサシンには殺したいと願ってる奴がこのゴッサムにいることを伝えた。
サーヴァントとして呼ばれたのか、マスターとして呼ばれたのかはわからない。
だが、どっちだろうと関係なんてない。
奴は、必ずここで殺す。
サーヴァントだったら改めて聖杯を狙う。
マスターだったなら万々歳だ。

『そういやあの検事はどうするんだ』
(ありゃ見るからにお人よしだ、今は敵対する理由はねえさ)

ミツルギとかいう検事は間違いなくこの街じゃあ早死にするタイプの男だった。
多分あれはディックと気が合うタイプだな、俺はあそこまでお利巧さんじゃないから付き合うのは少々疲れそうなタイプだ。
わざわざ敵を増やす真似はしたくねえし、今のところ分かってる敵は二組。
おまけに覆面男とバスターとかいう乱入者ともいい関係とは言えねえし、そこら中敵だらけじゃ動きづらいにも程がある。

気を取り直してバイクのグリップを強くにぎる。

なあ、ブルーシィ。
ここには俺がいて、あいつがいる。
本当にあんたはここにいないのか?
いないと思わせておいて、いざって時に俺を邪魔するのは御免だぜ、あんたはそういう奴だからな。

そういや、ティムやディックはどうしてるのかね。
こっちに来てからは会ってなかったが、まあNPCだったとしても会わない方がいいだろう
……本物のあいつらには、こんなくそったれな所に来ていて欲しくはないしな。

【MIDTOWN COLOMBIA PT/1日目 午後】

【レッドフード@バットマン
[状態]健康
[令呪]残り3画
[装備]オートマチックの拳銃
[道具]拳銃の予備弾薬、その他幾つかの武装
[所持金]5千円程度
[思考・状況]
基本:聖杯にジョーカー殺害を願う。悪党は殺す
1.ジョーカーと思わしき人間が行った事件現場に向かい、ジョーカーの痕跡を調べる
2.白い覆面の男(ロールシャッハ)、バスターに警戒。
3.新興の犯罪組織(志々雄)を潰す。
4.ミツルギ達に対しては今のところ敵対はしない
[備考]
※アサシン(シルバーカラス)バスター(ノノ)の外見、パラメーターを確認しました
※御剣をマスターと認識しました。ランサーの外見、パラメーターを確認しました

チップ=ザナフ@GUILTY GEARシリーズ】
[状態]健康
[装備]ウバステ
[道具]なし
[思考・状況]
基本:マスターに従う
1.ジョーカーと思わしき人間が行った事件現場に向かい、ジョーカーの痕跡を調べる
2.フードの男(シルバーカラス)、バスターに警戒。
[備考]
※アサシン(シルバーカラス)バスター(ノノ)の外見を確認しました
※御剣をマスターと認識しました。ランサーの外見、パラメーターを確認しました




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001:トリックとマジック 御剣怜侍
ランサー(ジェイド・カーティス)
016:Hooded Justice レッドフード 040:BLACK LAGOON
アサシン(チップ=ザナフ)

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最終更新:2016年07月18日 12:22